1.アラビアンマウとは?
2.アラビアンマウの歴史
3.アラビアンマウの特徴
3-1.体格
3-2.被毛
3-3.平均寿命
3-4.性格
4.アラビアンマウの飼い方
4-1.飼育環境
4-2.健康管理
4-3.運動量
4-4.餌について
4-5.お手入れ
5.アラビアンマウはこんな人におすすめ
6.アラビアンマウを飼う際の注意点
6-1.オスとメスの性格の違いを理解する
6-2.ストレスを与えない安心できる居場所作り
6-3.アラビアンマウの気をつけたい病気
7.まとめ
アラビアンマウとは?
アラビア半島で自然発生したと言われているアラビアンマウ。
他の猫と比べて足が長いことが特徴で、その体型がまるでモデルのように美しいと、愛猫家の中でも人気の高い希少な猫種です。
アラビアンマウの歴史
古代エジプト語で「マウ」は「猫」と言う意味を指し、アラビア半島の砂漠で自然発生したことから、アラビアンマウという名前が付けられました。
その歴史は古く、1000年以上と考えられています。暑い砂漠地帯で生活をしていた猫で、うだるような暑さになる昼間は寝て、夜に活動するという「夜行性」の生活リズムが基本です。また、自分の被毛をなめることで気化熱を高め、体温を冷やすという方法で環境に順応してきました。
近年では人口が増え人間が生活をする移住地域が砂漠にまで広がって来ているため、アラビアンマウの生息地域がアラブ首長国連邦(UAF)、カタール、オマーン、バーレーン、クウェート、サウジアラビアなどの街中にも広がってきています。この周辺の国で見かけるほとんどの猫が、アラビアンマウだと言われています。
2008年8月にWCF(World Cat Federation)に公認され、2009年の1月に国際ショーに参加が可能となりました。国際ショーで公開されてからスタイルの良さや性格が飼い主さんに忠実なことから、愛猫家の間で人気の猫種となりました。
アラビアンマウの特徴
アラビア半島の砂漠で生活をしていたアラビアンマウは、どのような特徴があるのでしょうか。
◆体格
見た目の体型はスリムで細身ですが、長い足には筋肉が発達しており、意外とがっちりとした体つきをしています。
体重は4kg~7kgと一般的な猫よりも大きく成長し、アラビアンマウのオスの中には7kgを超える大きさに成長する猫もいるそうです。
アラビアンマウの体はとても機能的で、体温を効率的に逃がすために顔の大きさと比較するとやや大きめの耳をしています。
◆被毛
アラビアンマウの被毛は様々な色が存在します。下毛がなく、体を添うように被毛が寝ていて、光沢のある美しい被毛をしています。
短毛で被毛の量が一般的な猫に比べると少なく、暑さに強い猫種です。
◆平均寿命
アラビアンマウは日本で見ることが非常に少ない猫種なため、家猫として生きた平均寿命のデータがないのが現状です。
しかし、アラビアンマウと同じく自然に発生して野生で暮らしてきた「アメリカンキューダ」という猫種の平均寿命が10歳~13歳前後と言われていることから、アラビアンマウも同じくらいの平均寿命ではないかといわれているそうです。
ただし、この寿命はあくまでも野生として生きていた場合なので、適切な環境の中で育ててあげることができれば、もっと寿命を延ばすこともできるかもしれません。
◆性格
自然界で生活をしていたアラビアンマウは、身体能力が高く、活発に体を動かして遊ぶことが大好きです。
