犬のまつげに注目!その役割は?長すぎるまつげは切ってもいいもの?

2019.02.21

犬のまつげに注目!その役割は?長すぎるまつげは切ってもいいもの?

犬の場合、人間と違って全身が毛で覆われている犬種がほとんどですよね。身近に犬がいない方からすれば、犬にはまつげが生えているのか…それ自体が疑問かもしれません。犬にまつげがあるのなら、その役割はいったんどのようなものなのか気になりますよね! 今回は、そんな犬のまつげに焦点をあててみましょう。犬を飼っている方は、愛犬の目をよく見てチェックしてみてください。併せて、猫のまつげにも少しふれていきますよ。

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犬のまつげはある?役割は?

犬のまつげの役割

◆犬にもまつげはある!

人間には目の上下にまつげが生えていますよね。実は、犬にもまつげが存在します。

基本的に犬は全身に被毛を纏う動物ですから、まつげとの境界線が分かりにくい犬種も中にはいます。その長さや、毛色によっても、まつげの見分け方が難しい子もいるでしょう。しかし、いずれの犬にもまつげはあるのです。

ただし、人間のように上下に生えているわけではありません。犬のまつげは上側にしかなく、下まつげがない構造になっています。

その代わりに、犬には人間にない「瞬膜」という器官があります。犬は人間と比べて、長い時間瞬きをせずにいられますよね。これは、眼球を覆う瞬膜が涙を行き渡らせる役割を持っているからです。

◆人間のまつげの役割

人間のまつげには、目にゴミなどが入るのを防いだり、目を乾燥から守るなど、主に目を保護する役割があります。

また、目を閉じるセンサーのような働きも持っているのです。異物などがまつげに触れたとき、反射的に目は閉じられますよね。犬や猫でいうヒゲと似た機能だといえるでしょう。

◆犬のまつげの役割

それでは、犬のまつげにはどのような役割があるのでしょうか。実は、犬のまつげも人間とそう変わりない役割を果たしています。

●目、眼球の保護をする
空気中に漂うチリ・細菌など、また異物・虫などから目を守る役割をもっています。シャンプーなどの際に、滴る水が目に入らないよう防ぐ、という活躍もしていますよ。

●目の乾燥を防ぐ
瞬膜によって涙が補給されると前述しましたが、まつげはその水分の維持や、水分の蒸発を防ぐ役割をもっています。蒸発にいたっては、5割も防いでいるといわれています。

●日差しから目を守る
頭上から降り注ぐ太陽光からも、目を保護する役割をもっています。紫外線は犬にとっても大敵!そんな強い紫外線から眼球を守っているのです。

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●瞬きをさせる
まつげに異物などが触れると、脳から目を閉じるよう指示がでます。人間のまつげの役割で紹介した、目を閉じるセンサーのような役割が、犬のまつげにもあるのです。

犬のまつげも人間と同様、主に目や眼球を保護する役割を担っているということですね。


猫にはまつげがない?

画像②

人間には上下のまぶたに、犬には上側のまぶたに生えているまつげですが、猫の場合、まつげはあるのでしょうか。

◆猫の目の上の毛は「アクセサリーアイラッシュ」

結論からいうと、猫には「まつげがない」ということになります。

猫の顔をよく見てみると、目の上にまつげともとれる被毛は生えています。しかしそれは、医学的には「補助的なまつげ」とされており、正式名称を「アクセサリーアイラッシュ」といいます。

アクセサリーアイラッシュにも、人間や犬と同じように目を保護する機能はあるのですが、まつげとは違う、被毛の一部だとされているので、あくまでも補助的なまつげと呼ばれているようです。

猫も種類によって、このアクセサリーアイラッシュの長さが違うので、短い子であれば余計まつげに見えるかもしれませんが、別物だという認識をもっておきましょう。

◆猫の目の上の長い毛は「上毛」と呼ばれるヒゲ

ちなみに、猫の目の上には固く長い毛が数本生えていますが、これはもちろんまつげでもなければ眉毛でもありません。上毛と呼ばれるヒゲの一種ですよ。

猫にとってヒゲは、生きる上で重要な役割をもつものです。むやみにカットしたりしないよう注意してくださいね。

猫を飼っている家庭であれば、愛猫の顔を見つめることができると思いますが、身近に猫がいない方は実際に確認することが難しいかもしれません。メディアやネットで猫の顔を見る機会があれば、是非チェックしてみてください。


犬のまつげは切ってもいいの?

◆犬のまつげに関する飼い主さんの悩み

犬種や個体によって、まつげの長さは様々です。短い長さであれば、カットしよう!と考える方はほとんどいないと思いますが、もし愛犬のまつげが長く、視界の邪魔をしているのでは?目に入って逆に危険では?と悩んでいる飼い主さんも中にはいるかもしれません。

目を保護する役割をもつ犬のまつげですが、このまつげ…切ってもよいものなのでしょうか。

◆まつげには最適な長さがある

まつげの役割を紹介しましたが、ある研究でまつげの最適な長さがあることが分かっています。この長さは目幅の3分の1とされており、22の哺乳類が最適なまつげの長さを持っていることが判明したのです。

犬の場合、目幅3分の1以上の長さのまつげを有する犬が沢山いますが、これは被毛の長さによって差があると考えられます。被毛が長ければ、その長い被毛から目を守るために、まつげも長くなっているというわけです。

ただ、被毛の短い犬種にもまつげの長い犬がいます。ブルドッグ系の鼻ぺちゃの犬は、少し出っ張った目をもつ傾向にありますよね。この場合も、出っ張った目を守るためにまつげが長く伸びていると考えられます。

