- 1.抜け毛がすごい!猫の換毛期について
- 2.猫の換毛期で気をつけたいこと①毛球症
- 3.猫の換毛期で気をつけたいこと②毛玉
- 4.猫に毛玉ができた時の取り方・カットの仕方は?
- 5.まとめ
1-1.猫の換毛期はいつ?
1-2.一年中抜け毛がある場合も…
2-1.抜け毛を飲み込むことの危険性
2-2.猫の毛球症とは?症状・治療法は?
2-3.猫の毛球症の予防法は?
3-1.毛玉ができる原因は?
3-2.毛玉ができやすくなる状況は?
3-3.毛玉を取らなければいけない理由は?
3-4.毛玉ができやすい場所は?
4-1.毛のもつれがそれほど複雑でない場合の取り方
4-2.指ではほぐせない毛玉の取り方
4-3.重度の毛玉の取り方
抜け毛がすごい!猫の換毛期について
猫は人間と同じように夏は暑いと感じ、冬は寒いと感じます。そのため、猫はそれぞれの季節にあった毛にするため、毛の量を調整する必要があります。
季節の存在自体はわかっていなくても、猫の毛は周りの気温や日照時間によって生え変わります。これを「換毛期」と言います。
◆猫の換毛期はいつ?
一般的に猫の換毛期は、寒さの落ち着く3月頃と寒さが厳しくなる11月頃に始まります。体毛を一旦抜き落として新しい体毛をまとうためです。
春になるとこれから迎える夏に向けて冬に蓄えた温かな毛が抜け、秋にはこれからの寒い冬に向けて暖かな毛に変わっていきます。人間の春と秋の衣替えとよく似ていますね。
◆一年中抜け毛がある場合も…
猫の体毛の成長周期は、およそ60~90日の成長期と、40~60日の中間・休止期に分けられます。成長期には毛根から徐々に新しい毛が伸び、古い毛を上に押しのけて毛穴から出てきます。これが抜け毛と呼ばれる現象です。
この体毛の成長周期に大きな影響を及ぼすのは日照時間です。日光を浴びている時間が長くなると換毛期が始まります。
しかし、完全室内飼いで人工的な光を長く浴びているとはっきりとした換毛期がなくなり、一年中換毛期のように毛が生え変わっている猫も少なくないようです。
猫の換毛期で気をつけたいこと①毛球症
抜け毛が多く見られる猫の換毛期ですが、色々と注意したいことがあります。
◆抜け毛を飲み込むことの危険性
猫は本来待ち伏せ型の狩猟を行う肉食動物です。獲物に気づかれないよう毛づくろいを行い、自分の身体を清潔にして周囲に自分の匂いが広がらないようにします。猫が綺麗好きと言われる所以です。
ただ、この性質から換毛期の猫は毛づくろいの際に大量の毛を飲み込んでしまいます。飲み込んだ毛は消化されることはありませんので、猫は飲み込んだ毛を嘔吐したり、ウンチと一緒に排泄したりするのですが、量が多すぎると排泄されずお腹の中に溜まって行きます。
そして、うまく排泄されない毛玉が大きな塊になると、吐き戻すことも腸に流れることもできなくなり、毛球症という病気になってしまうことがあります。
◆猫の毛球症とは?症状・治療法は?
猫の毛球症とは、飲み込んだ自分の体毛が消化器官内にとどまり、吐くことも排便することもできなくなった状態を言います。
毛球症の症状は、食欲不振、便秘、吐くそぶりを見せる、お腹を触ると嫌がるなど。
毛球症の治療は毛玉を体外に排出することです。軽度の場合は毛球除去剤を舐めさせ、毛玉を吐き出させます。毛球除去剤で効果が得られず、症状が重篤化して腸閉塞などを起こしかねない場合は、開腹手術で毛玉を取り出すことになります。
◆猫の毛球症の予防法は?
