1.猫はどうして魚が好きなの?
2.猫に青魚はNGって本当?
2-1.青魚はイエローファット(黄色脂肪症)の原因に
5.青魚以外で猫が食べてはいけないものは?
5-1.猫が食べてはいけない魚介類
5-2.猫が食べてはいけない魚介類以外の食べ物
猫はどうして魚が好きなの?
猫にとって欠かすことのできないタンパク源である魚ですが、中でもマグロやカツオが大好きな猫ちゃんは多いですよね。
マグロやカツオはサバ科に分類され、青魚を代表する魚でもあります。
ですが世間では猫に青魚は危険と言われていることもあり、本当のところは与えても問題ないのか気になるところですよね。
日本では猫が魚を好きといったイメージが定着しており、キャットフードの原料にもマグロやカツオといった、青魚を使用している商品も多く販売されています。
そもそも猫は肉食動物でありながら、なぜ日本では魚を好む印象が強いのか…その理由は江戸時代まで遡ります。
江戸時代までは仏教が主流であった日本は、原則獣肉を食べることが禁止されていた上に、タンパク源は魚で摂取していたとも言われています。
ですが当時の猫は害獣駆除の役割を担っており、高価な魚は口にできなかったのでは?と推測できますよね。
キャットフードなどの食べ物ももちろん無かった時代なので、なぜ猫が魚を食べることができたのか不思議に感じますが、そこには「生類憐みの令」が関係しているとの説もあるようです。
このような法令が第5代将軍徳川綱吉によって制定されたことにより、日本国内には猫が爆発的に増加し、人が食べていた魚の余りものを与えられる機会が多かったとも言われています。
本来肉食動物である猫は、食べ物に対する好みが生後4週~6ヶ月齢の経験によって決まるとも言われていますので、魚を食べる機会が多ければ多いほど、好む傾向にあるのは一目瞭然です。
このように猫は育つ環境によって、好きな味覚も変わっていきますので、魚を食べる機会の多い日本では、猫も魚が好きといったイメージが定着したのかもしれません。
猫に青魚はNGって本当?
日本で生活をしている現代の猫たちにも、当然魚好きなイメージは消えることなく引き継がれていますので、ついつい猫に魚をあげたくなってしまう方も多いことでしょう。
猫と一緒に暮らしている飼い主さんは尚更、焼き魚やお刺身を食べるときには、愛猫にもおすそ分けしてあげたくなっちゃいますよね。
ですが魚の中でも青魚は、猫に与えるべきではないという声を耳にすることもあるので、与えることを悩まれている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫に青魚がNGと言われている理由は、以下の通りです。
◆青魚はイエローファット(黄色脂肪症)の原因に
昨今では「オメガ3」と呼ばれる脂肪酸が注目されていますが、この脂肪酸は体に必要な栄養素であっても、体内で作ることができないので食べ物から摂取しなくてはいけません。
この脂肪酸は大きく分けると「不飽和脂肪酸」「飽和脂肪酸」に分類されますが、青魚に多く含まれているのが不飽和脂肪酸となります。
不飽和脂肪酸は植物性の油が多いと言われていますが、青魚でもEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸が豊富に摂取できることもあり、魚を好んで食べている日本では喜ばしい話でもありますよね。
EPAやDHAは血液をサラサラにし、血液中の中性脂肪やコレステロールを減少させてくれる効果があるので、心臓病やガンなどの病気の予防にも繋がります。
このような効果が見込めることからも、猫が青魚を食べることは有益なことのように感じますが、不飽和脂肪酸を多く摂取してしまうとある病気を引き起こす場合も。
その病気とは「イエローファット(黄色脂肪症)」と呼ばれ、猫の皮下脂肪が酸化することによって黄色に変色し、炎症を起こす病気です。
不飽和脂肪酸は分解の際に、猫の体内でつくられたビタミンEを大量に消費していきますので、青魚を食べ過ぎてしまえば必然的にビタミンEは不足してイエローファットを引き起こします。
黄色く変色して炎症した脂肪は徐々に硬くなり、しこりになってしまえば痛みを伴いますので、歩行困難や触れられるのを拒むようになっていきます。
皮下のしこり以外にも、発熱や食欲不振などの症状も見られますので、普段から青魚を頻繁に与えているのであれば、注意が必要と言えるでしょう。
猫が青魚を食べてしまったら
ご家庭でも頻繁に青魚が食卓に並ぶご家庭は多いと思いますので、魚のニオイを嗅ぎつけて欲しがる猫ちゃんもたくさん居るはずです。
少量であればもちろん食べても害はありませんが、毎日のように青魚を食べている猫ちゃんであれば、イエローファット以外の症状が出たとしても不思議ではありません。
ほかにも生で食べるお刺身などは、切り身はそのまま猫に与えやすく、素材そのものの味を楽しむことができるので、簡単に愛猫に与えることができますよね。
一切れの4分の1~半分程度が猫にとっての少量となるので、多くても一切れ以上は与えないに越したことはないでしょう。
とくに生のお刺身には新鮮であればあるほど、寄生虫が居ることも多いので、万が一寄生虫を食べてしまえば、アレルギー反応を起こすこともあり危険です。
これらのことからも飼い主さんは猫に青魚は危険で、大量摂取がだめなことを理解していたとしても、愛猫が青魚を食べてしまった場合は、しっかりと体調に変化はないか経過観察をしてあげてください。
元気がなくなっていないか、下痢や嘔吐はしていないか、食欲はあるのかなど、普段と比べてみて異常を感じるようであれば、愛猫を動物病院に連れて行くようにしましょう。
その際に獣医さんには、いつなにをどれぐらい食べたのかを伝えた上で、どのような症状が出たのかを伝えると診断もスムーズです。
青魚でも火を通せば大丈夫?
