猫の飼育にかかる年間の費用は?
当たり前のことですが、猫を飼うにはいろいろな費用がかかります。毎日食べる餌代、予防注射や病気、ケガをした時の医療費、その他に猫が生活する上で必要な費用があります。
猫と一生涯過ごすには、どれだけの費用がかかるのでしょうか。
参考:東京都における犬及び猫の飼育実態調査の概要(平成29年度)東京都福祉保健局
◆年間にかかる猫の餌代
猫の餌代は、年間3~6万円未満という回答が猫飼育者全体の31.3%と最も多い結果になっています。次に年間1~3万円未満という回答が28.0%、年間6~10万円未満という回答が11.4%になっています。
猫の餌には、キャットフード、プレミアムキャットフード、療法食などいろいろな種類があり、値段もそれぞれです。猫の年齢に合わせたフードもあります。
プレミアムキャットフードとは、素材、品質、栄養、バランスなどすべてにおいてこだわって作られたフードで、一般的なキャットフードよりも費用が高い傾向にあります。
また、獣医師さんの指示で病気の猫に与える療法食は、それぞれの病気の治療に特化したフードのため、生涯与えるようになれば年間にかかるフードの費用も高くなるでしょう。
◆年間にかかる猫の医療費
猫の医療費は、年間1~3万円未満という回答が猫飼育者全体の32.7%と最も多い結果になっています。次に3~6万円未満という回答が17.5%になっています。
猫が病気にならないために、年に1度の猫のワクチン接種があります。猫のワクチンの種類はいくつかあり、ワクチンの種類によってかかる費用が違います。
ワクチン接種をする際は、どのワクチンの種類がいいのか獣医師さんに相談するといいでしょう。
猫の避妊・去勢手術にも費用がかかります。メスの避妊手術の費用は2~4万円、オスの去勢手術の費用は2~3万円が相場といわれています。
その他、猫の病気を早期発見するために健康診断があります。年に1度の猫のワクチン接種と同時に猫の健康診断をする飼い主さんが多いようです。
猫の健康診断では、血液検査や画像検査を行うことで臓器や血液の状態をチェックできることから、病気の早期発見につながります。
◆年間にかかるその他の費用
猫の餌代、猫の医療費以外にかかる費用に関しては、年間1~3万円未満という回答が猫飼育者全体の45.5%と最も多い結果で、次に3~6万円未満という回答が13.3%になっています。
「1万円未満」を含めた3万円未満という回答は、全体の54.0%になっています。
猫にかかるその他の費用というのは、日常的に使用するトイレ用品、猫用のベッド、食器やおもちゃなどがあります。
消耗品などは常に費用がかかりますし、猫のベッドなどは季節によって変えることもあります。また、猫の品種によっては、シャンプーやブラッシングなどの用品が必需品となります。
猫の飼育にかかる費用の内訳は?
猫を飼う時は、その猫の生涯の面倒を見るということが前提です。猫を飼うと楽しい時間を楽しく過ごせるということもありますが、もし猫が病気になったら飼い主さんに精神的にも金銭的にも負担がかかります。
◆猫の飼い始めにかかる費用の一例
猫を飼うには、猫用品が必要となります。猫を家に迎えるために必要な物はたくさんあります。
猫が快適に過ごせるように、猫の身体に見合った物を選んであげましょう。
・食器(2000円)
猫の食事用、飲み水用と2種類が必要となります。食事用の食器は安定感のあるものを選ぶといいでしょう。飲み水用の食器は少し深いほうが猫は飲みやすいです。
・トイレ本体(4000円)
猫用のトイレにはいろいろなタイプが販売されています。シートを取り替えるタイプやトイレの砂などを入れるタイプがあります。置く場所などをよく考えて用意しましょう。
・トイレの砂(1000円)
トイレの砂は、固まる砂、トイレに流せる砂、洗って再利用できる砂などいろいろなタイプがあります。トイレ本体の形態に合わせて選びましょう。
・トイレのおしっこシート(1000円)
トイレの形態に合わせて選びましょう。また、移動の時やキャリーバッグの中に敷いておくと粗相をした時に便利です。
・首輪(1000円)
飼い猫という意味でも首輪というのは大切な物です。猫の身体に合った首輪をしてあげましょう。
・ブラシ・スリッカー・シャンプー(2000円)
猫の被毛をケアするのに必要な物になります。猫の品種にもよりますが、長毛種の猫にはブラッシングをしてあげないと毛玉ができてしまうことがあります。
・爪切り(1000円)
猫の爪はすぐに伸びでしまいます。爪が長いと物に引っかかってしまいケガをしてしまう恐れがあります。
・爪とぎ(1000円)
猫は爪を切っても爪とぎをします。爪とぎを用意しておかないと部屋の家具や壁などで爪とぎをしてしまうことがあります。
・キャリーバッグ・ゲージ・ベッド(8000円)
キャリーバッグは猫が病院など外に出かけるために必要となります。ベッドは猫が快適に寝やすいように猫の身体に見合ったベッドを選んであげましょう。
・猫用のおもちゃ(3000円)
猫じゃらしやネズミのおもちゃなどを用意してあげましょう。猫と遊ぶことで猫の運動やストレス発散にもなります。
猫を飼い始めるのに必要な物から、かかる費用を合計すると約2~3万円かかることがわかります。
