1.猫が洗濯機の下や中に入る理由
2.洗濯機と猫の事故例
2-1.猫が中にいるのに洗濯機を回す
2-2.洗濯機の中に閉じ込められる
2-3.洗濯機に猫が落ちてしまう
2-4.洗剤を誤って食べてしまう
3.猫が洗濯機に興味を持つ理由
3-1.狭くて暗いから
3-2.暖かいから
3-3.回っている様子が面白いから
4.猫が洗濯機に入らないようにする対策
4-1.洗濯機の蓋を必ず閉める
4-2.衣服の中に猫がいないか確認する
4-3.洗濯機の下に隠れていないかチェック
4-4.子どものいたずら注意
5.まとめ
猫が洗濯機の下や中に入る理由
完全室内飼いの猫ちゃんは、部屋中がその猫ちゃんのテリトリー(縄張り)となるため、あらゆる場所を探索し、どこにどんな物があるかを把握していきます。
そして飼い主さんが日常的に使用しているアイテムであれば、当然猫ちゃんは興味を持ちますし、飼い主さんが何をしているのかを自ら確認したがる子は多いはずです。
日常的に使用するアイテムの中でも洗濯機は使用頻度も高く、特定の場所から動かないといった安心感もあり、自分に危害が加えられないことを理解すると、洗濯機に近付いたり、中に入ったりする子が居たとしても不思議ではありませんよね。
洗濯機は大きく分けて「縦型」と「ドラム式」の2種類があり、最近では乾燥機が付いている製品も多く、それぞれの得意分野に合わせて選ばれているご家庭がほとんどだと思います。
どのタイプの洗濯機でも蓋(ふた)が付いており、中は洗濯槽(脱水槽)といった空洞があるため、猫一匹が入りやい構造となっています。
飼い主さんが目を離した隙や、お留守番の時間などに洗濯槽の中に入ってしまい、その状況に飼い主さんが気付かず、何かのきっかけで蓋が閉まってしまえば、最悪のケースに繋がってしまうことも否めません。
実際に他国では、猫が洗濯機関連で死亡したという事故の報告もありますので、やはり猫と一緒に暮らしている方であれば、細心の注意を払って愛猫を洗濯機から守っていく必要があると言えるでしょう。
洗濯機と猫の事故例
普段の生活の中で、猫が洗濯機関連の事故に遭わないためには、実際にどのような事故が起きやすいのかを想定しておくことが大切です。
猫の場合はとくに以下のようなシチュエーションの事故が起きやすいため、飼い主さんは注意しておきましょう。
◆猫が中にいるのに洗濯機を回す
好奇心旺盛で洗濯機を怖がらない猫ちゃんの場合、洗濯機を遊ぶ場所や眠る場所として認識している子は少なくありません。
遊んで疲れてしまえば洗濯機の中でそのまま眠ってしまうこともありますし、猫自身が鳴き声を出さなければ、なかなか飼い主さんは気付き難いですよね。
猫の存在に気付かず洗濯物を入れて蓋をし、電源を入れて回してしまえば、猫ちゃんが溺死してしまう危険性が高くなってしまうことでしょう。
すぐに猫が気付いて声をあげてくれれば大きな事故は防げるかもしれませんが、洗濯物や水の圧力に抗えない場合もあるため、洗濯機を回す際には細心の注意が必要となってきます。
◆洗濯機の中に閉じ込められる
洗濯機の中には大きな空洞があり、何度か出入りをしたことのある猫ちゃんであれば、自ら中に入ってしまう子は少なくないはずです。
その際に何かしらの衝撃が加わって蓋が閉まってしまえば、内側から蓋を開けて脱出することは難しいですし、密閉された状態が長時間続いてしまえば、そのまま窒息してしまうことも否めませんよね。
とくに乾燥機能が搭載されたドラム式の洗濯機の場合は、密閉性が高いこともあり窒息の危険性が必然的に高くなるため、普段から洗濯機の蓋を開けて生活されているご家庭では、蓋が勝手に閉まらないような対策を考えていかなくてはいけません。
◆洗濯機に猫が落ちてしまう
日常的に洗濯機の蓋を開けて生活をしていると、何かの拍子に猫が落ちてしまうことも考えられます。
洗濯槽の中は薄暗く、探究心の強い猫ちゃんであれば、中がどのようになっているのかが気になってしまっても不思議ではありません。
そして、蓋が空いた状態で洗濯物が回っていた場合でも、動いている様子が気になってしまえば、手を出して洗濯物を捕まえたい衝動に駆られることがあるのではないでしょうか。
どんなに平衡感覚の優れた猫であっても、洗濯機の縁は狭くて足場が悪く、家電特有の振動もあるため、バランスを崩して中に落ちてしまう可能性は高いようです。
◆洗剤を誤って食べてしまう
洗濯機付近を危険と察知していない猫のほとんどは、自由にその場所を行き来できる状況にあると考えられますが、洗濯機設置付近は洗濯槽だけでなく、様々な洗濯用洗剤の危険性があることを知っておかなくてはいけません。
汚れやニオイを落とす洗濯洗剤だけでなく、漂白剤や柔軟剤などの洗剤を使っている方は多いと思いますし、それらの洗剤が猫の体に付着してしまえば、グルーミングの際に舐めとってしまう危険性が高くなります。
そして、洗剤を投入して洗濯機を回している場合でも、水が飲みたくて猫がその水に口をつけてしまうことで、誤飲してしまい事故へ繋がってしまうことも少なくありません。
とくに塩素系の漂白剤は皮膚を溶かすほど強力となり、柔軟剤は猫に危険な精油やアロマを使用している商品も多いため、洗濯機にばかり気を取られるのではなく、洗剤への危険性も再認識しておきましょう。
猫が洗濯機に興味を持つ理由
