【獣医師監修】猫の耳ダニってどんな病気?こんな症状が出ていたら要注意!!

2022.01.30

【獣医師監修】猫の耳ダニってどんな病気?こんな症状が出ていたら要注意!!

猫に寄生する寄生虫として知られているダニではありますが、その中でも厄介なダニとして知られているのが「耳ダニ」です。 耳ダニに感染してしまうと強い痒みを伴うので、猫が頭を振っていたり後ろ足でしきりに耳を掻いたりしていた場合は、感染を疑うべき病気と言えるでしょう。 ダニは小さく目に見えない種類が大半となりますが、だからこそダニへの理解を深め、愛猫が辛い思いをしないような対策を心掛けておくことが大切です。 今回はダニの一種となる耳ダニいついてご紹介していきますので、今後の対策に役立てていただけましたら幸いです。

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猫の耳ダニってどんな病気?

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猫と暮らしている方であれば、「耳ダニ」という言葉を一度は聞いたことがありませんか?

耳ダニ症」や「耳疥癬症(みみかいせんしょう)」などと呼ばれることがあり、これらの病気の原因となるダニのことや、その病気の総称として耳ダニと呼ぶことが多いようです。

このような病気を引き起こす主な耳ダニと言われているのが「ミミヒゼンダニ」と呼ばれる小さなダニとなり、猫の外耳道(がいじどう)に寄生します。

耳ダニに寄生されると強い痒みに襲われる上に、耳ダニの糞や卵が耳垢に混ざることによって黒い耳垢が見られるようになり、猫の耳からは悪臭がするようになってきます。

猫自身は強い痒みから、壁などに耳を頻繁に押し付けたり、後ろ足で耳を掻いたり頭を振ったりなど、耳に違和感があるような素振りを見せるようになってくるようです。

耳ダニに寄生されている猫は、飼い主さんに耳を触られることも嫌がりますので、飼い主さんが猫の病気に気付くまで、そんなに時間はかからないはずです。

しかし、痒がっている素振りを見せているのにも関わらず、そのまま放置してしまった場合は、自然に完治する病気ではありませんし、過剰に引っ掻くことによって外耳炎や耳血腫などの病気を併発することも否めません。

たかが耳ダニと思うようなことはせず、早急に動物病院へ連れて行き、治療を進めてもらうことが大切です。


ダニの種類

日本は湿度も高く、ダニにとっては住みやすい環境が整っており、屋内だけでなく屋外にもたくさんのダニが生息しています。

とくに梅雨の季節はダニの繁殖が増えますので、一年でもっとも注意しておくべき季節と言えるでしょう。

繁殖率が増えれば猫に寄生する機会も必然的に増えますので、参考までに猫がもっとも気を付けておくべき、4種類のダニをご紹介させていただきます。

◆マダニ

寄生されると死に至ることでも知られている、恐ろしい「マダニ」。

日本では47種類ほどのマダニが確認されており、体長が3~8mmほどの大きさなので、肉眼でも確認でき、吸血して満腹状態になれば10~20mmほどの大きさになるのも特徴的です。

マダニの栄養源は動物の血液となるので、植物などの葉陰などで獲物を待ち伏せし、比較的柔らかい部分をめがけて噛みつきます。

吸血口にセメントに似た物質を出すことにより、マダニの寄生に気付いたとしても簡単には除去できないので、医療機関での処置が必要不可欠です。

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◆ヒゼンダニ

猫の体全体に寄生し、疥癬といった症状を引き起こすのが「ヒゼンダニ(疥癬虫)」です。

ヒゼンダニは猫の皮膚に孔を開け、トンネルを作って寄生するため、激しい痒みや皮膚炎を起こすといった特徴があります。

ヒゼンダニによる感染症は、人獣共通伝染病(ズーノーシス)としても知られていますので、一時的ではありますが、猫から人へと移ることもあるようです。

人間に移れば発疹や水泡といった症状が見られるので、原因となる猫の治療を早急に行い、根治させる必要があると言えるでしょう。

◆ミミヒゼンダニ

耳ダニ症を引き起こす耳ダニのほとんどは「ミミヒゼンダニ」と言われています。

体長は0.5mm程度と小さく、耳道といった外耳に寄生して、猫の耳垢や耳から出る分泌物などをエサとして繁殖を続けていくようです。

外耳内に卵を産み付けられれば、3週間ほどで成虫となりますが、成虫はミミヒゼンダニ専用の駆除薬で駆除できますが、卵の場合は効果が期待できないので、成虫になってからの駆除が必要となってきます。

ミミヒゼンダニも人獣共通伝染病となりますので、愛猫の耳垢が真っ黒だった場合は、ミミヒゼンダニの感染を疑うようにしましょう。

◆ツメダニ

ヒゼンダニやミミヒゼンダニほどの痒みは伴いませんが、感染されると大量のフケを発生させるのが「ツメダニ」です。

ツメダニにはいくつかの種類が存在し、猫に寄生するツメダニは「ネコツメダニ」と呼ばれていますが、頭に巨大なかぎ爪を持っているのが特徴的なダニとなります。

この巨大な爪を利用して宿主となる猫の皮膚に取りつき、皮膚を傷付けて体液やリンパ液を栄養源としながら生きることによって、猫からは大量のフケが出てしまうといったライフサイクルが行われます。

