1.猫がなりやすい変形性関節症とはどんな病気か
1-1.症状
1-2.原因
1-3.治療法
1-4.予防法
4.関節のケアにはサプリメントがおすすめ
4-1.サプリメントの効果
4-2.サプリメントの与え方
4-3.おすすめのサプリメント
猫がなりやすい変形性関節症とはどんな病気か
年齢を重ねることによって、体に不調が出てくるようになるのは、私たちも猫も一緒なので、日頃から気を付けておきたいものですよね。
人も猫も高齢化社会となってきましたので、長生きするためにも、健康を気遣うことは必要不可欠となります。
なかでも関節を傷めてしまうと、普段の生活にも支障が出てしまうので、とくに気を付けておくべき箇所と言えるのではないでしょうか。
この関節部分に炎症が生じることを「変形性関節症」と呼び、猫に多く見られる病気とも言われています。
変形性関節症とは、具体的にどのような病気となるのでしょうか?
◆症状
関節はさまざまな組織で構成されており、筋肉や靭帯が骨と骨をつなぎ、軟骨は骨と骨がぶつからない働きをしています。
これらの働きによって、骨を曲げたり伸ばしたりといった動きを潤滑にさせているので、関節は体を動かす上でなくてはならない存在と言えますよね。
「変形性関節症」は骨と骨がぶつからないようにする軟骨や周囲の組織が、何かしらの原因によって炎症を起こし、関節を変形させる病気です。
「関節炎」や「骨関節炎」などと呼ばれることもあり、猫の健康を守るためにも知っておくべき病気であるとも言えるでしょう。
猫がこの病気を患うと、以下のような症状が見られるようになります。
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・寝ている時間が増える
・毛繕いの頻度が減る
・元気がなくなる
・動作が鈍くなる
・上下運動をしなくなる
・怒りっぽくなる
・歩き方がおかしい
・関節に腫れ(変形)がある
・手足を触ると痛がる
猫は体に異変を感じると、自分の行動を制限してしまうので、関節に異常が出た場合は、じっとしている時間が増えるようになってきます。
ですが猫は、もともと眠る時間の多い動物ですので、飼い主さんがすぐに病気と判断することが難しい疾患と言えるでしょう。
◆原因
変形性関節症の原因は一次性(原発性・突破性)のものだと、老化に結び付けられることがほとんどです。
長期間関節を使い続けたことにより、関節の軟骨がすり減り、修復が困難になっていることが考えられますよね。
ほかにも肥満気味の猫ちゃんは、関節に負担をかけやすいので、年齢に関係なく病気を発症するリスクが高いことを理解しておきましょう。
二次性では軟骨そのものに異常がなかったとしても、ほかの病気によって変形性関節症を続発的に発生することがあります。
とくに捻挫や脱臼、そして骨折を経験したことのある猫ちゃんは、普段から注意しておくに越したことはありません。
また、遺伝的な素因が関係しているとも言われているので、膝蓋骨脱臼になりやすいデボンレックス、股関節異型性になりやすいシャム、関節症になりやすいスコティッシュフォールドなどの猫種と暮らしている飼い主さんは注意が必要です。
◆治療法
変形性関節症が別の病気によって発症している場合には、まずはその基礎疾患への治療が優先的に施されます。
明確な原因が分かっていない場合には、そのときの症状を軽減させるような治療が施されることがほとんどです。
痛みを伴っていれば鎮痛薬を使用し、炎症を起こしているのであれば抗炎症薬などを用いて治療を行っていきます。
このように変形性関節症に対しての完全な治療法は確立されていないので、進行を遅らせることこそが鍵となってくるようです。
ほかにも関節の修復を目的としたサプリや、マッサージ療法などを行う動物病院もあるそうです。
◆予防法
変形性関節症を患ってしまうと、猫は極力動くことを避けるようになってしまうので、普段と同じ量のフードを食べ続けてしまえば、肥満になってしまいますよね。
肥満になれば当然関節に負担がかかりますので、バランスのとれた低カロリーな食事を心掛けてあげましょう。
病気を患っていなくても予防として、肥満体系にならないようにキャットフードを見直し、適度な運動を心掛けることも大切です。
運動で筋肉が発達すればしっかりと関節を支えられますので、若いころから体を動かすことを習慣づけておけば、その効果は持続してくれるはずです。
家の中で飼い主さんがサポートしてあげながら、散歩をするような感覚で手足を動かすお手伝いをしてあげるのも効果的です。
また、お住いの床材や定期的な爪のケアも、関節に負担をかけないためには大切な作業となります。
愛猫が部屋の中で不便なく、毎日を快適に暮らしているかの見直しも、自然と予防へと繋がっていきますよ。
変形性脊椎症とのちがいはなにか
