里親探しのための完全マニュアル~野良猫を保護した時の探し方や注意点など~

2020.06.23

里親探しのための完全マニュアル~野良猫を保護した時の探し方や注意点など~

春先になると猫の繁殖シーズンが到来し、野良猫を保護することもあるでしょう。でも、一時的に家で保護し飼い主を探す場合、その方法はどうすればよいでしょうか?動物病院や近所のお店などに里親募集の張り紙を貼らしてもらう?はたまた保護猫活動をしているボランティア団体に連絡してみる?今回は里親探しの方法や注意点、保護団体における里親探しの現状などについてご紹介したいと思います。

野良猫を保護したら最初にやること

野良猫 保護 里親探し

野良猫を保護したら、まず動物病院で検査をしてもらいましょう。

◆ノミ・ダニの駆除

まずはノミ・ダニの駆除です。外にずっといる訳ですので、ノミ・ダニは必ずいると思ってもらってよいでしょう。ノミ・ダニを放置しておくと、皮膚病の原因になりかねません。
体中ノミ・ダニが寄生している場合はシャンプーしてからということもできますが、寒い季節に保護した猫であれば、シャンプーは止めておきましょう。

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◆糞便検査

次に、糞便検査をしてもらいます。外でネズミやカエルなどを食べていたであろう野良猫のお腹の中で寄生虫が寄生している確率は大きいです。糞便検査をすることによってその寄生虫や寄生虫卵の有無を知ることができます。
寄生虫の種類によって投与する薬が異なりますので、市販で売っている「虫下し」を使用するのではなく、最初はきちんと動物病院で見てもらいましょう。

◆血液検査

あとは血液検査が必要です。様々な感染病に感染している可能性のある野良猫が、先住猫のいる家に知らずにもらわれていってしまったら、そこの家の猫にも感染病が感染し死に至ってしまうような恐ろしい病気もあるのです。猫エイズなどの検査もしっかりしておきましょう。

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ここまで終わっていれば、保護した野良猫自身の健康状態をある程度は把握することができます。また、里親探しをする際にこういった情報を提示することで、より里親が見つかりやすくなることもあるようです。


保護した野良猫の里親探しの方法は?

健康診断が無事終了したら、次はいよいよ里親探しスタートです。
まずは友人や知人など信頼できる人に頼るのもひとつの方法です。その他にも、以下のような方法で里親探しをすることができます。

◆ポスターを作成する

野良猫 保護 里親探し

保護した猫の写真を撮り、里親募集のポスターを作成しましょう。写真は顔と全体の柄などがわかるように何枚かを掲載することをお勧めします。
また、写真と一緒に健康診断を受けた結果などを記載しておくと、見た人も安心するでしょう。

◆ポスターを貼ってもらう

ポスターが出来たら、貼ってもらえそうなお店や動物病院にお願いして貼ってもらいましょう。
動物病院には必ず猫好きさんもやってきます。たとえ今猫を飼っていて保護猫を飼うことが出来なくても、猫好きさん同士のネットワークというものが必ずあり、例えば「保護されている猫の柄が友達が欲しがっている猫の柄」なんて情報が出てくるかもしれません。

◆インターネットを活用する

里親探しにはインターネット

ご近所のお店や動物病院にポスターを貼らしてもらったら、待っているだけではなく、自分から様々な情報を発信してみましょう。
例えば、地域情報サイトなどのホームページに里親募集の欄がありますので、そういったところにもどんどん掲載し、色々な人に見てもらうことが重要です。こういったサイトは日本全国で見ることが出来ます。ご自分がお届け出来る範囲をしっかり記載しましょう。

また、今はTwitterやFacebookなどのSNSを活用して里親探しを行う人も多いようです。
ただ、悲しいことですが中には虐待目的で里親を希望するような人もいるのが現状です。必ず里親を希望する人としっかり連絡をとり、信頼のできる相手に譲渡するようにしましょう。


里親の条件とは

猫が欲しいというだけで安易に渡してしまう事のないよう、里親になるための条件は下記の通りのものがあります。一般的な条件の一例ですが、しっかり確認しておきましょう。

・同居されている家族全員の同意が得られているか
・完全室内飼いが出来る人か
・ペット可の自宅を所有されている人か
・去勢、避妊手術、予防接種を行ってくれる人か
・同居される家族にアレルギーがないか
・生涯家族の一員として責任と愛情をもって育ててくれる人か
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里親探しの注意点とは

里親探しをするということは、保護した子の命を託すということです。名乗り出てもらってうれしいとは思いますが、安易に引き渡すことのないようにしてください。中には、転売や動物虐待目的、また、クレームをつけ金銭を要求されるケースもあります。

確認のため、身分証明書や誓約書を提出してもらうことも安心材料の一つですね。


動物保護団体に依頼する難しさ

野良猫 保護 里親探し

行政もここ数年で動物愛護への働きが活発になり、日本全国で殺処分ゼロへの取り組みが行われる自治体も多くなってきました。行政が殺処分ゼロを掲げると「動物は殺されなくて済む」と安易に考えてしまいますが、現状は厳しく、殺処分しなくなった分、保護しなくてはいけません。

しかし、現状は保護された犬や猫を収容する施設が圧倒的に少なく、収容数を大幅に超えてしまっているのが現状です。そして、その受入れをボランティアで活動を行っている動物保護団体に頼っている自治体も多く、寄付だけでは到底まかなえることは出来ず、小さな団体は閉鎖に追い込まれてしまっているのです。閉鎖に追い込まれた施設の保護動物たちがまた違う施設へと移されることが続くと動物たちも疲弊してしまいます。

保護団体がこのような現状なので、猫を保護したからと言って預かってくれる施設は限りが出てきてしまいます。猫を保護したら、保護施設に連れて行けば済むという簡単な話ではないことも野良猫の里親探しをする上で知っておきたい現状です。


まとめ

この寒空の中、野良猫がいたら保護してあげたいと誰しもが思うはずです。しかし、保護をするということ、里親探しをするということは安易ではありません。
一度保護してしまった猫をまた野良に戻すことは出来ませんので、ずっと家で保護し続けることになる事も視野に入れ、様々なネットワークを使い、里親探しをやり遂げましょう。


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nanatsu

nanatsu

猫は子供の頃からずっと一緒で、大人になった今でも猫を4匹飼っております。保護猫活動のお手伝いもしておりますので、一日が猫に始まり猫で終わるという生活になりつつある今日この頃です。


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