気をつけて!猫に危険な有毒植物

2016.03.16

気をつけて!猫に危険な有毒植物

普段私たちが食べたり、飾ったりしている野菜や観葉植物。 ネギやタマネギ、ニラなどはよく知られていますが、猫にとって有毒・有害な危険植物は一説では700種類以上もあるそうです。 食べてもお腹を壊すくらい?病院に連れて行けば大丈夫? いえいえ、食べたり接触することで中毒症状を起こし、時には命を落とす危険もあるのです。 今回は猫が食べたら危険な有毒植物を紹介していきます。

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猫は植物を食べるの?

本来肉食動物の猫は植物を摂取する必要はないのですが、好んで草などの植物を食べる子がいますね。
ちくちくした葉が消化器官を刺激して毛玉を吐き出させる」という説や、葉の中に含まれる「葉酸」(ようさん)と呼ばれるビタミンの一種を補っている、という説があります。
しかし猫が食べてもいい植物はごくわずか。猫草以外は一切食べさせない、と覚えておいた方が安全です。
猫が食べても安全な猫草をあげてみます。

– 猫草(えん麦) –

カラスムギと呼ばれることが一番多いようです。飼い猫用に猫草としてペットショップなどで売られています。

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– エノコログサ –

日本全土に分布する一年草です。
夏から秋にかけてつける花穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)が転じて エノコログサという呼称になったとされます。花穂を猫の視界で振ると、猫がじゃれつくことから「猫じゃらし」と も呼ばれています。


猫に危険な有毒植物

よく知られているものから意外なものまで、多種多様。
有毒植物と、猫が食べてしまった時の症状をまとめてみました。

– ネギ科(ネギ、アサツキ、タマネギ、ニラ、ニンニク等) –

症状:ふらつき、心臓の鼓動が速くなる、嘔吐、下痢、血尿、黄疸、口内粘膜蒼白等死亡してしまうこともあります。
加熱しても毒性は残るので注意。

– ユリ科(ユリ、チューリップ、シュロソウ、イヌサフラン等) –

症状:目に入ると失明の恐れあり。経口摂取すると口腔や咽の灼熱感、嘔吐、下痢、沈鬱、脱水症状、腎臓障害、視力障害、呼吸困難、手足のしびれ、循環不全。全身麻痺等。
猫にとって最も危険な植物のひとつ。治療してもユリ中毒から生還できる猫は極めて少数で、大多数の猫が死に至ります。
特に子猫は致死率が高くなります。回復しても慢性腎不全や膵炎に移行する場合があります。

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– ツツジ科(ツツジ、サツキ、シャクナゲ、アゼレア、アセビ等) –

症状:口腔の灼熱感、流涎、嘔吐、視力障害、筋力低下、徐脈、痙攣、昏睡等。
猫にとって最も危険な植物のひとつ。摂取量が多い場合は数日で死亡します。

– ナス科(ナス、トマト、ジャガイモの芽、タバコの葉、ホオズキ等) –

症状:皮膚接触では結膜炎、皮膚のかぶれ、経口摂取では口腔や咽の灼熱感、嘔吐、下痢、流涎、腹痛、発熱、気管収縮、呼吸困難、瞳孔散大、知覚障害、血圧上昇、心拍異常、運動失調、筋力低下、徐脈、血圧低下、痙攣等。
死亡することもあります。

– キンポウゲ科(キンポウゲ、フクジュソウ、オダマキ、クリスマスローズ、ハンショウヅル等) –

症状:皮膚接触すると皮膚のかぶれ、水ぶくれなど。経口摂取すると口腔や咽の灼熱感、胃腸炎、嘔吐、下痢、腹痛、幻覚、中枢神経麻痺、痙攣、不整脈、血圧低下、心臓麻痺等。
猫にとって最も危険な種類のひとつ。死亡することもあります。

フクジュソウ

– バラ科(アンズ、ウメ、スモモ、モモ、サクランボ、リンゴ(いずれも未成熟の果実、種子)等) –

症状:体内で加水分解されると青酸を発生し中毒を起こします。呼吸困難、虚脱、チック症状、痙攣等。
死亡することもあります。

– ヒガンバナ科(アマリリス、スイセン、ヒガンバナ等) –

症状:皮膚接触では皮膚のかぶれ。経口摂取では嘔吐、腹痛、下痢、流涎、血圧低下、心不全、昏睡、中枢神経麻痺等。
死亡することもあります。

アマリリス

– アジサイ科(アジサイ) –

症状:嘔吐、沈鬱、元気消失、呼吸困難、痙攣。
大量に摂取すると死亡することもあります。

– クスノキ科(アボカド) –

症状:嘔吐、下痢、胃腸障害、痙攣、呼吸困難等。
アボカドに含まれるペルジンという物質が中毒症状を起こします。
ペルジンは果実だけではなく、葉、種、皮にも含まれます。死亡することもあります。

– その他 –

キキョウ、ウメ、ワラビ、サクラソウ、シクラメン、アサガオ、モンステラ、スズラン、パンジー、ソテツ、フジ、ジャスミン、ユズリハ、トウゴマ、トチノキ、ナンテン、松、ドラセナ(幸福の木)、アイビー、ポトス等


有毒植物を食べちゃった!!

すぐに病院へ行きましょう。
いつ、何を、どれだけ食べたかをしっかり先生に伝え、迅速に治療を受けることが大切です。
全く症状がない場合でも相談することが大切です。

まとめ

猫にはどれが危険な植物か、という判断はできません。
対策は部屋に植物を置かない、手の届かないところに片付ける。
どうしても室内に飾りたい場合は、事前に調べて猫に無害なものを選びましょう。
私たち飼い主が気をつけることで猫にとって安全な家を作ってあげたいものですね。

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そらにゃん

そらにゃん

猫が大好きなおばさんです。猫、いいですね! 我が家には「そら♂」「すず♀」「りん♀」のニャンズがいます。 ずっと犬を飼っていて猫暦はまだ二年そこそこと短いのですが、長年の願いだった猫との暮らしに今もウハウハ状態です。ニャンズのおかげで仕事や家事や寄る年波の疲れも吹っ飛びます。 病気がちな「そら」のおかげで獣医さんと懇意になり、通院の度に先生から様々な猫情報を教えていただいてます。 いかにニャンズを満足させられるか、猫じゃらしの振り方を日々研究中。 得意技は猫に錠剤を飲ませること。←ただし「そら」限定!?


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