猫の変形性関節症は体のどの関節でも起こりうる病気と言われていますが、体重を支える前足の肘や、後足の膝、股にある関節などで発症することが多いとも言われています。
100頭以上の飼い猫を対象にX線を利用して関節を撮影したところ、90%以上の割合で変形性関節症の徴候が見られたといった文献データがあるように、私たちが気付かないだけで、猫の関節は日常的に酷使されていると言えるでしょう。
手足に多いとされている関節症ですが、猫の変形性関節炎のなかで、脊髄に発症した病気を「変形性脊椎症」と呼びます。
猫の背骨(脊柱)にはトンネルのような空洞があり、このトンネルの中を脊髄が通っています。
脊柱は脊柱動物の体幹の軸となる骨格となるので、体を動かすために重要な骨となりますが、この脊柱を構成する骨(椎骨)と骨の隙間に別の骨が増殖して変形し、脊髄を圧迫させていくのです。
脊髄は神経の束となるので、初期段階では変形性関節症と同じような症状が見られますが、重症になると排泄障害や手足に麻痺などが見られるようになります。
猫に関節のマッサージをしてあげたい
関節は普段から使わなければ、どんどん凝り固まってしまう部位とも言えるので、食事制限や適度な運動も大切ですが、可能であればマッサージも取り入れてあげたいところですよね。
猫ちゃんによっては体に触れられることを嫌がる子も居ますが、スキンシップの一環にもなりますので、嫌がらない程度にマッサージをしてあげるのも効果的です。
愛猫の関節をほぐしてあげるためには、どのようにマッサージを心掛けるべきなのでしょうか。
◆やり方
猫へのマッサージは、優しく撫でるが基本となります。
力任せに揉んだり押したりといったマッサージは、猫に嫌われてしまうので、まずは被毛を整えるような気持ちで、毛並みに沿って撫でてあげましょう。
猫がリラックスした表情を見せてくれたのなら、関節のある手足を1本優しく握り、曲げ伸ばしを繰り返してほぐしてあげてください。
その際に足の付け根の部分も、指で優しく揉んであげるとより効果的です。
順番にすべての足を同じように曲げ伸ばしてあげれば、屈伸運動を行ったようにほぐすことができます。
ほかにも手の付け根や脚の付け根、首や腰などにも関節はありますので、愛猫とスキンシップを図るときはマッサージもセットにすることで、関節の病気の予防に繋げることができるでしょう。
関節のケアにはサプリメントがおすすめ
日頃から関節のケアを行う際には、サプリメントの使用も効果的です。
猫の関節にはどのようなサプリを選べば、効果を見込めるのでしょうか?
◆サプリメントの効果
サプリは不足した栄養を補給する目的で作られているので、治療法が確立されていない関節炎などに対して、有効な機能性食品と言えるでしょう。
有効成分が凝縮されたサプリは、健康の維持増進を目的としているので、普段から関節強化や予防のためにも、効果が望めるアイテムと言えますよね。
ただサプリだけを与えるのでは栄養が不足してしまうので、必ずフードと併用して与えるようにしましょう。
◆サプリメントの与え方
サプリの種類にもよりますが、商品に記載されている1日の摂取量を守って愛猫に与えてあげてください。
サプリを購入の際は必ず、人間用ではなく猫用の商品を選ぶようにしましょう。
錠剤または粉末の商品が多く販売されていますので、猫ちゃんのキャットフードなどに混ぜて与えると、違和感なく口にしてくれることが多いですよ。
◆おすすめのサプリメント
関節表面の滑りをよくする軟骨は約70%が水分となり、そのほかにはグルコサミンやコンドロイチンなどの成分でできています。
ですので、関節のケアには、軟骨を構成してくれるような、これらの有効成分が多く含有されている商品を選ぶと良いでしょう。
下記の商品は細胞に水分や栄養分を蓄えつつ、新陳代謝を上げて自然治癒力を高めてくれるコンドロイチン硫酸が配合されています。
そして加齢とともに減少されていくグルコサミンも含有されているので、損傷を補修し、軟骨芽細胞を刺激して強化する役割をサポートしてくれるので、関節ケアの効果が期待できるおすすめのサプリとなっています。
まとめ
どんなに愛猫の健康に気を遣っていたとしても、加齢とともに猫の体に様々な異変が出てくることは仕方のないことです。
なので、飼い主さんはできる限りのケアを日常的に心掛け、愛猫の健康をサポートしてあげたいものですよね。
とくに関節は体を動かすのに重要な箇所となるので、日頃からケアを怠らないようにして、予防をしてあげなくてはいけません。
こちらの記事でも紹介したマッサージ法や、関節に効果のあるサプリを試してみるのもおすすめです。
普段から愛猫の健康状態をチェックし、少しの異変にも早急に気付いてあげられるような心掛けも大切です。
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