ノルウェージャンフォレストキャットはどんな猫?
ノルウェージャンフォレストキャットはノルウェー、スカンディナヴィア半島を中心とした北ヨーロッパ原産の猫。
地元ノルウェーでは「スコグカッテル」、「スコウカッテル」と呼ばれていて、どちらも「森」を意味する言葉。寒さに厳しい環境に順応して生きる彼らは「森林の猫」と呼ばれ、昔から現在に至るまで深く親しまれています。
ノルウェージャンフォレストキャットは人の手によって作られた猫ではなく、原産地ノルウェーの寒冷気候に自然に適合して発生した猫種です。体格の大きさや長くて厚い被毛が特徴的ですが、これは全てノルウェーの厳しい気候の中で生きていくためのものなのです。
ノルウェージャンフォレストキャットの特徴は?
ノルウェージャンフォレストキャットの被皮は厚くふわふわとした二層状です。外装の毛は防水性が高く、内側の毛は密度が高く縮れることで空気を含みやすくするといった、優れた防寒防水機能を持っています。
また、ノルウェージャンフォレストキャットの足の裏には長い毛があります。これは「タフト」といって、猫の長い毛の束のこと。長毛種の猫の耳や指の間などに見られる特徴です。
このタフトは「カンジキ」のような役目を持っていて、タフトのおかげで雪原を自由に歩き回ることができます。耳にもタフトがたっぷりとあり、長い尾はふわふわの毛に覆われホウキのようです。
厳しい環境を生き抜くために大きく逞しい体格をしたノルウェージャンフォレストキャット。体重は、成猫のオスで4.5-7.0kgほど。メスがそのおよそ半分くらいの3.5-5.5kg。骨格も太く筋肉質です。
ノルウェージャンフォレストキャットの性格
一見穏やかで物静かで落ち着いた雰囲気を醸し出しているノルウェージャンフォレストキャット。しかし内面は寒冷な地域にすむ野生動物の血を引くのか、忍耐強く、知的で優秀なハンターの面を見せます。高い木の上に登り、常に首位の状況を確認することを怠りません。抑圧にも屈せず、一見頑固にも見える強い主張を見せます。非常に繊細な神経も持ち合わせているのもノルウェージャンフォレストキャットの性格の特徴です。
一方で、外に出る事を好み、近所に仲の良い猫がいれば進んで遊びに行くという、フレンンドリーな性格の一面もあります。人と遊ぶことも大好きで、とても人懐こく愛情深い性格です。物怖じせず、先住猫や犬、小さな子供にも近寄って仲良くしようとします。
ノルウェージャンフォレストキャットは人とのスキンシップを好むので、時間があるときはたっぷり遊んであげることが大切です。
見た目は優美でおっとりとした印象を受けるノルウェージャンフォレストキャットですが、実はなかなかお茶目で3枚目な性格をしているのですね。
ノルウェージャンフォレストキャットの歴史は?
ノルウェージャンフォレストキャットの歴史は古く、11世紀にバイキングがトルコのビザンチン帝国から持ち込んだという説があります。バイキングは、船の中のネズミをノルウェージャンフォレストキャットに退治させるために連れてきたのだとか。
また、ノルウェージャンフォレストキャットは北欧神話にも登場します。「戦神トールでさえ持ち上げることのできなかった猫」、「女神フレイヤの車を引かせるために用いた猫」といった、なかなか猫らしからぬ様子で描かれています。ノルウェージャンフォレストキャットの体格の大きさから、このような描かれ方をされたようです。
1930年代までは地元ノルウェーでは「いつもその辺にいる猫」といった、普通の飼い猫のノルウェージャンフォレストキャットでしたが、第二次世界大戦後から正式な品種として世界に公認されていくようになりました。
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命、かかりやすい病気は?