※費用は一例です。
◆猫の飼育で毎月かかる費用の一例
毎月かかる費用として、消耗品と猫の餌代があります。
・猫の餌代(4000円)
猫のフードにかかる費用は種類にもより、プレミアムフードや療法食は費用がかかります。
また、猫もフードの好みがあります。値段が高いからといって猫が食べてくれるとは限りません。猫の好みのフードがわかるまで時間がかかる場合もあります。
・トイレの砂、トイレのおしっこシート(消耗品)
トイレの砂やトイレのおしっこシートは、タイプによっては毎日変えなければいけません。トイレを清潔にしておかないと猫がトイレをしないことがあります。
・爪とぎ(消耗品)
爪とぎは、猫の爪をとぐ回数などにもよりますがボロボロになります。うまく爪とぎができないようであれば、新しい爪とぎに変えてあげましょう。
・猫用のおもちゃ(消耗品)
猫のおもちゃは、遊んでいるうちに古くなってしまう、壊れてしまうことがあるので種類を増やしておくといいでしょう。
消耗品は毎日使う物なのでストックしておくと便利です。消耗品に毎月かかる費用は約1000円です。猫の餌代と消耗品にかかる費用を合計すると約5000円かかることがわかります。
その他、餌や消耗品以外にも毎月かかる費用があります。猫が病気の場合は毎月の医療費がかかりますが、医療費は病気やケガによって違います。
※費用は一例です。
◆猫の飼育で毎年かかる費用の一例
毎年かかる費用としては、年に1度うけるワクチン接種や健康診断、ペット用保険の費用などがあります。猫の一生のことを考えれば、健康で長生きしてもらうためにも、ワクチン接種や健康診断を受けておいたほうがいいでしょう。
ワクチンの種類は4種類あります。
・3種混合ワクチン
一般的なワクチンです。ワクチン接種の費用は3000~7000円になります。3種混合ワクチンは、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症などの病気の予防ができます。
・4種混合ワクチン
3種混合ワクチンに猫白血病ウイルス感染症を加えたワクチンになります。ワクチン接種の費用は3000~5000円になります。
・5種混合ワクチン
4種混合ワクチンにクラミジア感染症を加えたワクチンになります。ワクチン接種の費用は5000~10000円になります。
・7種混合ワクチン
5種混合ワクチンに猫カリシウイルスのいくつかある型の2~3種類を追加したワクチンになります。ワクチン接種の費用は7000~13000円になります。
また、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)のワクチンは、混合ワクチンではなく、単独でワクチン接種する必要があります。ワクチン接種の費用は初年度3回接種で10000円~の場合が多いようです。
※費用は一例です
◆猫の飼育で臨時にかかる費用の一例
病気やケガは予測できません。病気やケガになった時にかかる費用は、動物病院によって違います。病気やケガが根治するまでの通院などを含めると最低でも1万円以上になります。
病気の種類やケガの程度によってかかる費用は変わります。また、病気やケガがひどい時には動物病院で入院ということになると入院費用もかかってきます。
飼い主さんは万が一のためのことを考えておいたほうがいいでしょう。
※費用は一例です
猫の飼育費用を節約する方法は?
猫を飼うということは、猫の一生の面倒を見ることになります。猫の餌代、医療費、その他の費用など猫と一緒に暮らすと費用がかかります。その中でも、できるだけ費用をかけずに猫と楽しく暮らせるように、飼い主さんはどんな工夫ができるでしょうか。
1番節約できるのは猫の餌代です。猫の餌の買い方を変えるだけで費用を少しでも抑えることができます。
◆大容量のものを購入する
猫が毎日食べるフードのうち、少量パックのものより大容量のものを購入することで、猫の餌代を毎月数円~数百円の節約することができます。
ただし、もちろん食べ物なので長期保存はできません。長くて2か月程度で消費できるフードの量を購入するようにしましょう。
◆猫の餌をネットで購入
今では、ネットでも猫のフードを買うことができます。ネット販売の場合、いろいろな割引などの特典があり、これを利用することによって、猫の餌代を毎月数百円以上の節約になります。
また、重たい買い物は飼い主さんの負担になります。ネットでの購入になると配達をしてくれるので飼い主さんにとってもありがたいです。
毎月の節約は数百円程度かもしれませんが、猫の一生を考えるとかなりの節約になります。
まとめ
猫をただ飼いたいという気持ちだけでは、猫の一生涯の面倒を見ることはできません。猫を飼うには費用がかかります。
面倒を見ることができない、費用がかかるといった理由で猫を捨ててしまう人がいるのは事実です。そういう悲しいことにならないために、猫を家に迎えるために猫の一生を考えてあげましょう。
猫は費用がかかることが多いですが、その中で飼い主さんの工夫次第で節約できる部分はたくさんあります。猫と楽しく暮らすためにもよく考えましょう。
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