犬が鳥の骨を食べるのは胃に刺さって危険?鶏肉の与え方は?

2017.12.06

犬が鳥の骨を食べるのは胃に刺さって危険?鶏肉の与え方は?

12月といえばクリスマス。クリスマスディナーにチキンを用意する予定の方もいらっしゃると思いますが、まさか、そのチキンを愛犬にも取り分けようと考えていませんか? 愛犬もまぜて一緒に楽しみたいディナーですが、犬と鳥の骨の相性はとても悪く、最悪の場合死に繋がることも。 そこで、今回は犬が鳥の骨を食べて起こり得る症状、嘔吐した時の対処法などをまとめました。

focebookシャア
ツイート

犬は鳥の骨を食べても大丈夫?

Nan 南さん(@daolibaobao)がシェアした投稿


そもそも、どうして犬に鳥の骨をあげてはいけないのでしょうか? 
テーブルにあるチキンを見て目を輝かせる愛犬を見ると、ついついチキンをあげたくなってしまいますよね。
ここでは犬が鳥の骨を食べても大丈夫なのか、それとも死んでしまうほどの危険性があるのかをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

①犬は鳥の骨を食べてはいけない?

栄養価から判断すると、カルシウムなどの無機質が7割を占め、残りがコラーゲンと水で構成されている鳥の骨はできるなら取り入れたい食材です。しかし、加熱することでコラーゲンがなくなり噛み砕きやすくなる半面、砕いた骨の破片が誤食や嘔吐を引き起こす危険があります。

実は、犬に鳥の骨を与えていいのか、それても与えはいけないのかという意見には、まだ正解が見つかっていません。犬が間違って食べた鳥の骨による事故より、犬用のガムで起きた突発的なトラブルの方が目立っているというデータもあります。しかし、まったく危険性がないかといえばNOという答えになります。
愛犬に鳥の骨を与えているオーナーさんは、大きい状態のままでは与えない、大量には食べさせない、菌の死滅させるためにも加熱処理をする、そういったポイントを押さえて調理しているそうです。

②鳥の骨の何がよくないの?

鳥の骨は、生の状態のときは噛み砕いても破片が尖った形状になりません。しかし加熱したものを砕くとタテに割れ、欠片が尖った形になります。尖った骨は胃の粘膜を傷つけ、食道に刺さる危険性だけでなく、腸閉塞を起こし死に至るケースもあります。
鳥の骨を食べた犬がすべて嘔吐や下痢をするか、といえばそうではありませんが、場合によっては死につながるデリケートな問題です。こういったケースがあるということを認識し、愛犬のために何がベターなのかを見極めて選択することも大切です。 

③犬にとって、死を招く危険しかないの?

鳥の骨はコラーゲンに覆われているため固さと弾力があり、噛めば歯磨きとしても役立ってくれるパーフェクトフードです。特に加熱後の骨を細かく噛み砕くと消化しやすくなるといいます。そこに犬の強力な消化能力のパワーが加わり、1~2時間で吸収されていくそうです。
こういったメリットがあるのも事実ですが、死に直面するデメリットがあることも忘れてはいけない事実です。これまで食べてきても愛犬は元気だからこれからも大丈夫という考えではなく、もしかすると次に鳥の骨を愛犬に与えると何かあるかもしれない、そんな考え方も、時には重要なポイントなのではないでしょうか。


犬が鳥の骨を食べてしまった時の対処法は?

骨付きの鳥肉を食卓にのせることはあまりないかもしれませんが、のせる機会があるとすれば特にクリスマスが多いかもしれません。普段と違うシーンでは私たちが気を付けていても、ふと意識をそらした瞬間に過って愛犬が骨を口にしてしまう可能性が高くなります。
そこで、ここからは愛犬が間違えて鳥の骨を食べてしまったとき、あなたが冷静に対応をしなければいけないことをあげていきたいと思います。

①まずは愛犬の様子を把握する(どれくらいのものを食べたか、いつ食べたか等)

1.愛犬が食べたものは、生の状態の鳥の骨でしたか? それとも、フライドチキンのように加熱調理された鳥の骨だったでしょうか? 何度か話してきたように、生の骨と加熱後の骨では砕け方が違います。生だから安全、というわけではありませんが、加熱の有無など調理方法の情報も重要なポイントです。

2.愛犬がいつごろ鳥の骨を食べたかを知ることはできますか? 目を離した隙に愛犬に起きたアクシデントですから、正確な時間を把握するのは難しいでしょう。それでもおおよその時間を知ることで、愛犬の胃の中にある骨がどの程度消化されたのかを計算し目安とすることができるのです。

3.鳥の骨を食べてしまったあとの愛犬に嘔吐した痕跡はありませんか? 嘔吐や下痢などの症状が現れることが多いのですが、食べてすぐに嘔吐をしないケースもあります。愛犬に嘔吐などの変化がないからと安心せず、すぐに病院へいけない場合は安静にして過ごしましょう。

