マンチカンの特徴
◆足の長さは、実は3タイプある
マンチカンは短足のタイプだけではなく、スラっと足が長いタイプや中間のタイプの計3タイプが存在します。
・スタンダード(足長タイプ)
スタンダードは名前の通り、普通の猫と足の長さが変わりません。大人のマンチカンで10cmほどの長さになります。
・スーパーショート(中間タイプ)
名前だけ見ると短足タイプかと思いがちですが、スタンダードより少し短めの中間タイプです。
・ラグハガー(短足タイプ)
ラグハガーは足の長さが最も短いタイプです。ラグは敷物、ハグは抱きつくという意味ですので「お腹が敷物につきそうなくらい足が短い」猫を指します。
◆身体は丈夫!
マンチカンの体重は大人のオスで3〜4kg、メスで2.5kg〜3.5kgほどです。一般的な猫よりもひと回り小さな小柄な猫です。
小柄で短足と聞くと身体が弱そう、と思ってしまいますが、実は逆です。様々な種類の猫と交配されてきた歴史があるため、マンチカンは病気をしづらい丈夫な身体を持っています。
その反面、アニコム損保が公表している「家庭どうぶつ白書2017」によると、マンチカンの平均寿命は11.2歳と、猫全体の平均寿命14歳と比べて短めです。
動物でも身体が大きいほど寿命が長く、身体が小さいほど寿命が短いので、マンチカンの身体の大きさが関係しているのかもしれません。
◆被毛は長さ・色ともに自由
マンチカンには長毛種と短毛種の両方が存在します。足の長さがはっきりと見えるのは短毛種なので、短足を心の底から満喫したい!という方は短毛種を選ぶと良いでしょう。
また、色の規定がないため、すべて毛色がマンチカンとして認められています。
マンチカンのカラーは、レッド系、クリーム系、ブラック、シルバー、ホワイト、ブルー、トーティ、キャリコ、ダイリュートキャリコなど色も組み合わせも様々です。
◆目の色も全種認められる
毛色と同じく、目の色も指定がありません。多いのはアンバー(琥珀色)やヘーゼルです。中には両目で色が違うオッドアイのマンチカンが生まれることもあります。
マンチカンの歴史
◆短足は突然変異
足の短い猫はイギリスをはじめアメリカやロシアなど世界各地で見つかっています。その猫を交配させることにより短足のマンチカンが生まれました。
◆名前の由来は小人
マンチカンの語源は「マンチキン」と言われています。マンチキンは英語で小人を意味しているので、猫のなかでも小柄なマンチカンにはぴったりですね。
マンチカンの性格
◆運動好きで遊び好き
マンチカンは見かけによらず運動神経が良い猫です。短い足からくりだされるジャンプには、思わず声が出てしまうほどです。
また、好奇心旺盛な性格も持ち合わせているため、新しいおもちゃや遊びも興味津々で食いついてくれます。
体つきもどちらかと言うと筋肉がしっかりとついたガッチリタイプです。高いところからのジャンプは着地時に関節へ負担がかかるので避けた方が無難ですが、走ることは得意なのでレーザーポインターや猫じゃらしを使って遊んであげると良いでしょう。
◆人懐っこく甘えたがり
マンチカンは警戒心が薄くよく人慣れする性格なので、飼い主にも甘えたがることが多いです。来客にも驚くことが少ないので、友人が遊びに来てもマンチカンとのふれあいを楽しんでもらえるでしょう。そのため、初めて猫を飼う方でも飼育しやすい猫種であると言えます。
また、社交性があるので他の猫とも仲良く暮らすことができます。先輩猫がいる場合も、マンチカンなら馴染みやすいので多頭飼いを検討されている方にもオススメです。
◆穏やかで頭がいい
マンチカンは賢いので、しつけも比較的簡単です。壁をひっかく、トイレの場所を間違えるといった行動も少ない猫種だと助かりますよね。人間をよく観察しているため、いつの間にかできるようになっていることも多く見られます。
穏やかな性格でもあるので、お留守番も得意です。マンチカンだけで遊べるおもちゃを置いておけば、ちゃんと使って時間を潰してくれます。
ただし、飼い主が家にいる時間が短くなるとコミュニケーションの時間まで減ってしまい、甘えん坊のマンチカンにはストレスとなってしまいますので注意しましょう。
