1.猫も糖尿病になる!糖尿病の原因は?
1-1.糖尿病とは?
1-2.猫も糖尿病になる!
1-3.猫の糖尿病の原因は?
2.猫の糖尿病の症状は?
2-1.水を飲む量が増える、おしっこの回数や量が多くなる
2-2.異常に食欲が旺盛になる、食欲不振
2-3.たくさん食べているのに痩せる
2-4.下痢や嘔吐をする
2-5.特徴的な歩き方
2-6.白内障になりやすい
2-7.糖尿病が悪化した場合
3.猫の糖尿病の治療方法は?
3-1.糖質を制限した食事を与える
3-2.インスリン注射を行う
4.猫の糖尿病の予防方法は?
4-1.肥満にならないように注意する
4-2.猫の体に合った食事をあげる
4-3.猫の食事の回数を分ける
4-4.水分をしっかり摂取する
4-5.定期的に健康診断を受ける
猫も糖尿病になる!糖尿病の原因は?
糖尿病とは、血液中の糖分を体が取り込めないことにより、血糖値が高くなる病気です。
◆糖尿病とは?
人の体も猫の体も、ご飯を食べると「インスリン」と呼ばれているホルモンが膵臓から分泌されます。通常、血液中の糖分はインスリンの作用で体に取り込まれます。
しかし、糖尿病になるとインスリンが膵臓から十分に分泌されなくなり、血糖値の高い状態が続き、代謝異常が起こります。
インスリンは、糖類を細胞の中に取り組む働きをするホルモンです。インスリンが機能しなくなると、体を動かすエネルギーを作り出すのに必要な糖分を取り込めなくなってしまいます。
その結果、糖分が血液中にたくさん残った状態になり、尿にも糖が含まれるようになります。
◆猫も糖尿病になる!
猫も人間と同様、糖尿病になります。猫の糖尿病には、糖尿病の症状が一時的に出る場合、慢性的に糖尿病の症状が出る場合の2つのパターンがあります。
猫の糖尿病で多いのは、「インスリンは分泌されているものの不足している場合や、インスリンが分泌されているのに体が反応しないこと」が多いです。
◆猫の糖尿病の原因は?
猫の糖尿病は、はっきりとした原因がわからないことが多く、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。猫の糖尿病の要因は、肥満、不適切な食事、長期間のストレス、膵臓の病気、薬の影響、遺伝的疾患、自己免疫疾患などがあります。
また、老化に伴った内分泌機能の低下や、運動量の低下によって糖尿病の発症のリスクがあがるといわれています。
9歳を超えた老猫は特に発症しやすい傾向があることがわかっていますが、若い猫でも糖尿病を発症することがあります。
猫の糖尿病の症状は?
猫の糖尿病の症状はいくつかあります。飼い主さんは見逃すことがないように注意が必要になります。
◆水を飲む量が増える、おしっこの回数や量が多くなる
血液中の糖分が増えてしまい、一部がおしっことして排出されます。糖分と一緒に水分も余分におしっことして排出されるために、たくさんのおしっこをします。
また、おしっこで失われた水分を補うために水をたくさん飲むようになります。
◆異常に食欲が旺盛になる、食欲不振
多食にもかかわらず、体重の減少がみられます。糖尿病の病気が進行すると、食欲不振になることもあります。
◆たくさん食べているのに痩せる
インスリンが足りてないために、食事をしてもブドウ糖を脂肪やグリコーゲンというものに変えて貯えたり、エネルギーを効率的に利用することができずに体重が減ってきます。
◆下痢や嘔吐をする
糖尿病の影響で血液中のケトン体と呼ばれている物質が増えてしまい、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
◆特徴的な歩き方
猫の場合、かかとをつけて歩く特徴的な歩き方をすることがあります。この特徴的な歩き方で糖尿病が発見されることがあります。
◆白内障になりやすい
糖尿病の病気が進行すると白内障を引き起こすことがあります。特に犬に多いです。
このような症状がみられる場合は注意が必要です。
◆糖尿病が悪化した場合
糖尿病の病状が進むと、食欲低下、嘔吐、痩せてくる、元気がない、毛艶がなくなるなど、体の見た目からでも糖尿病の症状がみられるようになります。
猫の糖尿病の病状が進行すると、糖分の代わりに脂肪をエネルギーとして使います。そのため、ケトン体という毒性物質が作られ、体内で合成されてしまいます。
このケトン体が増えると、食欲低下や嘔吐などの症状がみられ、入院治療が必要な状況となります。
猫の糖尿病の末期症状は、急激に痩せる、ふらふらして元気がなくなる、目が白濁している、合併症を起こして体の一部が麻痺するなどといったものです。また、白内障などの合併症を起こすこともあります。
猫の糖尿病の治療方法は?