開腹手術は猫にも飼い主さんにも大きな負担になってしまうので避けたいもの。そのようなことにならないために、普段から猫のブラッシングを定期的に行い、換毛気になっても猫がブラッシングを嫌がらないように習慣付けることが大切です。
ブラッシングは猫の身体の状態のチェックができ、猫とのコミュニケーションにも役立ちます。長毛種は1日2回、短毛種は1日1回、ブラッシングを行いましょう。
また、毛球の排出を促す猫草や、毛玉予防専用フードを活用することもおすすめです。
猫草はエン麦などのイネ科の植物で、葉に細かいトゲトゲがあり、胃を刺激して毛玉を吐き出させます。猫草は食物繊維が多く消化されにくいので、胃の中の毛を絡め取り排出を促す効果もあリます。太陽光が当たる場所に置いておけば、日光浴などの際に口にします。
毛玉予防専用のフードは、体内の毛玉排出を目的に作られたフードで、飲み込んだ毛を吐かせるのではなく、毛がウンチとともに排出するのをサポートしてくれます。
食事で上手に毛を排出できれば、ブラッシングが苦手な猫ちゃんでもストレスをかけずに毛球症対策ができますよね。
愛猫に合った方法で、毛玉ができないよう日頃から注意してみましょう。
猫の換毛期で気をつけたいこと②毛玉
換毛期を迎えた猫や長毛種の猫などは、お手入れをしないと毛同士が絡まりあい、体表に「毛玉」ができやすくなります。
◆毛玉ができる原因は?
猫の被毛に毛玉ができるのは、抜け毛が身体から離れず、被毛の中でからまるからです。
猫の毛1本1本はつるつるしているように見えますが、毛根の方から先に向けてささくれ状のものがあります。そのため、擦れたり、抜けた毛が身体についたままにしておくと、ささくれ状の毛がもつれて引っかかり、毛玉となります。
定期的なシャンプーやブラッシングをしないでいると、被毛や皮膚が汚れて毛が絡み合い、汚れが接着剤となって毛玉を生み出します。
◆毛玉ができやすくなる状況は?
毛玉ができやすくなってしまう原因は次のような状況にあります。
・服や首輪を着けたままだと、服や首輪の下の毛が擦れてもつれる。
・ブラッシングをせずにシャンプーをする(毛が絡まったままシャンプーすると汚れが落ちにくいだけでなく、さらに毛が絡まってしまう)。
・シャンプー後の毛を乾かさずに放置する(濡れた毛は絡まりやすく、毛玉になりやすい)。
・長毛の猫は短毛種よりからみやすい。
◆毛玉を取らなければいけない理由は?
ブラッシングが不十分な場所は毛玉ができやすくなります。毛玉があるということは皮膚や被毛が汚れた状態にあるということでもあるので、皮膚病や炎症が起きやすい状態と言えます。
絡まった毛は見た目が美しくないことはもちろんですが、皮膚を引っ張り、引きつることによって炎症が起き、そのままにしておくと細菌感染を起こして皮膚炎が悪化してしまいます。
また、あまりにひどい毛玉は、猫に痛みを感じさせます。引っ張られた皮膚が裂けてしまう場合もあります。血行も悪くなり、体表の新陳代謝もそれにともなって低下します。
汚れて固まった被毛は、冬は保温効果が充分発揮できず、夏はムレの原因となり、皮膚だけにとどまらず猫の体全体に悪影響を及ぼします。
できてしまった毛玉は放置しておくとどんどん増えて行き、猫にとって非常に辛い状況になってしまいます。
◆毛玉ができやすい場所は?
