猫は賢い動物だって知っていますか?意外とすごい記憶力と学習能力

2021.05.25

猫は賢い動物だって知っていますか?意外とすごい記憶力と学習能力

世間では「犬は頭が良い」などとよく言われます。でも愛猫家の方なら「いやいや、猫だって頭が良いですけど!」なんて反抗したくなっちゃうときがあるかもしれません。確かに犬も頭が良い動物ですが、猫だって負けてはいないと思えることがたくさんあります。最近では、さまざまな研究から猫の知能も高いということも分かってきています。そこで、今回の記事では「猫って本当は頭が良い!」と思えるような動画もまじえながら、猫の「頭の良さ」について徹底検証してみたいと思います。

【目次】
1.これはスゴイ!動画で分かる猫の賢さ動画3選
 1-1.ベルでフードを要求する猫たち
 1-2.だるまさんが転んだ…ができる猫
 1-3.たくさんの頭が良い猫が登場する動画が可愛すぎる
2.頭が良いことを数値的に表している脳化指数から見る猫の賢さ
 2-1.主な動物の脳化指数
3.猫と犬の習性の違いから見る「頭の良さ」の特徴
 3-1.猫は「自発型」、犬は「受動型」
4.芸ができれば頭が良いの?
 4-1.芸を覚えてくれる犬
 4-2.自立している猫は芸をしないだけ…!?
5.猫は「記憶力」が高い動物
 5-1.大脳皮質が発達している猫
 5-2.短期記憶力がスゴイ
 5-3.インパクトのあることは長期間覚えている
 5-4.学習能力がある自立心の高い猫
6.人間に換算すると何歳くらい?
7.まとめ

これはスゴイ!動画で分かる猫の賢さ動画3選

猫を飼っている人なら「うちの猫は頭が良い」という行動、きっといろいろと知っているでしょう。世界にも、そんな頭が良い行動をする猫がたくさんいます。
それでは「スゴイ」と思える猫の動画を3つほどご紹介します。

◆ベルでフードを要求する猫たち

まずはこちらの動画から。

2匹の猫の前には、ベルとお皿があります。どうやら、猫がベルを「チリリン♪」と鳴らすとフードをひとつずつもらえるようです。2匹の猫たちもそのことを理解しているのか、フードを貰ってペロリと食べた後には再びベルを鳴らし「おかわり下さい」とアピールしているのがカワイイですね。

途中で、左側の猫が自分のベルを使わずもう1匹の猫のベルを使い初め、なぜか最終的にひとつのベルを鳴らすため順番待ちしているのが面白いですね。横取りせずに待てるのも頭が良いからなのでしょう。

2匹とも「ベルを鳴らす→フードがもらえる→食べる→再びベルを鳴らす→またフードをもらえる」という流れが頭のなかにインプットされている頭が良い猫たちなのですね。

◆だるまさんが転んだ…ができる猫

次はこちらの動画。

飼い主さんが物陰からヒョイッと顔を出すと、こちらを見つめて動きをピタリと止めている猫。そして飼い主さんが再び隠れます。きっとこの間に忍び足でこちら側に歩いてきているのでしょうか。次に飼い主さんが顔を出すと、どんどん距離が近づいてきています。まるで、「だるまさんが転んだ」の遊びを猫と一緒にしているようで微笑ましいですよね。

最後には、飼い主さんのそばにピタリとやってきて「何しているの?」といった感じで大きな目で可愛らしい顔を見せたかと思うと、一目散に向こう側に逃げていってしまいます。

「飼い主さんが隠れている間に進んで近づく」ということを自分なりに学習している頭良い猫なのでした。

◆たくさんの頭が良い猫が登場する動画が可愛すぎる

最後にご紹介するのは、たくさんの頭が良い猫たちが登場する見ごたえのある動画です。

初めに登場するのは、エサの場所を記憶できる猫。3つあるクルミの殻のうち1つにエサを入れた人間が、猫の目の前でシャッフルします。どれにエサが入っているかを目でじーっと追いかけて、見事当てています。人間でも途中で分からなくなってしまいそうなのに、集中力があって頭が良い猫ですね。

