犬がティッシュを食べたがる理由と対処法

2023.11.16

犬がティッシュを食べたがる理由と対処法

ちょっと犬から目を離していた隙に、部屋中にティッシュペーパーが散乱!なんて、よくあることですよね。犬を飼ったことがある人なら、誰でも一度は経験があるのではないでしょうか。散らかすだけならまだしも、食べてしまうこともあります。ティッシュくらいなら食べても大丈夫、と油断してはいけません。 今回は、犬がティッシュを食べたがる理由と、犬の身体への影響、対処法をご紹介します。

【目次】
1.なぜ犬はティッシュを食べてしまうの?
 1-1.退屈している
 1-2.ティッシュを食べ物だと思っている
 1-3.不安やストレス

2.犬がティッシュを食べてしまったら…身体への影響と対処法
 2-1.ティッシュが体内につまる危険性
 2-2.すぐに動物病院へ

3.犬にティッシュを食べられないようにするためには?
 3-1.ティッシュへのイタズラが癖になってしまうことも
 3-2.ティッシュを手の届かないところに
 3-3.留守番時はケージやサークルへ
 3-4.退屈させない遊びやオモチャも有効

4.犬が拾い食いしやすいこんなものにも注意!
 4-1.食べてはいけない食材
 4-2.竹串
 4-3.薬
 4-4.糸、ひも状のもの
 4-5.たばこ
 4-6.ビニールやポリ袋
 4-7.ボタン電池
 4-8.アロマオイル

5.誤食しやすい犬種、時期は?
 5-1.若い犬、レトリバー犬種などに多い
 5-2.年末年始などいつもと違う時期は特に注意

6.まとめ

【掲載:2018.05.28  更新:2023.11.16】

なぜ犬はティッシュを食べてしまうの?

ティッシュ

◆退屈している

暇を持て余した犬が、視界に入ったティッシュを食べてしまうことが多いようです。

特に子犬の場合、ティッシュに限らずなんでも口に入れてしまいます。最初はティッシュをひっぱったりちぎったりして遊んでいるだけなのですが、小さくなっていくティッシュをカミカミしているうちに、ごっくんと飲み込んでしまいます。

◆ティッシュを食べ物だと思っている

ティッシュを噛んでいると、かすかな甘味を感じる犬もいるようです。また、食べ物や飲み物を拭いたティッシュは特に良い匂いがしますので、すぐに食べてしまいます。

そういった経験をしていると、ティッシュは食べるものという認識がついてしまうことがあり、繰り返し食べるようになってしまいます。

◆不安やストレス

運動不足や長時間のお留守番など、不安やストレスを感じている犬がティッシュを食べてしまうことがあります。

この場合は、食べるというよりも引き裂いたりする行動が強くでることが多いようですが、やはり口に入ってしまうとそのまま食べてしまうことがあります。エスカレートすると家具やカーテンまで被害が拡大したり、自傷行為にまで及ぶ可能性もあります。

不安やストレスが原因かな、と感じたら、早めに獣医さんや訓練士さんなどの専門家に相談しましょう。


犬がティッシュを食べてしまったら…身体への影響と対処法

ali ripping tissue paper

ティッシュくらい食べても大丈夫なのでは?と思う飼い主さんもいるかもしれませんが、侮ってはいけません。

◆ティッシュが体内につまる危険性

犬がティッシュを食べてしまった場合、消化することはできない為、少量であればウンチと一緒に出てくるのを待つことになります。
しかし、大量に食べてしまうと腸内で詰まってしまうことがあり、腸閉塞を引き起こすこともあります。

腸閉塞の初期症状としては嘔吐が見られる事が多く、食欲低下や元気消失、呼吸が浅く速くなる、などもみられます。

また、ティッシュや他の物を誤食誤飲してしまった場合、無理に吐き出させようとすると気道に詰まってしまったり、全部吐き出せずに胃腸内に残ってしまうことがありますので、ご家庭で対処するのはお勧めできません。

