1.人間用のシャンプーは猫に使えるのか
1-1.基本的には使わない方がよい
1-2.猫への影響
1-3.人間用の石鹸は使えるのか
2.猫のシャンプーと人間のシャンプーの成分の違い
2-1.猫のシャンプーの成分
2-2.人間のシャンプーの成分
3.猫はお風呂が好きじゃないのか
3-1.シャンプーの必要性
3-2.シャンプーの頻度
3-3.グルーミングとの違い
人間用のシャンプーは猫に使えるのか
私たち人間のシャンプーの使用用途は、頭髪や頭皮の汚れを洗浄するために使用する洗剤を指しますよね。
シャンプーをしたあとは、トリートメントやコンディショナーなどを使用して、髪の毛を清潔に保ち、保護をすることが一般的です。
では猫の場合はどうでしょうか?
人間の髪の毛と猫の被毛は、見た目も手触りも異なりはしますが「毛を洗う」といった点では同じことなので、人間用のシャンプーを代用しても、さほど問題がないようにも感じますよね。
人間用のシャンプーは、猫に使っても大丈夫なのでしょうか?
◆基本的には使わない方がよい
人間用のシャンプーは、猫には基本的に使用しない方が安心です。
私たちが普段使用しているシャンプーには、多くの薬用成分や香料などが配合されていますよね。
毛髪を清潔に美しく保つためには、余分な頭皮の皮脂を洗い流して皮膚を清潔に保ち、髪の表面をコーティングして傷みを修復させるよう、たくさんの成分が使われています。
これらの機能性は猫の被毛に必要のない成分ばかりですので、人間用のシャンプーは猫にとって、刺激が強すぎると言えるのではないでしょうか。
仮にベビー用の弱酸性のシャンプーや、無添加のシャンプーであっても、猫は人間よりも皮膚が弱いので、いかなるシャンプーの場合も猫に使用するべきではありません。
◆猫への影響
人間用のシャンプーを猫に使用した場合、人間よりも皮膚の弱い猫は、皮膚炎を起こしてしまう危険性があります。
皮膚炎を起こしてしまえば痒みが生じますので、執拗に皮膚を引っ掻いたり噛んだりすることによって、抜け毛が多くなりハゲができてしまうことも。
このような状態が長く続いてしまえば、猫は出血するまで皮膚を掻きむしってしまうこともあるので、どんどん症状が悪化してしまうことでしょう。
また、人間用のシャンプーで洗ったあとに、すすぎが不十分であると、猫はグルーミングをして毛並みを整える習慣があるので、薬用成分などを舐めとって体内に入れてしまうこととなります。
何かしらの成分に反応してアレルギー反応を起こすことや、胃腸に負担をかける可能性も否めませんよね。
ほかにも人間用のシャンプーは、消臭効果を強めるために香り成分が多く含まれているので、嗅覚が優れている猫にとっては不快な香りに感じてしまうことでしょう。
◆人間用の石鹸は使えるのか
人間用のシャンプーが猫に使用できないのであれば、人間用の石鹸を代用できるのかも気になるところですが、石鹸もシャンプー同様、猫に使用することはおすすめできません。
天然素材で無香料の石鹸であれば、猫に使用することができないわけではありませんが、猫の被毛は人間の毛よりも細く柔らかいので、洗い上がりがごわごわとしてしまいます。
油分を失った猫の被毛は、被毛同士が絡まり、皮膚に負担をかけることになってしまうので、敢えて人間用の石鹸を猫に使用するといった行為は、止めておきましょう。
人間用の石鹸は人間のシャンプーよりも余計な成分が入ってはいませんが、猫に向いているというわけではありませんので、猫ちゃんをお風呂に入れる際には、必ず猫用のシャンプーを用意してあげてください。
猫のシャンプーと人間のシャンプーの成分の違い
人間用のシャンプーが猫に不向きなのは分かりましたが、猫用のシャンプーとどんな違いがあるのかも気になるところですよね。
それぞれの成分の違いは、以下の通りです。
◆猫のシャンプーの成分
猫のために開発されたシャンプーは、猫に安全な成分で作られています。
猫は皮膚が弱いので基本的に、猫用として販売されているシャンプーは、無添加のものやアミノ酸系のシャンプーが多く販売されています。
グルーミングが日課の猫が舐めても安心なように、有害成分を含んでいないことが特徴と言えるでしょう。
グルーミングが日課ということは、常に自身の毛並みを整えている証拠ですので、猫は頻繁にお風呂に入れる必要がないとも言われています。
ですので強い洗浄成分や、強い香りで消臭効果を高める必要もありませんので、このようなことからも猫は、猫用のシャンプーを使用すべきと言えるのではないでしょうか。
◆人間のシャンプーの成分
人間用のシャンプーは、次から次へと新商品が販売されているので、常にたくさんの商品が市場に出回っていますよね。
商品数が多い分、メーカーによって成分も異なりますが、人間用のシャンプーは大きく分けて「アミノ酸系」「アルコール系」「石鹸系」といった種類に分類されています。
アミノ酸系は猫のシャンプーにもなっているように、弱酸性なので肌に優しく、頭皮に何かしらのトラブルを抱えている人向きと言えるでしょう。
低刺激で安全を謳っているかわりに、洗浄力が弱いので、洗浄力をメインに選びたい方は、アルコール系や石鹸系のシャンプーがおすすめです。
アルコール系は強い洗浄力で油分を落とし、石鹸系は天然油脂成分の商品が多く、低刺激ではありますが洗浄力は強めです。
ですが洗浄力が強いということは、刺激の強い成分が多く含まれているということとなります。
このようなことからも、猫には猫用のシャンプーを使った方が、猫ちゃんへの負担も少なく飼い主さんも安心できますよ。
猫はお風呂が好きじゃないのか
猫用のシャンプーも人間ほどではありませんが、色々な種類の商品が販売されています。
ですが猫の中には水に濡れることを極端に嫌がり、お風呂を拒否する猫ちゃんも多いですよね。
完全室内飼いの猫であれば、お風呂でシャンプーをする必要がないようにも思えますが、猫にシャンプーはしないといけないものなのでしょうか?