飼い主さんに忠実で、自然発生したのにも関わらず他の動物とも仲良くやっていける社交性を持っています。忠誠心が高いため、しつけがしやすいです。
かわいがってあげる分だけ飼い主さんに懐いていくと言われています。
そんな平和主義な一面を持ち合わせているので、多頭飼いにも向いているそうです。
アラビアンマウの飼い方
猫種によって元々の習性が異なるため、事前にアラビアンマウに適した飼い方を知っておく必要があります。
◆飼育環境
もともと夜行性気質の高い猫なので、特に気にしていないと夜中に部屋を動き回る場合があります。
子猫の頃から昼間はしっかり遊ばせ、夜は就寝するように、人間と同じリズムで生活をさせましょう。そうすることで、人間と同じペースで生活ができるようになります。もちろん無理に起こすのは禁物ですが、なるべく昼間に活発的に遊べる環境を作ってあげましょう。
アラビアンマウの特性上、普段から素早い動きをするので、高いところに物を置いているとちょっとした拍子に落とされてしまう可能性があります。壊れて怪我をするようなものはあらかじめ片づけておいた方が良いでしょう。
また、アラビアンマウは、室内で飼うことに適しています。
昔は室外で飼う事が猫本来の自由のためと言われていましたが、不運な事故や病気・怪我を防ぐため、必ず室内飼いしてあげるようにしましょう。
寿命を延ばしてあげるためにも、飼育環境は適切なものを選んであげてくださいね。
◆健康管理
アラビアンマウは暑い環境で生き抜いてきたため、暑さの対処法は知っていますが、寒さ対策は全く知りません。
冬場は自分で体温調節ができるようにペット用ホットカーペットなどを用意しておくのがおすすめです。
暑さには強いですが、日本のじめじめとした暑さはアラビアとは違うため、熱中症などの症状を引き起こす可能性があります。
冷却マットや空調設備を整えてあげると体温調節がしやすく、健康管理に役立ちます。
◆運動量
アラビアンマウは運動や遊ぶことが大好きなので、日中は動くおもちゃや素早く動かせるおもちゃで運動量を増やしましょう。すばしっこさを生かしてあげられるものを選んであげると、十分な運動量を確保することができます。
もちろん高いところも大好きなので、キャットウォークやキャットタワーの用意もしておいてあげると喜びます。
◆餌について
俊敏かつ、筋肉質で運動量の多いアラビアンマウには、人間と同じく筋肉を維持するためのタンパク質が必要となります。なるべく高タンパクな餌を与えることで、しっかりと健康管理をしてあげましょう。
そうすることによって、毎日元気いっぱいに動き回って生活をさせてあげることができます。
よく動くからといってカロリーの高いものを与えすぎると肥満の原因にもなります。
適度なカロリー制限をおこなってあげましょう。
また、消化器官に負担がかかると体全体に影響を及ぼし、皮膚や毛だけでなく腸内環境も悪くなります。
しかし、飼い猫になることで環境や体質で特徴が変わってくることがありますので、もし餌が合ってないと感じることがあれば、臨機応変に餌を変えるようにしましょう。
◆お手入れ
アラビアンマウのお手入れは、被毛が短く抜け毛が少ないので、週に1回程度のブラッシングでよいでしょう。
夏場は自分でよくグルーミングを行うため、汚れも少なく、抜け毛が気になる換毛期に年2~3回程度お風呂に入れてあげましょう。
アラビアンマウはこんな人におすすめ
アラビアンマウの特徴や飼い方を踏まえて、どんな人に飼いやすい猫種なのでしょうか?