次の猫は、飼い主さんの近くに立ち「ねえねえ」とでも言いたげに、肩を叩いています。そうすれば飼い主さんが自分を撫でてくれるのを理解しているようで「撫でてもらう」ために何度も飼い主さんの肩をたたきます。頭が良いのが分かりますよね。

そして、容器のふたを開ける猫もいました。「容器のなかの食べ物を食べるためにはふたを開けなければならない」ということをしっかりと理解している頭の良い猫です。

また、電話のベルが鳴ると受話器をあげる猫と続きます。これも頭が良いから分かる行動ですね。

さらに自分でドアを開ける猫も何匹か登場。「こうすればドアが開く→ドアを開ければ嬉しいことが待っている」がきちんと理解できている頭が良い猫たちです。

次の猫は、犬のリードをくわえて引っ張ります。まるで、犬のお世話をしているようです。「こっちだよ」と誘導してあげられるのは、頭が良いからできることですよね。

そして自分で扉を開けて外に出て行く猫。「外に出ていくために、扉をどうにかして開けよう」という心境が見られ、頭良い頭脳を持っているのが伝わってきます。


頭が良いことを数値的に表している脳化指数から見る猫の賢さ

脳の重さや体重から計算されて出る数値に「脳化指数」というものがあります。脳化指数は、体の重さに対して脳の重さがどれくらいある…?というものを数値化したものです。

◆主な動物の脳化指数

人間…7.4~7.5
バンドウイルカ…5.3
チンパンジー…2.2~2.5
クジラ…1.8
カラス…1.25
犬…1.2

猫…1.0
マウス…0.5

このように、人間の脳化指数はかなり高いことが分かります。気になる猫ですが、1.0という数値。頭が良いと言われる犬は1.2なので、それほどの違いはないことが分かりますよね。

ただ、実はこの脳化指数ですが、これだけで賢いと言い切れるわけではありません。あくまでも指標的なものなのです。


猫と犬の習性の違いから見る「頭の良さ」の特徴

猫と犬

そもそも猫と犬は、特徴が全く違いますよね。犬派の人は「犬の方が頭が良い」と言うかもしれませんが、「動物」としてみたときに猫とは習性が異なるので、そう見えるだけなのかもしれません。

◆猫は「自発型」、犬は「受動型」

猫は基本的に単独で行動する動物です。誰かに教わって生きていくのではなく、自分で考えて生きていくための賢さを身につけていきます。

猫を飼っている愛猫家の皆さんはお気づきかもしれませんが、自分でドアを開けたりすることもあります。ドアを開けることなんて、誰も教えないですよね。

猫は、人間がドアを開ける様子をひそかに観察していて、「こうすればドアが開く、ドアを開ければ向こうに行くことができる」と自分なりに学習しているのです。引き出しを開けておやつを見つけて食べている…!なんて、こともあります。これは、頭が良いからできることですよね。猫は自分のために、自発的に学習していく動物なのです。

一方、犬ですが昔から集団で生きていた動物です。群れのなか、リーダーや仲間から「こうすべきだ」ということを教わって覚えていきます。そのため、飼い主さんがトレーニングすればいろいろなことを覚えてくれます。犬は受動型で覚えてくれる動物なのです。


芸ができれば頭が良いの?

お手をしている犬

芸をしてくれる犬のことを頭が良いという人が多いですよね。確かに、可愛らしい芸ができる犬たちはたくさんいます。水族館に行けば、イルカショーで活躍するイルカたちも芸をする頭が良い動物です。

でも、芸ができなくても賢い動物は他にもたくさんいるのです。芸は、人間から教わってできることなので、人間の指示を受けて訓練することができるか、人間に従うことができるかに関わってきます。

◆芸を覚えてくれる犬

「お手」「オスワリ」「マテ」「フセ」など、いろいろな芸をする犬たち。初めから芸をしてくれるわけでなく、飼い主さんの根気と犬たちの賢さからの賜物とも言えるもの。トレーニングによって覚えてくれるので、「芸ができる犬は頭が良い」と言われることが多いですね。

犬がトレーニングして芸を覚えるのは「飼い主さんに喜んで欲しい」という気持ちが大きいです。トレーニングしている間は、飼い主さんとのコミュニケーションの時間でもあります。犬は人間に対して忠誠心があるので、ちょっと無理難題なことを教えても、時間をかければ「頭が良い!」と世間が感動するような芸さえ見せてくれます。そして、犬は芸をしたときに、飼い主さんが喜び褒めてくれることに、大きな喜びを感じます。

◆自立している猫は芸をしないだけ…!?

