1.猫にかぼちゃを与えても良い?
1-1.かぼちゃに含まれる主な成分
1-2.期待できる効果は?
1-3.猫にかぼちゃを与えるデメリット
2.かぼちゃの与え方
2-1.茹でる
2-2.蒸す
2-3.味付けしないで与える
猫にかぼちゃを与えても良い?
人間の食べ物は猫に与えるべきではないとよく言われてはいますが、キャットフードの原材料の中にはさまざまな野菜が含まれていますし、その中に「カボチャ」といった表記を目にしたことのある方もいらっしゃることでしょう。
このようなことからも、かぼちゃは猫が食べても安全な野菜であることが分かりますよね。
猫がかぼちゃを食べた場合には、どんな効果が得られるのかを見ていきましょう。
◆かぼちゃに含まれる主な成分
かぼちゃは緑黄色野菜の一種としても有名ですが、緑黄色野菜の基準はβ-カロテンの含有量で決まります。
β-カロテンはビタミンAに変換されて作用し、かぼちゃはこのβ-カロテンが代表的な栄養素となるので、栄養価の高い野菜として多くの方に認知されているとも言えますよね。
ほかにも以下のような栄養素が含まれています。
・ビタミンC
・ビタミンE
・ビタミンK
・カリウム
・葉酸
・鉄
・カルシウムなど
◆期待できる効果は?
さまざまな栄養素を含むかぼちゃですが、どんな効果が期待できるのかも気になるところですよね。
β-カロテンは還元作用のある栄養素であり、抗発ガン作用や免疫機能を正常に保つ働きをしてくれます。
そして体内でビタミンAに変換されたのち、被毛や皮膚(粘膜)、目(視力)の健康維持を保つ働きをしますが、猫はβ-カロテンからビタミンAに変換ができないので、後者の恩恵は低いと考えられるでしょう。
そのほかのビタミンは抗酸化作用やアンチエイジング効果などが期待できるので、猫ちゃんに限らず私たち人間も普段から食べておきたい野菜であると言えますよね。
ほかにも塩分を排出する役割のカリウムや、腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれているので、是非猫ちゃんにも食べさせたい野菜と言えるのではないでしょうか。
◆猫にかぼちゃを与えるデメリット
基本的に栄養満点のかぼちゃではありますが、自然な甘みがあるのでスイーツの材料として使用されることがあるように、ほかの野菜よりも糖質が高くなっています。
食べ過ぎてしまえば猫ちゃんの体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、与えすぎには注意が必要と言えるでしょう。
また、猫は体の構造上、炭水化物(糖質と食物繊維)の消化が苦手な動物でもあります。
とくにかぼちゃに含まれる不溶性食物繊維は、消化に時間がかかってしまうので、猫がたくさんかぼちゃを食べてしまうと消化器官に負担をかけ、便秘を悪化させる原因になりかねません。
かぼちゃの与え方
間違った与え方さえしなければ、かぼちゃは猫にとっても嬉しい効果が期待できる野菜となるので、適切な与え方で愛猫にもお裾分けしたいものですよね。
猫にかぼちゃを与える際には、どのような調理法が理想となるのでしょうか。
◆茹でる
生のかぼちゃはびっくりするほど硬く、なかなか包丁の刃が入らない野菜としても有名ですよね。
よく切れる包丁で細かく刻めたとしても、猫に生でかぼちゃを与えることは危険です。
猫は肉食動物であり、野菜の消化が苦手なので、硬いかぼちゃはどんなに細かく刻んだとしても、消化不良を起こす可能性がありますよね。
愛猫にかぼちゃを与える際には必ず、茹でた状態のものを与えるようにしましょう。
◆蒸す
かぼちゃに含まれているビタミンCは水溶性なので、お湯で茹でると栄養素が流出していきます。
そのため「焼く」や「蒸す」といった調理法もおすすめですが、焼いたかぼちゃは表面が硬くなり、焦げ目がつくこともあるので、蒸した方が安全と言えるのではないでしょうか。
蒸し器が無い場合には、電子レンジを利用した調理法もおすすめです。
◆味付けしないで与える
かぼちゃの煮物などは砂糖やしょうゆを使って味付けをしますが、猫に与える際には味付けをする必要はありません。
せっかく自然の栄養が摂取できる野菜なのに、味付けすることによって糖分や塩分が増えてしまえば、まったく意味がありませんよね。
かぼちゃは何の味付けをしなくても美味しい野菜ですので、わざわざ無駄な味付けをして、猫ちゃんの体に負担をかけることはやめておきましょう。
かぼちゃのレシピ
普段与えているフードのトッピングとして、かぼちゃを与えてみるのも良いですが、猫ちゃんの中にはまったく興味を示さない子も居るかもしれません。
