1.猫にもある!?食中毒の特徴は?
2.猫の食中毒の症状は?
2-1.嘔吐
2-2.下痢
2-3.食欲がない
2-4.よだれや目やにが出ている
2-5.元気がない
2-6.体がふらついている、痙攣する
2-7.体温が高い、または体温がとても低い
3.猫の食中毒の原因は?
3-1.傷んでカビが生えたキャットフードを食べる
3-2.古くなったり汚れたりした水を飲む
3-3.食べてはいけないものを食べてしまう
5.猫の食中毒の予防法は?
5-1.食べ残しはすぐ片付ける
5-2.変質したフードは破棄する
5-3.フードの保存をしっかりする
5-4.食器をこまめにチェックする
5-5.自動給餌器や自動給水機の掃除をこまめにする
5-6.掃除、換気をする
猫にもある!?食中毒の特徴は?
食中毒とは、汚染されたものを食べたり飲んだりして、嘔吐や下痢、発熱などの症状が出ることです。人間もなりますが、猫ももちろん食中毒になります。
食中毒は、その原因によって分類することができます。
①細菌性の食中毒
毒素型:ボツリヌス菌、黄色ブドウ球菌など
感染型:サルモネラ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオなど
②ウイルス性の食中毒:ノロウイルスなど
③自然にあるものの食中毒:フグの毒、貝の毒、植物性・動物性食中毒など
④化学物質による食中毒:農薬、防腐剤、殺虫剤、水銀などによるもの
猫は人間に比べて体が小さいので、人間に比べて少しの量でも中毒を起こすことがあります。また、人間が大丈夫なものでも猫にとっては中毒を起こすというものもあります。
猫の食中毒の症状は?
猫が食中毒になると、どのような症状が出るのでしょうか?
◆嘔吐
猫が、食べたものを戻してしまいます。何度も繰り返し吐くことがあります。食中毒の原因によっては、食べてすぐではなく時間が経ってからのこともあり、食べ物が原因だと気づきにくい場合もあります。
◆下痢
軟便や水のような便をします。トイレ以外の場所で粗相をしてしまうこともあります。トイレの砂の汚れ方が普段の便やおしっこのものとは違かったり、猫のおしりが汚れていて気づくこともあります。
◆食欲がない
あまりフードを食べなくなります。猫が嘔吐や下痢をしていればもちろん、お腹が痛かったり、違和感を感じたりしているのでしょう。
◆よだれや目やにが出ている
猫は犬のようによだれを垂らすことがほとんどありませんので、よだれが出ていたら注意が必要です。刺激物が口中の粘膜に触れて炎症を起こしていたり、毒物が体内に吸収されてしまって口まわりが麻痺していたりするなどが考えられます。
猫の目やには普段から出る自然なことでもありますが、体調が悪いときや食中毒以外の時にも目やにが出ますので、原因を突き止めることが大切です。
普段、猫の目やには赤褐色やチョコレート色ですが、緑色や黄色だったり、どろっとして粘性が強かったりすれば、感染症にかかっている可能性があります。
◆元気がない
猫がいつもよりも動かずにじっとしていたり、眠っていないのに倒れこんでいたりすれば、体調が悪い可能性があります。お腹が痛かったり、嘔吐や下痢をしたりした後かも知れません。
また、貧血を起こしたり、不整脈を起こしたりしている可能性もあります。
◆体がふらついている、痙攣する
食中毒により、神経に障害が出ていてちゃんと体を保てないという可能性があります。痙攣する時には、低血糖の症状が出ているという可能性もあります。
◆体温が高い、または体温がとても低い
食中毒により熱が出ていれば、体温が高くなります。猫の体内に病原体が入り込み、体が守ろうとしている状態だということです。
猫の体温は通常38度〜39、40度と人間よりも高めです。熱が出ている場合はもちろん、低い場合も明らかに猫の体調が悪いということです。
猫が食べてはいけないものを食べることにより急性腎不全になってしまい、低体温になることもあります。
猫の食中毒の原因は?