◆シャンプーの必要性
猫のシャンプーは結論から言いますと、必要ありません。
「お風呂に入れてあげた方が良い」と思っているのは、飼い主さん側の都合でしかないので、自身は一生お風呂に入らなくても問題ない猫とも言えます。
ただし猫を迎え入れた際に、ノミやダニなどの寄生虫がいる場合や、アレルギーなどで皮膚を清潔に保つ必要がある場合は話が別です。
また、長毛種の猫であれば被毛と被毛が絡まり、毛玉になって固まることや、舐めとった毛を吐き出す機会が多いので、シャンプーをする必要性があると言えるでしょう。
◆シャンプーの頻度
飼い主さん側でどうしても愛猫を清潔に保ちたいのでしたら、シャンプーをする時期を決めておくと良いでしょう。
皮膚トラブルの無い短毛種の猫であれば、年に1、2回程度のシャンプーで十分ですので、換毛期のシーズンにシャンプーをするのがおすすめです。
あまり神経質になってお風呂に入れてしまうと、皮膚のpHバランスが崩れてしまう上に、猫に多大なストレスを与えることに繋がります。
とくに冬などの寒い季節に、上手に乾かすことができなければ、風邪を引かせてしまうこともあるので、猫ちゃんの健康を考慮することが一番なのではないでしょうか。
長毛種の猫であれば、月1回ぐらいの頻度のシャンプーを目安にして、ブラッシングと併せて毛並みを整えてあげるようにしましょう。
◆グルーミングとの違い
猫が自身の被毛を舐めて毛並みを整えることを「グルーミング」と呼びますが、猫の舌にある突起(糸状乳頭)がブラシの代わりとなり、毛並みを整え毛玉や皮膚炎の予防へと繋がります。
被毛の汚れを舐めとった箇所は、唾液でほんのり濡れていますが、猫の唾液には殺菌・消臭作用があり、常に艶のある美しい毛並みを保ち、体臭を抑えることができるのです。
このグルーミングを猫は日課として行っているので、頻繁にシャンプーをしなくても、常に清潔を保つことができると言えるのではないでしょうか。
猫のシャンプーの選び方
愛猫をお風呂に入れる理由があるのであれば、猫用のシャンプーをまずは準備してから、お風呂に入れてあげるようにしてください。
たくさん販売されている猫用シャンプーの中で、どのような商品を選べば良いのでしょうか?
◆低刺激
やはり猫に使用するということで、まずは低刺激を基準として選んであげるようにしましょう。
猫の皮膚や被毛はとてもデリケートなので、洗浄力が強く刺激が強いシャンプーは、それだけで負担なってしまうからです。
シャンプーのせいで、皮膚に何かしらのトラブルが起きてしまっては元も子もないので、必ず低刺激の商品を選んであげてください。
◆無香料微香料
猫はニオイにも敏感なので、できることなら無香料の商品を選ぶのが無難です。
自分の唾液で体臭を調整しているのにも関わらず、されたくもないシャンプーで別の香りを付けられたとしたら、猫ちゃんにとっては不快極まりないことですよね。
日々のグルーミングを無駄にせず、愛猫がストレスを抱えないためにも、無香料または微香料の商品を探すようにしましょう。
◆消臭効果
シャンプー自体に香りが付いていなかったとしても、高い消臭効果が期待できる商品を選ぶことも忘れてはいけません。
猫をお風呂に入れる理由があるときは、猫の汚れやニオイが気になってきた証拠ですので、汚れを落としてニオイも消し、無駄な香りを加えていないシャンプーを選んであげてくださいね。
まとめ
何かしらの理由で愛猫を洗う必要があるときに、猫用のシャンプーを準備していないからといって、人間用のシャンプーを使うのはNGです。
人間と猫は皮膚の強さも違いますし、猫は個体によってpHが異なるので、外部からの刺激によって、皮膚トラブルを起こしやすい動物と言われています。
「一度ぐらいなら…」「今回だけ…」などの軽い気持ちで使用してしまうと、皮膚病を引き起こす原因となりかねませんので、愛猫のことを思うなら、必ず猫用のシャンプーを用意してあげるようにしましょう。
そして頻繁にお風呂に入れるようなことはせず、普段からブラッシングをしたり、軽く汚れを拭き取ったりする程度のケアを心掛け、常に清潔な被毛を保ってあげてくださいね。
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