ノルウェージャンフォレストキャットを家族に迎えるなら、「長生きしてくれるかな?」「どんな病気にかかりやすいのかな?」と健康面のことを知っておきたいもの。寿命や病気について見てみましょう。
◆一般的な猫よりは若干短い寿命
ノルウェーの森林で厳しい寒さを耐え抜いていたノルウェージャンフォレストキャットは、筋肉質でたくましさがあります。いったい、どのくらいの寿命なのでしょう?
猫種関係なく、“猫”という動物全体の寿命は、一般的に15歳前後と言われています。
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命は、それと比べるとやや短めの11~14歳くらいというデータがあるようです。
◆かかりやすい病気ってあるの?
純血種は先天性の疾患が多く、さまざまな猫種を掛け合わせて生まれた雑種の方が病気にかかりにくく丈夫と言われることが多いです。
ノルウェージャンフォレストキャットは、自然発生した「純血種」ですが、遺伝疾患があまりない猫種です。ただ、病気とは無縁というわけではありません。
次のような病気に気をつけましょう。
・毛球症
ノルウェージャンフォレストキャットの魅力でもあるゴージャスな被毛が毛球症を引き起こすことがあります。
毛球症は、飲み込んだ抜け毛がお腹のなかでボール状になり、詰まって排出できなくなって苦しむ症状が現れます。軽い症状で済めば「吐いて出す」ことも可能ですが、症状が重く悪化すると手術でしか対処できません。
・糖原病
ノルウェージャンフォレストキャットの遺伝疾患として、糖原病というものがあります。エネルギーとして貯めたグリコーゲンを肝臓で分解できずに、肝臓障害や神経障害を起こします。
ノルウェージャンフォレストキャットに起こり得る遺伝疾患とは言われているものの、この病気が発症することは極めてレアなケースと言われています。
・肥大型心筋症
心臓の筋肉の壁が厚くなって、それが原因で正常の心臓の働きができなくなる病気です。初期のころは症状がほとんどなく、気づきにくいと言われています。
健康診断で発見されるケースも多く、早めに投薬治療などで対処をすることができます。
◆飼い主さんのケアにより長生きできる
ノルウェージャンフォレストキャットの寿命は、一般的な猫よりも少し短めとお話しましたが、実際にはライフスタイルによって異なります。飼い主さんが長生きできるようにケアをしていくことが重要です。
毛球症を防ぐために必要なのは、こまめなブラッシング。特に、季節の変わり目には毛が生え変わります。スキンシップもかねて、ブラッシングを日課にしましょう。
また、さまざまな感染症やケガのリスクを防ぐには完全室内飼が理想的です。
ただ、大型の猫なので運動不足が原因で肥満にしないように気をつけましょう。肥満になると、関節への負担が大きく、動きづらくなってしまいます。
一人でも遊べるように、キャットタワーを準備し、家のなかでもたっぷり運動できる環境づくりをしてみてくださいね。
運動すると食欲も出てくるものですが、食べさせ過ぎは栄養過多で肥満を引き起こしてしまいます。食事の管理もしっかりおこなうことが大事です。
体のお手入れ、運動不足に注意する、食事管理を行うなど、ノルウェージャンフォレストキャットが健康で長生きできるようにライフスタイルを整えることは飼い主さんの愛情でもあります。
まとめ
メイクイーンとともに非常に人気が高まっているノルウェージャンフォレストキャット。ウールのような心地よい手触りと人懐こい性格で、これからもますます人気が沸騰しそうですね。
最大の魅力のふわふわの被毛は、毎日のブラッシング等のお手入れが必須です。寂しがり屋な性格のノルウェージャンフォレストキャットですから、日々のお手入れも大好きな飼い主さんとのスキンシップになります。寒い地域出身の猫ですから夏の温度調整も大切です。
最適な生活環境とお手入れで、幸せなノルウェージャンライフを満喫してくださいね!
<参考サイト>
子猫のへや
ノルウェージャンフォレストキャット
ピクシーフォレスト日記
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