1.アシェラはどんな猫ちゃんなの?
1-1.3種類の猫ちゃんのハイブリッド
1-2.大きさ、体重
1-3.外見の特徴
2.交配元の猫ちゃんの特徴と性格
3.アシェラの性格
4.アシェラの購入価格
5.誰がアシェラを飼育しているの?
6.アシェラを飼育する上で注意すること
7.まとめ
アシェラはどんな猫ちゃんなの?
◆3種類の猫ちゃんのハイブリッド
アシェラは以下の3種類の猫ちゃんを交配させて誕生したハイブリッド種です。
・アジアンレパードキャット
・イエネコ
アメリカの「ライフスタイル・ペッツ」というバイオテクノロジー企業がトラやヒョウといった野生の肉食動物をモチーフに交配させました。2007年当時の販売価格は約240万円。従来のハイブリッド種の猫ちゃんとは異なった野性味溢れる雰囲気の中に美貌を兼ね備えた美しい猫ちゃんは、裕福かつ猫を愛する人々の目を引き、一躍話題になりました。
ライフスタイル・ペッツの創業者であるサイモン・ブローディー氏は、インタビューでこのように答えています。
人間による猫ちゃんの改良には賛否両論あるとは思いますが、ライフスタイル・ペッツ社は動物の遺伝子改良を行っていて、アシェラをはじめ、いくつかの種類が遺伝子組み換えによって猫アレルギーの方でも飼えるように改良しているようです。日本では生態系への悪影響を未然に防ぐ目的で2004年よりカルタヘナ法が適用されているため、遺伝子を組み替えた猫ちゃんの輸入は制限されています。
◆大きさ、体重
アフリカンサーバルキャットが交配されているため、体重はなんと15㎏にもなります!一般的な猫ちゃんが約5㎏前後なので、約3倍の体重ということになります。世界最大の猫種であるメインクーンでも約9㎏なので、その大きさが伝わるでしょう。身長も個体によっては120㎝まで成長するようで、120㎝は人間でいう8歳(小学3年生)くらいなのでかなり大きいですよね。
◆外見の特徴
アシェラは改良元となった猫ちゃんと同じように、アシェラはヒョウ柄の被毛が特徴的です。写真を見る限りでは、体格も相まって本物のヒョウなのではないかと勘違いしてしまいそうになります。
スラっとしていて足が長く、人間でいうモデルのような優雅な雰囲気が感じられます。顔つきはシュッと整ったベンガルに似ていて、可愛いというよりは美しいが似合う凛々しい印象の顔つきをしています。
交配元の猫ちゃんの特徴と性格
気になるアシェラの性格ですが、まだ歴史が浅いということもあって詳しくは解明されていません。そのため、まずはその交配元となった猫ちゃんの特徴や性格を見ていきましょう。
アフリカンサーバルキャットはアフリカ大陸に分布しているヤマネコで、スレンダーな体と長い足を持つ猫ちゃんです。被毛は個体によって少し異なり、チーターに似た黄色い毛色に黒い斑点模様をしている個体や、稀に全身が真っ黒い個体も見られるようです。
体はイエネコよりも大きくしっかりしており、体長は80㎝~100㎝ほどあり、体重は10kg以上にも成長します。また、身体能力が高く、狙った獲物の捕獲率が50%以上と言われています。走るのが早く、ネコ科の中では並外れた聴力を持っていて、泳ぎも得意という狩りのために特化した体を持つハンターと言って良いでしょう。ネズミやリス、ウサギなどの小動物を食べて生活しています。
性格に関しては、かなり気性が荒く、肉食動物によくみられるような獰猛な性格をしています。日本にはほとんどいませんが、個体によっては飼うことはできます。しかし、警戒心がとても強く、人に懐かないことが多いそうです。普段目にするような猫ちゃんからの猫パンチは可愛いものですが、体格が一回りも大きいアフリカンサーバルキャットからの猫パンチは怪我を負うほどの破壊力がありそうですね…。
今日の朝☀️、こっちに気づいてこちらを見てくれたベンガルヤマネコの「コマチ」。おはようございます☀
最近はここがお気に入りなのか、良くこの木で寝ている姿を見かけます????。#福岡市動物園 #fukuokazoo #ベンガルヤマネコ #コマチ #おはよう #お気に入りの木の上 pic.twitter.com/JNBadnUcLI— 福岡市動物園 (@fukuokazoo) July 10, 2018
