スコットランドという国について
日本では「イギリス」とひとまとめに呼んでいるのを多く耳にしますよね。ではスコットランドとは何が違うの・・・?と思う方もいるかもしれません。
●スコットランドはイギリスを構成する国
そもそもイギリスの正式名称が「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)」で、その連合国を構成するのが「スコットランド」「イングランド」「ウェールズ」「北アイルランド」の4つの国なのです。
つまり、イギリス=4つの国=イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドなんですね。
中でもスコットランドは独立心が強い地方で、かねてから自国への伝統に誇りを持ち続けている民族で構成されています。2014年にはイギリスから独立するかしないかで住民投票が行われましたが、反対派が55%と若干多めだったことから独立はしませんでした。
●スコットランドで有名なものとは
スコットランドで有名なものというと、タータンチェックやウイスキーなど。
タータンチェックは可愛らしい柄で日本でもファッションにたくさん取り入れられていますよね。実はこのタータンチェックはスコットランドの王室の伝統あるもので日本でいう「家紋」のような役割をしていたんです。
また、ウイスキーは「スコッチ」と言われて世界中の方々に愛されています。
スコットランドの蒸留所には猫がいるってホント?
スコットランドには、ウイスキーを作る蒸留所が数多く存在します。また、蒸留所には猫が飼われていたという事実があります。
●100以上の蒸留所の存在
ウイスキーを製造するのには最適な気候と自然のスコットランドには、現在100以上もの蒸留所が存在しています。スペイサイド・ハイランド・アイラ・ローランド・キャンベルタウンと5つのエリアには多くの蒸留所があり、世界的にも有名なスコッチが製造されています。
そんなたくさんの蒸留所では、古くから「猫を飼う」というのが伝統的な習慣でした。
「ウイスキーキャット」「ディスティラリーキャット」などと呼ばれていて、あちこちの蒸留所で猫が飼われていたとのこと。またネズミ(マウス)を捕獲するから「マウザー」とも呼ばれていました。
どうしてウイスキーキャットの存在が重要なの?その理由は
猫ちゃんたちが蒸留所で働いていたのは、スコットランドでは有名な話ですが、いったいどうやって働いていたのでしょう。そして猫を飼っていた理由についても気になりますよね。
美味しいウイスキーを作るには、良質な原料である大麦などの穀物が欠かせません。しかし、良質な穀物にはネズミや鳥が集まってしまいます。しかし、人々の口に入る食品なので駆除剤を使用するわけにはいきませんよね。そこで、害獣駆除の働きをしてもらうために、猫を蒸留所で飼うようになったという歴史があるのです。
また「蒸留所で働く猫の姿が見たい」という猫好きなお客さんも多く訪れるため、広報的な働きもウイスキーキャットの仕事のひとつになっていきました。
●特に有名なタウザー
Towser, @VisitGlenturret's cat, holds the @GWR for greatest mouser, catching 28,899 mice in her lifetime #whiskyfact pic.twitter.com/ZQ9IfMosbJ
— World Whisky Day (@WorldWhiskyDay) March 19, 2015
スコットランドのウイスキーキャットで一番有名なのが「タウザー」というメス猫。現在でも存在するスコットランドの中でも歴史が古い「グレンタレット蒸留所」でその名を遺した猫ちゃん。なんと1987年に生涯を閉じるまで、3万匹近くものネズミを捕獲したというから驚きです。一社員としてグレンタレット蒸留所で長い間働き、ウイスキーの美味しい味を守ってくれていたのです。
蒸留所のために働いていた愛らしいタウザーの存在は、銅像となって今でも人々の心に残っています。そして銅像になってもなお、愛すべき蒸留所を見守ってくれているのです。
●現在ではウイスキーキャットはマスコット的存在
とは言うものの、現在では原料にネズミがむらがって大変・・・ということもなくなりました。
かつて、大多数の蒸留所に「害獣駆除員」として勤務していた猫ちゃんたちではありますが、現在では衛生上の問題もあって、蒸留所に猫が飼われていることも少なくなってきています。
そのため、今現在猫が働いている蒸留所では「ネズミ退治」というかつての本業よりも、PRキャラクターというマスコット的な存在の役割を担っているのです。
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