◆すぐに動物病院へ

万が一ティッシュを食べてしまった場合は、症状が出ていなくても早めに病院につれていきましょう。

受診する際、ティッシュ以外のものを食べてしまった場合は、食べてしまったものと同じものが手元にあれば持って行くと、大きさや形状などがより正確に伝わります。

誤食したことを飼い主さんが認識していれば早めに対処することができますが、知らないうちに食べてしまっていると、発見や原因究明が遅れてしまいます。治療が遅れると死に至ることもありますので、誤飲誤食には十分気を付けましょう。


犬にティッシュを食べられないようにするためには?

犬 ティッシュ

◆ティッシュへのイタズラが癖になってしまうことも

一度ティッシュを食べる楽しみを味わってしまうと、なかなか矯正することは難しくなってしまいます。
現行犯で食べるところを叱れば、飼い主さんの目が届く間は食べないようになるかもしれません。しかし、見ていない隙を狙ったり、隠れて食べるようになってしまいます。

◆ティッシュを手の届かないところに

「ティッシュは犬の手の届かないところに置く」というのを徹底するのが一番の解決策です。
ティッシュに限らず、犬が口に入れると危険なものは高いところに置く習慣をつけ、ゴミ箱をあさってしまう場合は、蓋つきのごみ箱に替えましょう。

犬の誤飲誤食は、家族が注意することである程度防ぐことができます。犬が口にしそうなものは置きっぱなしにしないことが重要です。

◆留守番時はケージやサークルへ

犬を留守番させるときは、犬をケージやサークルに入れるようにしましょう。留守番のたびに無理やり入れるのではなく、事前にハウストレーニングをしっかりして、そこが落ち着ける場所なのだということを教えてあげてください。

ティッシュを食べる犬の場合、ハウス内にペットシーツを入れておくと食べてしまうことがあり、危険です。ペットシーツが外にはみ出ないようなトイレや、布製のペットシーツを使うなどして工夫しましょう。

外出が短時間であれば、ハウス内にトイレを置かずに別の場所に設置し、外出前と帰宅後にトイレに出してあげる習慣をつけると、ハウス内ではきちんと我慢するようになります。

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◆退屈させない遊びやオモチャも有効

犬が退屈してティッシュを食べてしまうのなら、ティッシュを片づけるだけではなく、散歩に連れ出して外で遊んであげましょう。エネルギーを発散して疲れ切ってしまえば、家に帰ってゆったり落ち着いて休んでくれるようになります。

散歩に行ってもまだ遊び足りないようなら、室内でできる頭を使う遊びをしたり、オヤツをいれるタイプの噛むオモチャ(コングや網状のボールなど)を与えて、犬が退屈しないようにしてあげてください。


犬が拾い食いしやすいこんなものにも注意!

犬 ティッシュ

ティッシュの他にも、犬が食べると危険なものは沢山あります。家の中だけではなく、屋外での拾い食いにも気を付けましょう。お散歩中、犬が拾って食べそうなものは犬よりも先に見つけ、食べないように注意してください。

◆食べてはいけない食材

料理や食事の最中に犬が足元にいたりすると、落としてしまったネギや玉ネギ、ぶどう、チョコレートなど、犬にとって有害な食材を食べてしまうことがあります。気が付いてすぐに出させることができれば良いですが、犬もそうはさせまいと急いで飲み込んでしまいます。

犬が食べられない食材を扱うときには、犬を近づけさせないのがベストです。

◆竹串

お団子をパックのまま置いておいたら、竹串ごと食べられてしまった、というのは意外と多いケースです。

竹串は飲み込んでしまうと食道や腸内に刺さる恐れがあり、とても危険です。吐かせたり内視鏡では摘出できずに開腹手術になることもありますので、十分注意しましょう。

◆薬

人間が薬を口にしているのを見て、犬も食べたくなってしまうようです。薬の中には周りを糖でコーティングした糖衣錠というタイプのものがあり、舐めると甘いので、犬は食べ物と勘違いしてしまいます。