アジアンレパードキャットは別名ベンガルヤマネコ。アジアを中心に広く分布している野生の猫ちゃんで、名前の中にベンガルと入っているように、ベンガル猫はこのアジアンレパードキャットとイエネコとの交配によって誕生しました。レパードは「ヒョウ」という意味で、ヒョウに似た模様の体なのでこの名前になったそうです。
ヤマネコですが、大きさはイエネコほどしかなく、体長が40㎝~65㎝で体重が3~7キロほどです。足が長く、尻尾は約30㎝と体の半分ほどの長さがあります。
森林地帯や水の豊かな地域に生息していることもあり、木登りや泳ぎが得意です。また、夜行性なので昼間は木の上などで寝て、夜になると狩りに出ます。アフリカンサーバルキャットと同じくリスやウサギなどが好物で、昆虫や爬虫類も食べて生活しています。
アジアンレパードキャットの性格はアフリカンサーバルキャットに近く、凶暴になってしまう個体もいるようです。見た目は小さめですが、警戒心が強く、急に噛みついたり暴れたりすることもあります。
アシェラの交配元となっているイエネコはベンガルという猫ちゃん。アジアンレパードキャットで説明のあったように、ベンガル猫はアジアンレパードキャットとイエネコの交配によって誕生しました。イエネコと交配しているため、見た目はアジアンレパードキャットと同じですが、性格は少し穏やかになっています。
アジアンレパードキャットの性格とは反対に、人間になつきやすく、他の動物にもスキンシップを取るなどとても友好的な性格です。ベンガルという猫種として登録されるまでに様々な猫種と交配されたことにより、人間と生活するのに適した穏やかな性格へと変化したようです。
元々ヤマネコだった関係から、運動量は多く、飼い主様や他のペット達と常に遊んでいたいようなので、走り回れるスペースやひとりでも遊べるおもちゃなどを用意しておくと良いでしょう。
交配元の3匹の情報をもとにすると、『ヤマネコはとても気性が荒く、人になつきにくいが、イエネコと交配させることで性格は人間と生活しやすいように変化させられる』ということが分かります。アシェラもベンガルのようにイエネコと交配させているので、多くのイエネコとの交配が進むことで人に懐きやすくなるでしょう。
アシェラの性格
ここからは現在までに確認されているアシェラの性格について解説していきます。
アシェラを生み出したライフスタイル・ペッツ社によると、「一風変わっているが中身は家猫で、世話は非常に簡単、極めて人懐こい」との説明がなされているようです。では、実際はどうなのでしょうか?
現在確認されている限りでは、大人しい性格から気性の荒い猫ちゃんまで、さまざまな性格のアシェラがいるようです。
大人しい性格のアシェラは基本的には友好的で、飼い主様や他のペットともスキンシップを取ります。人や動物になれるのが早く、急に威嚇したり引っ掻いたりしないようなので、しつけがしやすいと思います。
反対に、気性の荒いアシェラはアフリカンサーバルキャットのヤマネコとしての特色が強く残っている個体で、小動物を捕食していたように人間に噛みついたり強く引っ掻いたりします。アメリカでは、気性の荒い個体を飼っていた飼い主様がアシェラを扱いきれず、飼育が困難になってしまったという事例もあったそうです。
もしも気性の荒いアシェラが脱走してしまったら町中がパニックになってしまいそうですよね…。体も大きいので、しっかり管理できるくらいの広いスペースが必要です。
幼少期のアシェラはほとんどが大人しく、気性が荒くなる場合は大人になるにつれて性格が変化いくようです。その関係から、購入から1年間は個体の交換が保証されています。
性格しだいでは交換対応が必要になるほど飼うのが大変なアシェラ。日本ではまだ飼うことはできませんが、海外に住んでいてアシェラを飼えるほど余裕のある方、そして、アシェラの飼育にしっかり責任を持てる方は是非チャレンジしてみてください!