別名「歩くフケ」と呼ばれることもあり、その理由としてツメダニが原因となるフケを黒い紙の上などに乗せると、動いている様子が肉眼でも確認できることが根拠となっているようです。

ネコツメダニは人間の皮膚上では繁殖できませんが、まれに人にも感染することがあり、一過性の症状が現れた後に自然消滅していきますが、猫に感染した場合は症状が継続していきますので、早めに治療を行なわなくてはいけません。


耳ダニになる原因

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猫が耳ダニになる原因として考えられるのは、産まれた際に母猫(親猫)から移る親子感染や、野良猫やほかの猫による接触感染の2通りとなります。

以前はペットショップで販売されていた猫が、耳ダニを患っているケースが多くありましたが、最近ではペットショップなどの衛生面が向上していることもあり、珍しい感染症となりつつあるとも言われているようです。

しかし、耳の形が特徴的な猫種である「スコティッシュホールド」や「アメリカンカール」などは、耳の中に湿度がこもりやすく、耳垢が溜まりやすいこともあって、耳ダニが繁殖しやすいと考えられています。

また、外への行き来が可能な家猫などは、野良猫と接触する機会が増えるので、耳ダニに感染する確率が必然的に上がると言えますよね。


耳ダニの治療法

愛猫が耳ダニに感染していることが分かった場合は、自然に完治させることは難しいので、早急に治療を行わなくてはいけません。

まずは愛猫を動物病院へ連れて行き、耳垢を獣医師さんに採取してもらってから顕微鏡で観察してもらいましょう。

検査結果はすぐに出ますので、耳ダニの感染が確認された場合には、点耳薬や駆除剤を用いた治療を行っていきます。

症状が軽度であれば通常、1回の投与で治療が完了することがほとんどですが、重症化していれば複数回に分けて点耳を行い、様子をみていくことが一般的です。

強い痒みが見られる場合には、ステロイド剤を併用することもありますので、獣医師さんの指示に従って治療を進めていくようにしましょう。


耳ダニの予防方法

耳ダニと聞くと軽度の症状を思い浮かべる方は多いかもしれませんが、猫にとってその強烈な痒みは想像を絶するはずです。

とくに耳の中といった、普段自分で丁寧にケアができない場所だからこそ、猫はより強く煩わしさを感じるはずですし、そのストレスから思いっきり引っ掻いて、外傷による炎症を引き起こす可能性も否めませんよね。

愛猫に辛い思いをさせないためにも、飼い主さんはどんな予防を普段から心掛けておくべきなのでしょうか。

◆耳掃除をする

やはり一番大切なのは、定期的に耳の中や周りを観察し、汚れているようであれば耳掃除をしてあげることです。

イヤークリーナーやイヤーシート、そしてペット用の綿棒などを使用し、外耳の見える範囲までを掃除してあげてください。

あまり耳の奥まで掃除しようとすると、嫌がる子はとても多く、鼓膜を傷付けてしまう可能性もあるので、心配な場合は獣医師さんに相談し、耳掃除の方法を教わってみるのもおすすめです。

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◆室内の掃除を徹底する

室内でもダニは常に繁殖を繰り返していますので、部屋の中を常にキレイにしておくことが大切ですよね。

ダニのエサとなるホコリや猫の被毛などを除去することによって、ダニの繁殖をある程度抑えられますよ。

◆完全室内飼いにする

ほかの猫との接触感染が耳ダニの原因になるのであれば、外には出さずに完全室内飼いを徹底するべきではないでしょうか。

外の世界には耳ダニだけではなく、マダニやノミなどの寄生虫や、さまざまな感染症の脅威が存在していますよね。

そのような脅威から愛猫を守るためにも、完全室内飼いを徹底することは有効です。


まとめ

猫に寄生する可能性があるダニは、数種類存在してはいますが、猫の耳に寄生する耳ダニはとても厄介なダニであることが分かりました。

耳ダニに感染すると強い痒みを伴うため、その苦痛から毛がむしり取れるほど耳の周辺を引っ掻き、炎症を起こして傷となり、別の病気を併発してしまうことも否めません。

そんな辛い思いを愛猫にさせないためにも、普段から耳のケアを怠らないようにし、完全室内飼いや部屋の清潔を心掛けるなどをして、できる限りの予防をしておくことも大切です。

猫の耳に異変が生じた場合にはすぐに動物病院を受診するようにし、適切な治療を受けつつ、快適な日常が送れるように手助けをしてあげましょう。

※こちらの記事は、獣医師監修のもと掲載しております※
●記事監修
drogura__large  コジマ動物病院 獣医師

ペットの専門店コジマに併設する動物病院。全国に16医院を展開。内科、外科、整形外科、外科手術、アニマルドッグ(健康診断)など、幅広くペットの診療を行っている。

動物病院事業本部長である小椋功獣医師は、麻布大学獣医学部獣医学科卒で、現在は株式会社コジマ常務取締役も務める。小児内科、外科に関しては30年以上の経歴を持ち、幼齢動物の予防医療や店舗内での管理も自らの経験で手掛けている。
https://pets-kojima.com/hospital/

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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