洗濯機が猫にとって危険なことがよく分かりましたが、猫がなぜ洗濯機にそれほどまでに興味を持つのかも気になるところですよね。
猫が洗濯機に興味を持ちやすい理由として考えられるのは、以下のような猫の気持ちが隠されているようです。
◆狭くて暗いから
猫は本能的に狭くて暗い場所を好む通り、洗濯機の洗濯槽は体がすっぽりと収まることからも、落ち着く場所として認識している子が多くいます。
多頭飼育でひとりになりたいたきやゆっくり眠りたいときなどは、自ら好んで洗濯機の中に入ってしまうことは不思議ではありません。
もちろん眠るときだけでなく、狭くて暗い場所で獲物を待ち伏せするといった本能も持ち合わせているため、飼い主さんを驚かそうとするために、わざと洗濯機の中に入って待ち伏せをする子も居るようです。
◆暖かいから
洗濯槽の中は乾燥機能を使用したあとは暖かいといった特徴もあるため、気温に敏感な猫にとっては、寝床の一つとして認識している可能性が高いでしょう。
そして、洋服やタオルなどが入っている場合には、それらの洗濯物を掻き分けて中に入れば、人目につくことなく落ち着いて眠ることが可能となります。
寒い時期はこのように洗濯機を寝床として利用する機会が多くなるため、興味を持たせないような対策も必要となってきます。
◆回っている様子が面白いから
洗濯機は遠心力を利用して汚れを落としていきますが、その様子が猫の狩猟本能を掻き立て、興味を示してしまう子も居るようです。
とくに好奇心旺盛な性格の猫ちゃんであれば、洗濯物が回る様子を見て、「触ってみたい」「捕まえたい」と考えるのではないでしょうか。
しかし、水分を含んだ洗濯物はとても重く、可動中の洗濯機の中に手を入れてしまえば、ケガや骨折に繋がる危険性もあるため、興味を持たせないような工夫も考えなくてはいけません。
猫が洗濯機に入らないようにする対策
大切な愛猫を危険な事故から守るためにも、洗濯機に入らないような対策が必要となってきます。
飼い主さんが普段から意識して対策することにより、愛猫の命を守れますので、以下のことを日常的に心掛けて対策をしていきましょう。
◆洗濯機の蓋を必ず閉める
カビの繁殖や湿気対策として、洗濯機を使用したあとは蓋を開けているご家庭は多いと思いますが、猫ちゃんと一緒に暮らしているご家庭では、使用しないときは必ず蓋をして猫が入れないようにしてください。
とくにドラム式の洗濯機は蓋の位置が低く、猫が入りやすい構造となっているため、しっかりと蓋が閉まっているのかの確認も必要となってきます。
最近の洗濯機には、運転中や停止中に関わらず蓋を開かなくするといった、チャイルドロック設定が有効となっているため、このような機能が搭載されているようであれば、日常的に利用しておくこともおすすめです。
◆衣服の中に猫がいないか確認する
洗濯物の中にはたくさんの飼い主さんが着用していた衣服があり、飼い主さんのニオイを求めて洗濯物の中に入ってしまう子もたくさん居ます。
飼い主さんが大好きでこのような行動をとってくれることは、大変微笑ましいことではありますが、この行動が事故へと繋がってしまえば、飼い主さんは悔やんでも悔やみきれないことでしょう。
洗濯をする際には洗濯機の中を見るだけでなく、衣服の中に愛猫が隠れていないかの確認も怠らないようにしてください。
◆洗濯機の下に隠れていないかチェック
洗濯機を設置する際には排水が必要となるため、洗濯機の下にはある程度の空間が生まれるように設置をします。
洗濯機の上や中だけではなく、この隙間に入り込んでしまう猫ちゃんも存在するため、洗濯を回す際には必ず、洗濯機の下も確認するようにしてください。
洗濯を始めてしまえば洗剤の混ざった水の排水が猫に付着するだけでなく、日常的に隠れて遊ぶ場所として認識させないためにも、下の隙間に入り込んでいないかの確認を怠らないようにしましょう。
◆子どものいたずら注意
ご家庭に猫だけでなく小さなお子さんが居る場合は、子どもに対しても注意をしなくてはいけません。
善し悪しの判断が難しくても動き回れる子どもの場合は、突拍子もない行動をすることが多いため、敢えて猫を洗濯機の中に入れてみたり、猫が洗濯機の中に居たとしても、そのまま電源を入れてしまったりすることがあります。
事故が起きてから注意を促すようでは遅いため、普段からチャイルドロック機能を利用する、コンセントを抜いておく、洗濯機を設置している場所に子どもが入れないようにしておく、などの対策をしておくことも大切です。
まとめ
普段の生活の中で欠かすことのできない洗濯機ではありますが、猫による事故例があることを知ってしまうと、愛猫の命を守るためにできる限りの対策をしたいと考える飼い主さんは多いはずです。
とくに洗濯機自体を恐れず興味を持っている子の場合は、早急の対策が必要と言えますよね。
室内は猫のテリトリーとなりますが、室内だからこその事故の危険性はたくさんありますし、その一つ一つの可能性を飼い主さんは考慮し、責任を持って対策をしていかなくてはいけません。
猫の習性や本能を理解した上で安全に洗濯機を利用し、愛猫が安全に暮らせるようにこちらの記事を参考にして、適切な対策を心掛けてあげてくださいね。
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