いずれも、まつげはその個体に適した長さで、生えていることが予想できますね。

◆カットする場合は愛犬の様子を見ながら

このようにまつげには適正な長さがあり、大切な役割があると考えると、カットするのは良くないように感じるかもしれません。しかし、被毛が伸び続ける犬種がいるのも事実。

あまりに長くて顔が見えない、視界が遮られている、ということであれば、一端カットしてみるのも手です。まつげは切っても、また伸びてきます。トリミングサロンなどで相談すれば、まつげのカットも可能でしょう。

ただし、まつげがもつ役割を忘れずに、愛犬の様子を日々観察しながら、飼い主さんの判断で行ってくださいね。


逆さまつげの犬もいる?

逆さまつ毛

人間に起こるまつげの状態の一つに、「逆さまつげ」があります。これは、まつげが通常どおり目の外側に向かって生えるのではなく、内側(自分自身の目)に向かって生えてくる状態のことです。「さかまつげ」とも呼ばれていますね。

この逆さまつげによって、目の角膜が傷つき、充血・視力低下をもたらす場合があり、症状が酷ければ専門家による診療が必要となることもあるでしょう。

それでは犬にも、逆さまつげとなる個体はいるのでしょうか。
目の上側だけとはいえ、人間の様にまつげをもつ犬。実は、逆さまつげのような状態に陥るケースが考えられるのです。

まつげの異常には、以下の種類があります。

◎睫毛乱生…正常な場所にまつげは生えているが、向きが角膜に向いている。
◎睫毛重生…正常よりも内側に、まつげが生えている。
◎異所性繊毛…まつげが角膜に向かって生えている。

これらの異常から、涙やけ・目のしょぼつき・充血・角膜炎などを引き起こす可能性があります。
犬にとっては珍しい症状ではないので、愛犬がこれらの状態を経験したことがある、という飼い主さんは多いでしょう。

目の周囲の毛をカットしたり、刺激の排除となるケアをしていれば、ほとんどの場合に症状は解消されます。

全ての症状において必ず治療が必要というわけではありませんが、被毛の長い犬種であれば、定期的に獣医さんに診てもらうなどして症状の悪化を予防することが安心です。ケアの仕方を、獣医さんに相談してみるのもよいでしょう。

ただ、いずれの犬種にしても、目の充血や腫れなどの明らかな症状がみられた場合は、一旦病院で診察することをお勧めします。


逆さまつげでかかる恐れのある犬の病気

逆さまつげは、放置することで症状の悪化や病気を招くケースも考えられます。愛犬の健康を守るためにも、飼い主さんは適切なケアや、どのような病気が潜んでいるのかを知っておく必要がありますね。

目やまつげに関する犬の病気を一つ紹介しておきましょう。

◆眼瞼内反症・眼瞼外反症

一般的に先天的に発症することが多いといわれており、角膜や結膜が刺激を受けることで炎症を起こしてしまう症状のことです。まぶたが内側にめくれている状態を「眼瞼内反症」、外側にめくれている状態を「眼瞼外反症」といいます。

原因としては、先天的なもの以外にも、重度の結膜炎、外傷などによるまぶたの変形、眼の周囲や筋肉・神経の異常によって、まぶたのめくれ(内反・外反)がみられると考えられます。

・眼瞼内反症
内側にめくれているまぶた自体、またはまつげが、角膜・結膜に刺激を与えている状態で、結膜炎や角膜炎を引き起こします。目に痒み・痛みが生じた結果、目やにや涙がみられるでしょう。

この状態が長期間繰り返し継続されると、角膜の白濁や、黒い色素沈着がみられるようになります。内反症の治療を施したとしても、角膜炎・結膜炎などが治りにくいケースもあるようです。

・眼瞼外反症
外反症の場合、ほとんど下まぶたに発症します。外側へのめくれ(外反)のレベルが酷い場合、眼がまるで「あかんべー」をしたような状態にみえるようになります。これによって角膜・結膜が露出してしまうため、角膜炎や結膜炎を引き起こしやすくなってしまいます。

犬は、目の痛み・痒みによって目をしきりに気にするようになるのです。

こちらも内反症同様に、目やにや涙が多く見られるようになるでしょう。

◆治療と予防

いずれの場合も、外科的手術によるまぶたの矯正が、根本的に必要な治療となります。めくれの程度が軽度であれば、角膜・結膜を刺激しているまつげを抜いたり、点眼での内科的治療で改善することもあるようです。

内反症・外反症のいずれも、予防することは困難といえるでしょう。少しでも、愛犬のまぶたに異常を感じたり、目を気にする・痒がるなどのしぐさが頻繁に見られた場合は、一度獣医さんに相談してください。

放置することで、重症化する恐れもありますので、早めの処置をお勧めします。


まとめ

ほとんどの犬種で目立つことのないまつげですが、愛犬のまつげが気になってきた方もいるのではないでしょうか。コミュニーケーションのついでに、愛犬のまつげを少し見学させてもらってください。

人間同様、犬にとっても必要不可欠なまつげ!普段から愛犬の顔を観察し、異常がないか日々チェックしましょうね。



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壱子

壱子

子供の頃から犬が大好きです。現在はキャバリア4匹と賑やかな生活をしています。愛犬家の皆さんに役立つ情報を紹介しつつ、私自身も更に知識を深めていけたら思っています。よろしくお願いいたします!

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