「芸ができる=頭が良い」というのは、何だかちょっと違う感じもしますよね。

実は、猫の場合、芸を覚えてくれないのではなく「やらない」だけ。猫は自立心が大きい動物なので、自分以外の誰かのために芸を覚えるということはしません。「できない」のではなく「覚える気がないだけ」なのです。

ただ、なかには人間から習ったことを覚えてくれる猫もいます。芸の教え方次第で「自分のためになるんだ」と分かれば、いくつかの芸を覚えてくれることもあります。

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猫は「記憶力」が高い動物

こちらを見つめている猫

猫は、記憶力がいいと言われています。恩を3日で忘れる…なんて表現もよく聞かれますが、そんなこともないようです。猫の記憶力について少しお話しましょう。

◆大脳皮質が発達している猫

猫の脳は人間と似ている構造をしています。そして、学習や記憶力に大きな関係がある部分の「大脳皮質」がかなり発達しているのです。

◆短期記憶力がスゴイ

言葉通り、ほんの短い時間しか持続しない記憶の「短期記憶」ですが、猫は人間よりも優れているという話があります。実は、2007年に出た論文では、猫の短期記憶はなんと10分以上という内容のものだったのです。これは人間の20倍とのことなので、いかに猫の短期記憶がスゴイのかが分かりますよね。

◆インパクトのあることは長期間覚えている

短期記憶に対し、長い間覚えている記憶が長期記憶です。人間でもそうですが、繰り返し起こったことやインパクトのあることは結構記憶に残るものですよね。猫も「イヤだな~」と思った衝撃的なことは長く覚えて反応するそうです。

動物病院での注射や爪切りなど、自分にとって嫌だったことは「動物病院を見るだけで嫌がる」など記憶に残っていることが分かります。

◆学習能力がある自立心の高い猫

先ほども少し触れましたが、猫は自立心の高い生き物です。単独で生きていくためには、自分のことは自分で守らなければなりません。それに必要なのが「記憶力」なのです。
野生では「ここは危険」「ここは大丈夫」という命に関わることをしっかり記憶していく必要があります。そういった習性があり、猫は周囲のことをしっかり見るという観察力にも優れています。

飼い猫を見ていると分かりますが、人間の様子をよく観察しています。ドアや窓を開けるのもそうですが、キッチンの台に乗ってエサを見つけたりする猫もいます。なかには、人間用の水洗トイレのレバーを回し、水を流す猫もいるそうですよ。そして、いろいろと観察した結果、そしてそれを実践してみる猫もいます。

こうやって考えていくと、猫の頭が良いのは間違いなさそうな気もしますよね。自分のために、いろいろ学習しようとするところこそ、猫の頭が良いと言える部分ではないでしょうか。


人間に換算すると何歳くらい?

一般的に猫は人間の子供の2歳程度と同じくらいの知能ではないかと言われています。諸説ありますが、犬は3~4歳程度ではないかと言われていて、猫と比べると少し上の知能と考えられています。

でも、実際には猫はもっと知能が上かもしれませんね。周囲を良く観察し、自分で学習しようという気持ちがある向上心のある頭が良い動物なのです。

ただ、当然ながら猫は言葉が話せないですし、気まぐれなところがあるのでクールに見えるだけなのかもしれません。


まとめ

頭が良い動物と言うと、犬ばかりに焦点が当てられがち。でも、実は猫もとても頭が良いんですよ。特に頭が良いと感じる部分は、「自分で考えて行動する」という猫の自立心に表れています。

今回の記事の動画でも見られたような賢さが分かる行動は、きっと多くの猫たちが潜在的に持っているものです。飼い主さんのことを良く観察しているので、いつかビックリするくらいの賢さを見せてくれる可能性もあります。そんな見方で愛猫と暮らしていけば、新たな発見があるかもしれませんね。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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