②獣医さんに連れて行く

愛犬が鳥の骨を食べてしまったことに気付いたとき、動物病院で受け入れ可能な時間なら速やかにアクションを起こしましょう。愛犬がいつもとかわらない様子であっても、骨が愛犬の内臓を傷つけないよう、なるべく体を動かさないようにします。
動物病院では嘔吐や下痢の症状がひどい場合は点滴を行うなど適切な処置を開始します。嘔吐や下痢は脱水症を起こすだけでなく、想像以上の体力を奪い死につながることがありますから、決して嘔吐や下痢を軽視しないよう注意が必要です。
このほか、病院ではレントゲンで犬の胃の中の鳥の骨の残った量を調べ、状況によっては内視鏡を使い愛犬の胃の中の骨を取り除く処置をします。
時間が経つと加熱処理をしたあとの少量の鳥の骨は消化されてしまうことが多く、レントゲンでは確認されないことがあります。その場合は胃粘膜を保護する薬を服用したうえで経過観察、という診断を受けることもあります。


骨に注意して鶏肉を与えよう

骨に注意しないと愛犬の命の危険が! と何度も聞いていると、もしかして鶏肉もダメなの? となってしまいますよね。クリスマス目前なのに不安になることはありません。骨には注意が必要ですが、鶏肉は犬にとって貴重なタンパク源で、大いに摂取してほしい食材です。
ここからは、犬にとって鶏肉がもたらす効果や、調理方法、これからやってくるクリスマスに愛犬が喜ぶ簡単なレシピをご案内していきます。まだ作ったことがないわ、という皆さんは、このクリスマス、ぜひ愛犬のためにチャレンジしてみてくださいね。

◆犬に鶏肉を与える効果

鶏肉は消化がよく高タンパク低カロリーな食材なので、犬に与えたい優秀食材です。
タンパク質は血液や皮膚にも必要な成分なのでケガの回復に役立ちます。さらに鶏肉にはコラーゲンも多く含まれており、愛犬の被毛を艶やかに保ってくれる効果もあるのでおススメ食材というわけです。


鶏肉の与え方

a7e7f4f875b45926e7c4c29f2cca0a17_s

犬に鶏肉を与えるとメリットがたくさんあるとわかったところで、ここではクリスマスを意識した鶏肉のレシピをご紹介しますので、ぜひお役立てください。

– 愛犬が喜ぶクリスマスカラーのささみ雑炊 –

子犬やシニア犬のおなかに優しい雑炊も、野菜を使って色とりどりにすればクリスマス気分に♪粉チーズ(かけすぎ注意)を入れればリゾット風になります。熱いので冷ましてから揚げてくださいね。
・材料(犬1頭分)
●ささみ1本
●ニンジン2cm程度のものをみじん切り
●大根3cm程度のものをみじん切り
●小松菜2株
●赤パプリカみじん切り1/5
●ピーマンみじん切り1/5
●ごはん適量
●粉チーズ(かけすぎ注意です)

・作り方
①ささみをしっかりと茹で上げ、茹で上がったら一度なべから出します
②①の茹で汁にごはん以外の野菜類をすべて入れ、しっかりと火を通します
③①のささみを②に戻し、ごはんがやわらかくなるまで煮たらできあがり
④オーナーさんも愛犬と一緒に召し上がる場合は、愛犬に取り分けたあとで昆布茶やポン酢、七味唐辛子などで味を調えてください

– 愛犬が夢中になるクリスマスカラーのとりささみロール –

クリスマスにかかせないのがチキン! そこで今回は愛犬と楽しめる、鶏のささみロールでクリスマスを楽しみませんか?
・材料(犬1頭分)
●とりささみ1枚
●細切り赤パプリカ
●細切りピーマン
●粉チーズ(かけすぎ注意です)

・作り方
①ささみを開いて包丁の背などで叩き、筋を切り薄くします
②ささみに野菜をのせ、くるくると巻いて、外れてしまう場合は巻き終わりにパスタか爪楊枝を刺しこみます
 爪楊枝を使った場合、取り分けのときに必ず外しましょう。
③表面を焼き、ふたをして蒸し焼きにします。
④火が通ったら粉チーズをふって、食べやすいサイズに切り分けて完成
⑤オーナーさんも同じものを召し上がる場合は、取り分けたあとに柚子胡椒とポン酢を混ぜてささみに味をしみこませてから召し上がってくださいね


さいごに

ここまで、犬が鳥の骨を食べることについてまとめてきましたが、いかがでしたか?
このテーマには、まだ終着点がありません。
それでも、これまでは大丈夫だったのに、この一回で愛犬が死んでしまい心を痛めているオーナーさんは確実にいます。
加熱した鳥の骨は量によっては消化ができるといわれていますが、やはり消化管に骨が刺さることもあり、死という最悪の現実を招く可能性もゼロではりません。私たちは高齢者や小さな子どもにお餅を出すときに、喉に詰まらないか大きさや量に心を配ります。
同じように、犬に対しても安全が100%でないものを食べさせることや、鳥の骨を食べたことのない犬にこれから骨デビューをさせることはしなくてもいいのではないか、と考え始めているオーナーさんも増えてきているようです。
様々な考えもありますが、安全な方法で愛犬とのイベントを楽しめるよう工夫することも私たちオーナーのできることなのかもしれません



– おすすめ記事 –

・散歩中に草を食べる愛犬の謎!食べたら危険な草もあるってほんと?
・ノーリードでの散歩は飼い主失格!危険な上、条例違反かも!?
・犬と花火大会に行くのは危険?大きな音が苦手な愛犬のためにできること
・犬にとって階段は危険な場所!注意の必要な犬種と対策は?


focebookシャア
ツイート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
はな

はな

犬のいない生活がほとんどないほどの犬好きです。現在は保護犬の里親になり楽しく暮らしています☆


記事に関するお問い合わせはこちら