マンチカンのしつけ
マンチカンは好奇心旺盛な性格からか、いたずら好きな面があります。子猫のうちからやっていいことと、やってはいけないことを教えておきましょう。
◆マンチカンをしつけるコツ
マンチカンは穏やかで好奇心の強い性格をしていますが、一方で臆病な面もあります。無理にしつけをしようとはせず、優しさを持って根気強く教えていく必要があります。
マンチカンが悪いことをしても身体や頭を叩く、大声を出すといった行動は控えましょう。飼い主のことを叩く人、怖い人と認識してしまうと、信頼関係が崩れてしまうことがあるからです。
◆マンチカンのしかり方
マンチカンが悪さをした時は、鼻先を指でツンとつついて「ダメ」と優しく諭すように教えましょう。1度しかっただけでは意味がわからず悪さを繰り返してしまうこともありますが、根気強く教えれば賢いマンチカンなら理解してくれるようになります。
または、飼い主がやっているとバレないように布を頭から被せて視界を暗くしたり、スプレーを使って水を少しかけたりする方法もあります。両方ともマンチカンが嫌がることなので、して欲しくない行動と嫌なことを紐付けてしつけていく方法です。
どちらにしても怖がらせない、過度に驚かせないことがマンチカンをしつけるコツです。
マンチカンのかかりやすい病気
マンチカンのしつけはケガ予防の一環でもありますが、それでもケガや病気をしてしまうことがあります。事前にかかりやすい病気を知って居住環境を整えてあげましょう。
◆関節炎
スーパーショートやラグハガーなど足が短めのマンチカンの身体は、関節に負担がかかりやすい構造になっています。そのため、高いところからのジャンプを繰り返したり滑りやすい床で過ごしていると関節炎を起こしてしまいます。
また、体重が増えて肥満になることも、関節の負担を増やす一因です。
関節炎を防ぐには、高い家具やキャットタワーは避ける、床にラグやマットを引いて滑りづらくする、成長に合わせたキャットフードを与えて体重管理をすることが必要です。
◆毛球症(きゅうもうしょう)
長毛タイプのマンチカンは毛球症に注意しましょう。毛球症は、毛づくろいをすることにより胃や腸で毛が固まってしまう病気です。食欲がない、吐き気がある、便秘気味などの症状がみられた場合には毛球症が疑われます。早めに獣医にかかるようにしてください。
毛球症を防ぐには、日頃のブラッシングが有効です。週に2〜3回はブラッシングで身体についたままになっている抜け毛を取りましょう。スリッカーブラシを使うと良く取れますが、力が強いと皮膚に傷がつくので注意が必要です。ピンブラシであれば金属の先が丸まっているので安心です。
ブラッシングは皮膚に刺激を与えて血行を良くする効果もあります。ブラッシングを好きになってもらえれば、飼い主さんとのコミュニケーションにもなります。
ぜひマンチカンが好むブラシを見つけてあげてくださいね。
マンチカンに合わせて用意したいおもちゃ
足が短いマンチカンには、身体に合わせた猫グッズを用意してあげましょう。
◆キャットタワーは低めを選ぶ
運動好きのマンチカンには、段差が小さく全体の高さも低く設計されているキャットタワーがオススメです。購入の際にはスムーズに上り下りできそうか、上から飛び降りても大丈夫そうか想像しながら検討すると良いですよ。
◆通り抜けるタイプのおもちゃもオススメ
キャットタワーを置く変わりに、キャットトンネルを設置するのもオススメです。途中に穴が開いているタイプだと、通り抜けたり途中で顔を出してみたりと楽しそうに遊んでくれます。
コストも比較的低いので、買い替えも気軽にできて便利なアイテムです。
◆けりぐるみは身体の大きさに合わせる
猫が大好きなけりぐるみですが、マンチカンは一般的な猫と比べて小柄なので物によってはけりぐるみを抱くことができないこともあります。特に、足が短いマンチカンは蹴りぐるみを抱えづらいことが多いようです。
けりぐるみも身体のサイズに合わせて少し小さめのタイプを選んであげましょう。
ケージ利用はあり?なし?