毛玉ができやすい場所は猫が自分で毛づくろいして綺麗にできない場所と同じです。また、毛と毛が擦れてしまいやすい場所にもできやすくなります。喉やあごの下、脇の下、お尻、胸の内側、お腹、耳の後ろなどにできやすい傾向があります。
猫の体表には、水分の多い汗を出すエクリン腺はほとんどなく、油分の多い皮脂が分泌されるアポクリン腺がたくさんあります。アポクリン汗腺から出る分泌分は油性なので、汚れをくっつけやすく、毛がからみやすくなります。
猫に毛玉ができた時の取り方・カットの仕方は?
毛玉は見た目が悪くなるばかりではなく、皮膚病や炎症を引き起こす原因にもなります。毛玉を見つけたら、すぐにほぐしたりカットするなどの手入れをしましょう。
毛玉の取り方やカットの方法は次のように行います。
– 準備する物 –
・ハサミ
・櫛(コーム)
・水で薄めたペット用リンス液(スプレー容器に入れる)
・毛玉取りローション
◆毛のもつれがそれほど複雑でない場合の取り方
- 皮膚を引っ張らないようにし、毛の根元を片手でしっかり持ち、少しずつ手でほぐします。
- ほぐれたら、毛の流れに沿って毛先から少しずつ櫛ですいていきます。この時も、皮膚を引っ張らないように、根元をしっかり押さえるようにします。
- 毛玉が取れたら全体的にブラッシングします。
◆指ではほぐせない毛玉の取り方
- 毛玉の根元を指でおさえ、毛玉の上から、縦にハサミを入れて十字にカットします。この時、猫の皮膚を切らないように、必ず毛玉の根元を持ち、それより下をカットしないように慎重に行います。
- 十字にカットして切り分けた毛玉を、皮膚を引っ張らないよう毛の根元をしっかり持ち、少しずつ手でほぐします。
- ほぐれたら毛先から少しずつ櫛ですいていきます。この時も皮膚を引っ張らないように、根元をしっかり押さえるようにします。
- 頑固な毛玉はクシでほぐす時に水で薄めたペット用リンス液・毛玉取りローションなど使用します。被毛から10~20㎝ほどはなして毛玉の周辺も含めスプレーします。
- どうしてもほぐれない毛玉は根元からカットします。無理に引っ張ると毛が一気に抜けてしまう事があります。痛い思いをした猫はその後、ブラッシングやシャンプーなどの手入れを嫌うようになってしまうので、猫の皮膚を傷つけないように毛玉の取り方には最大の注意を払います。
また、カットする際にハサミを使うので、猫が突然暴れだして猫や飼い主さんが怪我をしないように気をつけてください。
◆重度の毛玉の取り方
毛玉がフェルト状になっていて、櫛やコームが皮膚に届かない状態になっている、小さいけれど毛玉がたくさんできている、というような重度の毛玉を取ることは大変難しく、飼い主さんが自分でカットすることは猫にも負担がかかります。
ひどい毛玉ができている猫の皮膚はとてもデリケートで、少し引っ張るだけでも皮膚が裂けてしまう可能性があります。痛みやかゆみも強く、毛玉をカットすることに時間を取られると、猫はその後ブラッシングやシャンプーといった手入れを嫌ってしまうようになります。
重度の毛玉の場合は、無理をせず、トリミングや動物病院などの専門家に相談しましょう。
まとめ
猫の毛のふわふわもふもふは、飼い主さんにとって大きな幸せを感じるアイテム。けれど猫の被毛は普段のお手入れ次第で良い方にも悪い方にも変わります。
毛玉の上手な取り方やカットする方法を知っておくことも大切ですが、それよりも毛玉を作らないように努める方が、猫にも飼い主さんにも良い方法です。
・換毛期はブラッシングの頻度を多くする
・シャンプー前には必ずブラッシングする
・シャンプー後はきちんと乾かす
・ブラッシングは短時間で少しずつ、ほめながら行う
こういった工夫で被毛にできる毛玉はもちろん、毛づくろいで飲み込んでしまう毛の量も減らすことができます。ブラッシングが嫌いな猫もいることでしょうが、根気よく頑張ってくださいね!
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