猫のしゃっくりは病気?原因と止まらない時の対処法・予防法とは?

2021.01.27

猫のしゃっくりは病気?原因と止まらない時の対処法・予防法とは?

猫がヒクッ、ヒクッと体を小刻みに震わせているところを目撃したことはありますか?そう、それは猫のしゃっくり。猫も人間と同様にしゃっくりをするのです。しゃっくりしている猫は、なんだか困ったような様子で可愛らしいのですが、少し心配にもなりますね。放っておいていいの?止めた方がいいの?そもそもしゃっくりの原因は何?知っているようで良く解らない、猫のしゃっくりの原因と対処法・予防法、そして注意しなければならない猫のしゃっくりについてまとめてみました。

猫のしゃっくりって?どんな時にするの?

しゃっくりの正式名称は吃逆(しゃっくり・きつぎゃく)と言います。人間は一定感覚で「ヒック」という音が出ますが、猫はおなかを大きく波打たせ流だけで声はでません。

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しゃっくりの主な原因は横隔膜の痙攣です。肋骨の下部に付いている横隔膜が不規則な痙攣を繰り返す生理現象を「しゃっくり」というのです。
しゃっくりは成猫よりも子猫の方が起こりやすい傾向があります。

横隔膜は胸腔と腹腔の境にある筋板で、呼吸する際に横隔膜を収縮させることにより、胸腔を広げる役割を持ちます。延髄や頚神経から伸びて胸腔を通り、横隔膜に達する横隔膜神経が、なんらかの刺激を受けることでしゃっくりが起こります。
正常な生理現象としてのしゃっくりは長続きすることはなく、長くても1日以内に止まります。

実際に猫がしゃっくりをする様子をご紹介します。

飼い主さんに威嚇する猫ちゃんがしゃっくりを起こしてしまいます。急激に息を吐きすぎたことが原因でしょうか?咳をしているの?と思うようなしゃっくりですね。

子猫の場合は起こりやすいしゃっくり。体をヒクッ、ヒクッと痙攣させています。


猫のしゃっくりの原因は?

先に述べた通り、しゃっくりは横隔神経が刺激を受けたことにより、横隔膜が痙攣を起こすことで起こります。では横隔膜が受ける刺激とはどんなものがあるのでしょうか?
具体的には次のようなものが挙げられます。

・食事の量が多い
・食事の早食い
・食事や毛玉が喉に詰まる
・冷たい水を飲む
・水を飲むとき、空気も一緒に大量に吸ってしまう
・寒暖の差
・ストレス
・激しい運動をする
・咳をする


猫のしゃっくりの対処法・予防法は?

心配はないとわかっていても、体を痙攣させている猫の姿を見ているとなんだか可哀想になってくる、しゃっくり。早く治って欲しいし、できれば起こさないようにして挙げたいものですね。

ここでは猫のしゃっくりの対処法と予防法をご紹介します。

◆猫のしゃっくりの対処法

早食いや食べ過ぎが原因のしゃっくりはしばらくすれば治るのですが、長時間のしゃっくりは猫も辛そうに見えますね。そこでしゃっくりを意図的に止める方法をご紹介します。

・はちみつか砂糖を溶かした水をなめさせてあげる
・胃と肋骨の間にあるみぞおち部分(横隔膜のあるところ)を手のひら全体で優しく押す
・のどや胸を優しく撫でる
・猫の体が冷えている場合は毛布や暖房器具で暖める
・舌を触って唾をのみ込ませる

必ずしも効果があるとは言えませんが、猫がしゃっくりで辛そうに思えるのであれば試してみてください。

◆猫のしゃっくりの予防法

食事の与え方を見直す

猫がしゃっくりを起こす原因は上でも述べましたが、基本的に猫のしゃっくりは、食事の早食いや食べ過ぎなどが原因になっていることがほとんどです。早食い、ドカ食いは横隔膜が直接的に刺激される原因になり、しゃっくりが出てしまうのです。

食後などにしゃっくりが多いという場合には、一度、エサの与え方を変えて見てもいいかもしれません。お腹が空き過ぎて早食いすることを防止するために食事の時間間隔を見直したり、あえて食べにくい皿で食事を与えるようにしてもいいですね。
また、フードの粒が大きすぎることも早食いや喉のつまりの原因となり、しゃっくりの原因になります。猫の身体の大きさにあったフードのサイズを知り、与えてあげましょう。

早食い、ドカ食いは猫の肥満の原因にもなります。食事の与え方の見直しは猫の健康管理にもなって一石二鳥ですね!

