どうして粗相してしまうの?
猫も歳をとれば足腰が弱くなります。足腰が弱っているせいで、トイレのフチをまたげなくなったり、思うように歩くことができなくなるので、トイレまで行くのが億劫になったりします。億劫になることでトイレに入ることが面倒になり、トイレと違う場所で排泄をしてしまうことがあります。
また、歩くスピードも若い時よりもゆっくりになるので、あまり遠い場所にトイレがあるとトイレに間に合わなかったりすることもあります。
その他にも病気によるものや、老化が進むことによって排尿がコントロールできなくなる場合も考えられます。
対策①まずはトイレ環境を見直そう
老猫がトイレ以外の場所で排泄をしてしまったら、飼い主さんは粗相をしたからといって怒るのではなく、まずはトイレに問題がないか考えてみましょう。
体の状態をみながら、老猫がトイレをしやすいように見直すことで、老猫自身が自分の力でトイレができるようになります。トイレの位置と高さで老猫の体に負担をかけないようにしましょう。
◆トイレの段差をなくす
トイレのフチをまたぐことができなくなったり、またぐことが辛そうな場合は、フチのところに畳んだタオルなどを置いて階段のようにし、段差を小さくてしあげましょう。段差を小さくすることで老猫が楽にまたぐことができます。
◆ペットシーツでトイレの代用をする
小さな段差も上がれない、またげない場合は、老猫のトイレを置くことをやめましょう。その代わりにペットシーツを代用します。
ペットシーツの上にいつも使用している猫砂を敷いておけば、老猫はそこがトイレだと認識してくれます。トイレの段差もなくなり、床と同じ高さになるためまたぐことがなく、トイレをとても使いやすいようになります。また、段差のない犬用のトイレを使用するものいいでしょう。
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◆トイレを何カ所か設置する
老猫は歩くスピードがゆっくりになるので、トイレの場所を1ヵ所だけではなく、他の場所にもトイレを用意しておくといいでしょう。
対策②ペット用の「おむつ」を使ってみる
老猫が元気に動き回れる状態なのに粗相をしてしまう場合や、痴呆症状のため排泄のコントロールができないなどの場合は、ペット用のおむつを着用するという選択も考えられます。
ペット用のおむつは、猫や犬にフィットする構造やウエスト部分のギャザーなどで、動きの多い子の排泄もサポートすることができます。また、猫や犬が嫌がらないよう足回りをすっきりさせた構造にしたり、しっぽ部分をおむつの外に出せるよう穴が開いているところも嬉しいポイントです。
その他にもおしっこを吸収するとおむつについているラインの色が変わり、おしっこをしたことを知らせてくれるものもあります。
◆ペット用おむつは老猫に合ったものを
ペット用のおむつのサイズはいろいろありますので、体型や体重、胴回りをきちんと測って老猫にあったものを使用し、おむつのゴム部分がお腹や背中に食い込んでいないかチェックしましょう。
また、おむつをしているとお尻がかぶれることもあります。おむつかぶれを防ぐためにも、おむつはこまめに交換し、変える際にはウエットシートなどでお尻まわりをキレイに拭いてください。1日1回はお尻をぬるま湯ですすいであげたり、パウダーなどを使い清潔にしてあげましょう。
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対策③老猫のトイレを介護する
◆体を支えてトイレを介助
足腰の筋力が衰えて歩くのもままならなくなった場合は、飼い主さんが抱っこをしてトイレに連れて行き、トイレの介護をしてあげましょう。
普段から老猫の様子を観察して、トイレのタイミングを把握しておけば、老猫はきちんとトイレで排泄することができます。老猫がソワソワしだしたらトイレのサインです。
足腰が弱っているので、踏ん張ることができない時があります。飼い主さんは両手で猫の腰をそっと支え、トイレの介護をします。
ただ、排泄をしているところを見られるのを嫌がる猫も多いようです。飼い主さんでも警戒してしまうことがあるので、トイレの介護をした後は、優しく声をかけてあげましょう。老猫も安心して排泄するようになります。
◆食事を工夫して排泄しやすいように
老猫になると排泄しにくくなってきます。歳をとった猫はもともと食べる量が少ないため、お腹にたくさんの便がたまっているわけではありません。食の細さ、きばる力がないことや腸の働きの低下などが原因です。食物繊維の多いご飯を与えるなどをして排泄しやすくしてあげましょう。
他には、老猫のお腹をグルグルと「の」の字にマッサージしてあげるのも効果的です。
正常な状態の排泄の目安は、体重が5kgの猫ならば、排尿は1日に100cc~150ccぐらい、排便は1日に1回あれば理想的です。排尿の回数は1日に3回程度が目安です。
何日も排泄をしなかったり、猫が苦しそうな状態ならば動物病院で獣医師さんに診てもらいましょう。
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最後に…
猫も人と同じように歳をとっていきます。体も若い時のように素早く動けなくなるのが当たり前です。粗相をしたから痴呆症状だと決めつけずに、何かの病気にかかっているかもしれない可能性も頭に入れておくと安心です。飼い主さんでの判断は難しいので動物病院で獣医師さんに診てもらいましょう。
老猫が快適に生活を送れるよう、トイレ環境の改善やおむつの着用など、いろいろな選択肢を用意してあげてくださいね。
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