【獣医師監修】愛犬の床ずれへの対応方法。寝たきりになった老犬の介護について

2019.08.20

【獣医師監修】愛犬の床ずれへの対応方法。寝たきりになった老犬の介護について

動物医療の発達やフードの良質化など様々な理由で、犬猫の高齢化が話題になっています。人と同じように、犬猫たちも高齢になると筋肉が落ちて足腰が弱まり、寝たきり状態になってしまうことも少なくありません。そうなると、飼い主さんを悩ませるのが「床ずれ」。床ずれは一度出来てしまうと、治りにくい上に繰り返してしまう傾向にあります。 今回は、シニア犬に照準を当てて、犬の介護や床ずれの予防・対処方法についてお伝えしていきたいと思います。

【目次】
1.犬の床ずれってなに?

2.犬が床ずれになる原因
 2-1.犬が床ずれになる原因①血行不良
 2-2.犬が床ずれになる原因②不衛生
 2-3.犬が床ずれになる原因③栄養不足

3.犬の床ずれを予防する介護方法
 3-1.犬の床ずれを予防する介護方法①床ずれ防止マットを使う
  3-1-①.おすすめ商品【ペティオ 老犬介護用 床ずれ予防ベッド】
 3-2.犬の床ずれを予防する介護方法②寝返りをうたせる
  
4.床ずれになってしまった時に気を付けること
 4-1.床ずれになってしまった時に気を付けること①患部をいつも清潔にする
  4-1-②.おすすめ商品【ジョイペット 水のいらない泡シャンプー 犬用 200ml ドライシャンプー】
 4-2.床ずれになってしまった時に気を付けること②床ずれした患部のお手入れ方法

5.床ずれを起こしたシニア犬の介護 体験談
 5-1.15才・ラブラドールレトリーバー(女の子)

6.犬の床ずれに関するまとめ

犬の床ずれってなに?

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「床ずれ」とは、犬が寝たきりの状態になり、長時間同じ体勢でいることで、体重がかかる部分の血行が悪くなって皮膚や筋肉が壊死した状態を言います。「褥瘡(じょくそう)」とも言います。

床ずれになりやすい犬の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

・ 加齢、病気、ケガなどで寝たきり状態の犬
・ 自力で寝返りがうてない犬
・ 栄養状態が悪く、痩せている犬
・ 立って排泄が出来ない犬
・ 常におむつをしている犬

愛犬の介護をする飼い主さんにとって、床ずれは切り離せない問題になることが多いでしょう。


犬が床ずれになる原因

犬が床ずれを起こす原因は、大きく分けて3つあります。

◆犬が床ずれになる原因①血行不良

前述の通り、長時間同じ体勢でいることによる血行不良が床ずれになる原因です。

床ずれになりやすい部位は以下の通りです。

・ 頬骨
・ 肩
・ 腰
・ 肘関節
・ 後肢関節

骨張っていて、床やマットからの圧がかかりやすい部位は注意が必要です。

日頃から愛犬のボディチェックをかかさずに、気を付けて観察してみてください。

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◆犬が床ずれになる原因②不衛生

寝たきりの状態になると、自力で立ち上がって排泄することが困難なため、排泄物でおしり周りや下半身が汚れてしまいます。おむつをしている犬も同様に、汚れや蒸れで不衛生な状態になりやすく、そういった部分から床ずれになってしまいます。

気を付けなければいけないのは、下半身だけではありません。床ずれになっていなくても、毛や皮膚がベタベタしている箇所は危険です。

フードを食べたあとの顔まわりは汚れていませんか?
皮膚の分泌物で、毛がベタベタしている箇所はありませんか?
排泄のあとは、しっかり汚れを取り除いていますか?