糖尿病とは、糖分を細胞内に取り込む働きのあるインスリンが十分に作られない、働きが悪くなることで、血糖値が高くなる病気です。その治療としては、血糖値をコントロールすることが最も重要です。
◆糖質を制限した食事を与える
猫の糖尿病の治療で大事なのは、血糖値を安定させることです。一時的な糖尿病の治療方法の場合は、まず自宅での食事療法を行います。
食事を糖質の少ない糖尿病用の療法食に切り替えます。糖分の吸収をコントロールした食事に切り替えるといった食事療法で、肥満の解消と体内に取り込む糖分の量のコントロールをしていきます。
この食事療法で回復することもありますが、慢性的に糖尿病の症状が続く場合は、インスリンの投与と自宅での食事療法が欠かせません。
◆インスリン注射を行う
猫が糖尿病になった場合の治療方法は、インスリン注射です。血糖値を安定させるためにインスリンを注射で投与し、糖分を体内に取り込めるようにする治療を行っていきます。
インスリンの注射は、基本的には毎日1日に2回行うため、飼い主さんが自宅でインスリン注射を打つことになります。インスリンの注射は獣医師さんに教わって練習をします。
猫の場合は、通院だけでストレスや緊張で血糖値が上がることが多いので、リラックスできる自宅でのインスリン注射がいいでしょう。
糖尿病の完治は難しいといわれていますが、食事で血糖値のコントロールが上手にできるよういなれば、インスリンの投与が不要な状態になるまで回復することもあります。
猫の日頃の生活習慣の改善や食事療法は続けていくことが必要になります。
猫の糖尿病の予防方法は?
◆肥満にならないように注意する
糖尿病に限ったことではありませんが、まずは太り過ぎないように気をつけることが重要です。定期的に体重を測って適正な体重を保つようにしましょう。毎日、適度な運動をさせることも重要です。
猫が肥満にならないようにするためには、猫の体に合った適正な食事を選ぶことが大切になってきます。
◆猫の体に合った食事をあげる
猫は完全肉食動物ですが、生肉だけの食事をしたほうがいいのかというと、そういうわけではありません。
完全肉食動物である猫は、草食動物の肉だけではなく、胃腸なども含めた内臓を食べることで、動物性の栄養素を分解された状態で摂取してきました。そのため、筋肉である赤身肉だけでは十分ではありません。
今では、市販されているキャットフードを食事としてあげるのが一般的です。市販のキャットフードを選ぶ際には気をつけなければならないことがあります。
100%肉や内臓、血液などのプレミアムフードなどもありますが、適切な栄養バランスで作られているフードを選ぶとよいでしょう。
また、ドライフードとウェットフードを比べると、水分が多いウェットフードのほうが本来、猫が食べている食事の組成に近いです。特にドライフードを食事にする必要性がなければ、ウェットフードを選ぶのもひとつの手です。
◆猫の食事の回数を分ける
本来、猫の食事は1度に少量ずつ、何度も食べて空腹を満たす動物です。飼い主さんの都合などで1日に1回の食事にするようになれば、1度に大量に食べることになり、血糖値が急激にあがってしまいます。
可能であれば、食事を小分けにしてあげられるようにしてください。
猫の食事の回数の理想は、1日に4回~6回に分けてあげたほうがいいでしょう。食事の回数が少ないと空腹の時間が長くなり、お腹が空きすぎてしまうので、十分な量の食事をあげても「足りない」と要求してくるようになります。
食事の量を少量ずつ、数回に分けて食べていれば、常に小腹が満たされているので食べ過ぎることもありません。
今では、タイマー設定ができる自動給餌器があります。タイマー設定で食事ができるので飼い主さんが家に不在でも小分けにした食事ができるのでとても便利です。
◆水分をしっかり摂取する
猫はあまり水を飲まない動物です。糖尿病の予防に限ったことではありませんが、水分は摂取しておいたほうがいいでしょう。
飲み水はこまめに取り替えて新鮮なものを用意したり、自動給水器を設置するのもおすすめです。
また、ウェットフードは多く水分を含んでいるので食事を摂りながら水分補給をすることができます。
猫の糖尿病の予防方法として飼い主さんができることは、猫にとって適切な食事を与えることで猫を肥満にしないことです。また、食欲、元気、飲水量、尿量などのチェックも行いましょう。
◆定期的に健康診断を受ける
動物病院で定期的な健康診断を行うことも、糖尿病の早期発見につながります。血液検査や尿検査を行えば、万が一猫が糖尿病になっていたとしても、すぐに気がつくことができます。
健康診断は7歳になるまでは年1回程度、7歳を超えたら半年に1回程度を目安に受けるのがおすすめです。
最後に…
糖尿病は、人だけではなく、猫でもなる病気です。糖尿病の症状がみられた場合、すぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
人が糖尿病になった場合は食事などコントロールをしようと意識ができますが、猫はそうはいきません。ちゃんと食事をしてくれない場合もあります。
また、低血糖の症状になったりしてしまうこともあるので、コントロールが難しく、インスリンの注射は猫にはストレスになります。飼い主さんも猫に痛い思いはしてほしくないと思います。
糖尿病にならないようにするには、飼い主さんが食事などの管理をしっかりとしなければなりません。まずは、食事の管理をしっかりとしましょう。食事で予防ができるのであれば、飼い主さんが頼りになります。
日頃から、猫のおしっこの回数や量、食事に気をかけてあげてくださいね。
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