試しに与えてみたい場合には、かぼちゃをスープにして与えてみてはいかがでしょうか。
猫用のミルクに、加熱したかぼちゃをすり潰して少量加え、混ぜ合わせるだけで完成です。
人肌程度に温かくしても、冷たいまま与えても、ミルクが好きな子であれば、喜んで口にしてくれることでしょう。
ミルクが苦手な子であれば、魚や鶏肉を煮込んだスープ(味付けなし)に、同じくすり潰したかぼちゃを加え、混ぜ合わせてから与えてください。
かぼちゃスープであれば、飲水量の少ない猫も水分の補給ができるので、一石二鳥のレシピと言えますよね。
かぼちゃを与える時の注意点は
猫が食べても安全な野菜であるかぼちゃではありますが、与える際にいくつか注意しなくてはいけない点があります。
どんな注意点を守れば、猫に対して安全にかぼちゃを与えられるのでしょうか。
◆種やワタ、皮は取り除く
かぼちゃの種やワタは、調理法によっては食べられる部分ではありますが、猫に与えることは控えておくべきと言えるでしょう。
かぼちゃの種はパンプキンシードとしても商品化されている通り、外側の殻を取り除けば美味しく食べられる部分としても知られていますよね。
しかし猫に与えるにしては硬すぎるので、消化不良を起こさせないためにも、わざわざ与える必要は無いと言えるでしょう。
かぼちゃのワタはかぼちゃの身よりも食物繊維が豊富なので、こちらも猫ちゃんの胃腸に負担をかけかねません。
その上傷みが早いので、新鮮なものしか食用には向きませんので、与えない方が無難と言えますよね。
かぼちゃの皮も栄養価が高い部分となりますが、消化に時間がかかることもあり、無理に与えなくても大丈夫です。
◆アレルギー
猫ちゃんの中には特定の食べ物にアレルギーを持っている子もいますので、かぼちゃもその対象になる可能性があることを認識しておかなくてはいけません。
かぼちゃはウリ科の野菜なので、スイカなどでアレルギーが出ている子には注意が必要と言えるでしょう。
いくら栄養が高くても、猫ちゃんの健康を害してしまえば元も子もありませんので、何かしらの食べ物アレルギーを持っている場合は、まずは少量を食べさせて様子を見るようにしてください。
◆大量に与えない
どんな食べ物でも言えることですが、人間の食べ物を猫に与える際には、少量を与えて様子を見るのが基本となります。
本来与える必要のない食べ物を与えるわけですから、様子を見ながら慎重に、責任を持って与えるべきですよね。
基本的には毎日食べているキャットフード(総合栄養食)から、猫は必要な栄養を摂取しています。
それプラス別の食べ物で栄養を摂取してしまえば、栄養の過剰摂取に繋がり、猫ちゃんの体に悪影響をもたらすことも。
とくにビタミン類を多く摂取してしまえば、食欲低下や嘔吐などを引き起こすことがあります。
そして野菜だからといってヘルシーかと思いきや、かぼちゃは100gで約91kcalものエネルギー量があるので、与えすぎてしまえば肥満にも繋がってしまいますよね。
猫に与える際には、すり潰したかぼちゃをティースプーン1杯程度を目安とし、必要以上に与えないような工夫をするようにしましょう。
体調を崩した場合の対処方法は?
かぼちゃを与えたことにより愛猫が体調を崩した場合には、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
いつどのぐらいの分量を愛猫に与えたかを明確に伝えることによって、獣医師さんが懸命に原因を探ってくれるはずです。
素人判断で様子を見るといった行為は、余計猫ちゃんの体に負担をかけてしまいますので、少しでも様子がおかしいと感じたのであれば、迷わず動物病院へ愛猫を連れていくようにしましょう。
まとめ
愛猫には常に栄養価の高いものを食べさせ、寿命を延ばしてあげたいと願う飼い主さんはたくさんいらっしゃることかと思います。
バランスの良い食事とは何かと考えたとき、やはり肉類や魚類だけではなく、野菜も摂取した方が良いと考える方は多いことでしょう。
野菜の中でも緑黄色野菜は栄養価が高いので、与えるなら甘みの強いかぼちゃを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんかぼちゃは栄養価が高いですが、与える際には多少の注意が必要な野菜とも言えますので、あえて猫に与える必要はありません。
猫は私たちと違って野菜を食べなくても健康的に生活できますので、与える場合は少量を意識し、猫の体に負担をかけないような与え方を心掛けてあげてくださいね。
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