猫にトリミングは必要?
「トリミング」とは、毛のブラッシングやシャンプー、カット、爪切り、耳掃除など猫のお手入れの全般のことを言います。
◆猫は自分でトリミングができる!?
猫のトリミングは、ブラッシングやシャンプー、爪切りなど猫の体のお世話をすることですが、実は猫はこのすべてを自分ですることができます。
毛のブラッシングやシャンプーに関しては、猫が体を舐めて毛づくろいをすることでできます。唾液は殺菌効果があるため体を毛づくろいすることでシャンプーの役割をしてくれます。また、爪切りに関しては、歯で爪を噛んで引っ張りキレイに整えることができます。
このように、実は猫は人間からトリミングをしてもらわなくても、猫は自分でトリミングをすることができます。
◆どんな時にトリミングが必要?
猫は自らトリミングができますが、猫が行うブラッシングには限界があります。
猫の舌が届かない背中などは汚れやすく、泥などがついてしまえば唾液だけで洗い落とすことはできません。逆に、泥などの汚れを舐めることで口の中に菌が入ってしまい病気になる可能性もあります。
また、常に毛が汚れて絡まっている状態では、猫が毛づくろいをして毛並みを整えようとして舐めすぎてしまい、皮膚病を発症してしまうケースもあります。
爪もあまり放置しているとカーテンなどに爪が引っかかってしまうなど事故のリスクも伴います。また、多頭飼いしている場合は、爪が長く尖っていると猫同士のちょっとしたじゃれあいがきっかけで大怪我になることもあります。
猫は最低限のトリミングは自分でできますが、やはり人がトリミングをするほうがより丁寧に細かくできます。室内飼いであればそんなに頻繁にトリミングをしなくても猫はキレイに見えますが、猫が安全に快適に過ごそうとすると、ある程度のトリミングは必要になります。
猫の健康のためにも、ケガをしないためにも、リスクを減らすには定期的なトリミングをしてあげましょう。
トリミングが必要な猫の品種は?
猫には長毛種(毛が長い猫)と短毛種(毛が短い猫)がいます。短毛種はブラッシングやコーミングをするだけで、かなりの抜け毛が取れます。一方で、長毛種の猫は毛が長いのでブラッシングやコーミングだけでは抜け毛が取れきれない部分が出てきます。
古い毛が抜けきれずに体に残ったままになると通気性が悪くなり、細菌が繁殖しやすく皮膚病になることもあります。また、毛が長いため、毛が絡まりやすく毛玉にもなりやすいです。
毛玉ができるのを防止するためにも、猫の健康のためにも人がトリミングをする必要があります。
〈メインクーン〉
メインクーンはアメリカ最古の猫の品種です。北米の厳しい環境に適応するために大柄な体と分厚い被毛を持っています。
〈スコティッシュフォールド〉
スコティッシュフォールドは長毛種と短毛種がいます。イギリスのスコットランドが原産で、体はがっちりとしていて筋肉質です。
〈ペルシャ〉
ペルシャは世界的に昔からとても人気がある猫の品種です。華やかな存在で「猫の王様」と呼ばれています。繊細でフワフワした美しい被毛です。
〈ラグドール〉
ラグドールはぬいぐるみのように可愛らしい姿と性格です。ラグドールという名前は英語でぬいぐるみという意味で、フワフワで淡い色の豊かな被毛です。
〈ソマリ〉
ソマリはアビシニアンの長毛種です。被毛の1本1本に「ティッキング」という濃くて淡い色のたて縞模様があります。光の加減によってキラキラと輝く被毛です。
〈マンチカン〉
マンチカンには長毛種と短毛種がいます。短い足をしているのでゆっくりと歩くイメージがありますが、実際には低姿勢で運動神経がいいので走り回ることが大好きです。
猫の長毛種は他にもたくさんの猫の品種があり、短毛種に比べるとお手入れが大変ですが、とても美しい被毛を持っています。猫の品種ごとに被毛の長さや毛質が違うので、猫に合ったトリミングやカット、シャンプーをしてあげましょう。
どこで猫のトリミングしてもらう?
最近では、ペットを飼っている人が多くなったのでペットショップやペットサロンも多くなってきています。トリミングといえば、犬のイメージがありますが、猫もトリミングしてくれるお店があります。
◆基本はペットショップやペットサロン
ペットショップやペットサロンで猫をトリミングしてもらうには、猫のトリミングを行っているか、猫のことをきちんと考えている環境かなど、お店の情報をよく確認しましょう。
ペットショップやペットサロンでのトリミング中に飼い主さんの立ち合いができるのかはとても重要です。猫も飼い主さんが近くにいてくれるだけでストレスが少なくなるといわれています。飼い主さんだからこそわかる猫の体調の変化もチェックできます。
良質なペットショップやペットサロンの場合は、飼い主さんの立ち合いがなければトリミングを行わないということもあります。そういうペットショップやペットサロンは猫の特長などを理解していて、事故の危険をわかっているからです。
飼い主さんが猫のそばにいることでストレスが軽減される場合もありますので、そういった点をお店を選ぶ時のひとつの指標とするのもおすすめです。
◆動物病院にトリミングサービスがある場合も
動物病院でも猫のトリミングをしてくれるところがあります。今では、ペットショップやペットサロンが併設しているところも多いようです。
動物病院が併設されている場合は、猫の健康状態を確認してからシャンプーやカットなどのサービスをします。もし、猫の体調に何かあれば動物病院が併設されているのですぐに対応もしてもらえるのでとても安心です。
猫のトリミングの料金・サービスは?