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ブラッシングをする

喉に毛玉が引っかかってしまう時も猫はしゃっくりを起こします。猫が大量の毛を飲み込んでしまうことがないように、1日1回はブラッシングをして挙げましょう。特に換毛期は普段ようり念入りにブラッシングを!猫とのコミュニケーションをとることができる、猫の体調変化に気が付ける、と言う意味でも、毎日のブラッシングはオススメです。

毛玉対策用フードもあるので、活用して見てもいいですね。

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寒冷刺激を避ける

寒冷刺激とは、”冷たい”とか”ひんやり感”を感じる刺激です。
飲み水が冷たいことも寒冷刺激の一つです。冷たい水を飲んだら横隔神経を刺激してしゃっくりを起こしてしまいます。猫の飲み水は室温と同程度の温度にしておくと刺激は少なくなるでしょう。

他にも冷たいものに触れる、エアコンの冷気に直接あたる、体が濡れる、といったことも寒冷刺激になります。
これから暑くなってくるとエアコンを使用するようになりがちですが、猫の居住スペースの室温は25〜30度程度になるように設定しましょう。また猫の寝床がエアコンのそばにあると冷風を直接浴びてしまい、寒冷刺激の原因になります。

猫の体を洗う時も、必ず人肌のお湯を使用しましょう。洗った後はよくタオルで水分を拭き取り、部屋を暖めておく、などの猫の体が冷えてしまわない工夫をしましょう。

猫のストレスを少なくする

猫はストレスを感じるとグルーミングを行う回数が増えます。猫が毛づくろいをする回数が増えると飲み込む毛の量も増えます。お腹の中の毛玉はしゃっくりや嘔吐を引き起こすので、できるだけ毛を飲み込まないようにしなければなりません。

グルーミングは不安解消行動のひとつです。先に挙げたブラッシングも有効ですが、まずは猫のストレスの原因を知り、それを除いてあげることが大切です。
猫のストレスは様々。例えば引っ越し、赤ちゃんが生まれた、部屋の模様替え、新入り猫、近所の騒音、など、環境の変化は猫のストレスの大きな原因の一つとなります。

普段より明らかにグルーミングの回数が増えたと感じるようであれば、一度猫の環境をじっくり観察してあげてください。

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もしかしたら病気かも?心配な猫のしゃっくり

大部分は自然に治るまで待っていても大丈夫な猫のしゃっくりですが、中には危険な病気の前触れである場合もあります。そんな心配な猫なしゃっくりの原因をあげてみます。

◆喉の異変

猫が異物を誤飲誤食して、喉に詰まっているかもしれません。毛玉も大量に飲み込めば喉に詰まってしまいます。放っておけば窒息する可能性もあります。
体全体がひくついて苦しそうにしゃっくりが止まらないなど、明らかな異常がみられる時はすぐに獣医さんで診察を受けましょう。

◆脳腫瘍

人間と同様に、猫も脳腫瘍を患います。しかもそれほど珍しくない頻度で発生します。脳腫瘍の末期症状には意識障害や四肢の痙攣、麻痺、失禁、てんかん発作などが起こりますが、喉の筋肉が麻痺した場合はしゃっくりを起こします。

末期症状の脳腫瘍は治療は難しくなりますが、初期症状を見落とさず、適切な診察を受ければ命が助かることも多いはず。
猫の脳腫瘍の初期症状は以下の通り。

・何となく元気がない
・食欲不振
・人目を避ける。隠れて出てこない
・食事が上手く出来ない。チャッチャッと音を立てて食べたりする。
・粗相をするようになる
・ふらつく、着地の失敗などの運動障害
・四肢を突っ張らせる様な仕草をする
・四肢麻痺
・視覚障害

早期発見は救命率も上がります。普段から愛猫の様子を観察して、少しの以上にも気づける様に愛猫とのコミュニケーションを深めておきましょう!

◆咳

しゃっくりと思っていたのに、実は咳をしていた、という場合。数秒~数分で収まり、それ以上繰り返すことがないのなら心配はありません。

しかし咳がなかなか止まらない場合や、日常的に咳をしているような場合、もしくは「ゼーゼー」という苦しそうな音が混じっているような場合は、感染症や心臓の病気、もしくは肺の病気が考えられますので、獣医さんに相談しましょう。

なんらかのウイルスなどの病原体に感染している、いわゆる猫風邪では、以下のような症状が見られます。

・くしゃみや咳を繰り返す
・粘性の高い鼻水を出す
・目ヤニがたくさん出ている
・発熱による食欲不振や脱水症状
・角膜の炎症

抵抗力の弱い子猫や老猫が猫風邪にかかると命の危険性もあります。多頭飼いの場合は他の猫に感染してしまうのですぐに治療を受けましょう。
ずっと室内飼いで、ワクチン接種もしていて、外の猫との接触がない場合は他の病気の可能性があります。何れにしても獣医さんで診察を受け、咳の原因を調べて治療を受けましょう。

猫が咳をしている様子の動画です。しゃっくりとの違いを確認してみてください。


まとめ

愛猫がしゃっくりしているところを発見すると、なんだか可愛らしく微笑ましく感じてしまいがちですが、実は怖い病気が隠れていることもあるのですね。
しゃっくりの原因を知り、対策を取ることは、実は愛猫の健康管理にも繋がることがわかりました。

今度愛猫がしゃっくりをした時は猫の体調や生活環境をチェックしてみてはいかがでしょうか。



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そらにゃん

そらにゃん

猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?


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