たった1錠でも犬にとってはかなりの用量オーバーで、薬の種類によっては大変危険です。また、珍しいケースでは、塗り薬を塗った飼い主さんを舐める習慣がついてしまった犬が体調を崩すということもあります。薬の取り扱いには十分気を付けましょう。

◆糸、ひも状のもの

糸やひも状のものは、噛んで遊んでいるうちに飲み込んでしまうことがよくあります。

腸内でひっかかったりすると、腸が傷ついたり破れてしまうこともあるので要注意です。肛門から少しだけ排泄されている場合も、強くひっぱると中で絡まって腸が破れる危険があります。無理に取り出そうとせず、病院につれていきましょう。

◆たばこ

人が咥えているのをみて、口にする犬が多くいます。小型犬の場合、2~3本食べるとニコチン中毒をおこす危険があります。たばこの箱や灰皿は、犬の届かない所に置くようにしましょう。

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◆ビニールやポリ袋

カサカサと音がしたり、穴の開く感触が面白く感じたり、食べ物が付着していたりすることで飲み込んでしまうことがあります。ビニールやポリ袋はうまく腸内を流れず、詰まらせてしまうかもしれません。

◆ボタン電池

ボタン電池は普通の電池よりも犬の口に入りやすく、飲み込みやすい大きさなので要注意です。体内にとどまると、腐敗して内臓を傷つけてしまうことがあります。

◆アロマオイル

アロマテラピーのオイルは植物由来のものが多いですが、かなり凝縮されており、犬が口にすると毒性の強いものもあります。吸い込むだけでも身体に異変が起こることもあるようですので、犬への安全性をよく確認してから使用するようにしましょう。

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誤食しやすい犬種、時期は?

2018 Austin Pets Alive! Puppy Bowl

◆若い犬、レトリバー犬種などに多い

誤飲や誤食は、0~1歳の若い犬での発生件数が多く、年齢があがるにつれて減っていきます。

犬種別では、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバー、フラットコーデットレトリバーなどのレトリバー犬種や、狩猟犬がルーツになっている犬、他にも、コーギー、ダックスフンド、フレンチブルドック、ボストンテリア、バーニーズマウンテンドッグなどに多くみられます。

また、犬種に関係なく、食に執着が強い犬や好奇心が旺盛な犬にも多発します。

誤飲誤食の多い犬は何度も繰り返すことが多いので、飼い主さんがしっかり把握し、予防してあげることが大切です。

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◆年末年始などいつもと違う時期は特に注意

誤飲誤食が多く発生する時期は、クリスマスや年末年始、2月のバレンタインデーです。

特にお正月は来客が増え、犬に不慣れな人が家に出入りすることが多くなります。犬にとって危険なものを放置してしまう可能性があり、飼い主さんも忙しく、それに気づかないことも多いので、場合によっては、来客時は犬をハウスに入れておくのが良いかもしれません。

2月のバレンタインデーに多いのは、お父さんが会社でもらってきたチョコレートを置きっぱなしにしてしまい、犬がそれを食べてしまうケースです。洋酒が入っているチョコレートも多いので、すぐに冷蔵庫などにしまうようにしてください。


まとめ

誤飲誤食は、飼い主さんがきちんと対処することで防ぐことができます。また、誰かひとりだけが気を付けるのではなく、ご家族みなさんで意識を共有することも大切です。

誤食のたびに叱りつけるのではなく、何が危険なのかをしっかりと把握して、危険なものは放置しないことを徹底しましょう。そして、万が一誤食事故が起こってしまった場合は、症状が出ていなくても早めに病院に連れていきましょう。



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harunyan

harunyan

動物の専門学校で看護の資格を取得後、6年間動物病院に勤務しました。5歳のシェルティと4歳の猫、0歳の息子と毎日楽しく過ごしています。ペットと過ごすうえで役に立つ情報をお届けできるよう、日々勉強しております。よろしくお願いします。

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