猫をトリミングするのに、はじめにカウンセリングがあります。猫の健康状態や毛質や毛量などの確認をし、シャンプー以外にオプションでどういったものを選ぶのかなど相談します。気になることがあるならば、気兼ねなくトリマーさんに相談しましょう。
◆猫の基本的なトリミングの料金・サービス
ペットショップやペットサロン、動物病院によって料金はいろいろです。また、毛の長さや体の大きさによっても料金は変わってきます。
シャンプーのみの場合、4000円~8000円ぐらいが相場です。長毛種の方がより多くの毛をカットしなければならないということから料金設定が高くなっている場合が多いです。
また、シャンプーとは別にオプションでカット、爪切り、肛門絞り、耳掃除、足裏カットなどがあります。飼い主さんではできない、プロの方にしてほしいということがあるならば、シャンプーの他にオプションをつけるのもいいでしょう。
◆長毛種のカットについて
猫のカットにはいろいろな種類があります。長毛種の場合、全身の毛量のボリュームを軽くするカットがあります。フサフサした見た目は変わらずに毛量を軽くすることで通気性がよくなります。
他には、ライオンカット、ベリーショートカット、モヒカンカット、サマーカットなどもあり、飼い主さんのお好みの長さが指定できます。
長毛種の猫は毛が長いので絡まりやすく、特に足の付け根に毛玉ができやすいです。毛玉ができたままだと足を動かすことがスムーズにいかず、猫がとても歩きにくくなってしまいます。また、皮膚に毛玉が張り付いてしまいカットが難しくなる場合があります。
このような場合、毛玉になっている個所を部分カットするのではなく、毛玉をほぐしてからカットするため、料金が追加でかかる場合もあります。
トリミングで猫にかかるストレスに注意!
猫に比べて犬は社交性が高いので、トリミングでのストレスは少ないといわれています。一方で、猫はペットショップやペットサロンでのトリミングはかなり大きなストレスになることも考えられます。
猫には縄張り意識が非常に強く、多くの猫は内向的な性格をしています。狭い空間を好む猫にとっては、外に出て知らない場所に連れていかれる、知らない人に体を触られるという状況は重大なストレスを引き起こしてしまいます。トリミング中に事故があるといったケースは少なくはありません。
ペットサロンや動物病院などでトリミングサービスを受ける場合は、愛猫の性格や社交性をよく考慮することが必要です。
場合によっては、自宅でトリミングを行ってくれる出張サービスを利用したり、飼い主さん自身が自宅でケアをしてあげたりすることも視野に入れましょう。
また、猫が妊娠中、病気やケガ、手術のあとはトリミングは避けましょう。
自宅でもできる!トリミングのやり方は?
もちろん、プロのトリマーさんは丁寧に手際よくトリミングをします。素人の飼い主さんができるのかと思う方もいるかもしれませんが、きちんとしたやり方を覚えればできるようになります。
シャンプーする前には、念入りにブラッシングをしましょう。抜け毛が取れシャンプーがしやすくなります。
◆シャンプーのしかた
猫の体の後ろからお湯をかけます。お湯の温度はぬるめに設定し、シャワー口は地肌に近づけて流します。耳、目、鼻にはお湯がかからないように注意してください。
シャンプーを猫の全体にかけて、もみ洗いをするように両手を使って毛の流れに逆らって洗います。手のひらでブラッシングするイメージで洗っていきます。手のひらが滑らかな手触りになったらシャンプーは終わりです。
すすぎ方は頭、体、足の順番に上から下へ流します。お腹などはシャンプーがたまりやすいところなので念入りにすすぎましょう。
猫を動かすのではなく、猫の動きに合わせてシャンプーやすすぎをすると猫もあまり嫌がらずにスムーズにできるようです。
◆カットのしかた
今は自宅で飼い主さんがカットできるトリミングハサミやバリカンが販売されていますので、そちらを利用しましょう。
比較的怪我をさせにくく自宅でカットできる部分は背中の毛です。脇腹、お腹の部分は皮膚が傷つきやすいので、十分に注意してカットしましょう。
長毛種の場合、フローリングなどの床で滑り怪我をする恐れがあるため、足裏の肉球周りの毛のカットも必要です。また、肛門まわりの毛も、衛生面からカットしておく方が良い場合もあります。
ただ、猫は顔や足、尻尾は触られるのを嫌がる傾向にあります。嫌がる猫は暴れる可能性が高くケガをしてしまう恐れがあるため、無理やりカットはせず、少しずつ慣れさせるようにしましょう。
基本的には、猫がリラックスしている時にカットを行うようにしましょう。猫が嫌がるようであれば、カットは中止して後日に行うほうがいいでしょう。少しずつカットしていくことをおすすめします。
最後に…
猫は自分で被毛などのケアができますが、どうしても飼い主さんの手でしてあげないといけないところがあります。特に長毛種は、毛が絡まりやすく毛玉になってしまいます。1度毛玉ができてしまうと毛玉をほぐすのはかなり難しいため、毛玉ができないように定期的なトリミングが必要です。
お店でトリミングするには、動物病院が併設したペットショップやペットサロンがいいでしょう。料金は少し高くなりますが、もしものことを考えたら獣医師さんがいるお店をおすすめします。
– おすすめ記事 –
・猫のトリミングはどこでできる?グルーミングとの違いと必要性 |
・ネコちゃんのトリミング |
・旅行に行く時は猫を預ける?ペットシッター・ペットホテル・留守番の3つの選択のメリット・デメリットについて |
・ペット大国日本!三和交通タクシーの斬新なサービス「ペットタクシー」って?料金・利用方法は? |
・長毛猫の人気の種類8選!長毛種の歴史や毛玉のトリミングのコツとは? |