野良猫を飼うために必要な事前準備や心掛けについて知りたい!

2021.10.07

野良猫を飼うために必要な事前準備や心掛けについて知りたい!

現在では猫と一緒に暮らしたいと思った際に、様々な手段でお迎えが可能ですが、野良猫を保護して迎え入れたいと考える方も、多くいらっしゃることかと思います。 とくに人懐っこい野良猫や、母猫が見当たらない子猫などは、出会いを運命のように感じて、お迎えを決める方も多いはずです。 しかし、野良猫を飼うということは、ペットショップや保護猫のお迎えとは異なり、色々な事前準備が必要な上に、迎え入れた以上責任が伴います。 野良猫を飼う場合には、どんな心掛けが必要なのでしょうか。

野良猫を飼いたいと思ったら

伸びをする野良猫

一般的に野良猫とは特定の住まいがない猫を指しますが、恵まれない環境で暮らす野良猫に対して、幸せになってほしいと願う方はたくさんいらっしゃることでしょう。

家猫と違って外猫は圧倒的に平均寿命も短くなるので、屋根のある寝床で食事の心配も要らない生活ができるということは、猫にとってこれ以上ない幸せと言えるはずです。

野良猫と運命的な出会いがあったときや、その子を全力で幸せにしたいと思ったとき、その瞬間の気持ちだけで行動することはとても簡単です。

しかし、猫は感情を持ち合わせた命ある動物です。

おもちゃのように代替えが利きませんし、飽きたら捨てるということも、もちろんできません。

野良猫を飼うことを決めた際にまずすべきことは、その猫との未来設計を描くことです。

保護をする前に、以下のことを今一度考えてみてください。

◆本当に飼えるか考える

野良猫も命ある動物ですので、軽い気持ちで飼うと決めてしまった場合、後々にさまざまな問題が出てくることがあります。

賃貸にお住いの際には、ペット不可物件であったり、ペット可物件であっても猫は飼えなかったりする場合もあるので、野良猫を飼う前に必ず契約内容を確認しておくべきではないでしょうか。

また、同居している家族が居る場合、全員が野良猫を飼うことに同意しているか、猫アレルギーの人は居ないかなどの確認も重要となります。

一人暮らしの方であれば、一匹でお留守番させる時間が長かったり、家を空ける機会がたくさんあったりすると、猫に寂しい思いをさせてしまうので、生活の基盤を猫に合わせられるかも考える必要があるでしょう。

そして野良猫を飼うということは、毎日の食事だけでなく、病気をしたときなどの治療費がかかることも想定しておかなくてはいけません。

キャットフードの質が上がったことなどからも、猫は平均で20年前後生きられるようになってきたので、そのような金銭的負担があることを理解した上で野良猫を飼うようにしましょう。

◆誰かの飼い猫でないか確認をする

「外で暮らしている猫=野良猫」というわけではなく、どこかのお家で飼われている猫がたまたま外に出ている場合や、迷い猫として飼い主さんとはぐれてしまった猫である場合もあります。

野良猫と思ったとしても万が一飼い猫の可能性もあるので、お迎えする前にできる限りのツールを駆使して、本当の飼い主さんが居ないかの確認も必要です。

保健所や警察での確認はもちろん、ネット上の掲示板やSNSなどでも、その猫ちゃんの情報が出ていないか確認をしてみてください。

また、去勢や避妊手術をしてから地域で見守られつつ暮らしている「地域猫」の場合もあるので、その地域で活動している団体に連絡をとってみるのもおすすめです。

◆責任を持った行動をする

野良猫は外で自由に生きてきたイメージがあるので、家に迎え入れたとしても、定期的に外に出してしまう飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

しかし、せっかく迎え入れることを決めたのに、外の自由を尊重するために半外飼いにするのは、一見優しくみえて猫のことを真剣に考えていないと言わざるを得ません。

野良猫を飼うと決めたのであれば、責任を持って完全室内飼いを心掛けてあげてください。

外には感染症や交通事故のリスク、虐待や連れ去りのリスクなど、猫が幸せに生きられない様々な原因があちらこちらに転がっています。

野良猫時代に多大なストレスを抱えて生きていたからこそ、立派な家猫として暮らせるようなサポートをしてあげましょう。

寝床だけ家の中で、食事やトイレは外で済ませるような飼い方は、ご近所トラブルの元にもなりますので注意が必要です。


野良猫を飼うための準備

責任を持って野良猫を飼うと決めたのなら、次は野良猫を飼うためにどんな事前準備が必要になるかですよね。

以下の項目に沿って、準備をすすめていきましょう。

◆必要な用品をそろえる

野良猫が子猫なのか、成猫なのかで揃える物が多少異なりますが、迎え入れた際に必要な食事や、排泄する場所として重要なトイレなどは、迎え入れた当日から準備しておかなくてはいけません。