食後は蒸しタオルでお顔を拭いてあげたり、ぬるま湯を用意して、タオルなどで優しくマッサージしながら身体を拭いてあげるのも効果的です。

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特に長毛種の犬は、なかなか汚れが取りきれないことがあります。汚れが絡まり毛玉になり、さらに汚れや臭いの原因にもなってしまいますので、短くカットするといいでしょう。

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おむつではなく、立ち上がって排泄をしたがる犬もいます。その場合は、やさしく抱き抱えてゆっくり立ち上がらせ、全身をしっかりと支えてあげましょう。

◆犬が床ずれになる原因③栄養不足

犬はシニア期になると、だんだんと食欲が低下してきます。

病気で体調が悪く食べられない、ケガの痛みのストレスで食べられない、急に立ち上がることが出来なくなったストレスで食欲がなくなる等、理由は様々です。
また、性格がとてもデリケートな犬だと、身体や環境の変化で全く食べなくなることも珍しくありません。

犬は痩せると関節などの骨周りが骨張ってしまい、床ずれが出来やすくなります。飼い主さんも、急に愛犬がフードを食べなくなったり、体重が減ると、心配になりますよね。

食欲が落ちている時や、今まで食べていたものを受け付けなくなってしまったら、愛犬が食べてくれるものを探しましょう。
ドライフードからウェットフードや缶詰に切り替えたり、大好きなおやつをあげるのもいいですね。

食事の際は、声をかけながらやさしく上体を起こしてあげて、フードを口元に運んであげてください。食の楽しみは、愛犬のストレス発散にもなります。

何をあげても食べてくれない、何を食べさせたらいいのかわからない等、シニア期の食事に困ったら、獣医師に相談してみるといいですよ。

動物病院では、栄養価が高くておいしいフードを取り扱っていますので、愛犬にあったフードを提案してくれるはずです。

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犬の床ずれを予防する介護方法

犬の床ずれは、短時間であっという間に出来てしまうことがあります。また、一度出来てしまうと治りにくく、良くなっても繰り返しやすいため、介護をする飼い主さんを悩ませてしまうでしょう。

愛犬が床ずれにならないために、以下のことに気を付けてください。

◆犬の床ずれを予防する介護方法①床ずれ防止マットを使う

床ずれは体重がかかる部位に出来やすいです。そのため、体圧分散マットを使用することで、体重が一点にかかるのを防ぎます。

汚れてしまった時に、丸ごと洗えるものが便利です。その間の替えも用意しておくといいでしょう。

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◆犬の床ずれを予防する介護方法②寝返りをうたせる

寝たきりの状態になると、自力で食事や排泄、寝返りをすることが出来なくなる場合があります。何度もお伝えしている通り、長時間同じ体勢でいることで、すぐ床ずれになってしまいます。

特に大型犬は、介護をするのも一苦労ですが、体重が重い分、圧がかかりやすく床ずれになりやすいので一層注意が必要です。

床ずれを予防するために、1~2時間おきに寝返りをうたせましょう。愛犬の介護をしながら、やさしくマッサージすると血行がよくなりますので、様子を見ながら試してみてください。


床ずれになってしまった時に気を付けること

飼い主さんがどんなに気を付けていても、寝たきりの状態が長く続いたり、犬が起き上がろうとがんばって動いたりすることで、床ずれになってしまうことがあります。

また、介護をする飼い主さんも、付きっきりでこまめに寝返りをうたせるのが難しいという問題もあります。

床ずれにならないように予防することが大切ですが、なってしまった場合は早期発見がとても重要です。悪化すると、臭いがひどくなったり、ウジがわくこともあります。

では、愛犬が床ずれになってしまった場合の介護は、どのようなことに気を付けていけばよいのでしょうか。

◆床ずれになってしまった時に気を付けること①患部をいつも清潔にする

患部をできるだけ清潔にすることが、床ずれを悪化させないために一番大切なことです。

毛があると汚れが付きやすく不衛生になりますので、患部周辺の毛はペット用のバリカンで短くカットすると良いでしょう。

また、患部が床やマットに直につかないように服を着させる飼い主さんがいらっしゃいますが、これは逆効果です。常に清潔にしておくことが大事ですので、分泌物などで服が汚れたままだと不衛生ですし、服で熱がこもってジュクジュクしてしまいます。