・たくさんかまってあげられる
・遊ばせてあげる空間がある
遊ぶことが大好きなので、一緒にいる時間を積極的に作ってあげられる人や、遊びに付き合ってあげられる人などは向いているでしょう。またスキンシップが好きな人にもおすすめです。
もし、遊ばせてあげるスペースがなくても、一緒に遊んであげる時間が取れる人であれば問題はないでしょう。
アラビアンマウを飼う際の注意点
アラビアンマウを飼う際に特に注意しておきたいポイントを3つご紹介します。
◆オスとメスの性格の違いを理解する
猫種だけでなく、オスとメスによっても、甘えん坊だったり社交的だったりと性格や特徴は様々で、しつけの仕方も変わってきます。
オスとメスのそれぞれの性格の違いや行動を知ることで、どんな飼い方やしつけ方をしたら良いのか、スムーズに対応することができます。
アラビアンマウのオスは、体力もあり筋肉質で、とても活発に動きます。また、飼い主に従順なため、よく懐きます。
オスに比べてメスは、最初はやや警戒心があります。飼い主さんに対して冷静に対応していきますが、慣れてくるとメスも従順になり、しつけもしやすくなってきます。
◆ストレスを与えない安心できる居場所作り
アラビアンマウにとってストレスを感じさせない環境はとても重要です。
室内飼育でもストレスを与えずに暮らせるポイントを4つご紹介します。
安心して眠れる
主に猫は、見晴らしのいい高い場所や、誰にも邪魔されない場所で眠ることを好み、家具の上や押し入れの中、箱の中などを探します。いつも同じ場所ではなく、気分によって場所を変えることもありますので、好みの寝床を複数用意してあげましょう。
隠れることができる
アラビアンマウは、驚いたり恐怖を感じたりすると、高い場所や潜り込める場所に身を隠します。そんな場所が複数あるとよいでしょう。
外が見える
本来、外で生活をしているアラビアンマウにとって、普段から外が見える場所があるといいでしょう。外に出なくても、窓から外を眺めたり、音を聞いたり、臭いをかいだりすることで満足してくれます。ただし脱走には注意しましょう。
爪とぎができる
爪研ぎは、ツメのお手入れという意味に留まらず、体を動かし、同時に緊張や不安もほぐすストレッチでもあり、また視覚と嗅覚のマーキングでもある大切な行動です。
アラビアンマウが好む素材の爪研ぎを、水平・垂直の方向にそれぞれ用意してあげましょう。
◆アラビアンマウの気をつけたい病気
猫種の体質によって、かかりやすい病気や平均寿命は様々です。
かかりやすい病気を知っておくことで、普段のスキンシップや、ご飯の食べるスピード・おトイレの状態など、健康状態を確認しながら予防することができます。
比較的かかりやすい病気として、皮膚疾患、白内障、尿路結石などがあげられます。
一般的に猫は、中年齢以上になると腎臓病や尿結石になりやすく、シニアになると腎臓病になることが少なくありません。
いずれの場合も多飲多尿がサインです。また、膀胱炎や尿結石では尿に血が混ざって色が濃くなることがありますので、日頃からよく観察してあげましょう。
普段の生活から気を配り、少しでも体調が悪そうと感じたらすぐに病院へ行くようにしましょう。
まとめ
アラビアンマウの歴史が分かると性格や飼い方についても何となく見えてきた気がしませんか?
アラビアンマウの特徴や性格が分かると、より愛着が沸くものです。
耳や目などの顔のパーツが大きく、見た目が個性的な猫なので、愛猫家からの評価が高い理由が良く分かりますね。
飼い主に忠実で賢いため、しつけにも苦労しません。家族や他の動物とも仲良くなれるので、飼いやすい猫ではありますが、実は日本での取り扱いが基本的にされていないのが現状です。
希少な猫種とされるアラビアンマウはもちろんペットとして飼うことができますが、ペットとして認識されてからはまだまだ歴史の短い猫のため、日本での販売先などは非常に少ないです。
アラビアンマウはペットとしてとても飼いやすいため、時間をかけてコミュニケーションを取ることができる人には、理想のパートナーになるのではないでしょうか?
日本での知名度が上がり、ペットとして飼いやすくなることを期待したいですね。
– おすすめ記事 –
・世界最古のイエネコ!?『エジプシャンマウ』はこんな性格と特徴を持った猫! |
・オシキャットってどんな猫?特徴からお手入れ・飼い方まとめ |
・ベンガル猫ってどんな猫なの?性格、特徴、飼い方は? |
・サバンナキャットの性格、値段は?日本で飼育することはできる? |