食べ物についての原因を見てみましょう。
◆傷んでカビが生えたキャットフードを食べる
夏場にキャットフードを食べかけで放置しておくと、すぐに傷んで来ます。そして細菌が発生し、増殖した菌をフードと一緒に食べてしまうことで起こります。
長時間放置によって腐敗した食物や、空気や光に触れることにより変質してしまった食物を食べてしまうことが原因となります。
カビの生えた食べ物には、真菌類が作り出す毒素でマイコトキシンというものが含まれていることがありとても危険です。このマイコトキシンが発生した食べ物を食べると、人でも肝障害や急性胃腸炎や腎臓障害などを起こしてしまう恐れがあります。
猫は特にこの毒には敏感で、腸内が出血したり潰瘍ができたり、造血機能障害を起こすこともあります。
◆古くなったり汚れたりした水を飲む
水も痛みますし、カビが生えます。水に細菌が繁殖することもあります。猫用の自動給水器のフィルターにカビが生えることもあります。
カビが生えていることに気づかないと、猫がずっとカビが含まれた水を飲み続けることになってしまいます。
水を交換していてもフィルターやポンプ部分にカビが発生することは多くあります。また、猫の口元などについたフードが水に落ちて、そこからカビが発生することもあり得ます。
◆食べてはいけないものを食べてしまう
人が食べているものでも、猫にとっては中毒を起こしてしまうものがたくさんあります。
猫に与えてはいけないもの
・長ネギ、ニラ、玉ねぎ、らっきょう、にんにくなど
・キノコ類
・牛乳、アルコール
・チョコレート、ココア、アボカド、ナッツ類
・貝類、イカ、タコなど
調理された魚や肉類など、人間が食べて問題なくても猫にとっては安全ではない場合があります。
また、台所や食卓などに残って腐敗しかけたりカビが生えてしまったりした食べ物を猫が食べることでも、食中毒になる可能性があります。
猫の食中毒の治療法は?
中毒を起こしているものの毒性を弱めるために、内科的な治療が行われます。具体的には、中毒を起こした原因に応じて、吐かせたり、胃の洗浄を行ったりします。内服薬を与えて様子を見ることもあります。
中毒の原因によっては無理に吐かせることをせず、ミルクや卵白などを飲ませて体内で中和させることもあります。下痢が続いていれば、脱水症状を治療するために、点滴や皮下補液で水分を補います。
軽度な場合は、食事を抜いて猫の様子を見て、自然に回復するのを待つという方法もあります。ただし、猫にとっては体調が急に悪化したり、気づかぬうちに症状が進行したりしている場合もあるので、必ず動物病院で診てもらいましょう。
治療は必ず動物病院で獣医さんに行ってもらい、飼い主さんが自己判断で無理に吐かせたり何かを飲ませたり、放置したりすることのないようにしましょう。
猫の食中毒の予防法は?
◆食べ残しはすぐ片付ける
夏はフードの劣化が早いので、猫が食事して10〜20分ほど経って残っていれば、すぐに片付けましょう。
◆変質したフードは破棄する
カビが生えたり、変質してしまったりしたフードはしっかりと廃棄します。新しいものと混ざったり、猫が誤って食べてしまうような所に置いたりしないよう、気をつけてください。ゴミ箱は蓋つきにすると、猫がいたずらして残飯を食べたりしないので安心です。
夏場には特に、猫の食中毒に気をつけてください。冬から春にかけてのフードのあげ方だと、フードの傷みが早いので、カビが生える可能性があります。
また、保管方法も見直し、保管している間にカビが生えたり傷んだりしないようにしてください。
◆フードの保存をしっかりする
冷蔵庫にいれる、真空パックで保存するなど、痛みにくいように、カビが生えないような対策をしましょう。
また、夏場は大量に購入しないなどの対策も良いでしょう。保存する時には小分けにして、フードをあげる時には小分けのものを使い切るというやり方があります。
ただ、フードを冷蔵庫で保存する場合は注意が必要です。冷蔵庫から出し入れすることで温度差により結露が発生し、カビが生えてしまうことがあるからです。
湿気が少なく温度差が少ない、床下収納などで保存したほうが良い場合もあります。
◆食器をこまめにチェックする
普段から猫の食器には注意してチェックする習慣をつけましょう。残った食べカスにカビが生えていたり、お皿にもカビが生えていたりしないか、確認してください。
毎日しっかりと食器を洗い、乾燥させてから使うようにしておけば、安心です。
水は、傷んでくるとぬるぬるとしてくるので、お皿に触ってみると良いでしょう。見ただけでもゴミや食べカスが浮いていれば、すぐに皿を洗い、交換すれば安心です。
◆自動給餌器や自動給水機の掃除をこまめにする
「自動給餌器や自動給水機は安心」と思わないようにしましょう。給餌器は長時間フードを放置することになるので、カビが生えやすく痛みやすくなります。分解し、定期的な掃除をすることが大切です。
給水機も、水そのものは新しくても、器具の内側にカビが発生していることもあります。フードは痛みやすく、カビも発生しやすいので、数日おきに洗浄して使うようにしてください。
◆掃除、換気をする
夏の間の予防として、家の換気をよくして、カビが生えにくい環境をつくっておきましょう。掃除をこまめにして、水気がたまらないようにしておくのも大切です。エアコンや除湿機を使い、除湿をしっかりするのも効果があります。
まとめ
猫が食中毒になったり体調を崩したりしたら、必ずすぐに獣医さんに連れていくことが大切です。人間ならば、吐いたり下痢がおさまったりすれば治ると思うことでも、猫にとっては命にかかわることもあるからです。
夏には人間も猫も暑さで疲れやすく、食中毒にもなりやすくなります。できるだけ快適に過ごせるように工夫し、食品やフードの扱いには普段より慎重になりましょう。
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