ペット保険の加入を真剣に考えましょう<後編>

2015.05.22

ペット保険の加入を真剣に考えましょう<後編>

ワンちゃんの健康ケアをする上で大きな助けとなる「ペット保険」について、 前回の記事で詳しく紹介しました。2回目の記事では、ペット保険を提供する保険会社に「少額短期保険」会社も含まれることから、少額短期保険 について補足します。

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ご安心ください! ペット保険も金融庁の監督を受けています

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保険法が改正される前は、ペット保険はほとんどが特定の者を対象とした「根拠法のない共済」として扱われてきました。しかし、根拠法のない共済の中には、マルチ商法的な手法で顧客を集めたり、支払う保険金の備えがなかったりする業者もありました。

そこで、保険加入者保護の観点から平成18年4月1日に保険法が改正されました。「少額短期保険業制度」を導入し、小規模の保険も金融庁の監督下に置かれることになったのです。

これにより、ペット保険を扱う業者は「損害保険会社」と「少額短期保険業者」になりました。


少額短期保険とは何でしょう?

少額短期保険業とは、保険業法の保険業のうち、一定事業規模の範囲内において、少額かつ短期の保険の引き受けのみを行なう事業をいいます。

少額短期保険業を行なう事業者は、本部所在地などの財務局で登録を受ける必要があります。資本金の額または基金の総額・純資産額が政令で定める額に満たない、登録申請書に虚偽の記載があるなどの登録拒否事由がある場合は、登録できません(保険業法272条の4)。

業務内容については保険契約者などを保護する観点から、事業開始にあたって一定の保証金を国家機関である供託所に提出してその管理を委ねる「供託」を行なう必要があります。また、資産運用、保険募集、情報開示について各種のルールを守らなければなりません。

現在は、損害保険会社と少額短期保険業者が扱うペット保険に関しては、安心して加入できるといえるでしょう。


少額短期保険業者と損害保険会社とはどのように違うのでしょう?

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少額短期保険業者も損害保険会社も監督官庁は金融庁ですし、情報開示、募集規制、責任準備金、検査・監督など責任の範囲も同じです。また、保険に加入する顧客も不特定でよく、他の保険会社が販売する保険商品の代理代行業務も認められています。

異なる点として、保険業に参入する条件が損害保険会社は免許制であるのに対し、少額短期保険業者は登録制であることが挙げられます。

免許制が取られている業務は法律上「原則禁止」ですが、例外として一定の条件を備えた者だけが免許を交付された後に業を営めます。
登録制は、登録拒否要件に該当しない限り業を営めるので、登録制よりも免許制のほうが規制は厳しいといえます。

また、最低資本金が損害保険会社は10億円なのに対し、少額短期保険業者は1000万円です。取扱商品も、損害保険会社は無制限ですが、少額短期保険業者は少額、短期、掛捨てに限定されています。

さらに、少額短期保険の保険期間は、2年以内で保険金額は1000万円以内でなければなりません。ゆえに、少額短期保険は、「ミニ保険」とも呼ばれます。


入っているペット保険が万が一破綻したらどうなるのでしょう?

少額短期保険は、保険業法で規定されている保険契約者保護機構の補償対象契約には該当しません。そのため、少額短期保険業者の経営が破綻しても、保険契約者保護機構が行なう資金援助の措置がありません。

このことから、「少額短期保険業者が破綻したら掛け金が無駄になる」と不安に思う方がいらっしゃるかもしれませんが、万が一破綻しても、少額短期保険業者が開業時に供託した供託金が、一定のセーフティネットを果たします。また、金融庁が短期保険業者の資産や保険募集などを監督していますので、破綻の危険はそれほど心配する必要はありません。

それでも気になるという方は、少額短期保険業者のホームページなどに書いてある経営状況などをチェックするといいでしょう。

●あわせて読みたい
ペット保険の加入を真剣に考えましょう<前編>

最近は様々なペット保険が販売されています。ペット保険に入れば診療費が安くなるかも、とペット保険に加入する前に、どんなペット保険が自分に向いているかを確認しておきましょう。
「ペット保険加入」を考える 前編・後編全2回の記事で紹介します。

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石原 美紀子

石原 美紀子

青山学院大学卒業後、出版社勤務を経て独立。犬の訓練をドッグトレーニングサロンで学びながら、愛玩動物飼養管理士1級、ペット栄養管理士の資格を取得。著書に「ドッグ・セレクションベスト200」、「室内犬の気持ちがわかる本」(ともに日本文芸社)、「犬からの素敵な贈りもの」(出版社:インフォレスト) など。愛犬はトイ・プードルとオーストラリアン・ラブラドゥードル。


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