もちろん食事や飲み水を入れる容器なども必要ですし、トイレに使用する猫砂も必要となります。

しかし、急遽野良猫を飼うことが決まり、準備をする時間がなければ必要最低限のものだけでも良いので用意し、次の日以降に改めて必要なものを揃えても良いでしょう。

子猫の場合は子猫用ミルクの準備ができなければ、人間用の粉ミルク(赤ちゃん用)を薄めて代用できますし、猫砂も新聞紙やトイレットペーパーを細かく裂いたものなどでも代用可能です。

その他には迎え入れの際に必要なキャリーバッグや、慣れるまで部屋の中で隔離するためのケージなどがあると安心です。

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◆飼い始める前に動物病院へ連れていく

野良猫を迎え入れる前に必ず動物病院へ連れていき、健康状態の確認のため、健康診断を受けるようにしましょう。

外で暮らしていた野良猫は、ダニやノミなどに寄生されていることも多く、ウイルス性の感染症を患っていることが多くあります。

家の中に寄生虫を持ち込まないことはもちろん、先住猫が居る場合には野良猫が原因で感染症を蔓延させてしまう可能性も否めませんので、動物病院への受診は最優先すべきと言えるでしょう。

猫エイズなどの感染症の検査は時間がかかりますし、何かしらの病気や怪我を患っていた場合もすぐに治療ができるので安心です。

寄生虫の駆除を行っておけば、ストレスや負担になりやすいお風呂でのシャンプーもすぐに行う必要はありませんので、様々なことを考慮した上でも健康診断は行うべきですよね。

また、迷い猫だった場合、動物病院でマイクロチップの有無を判断できることもあるので、野良猫を飼う上で大事な事前準備として把握しておきましょう。


野良猫の飼い方

黒い野良猫

事前準備を行ったあとは、いよいよ野良猫を自宅へと受け入れます。

迎え入れた際には野良猫に対して、どのような配慮を心掛けてあげるべきなのでしょうか?

◆時間をかけて少しずつ慣れてもらう

野良猫は厳しい環境で暮らしていたこともあり、安心して眠れる場所や決まった時間に食事が出る環境に、すぐに順応することはできません。

どんなに負担がかからないような環境を野良猫のために整えておいたとしても、慣れてくれるまではたくさん時間を費やして、少しずつ環境に慣れていってもらうことが一番です。

人間とともに生活したことのない野良猫にとって、快適に思えることであっても負担になってしまうことがほとんどなので、様子を見つつ距離を縮めていけるように努めましょう。

◆先住猫がいる場合は特に注意をする

先住猫が居るご家庭では、先住猫と野良猫双方のストレスを軽減させるためにも、野良猫の受け入れは慎重に行わなくてはいけません。

好きなように放し飼いをするのではなく、家のニオイやほかの猫が居る環境に慣れさせるためにも、まずは野良猫をケージや先住猫が出入りしない部屋などに隔離してあげてください。

最低でも健康診断の結果が出るまでは、隔離していた方が感染症などの予防もできるので、そのような意味合いからも先住猫との距離感は重要視する必要があると言えるでしょう。

ケージを利用する際には、先住猫が興味を示して寄って来たときに、威嚇し合わないように、タオルや毛布などでケージを覆うようにして、時間をかけて環境に慣れさせてあげてください。

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◆外に出たがった場合は

急な環境の変化は野良猫に多大なストレスを与えてしまう上に、最初のうちは元に居た世界に戻りたいと望むことでしょう。

大きな声で鳴いたり玄関や窓を開けたりした際に、外に逃げ出すような素振りを見せるかもしれません。

しかし、だからといって野良猫を元の環境に戻すのは、責任放棄をすることと同義です。

野良猫がどんなに外に出たがったとしても、野良猫を飼うと責任を持って決めたのであれば、生涯幸せにすることを約束してあげるべきですよね。

外の世界に戻りたいと思わせないようにするためにも、家の中で満足できるような環境づくりを心掛け、幸せな毎日を過ごせる手助けをしてあげるようにしましょう。


まとめ

猫にとって外の暮らしと完全室内飼いの暮らしが、どちらが幸せかは分かりません。

しかし、外での暮らししか経験したことのない野良猫は、安全な家の中で暮らすといった安心を知らないので、どちらも経験したことのある野良猫でなければ、どちらが幸せかを知ることもできないはずです。

怯えながら眠ることも、暑さや寒さに耐え凌ぐことも、辛い病気や怪我に見舞われることも、食べ物の心配をすることも必要のない環境は、少なからず外の世界よりも幸せと思えるのではないでしょうか。

野良猫を飼うと決めたのであれば、その気持ちに偽りがないことを、毎日一緒に過ごしていく中で伝えていくことこそが、飼い主さんにできる唯一の道しるべと言えるのかもしれません。

世界から一匹でも不幸な猫を居なくさせたいと望むようであれば、気になる野良猫を保護して、生涯を共に過ごしてみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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