生のお刺身には寄生虫が居ることもあり、加熱することによって安全に食べれらるかというと、実はそうとも言い切れないのです。
青魚を加熱した際に不飽和脂肪酸はある程度流れ出ていきますが、部位によって含有量も異なりますので、加熱したからといって大量に与えても良いことには繋がりません。
とくに青魚の中でも「光り物」に分類される、アジ・サバ・イワシ・コハダ・サンマなどは不飽和脂肪酸が多く含まれているので、火を通したとしても与えない方が無難でしょう。
また、青魚を常温で放置し鮮度が落ちてしまうと、「ヒスタミン」と呼ばれるアレルギー物質が蓄積され、ヒスタミン中毒を引き起こすこともあります。
魚は鮮度を落とさず酸化させないことが一番ですので、猫に青魚を与える場合は新鮮なものを選び、少量を心掛けて何かのご褒美程度に与えると良いでしょう。
青魚以外で猫が食べてはいけないものは?
普段からバランスのとれた、総合栄養食のキャットフードを食べている猫ちゃんであれば、青魚を少量食べただけでは体に変化が起きることはほぼありません。
ですが猫にとって危険なことには変わりないので、猫が食べては危険な食べ物として理解しておく必要がありますよね。
ほかにも猫が食べると危険な食べ物は存在していますので、青魚と一緒に認識しておくと良いでしょう。
◆猫が食べてはいけない魚介類
青魚だけでなく魚介類の中には、ほかにも猫が食べてはいけない食材が多くあります。
海藻を餌とするアワビやサザエなどの貝類は、猫が食べてしまうと「光線過敏症」と呼ばれる皮膚炎を起こすことがあるので危険です。
また、イカやタコなどの軟体類や、エビやカニなどの甲殻類、ハマグリなどの貝類には、ビタミンB1を分解する酵素が多く含まれています。
体の小さい猫はビタミンB1の必要量が高いので、これらの食べ物を食べるとビタミンB1欠乏症になり、重要の場合は歩けなくなってしまうことも。
愛猫が欲しがったとしても与えないようにしましょう。
◆猫が食べてはいけない魚介類以外の食べ物
魚介類以外にも、猫が食べるとだめな食材は存在します。
栄養豊富な野菜の中では、ネギ属に分類される長ネギや玉ねぎ、ニラやにんにくなどは赤血球を壊すと言われているので危険です。
ほかにもチョコレートの原材料となるカカオには、カフェインやテオブロミンが豊富に含まれており、これらの成分は猫にとって中毒物質となるので注意が必要となります。
カカオの含有量にもよりますが、猫の体重1kgあたり15~20mgほどの摂取で、中毒症状が出るとも言われているので、チョコレート味の食べ物は猫には絶対に与えないでください。
最悪の場合、命に関わるケースもありますので、人間の食べ物は猫に与えないことが一番です。
まとめ
日本では猫が魚を好きなイメージが強く、大切な愛猫に美味しい食べ物を食べさせてあげたいと思って、魚を与えてしまう飼い主さんは多いことでしょう。
とくに青魚にはキャットフードの原料となる、マグロやカツオも含まれていますので、猫に与えてもとくに問題のないような気もしますよね。
しかし青魚は大量に摂取してしまえば、愛猫を病気で苦しめてしまう危険性が高いので、基本的には人間の食べ物は猫には与えないことが一番です。
青魚を食べることによって死ぬことがないにしても、病気になってしまえば苦痛を伴うのは猫ちゃん自身なので、食べ物に関しては飼い主さんがしっかりと管理することが必要と言えますよね。
市販の総合栄養食のキャットフードであれば、猫が必要な栄養素をバランスよく摂取できるので、猫が食べるべき食事を与えることを心掛けてあげてください。
どうしても愛猫が青魚を欲しがる場合は光り物を避け、ご褒美程度に少量を与えるようにしましょう。
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