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◆床ずれになってしまった時に気を付けること②床ずれした患部のお手入れ方法

自宅で出来る患部のお手入れの方法として、以下のものがあります。

1、 ぬるま湯できれいに洗い流す
2、 ワセリン+ラップで傷口を保護する
3、 外れないように包帯を巻く

私が以前勤めていた病院では、床ずれ初期段階で傷口がまだ小さい場合は、キズパワーパッドを使用することもありました。

愛犬の介護をしていて、どこか床ずれになってしまったのを発見したら、すぐに処置をして獣医師の診察を受けましょう。バリカンで傷口周辺の毛をカットしたあとに洗浄もおこなってくれます。

自宅で洗浄する際、水やお湯では染みて嫌がるという時は、生理食塩水を出してくれますので相談してみてください。


床ずれを起こしたシニア犬の介護 体験談

最後に、元動物看護士の私が一番印象に残っているシニア犬のお話をさせていただきます。

★15才・ラブラドールレトリーバー(女の子)

犬の床ずれ

初めて来院された時、飼い主さんたちに支えられながらフラフラと入って来ました。それまでは元気に散歩していたのに、突然一人で歩けなくなったそうです。

検査結果は、腎不全でした。点滴や内服を続けていましたが、そのうち自力では全く立てなりました。食べているのにどんどん痩せて力が入らなくなり、寝たきり状態になって数日で、そのワンちゃんも床ずれになってしまいました。

飼い主さんは、毎日数回あたためた生理食塩水で洗浄して、こまめにお手入れをしていらっしゃいました。ですが、なかなかよくならず、さらには床ずれが化膿・炎症したことで発熱したり、食欲が落ちたりしました。

とにかく清潔にすることと、食べられるものをたくさん食べさせて、栄養をつけることに気を付けていただきました。

2年程、飼い主さんは愛犬の介護に努めていらっしゃいましたが、腎不全が悪化し亡くなってしまいました。

飼い主さんが仰っていたのは、犬の介護も人の介護も同じであるということでした。
特に寝たきり状態になってからは、介護の時間が大幅に増えて寝る間も惜しんで付き添ったそうです。病気だけでなく床ずれも発症してしまい、より一層大変な思いをされたはずです。

ですが、診察室での治療中はいつも、飼い主さんはニコニコ寄り添っていて、ワンちゃんは本当に愛されているんだなと来院の度に感じていました。

そして、床ずれの治療の難しさを改めて実感しました。良くなってはまた繰り返し、一時も気を緩めることが出来ません。愛犬が床ずれになった場合、そうでない時と比べると、格段に介護の大変さが増します。いかに予防することが大切か痛感しました。


犬の床ずれに関するまとめ

犬の介護や床ずれについてお話させていただきました。

今回の内容は、現在シニア犬を飼っている方だけに向けたものではありません。犬を飼っている皆様に当てはまるお話です。常日頃から、愛犬とのスキンシップを心がけるだけで、ちょっとした変化にすぐに気付くことが出来ます。

床ずれは、介護をする飼い主さんもですが、それ以上に愛犬を苦しめます。寝たきりの状態になっても、出来るだけ心地よく過ごしてもらうために、しっかり予防していきましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に14医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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ろぷぷ

ろぷぷ

4年間看護士として動物病院に勤務しておりました。 現在はうさぎ(ネザーランドドワーフ)1匹、うさぎをこよなく愛す娘と主人のにぎやか4人家族です♪ 小さい頃から犬、猫、小鳥など飼っていて、動物大好きです!動物病院勤務の経験を生かし、様々なことをお伝えしていけたら嬉しいです。

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