アシェラの購入価格
一部のお金持ちしか買うことのできないアシェラ。気になるその購入価格は……
なんと300万円からとなっています!しかも高い個体は1500万円にものぼります。
高級車や高級アクセサリーなど色々なものが買えてしまいますね。
これだけ価格の差が生まれるのには理由があります。
野生出身の猫ちゃんを交配して誕生した猫ちゃんには「F+数値」というランクのようなものがあります。まずはこのF+数値がどのようなものかを説明していきますが、アシェラは3種類の猫種のハイブリッドと少々複雑です。そのため、2種類の猫ちゃんを交配させたものを例として説明します。
例)サバンナキャット
サバンナキャットはアフリカンサーバルキャットとイエネコの交配によって生まれた猫種です。アフリカンサーバルキャットは名前にあるようにアフリカの野生で育っているため、その遺伝子が交配されているサバンナキャットにはF+数値が適用されています。
F+数値は、ヤマネコとイエネコの交配時にその猫ちゃんが何代目なのかを示すために用いられます。F1に数字が近づくほど野生味が強くなります。サーバルキャットとイエネコの交配によって最初に産まれた赤ちゃんがF1(第一世代)です。その後、F1とイエネコの交配によって産まれた猫ちゃんはF2、F2とイエネコとの交配でF3が産まれる… というように、F+数値は交配した猫ちゃんの世代を元にして考えます。
F1に近いほど野生に近い個体となるので、自治体によっては危険動物と判断され、ペットとして飼育できない場合があります。
価格はヤマネコに近いF1がもっとも希少価値があるため高額です。そこから数字が大きくなるにつれて価格も低くなっていきます。
アシェラの場合も他のF+数値が適用されている猫ちゃんと同じように、F1が最も高額です。先ほど高い個体は1500万円にものぼると説明しましたが、F1の価格がそのくらいだとされています。希少な猫ちゃんなので、時価によって変動しますが、おおよそこのくらいの価格感だと思ってください。
誰がアシェラを飼育しているの?
ロシアや中国の富裕層が飼い主としては多く、開発元のライフスタイル・ペッツ社が2007年に販売した100匹のうち、購入者の大半はロシアと中国でした。
ロシアは猫ちゃんの飼育率が世界一位で、国民の2人に1人は猫ちゃんを飼っています。日本から考えてみてもかなりの飼育率ですよね。
中国は猫ちゃんの飼育者数で世界一位。人口の多さも相まって納得の結果です。中国で猫ちゃんを飼育している人は、日本の人口よりも多いと言われています。
それぞれ猫ちゃんに関連した世界一を持つ2つの国がアシェラを購入しているのは少し納得できますね。これだけ猫ちゃんのことが好き、もしくは飼い主が多いのであれば、一部の富裕層たちが購入するのは何となく想像できます♪
アシェラを飼育する上で注意すること
日本ではまだ飼育することが認められていないアシェラ。海外では実際にアシェラを購入して飼育している人もいますが、まだまだ歴史が浅く、正しい飼育方法やしつけ方が定まっていません。
しかし、交配元の猫種は研究が進んでいるため、その情報をもとにアシェラを飼育している飼い主様が多いそうです。
餌は、元々ヤマネコだったこともあり、高カロリーで高たんぱくなものを与える必要があり、食事量がとても多いので、小さなイエネコの3~5倍は餌が必要になるでしょう。
また、体も大きく動きも活発なので広々とした土地で飼う必要があります。
やはりアシェラを購入する費用だけでなく、飼うために必要な土地や大量の餌を購入するだけの金銭的な余裕がないとアシェラは飼育できません。性格も急に気性が荒くなるようなので、「飼ってみたい!」という軽い気持ちで飼えず、相当な覚悟と豊かさが必要となる猫ちゃんのようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は世界最高額の猫ちゃん「アシェラ」をご紹介しました。日本にはいない猫ちゃんなのでなかなか想像がつきにくいかもしれませんが、世界にはこんな猫ちゃんがいるのかという発見があるとワクワクしてきますよね!
見た目が美しく、まさしく“セレブキャット”と言うのにふさわしいので、皆さんにとっても人生で一度は目にしてみたい猫ちゃんの1つになったと思います。研究が進んで日本でも見られるようになれば飼うことができるチャンスが広がるかもしれませんね♪
最後まで見ていただきありがとうございました。
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