犬はケージ利用がマストですが、猫は使っている方も使っていない方もいらっしゃいますよね。マンチカンにはケージ利用ができるのでしょうか。
◆猫は狭くて暗いところが好き
基本的に、猫にケージを使うことは問題ありません。もともと狭くて暗いところが好きなので、ケージを使っていなくても自分で居心地の良いところを見つけて来ます。SNSでもダンボールに入りたがる猫や、鍋に入りたがる猫がたくさん投稿されています。
床にテープでサークルを作るだけで入ると言うのですから、猫はよっぽど囲まれている方が安心できるタイプなのでしょう。
◆ケージで落ち着ける場所をつくる
ケージはマンチカンにとって安心してくつろげる場所になることができます。ケージは窓から離れている部屋の隅に置いて、周囲の視界から遮られるような工夫をすると良いです。
また、エアコンの風が直接当たることを嫌う猫が多いので、空気の通り道も確認しておきましょう。温度調整が難しくなりそうであれば、ケージ内に冷感グッズやペットヒーターを設置してあげると解決できます。
そして大切なのが、無理やりケージに入れることは避けることです。無理強いされるのではなく、マンチカンが好んで毎日使いたくなるケージ作りを心がけてください。
◆ケージを使うメリット
ケージのメリットはマンチカンにとって心地よい場所になれるだけではありません。飼い主さんがいない時間はケージの中で過ごしてもらうことで、1人遊びによるケガや誤飲を防ぐことができます。
また通院時にケージの中に入ることや、ペットホテルの利用にも抵抗が少なくなります。毎回暴れるストレスになるより、ケージに慣れた方がマンチカンにとっても飼い主さんにとっても良いですよね。
マンチカンの仲間
実は、短足のマンチカンを他の猫種と掛け合わせたミックスってご存知でしたか?
◆ミヌエット
ミヌエットはマンチカンとペルシャのミックスです。短足にぱっちり目の可愛らしい顔を持ち合わせる天使のような猫種です。
日本でもメジャーになりつつあり、ペットショップでも見かけることが多くなりました。
◆キンカロー
マンチカンとアメリカンカールのミックスです。短足にカールした小さな耳が特徴です。
犬のような性格をしていて、猫にしては珍しく飼い主が投げたおもちゃを取りに行くそうです。
◆スクークム
マンチカンとラパーマのミックスです。短足にカールした被毛が特徴の猫です。
活発で社交的な性格をしているので、マンチカン同様飼いやすいとされています。
◆ジェネッタ
マンチカンとベンガルのミックスです。短足にヒョウのようなスポット柄が特徴の、少しワイルドなタイプです。
遊び好きですので、一緒にたくさん遊びたい方に向いています。
◆スコティッシュキルト
マンチカンとスコティッシュフォールドのミックスです。短足に小さな垂れ耳が特徴です。
まだ日本ではあまり見かけないですが、人気の高い猫種の組み合わせなので、これから人気が出てくるかもしれません。
まとめ
マンチカンの足の長さには3タイプあり、名前の由来は「小人」から来ています。性格は穏やかで好奇心が強く賢いので、初めて猫を飼う方や多頭飼いにも向いています。
ただ、小柄であることや足が短いことを加味して好みの環境を準備する必要があります。
ぜひマンチカンの特徴を捉えて、健康で楽しいキャットライフを送ってくださいね。
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