1.猫が食べてすぐ吐く理由とは
1-1.早食い・食べすぎによる胃への負荷
1-2.フードが体に合わない
1-3.誤飲や誤食
1-4.病気の可能性
3.猫が食べてすぐ吐く時の対処法とは
3-1.早食い防止商品を選んでみる
3-2.お皿の位置を調整してみる
3-3.ごはんを少量頻回にする
猫が食べてすぐ吐く理由とは
猫を飼っている人であれば、“猫はなにかと吐いていしまう動物である”と知っていると思いますが、まだ一緒に暮らし始めてあまり日が経っていない飼い主さんからすると慣れないことと思います。
愛猫が先ほどまで嬉しそうにフードを食べていたのにも関わらず、そのあとにすぐ吐いてしまっていたら、なにか健康面に問題があるのかも…と心配になってしまいますよね。
猫がごはんを食べてすぐ吐くのには、一体どのような理由が考えられるのでしょうか。
◆早食い・食べすぎによる胃への負荷
猫は基本的に餌は全て丸飲みで、野生生活の名残りからごはんは早く食べる子が多いです。
また、純粋に食事の時間が何よりも楽しみでつい勢いよく食べてしまったりやどうしてもお腹が空いていると焦りすぎてしまうこともしばしばあります。
人間もそうですが、空っぽの胃に詰め込むような形でごはんをたべると、胃がびっくりしてしまいますよね。
猫も同じようにフードを一時的に食べ過ぎることから胃がビックリして吐いてしまうことがよくあります。
また、胃の中に取り込まれたドライフードは、胃液と混ざったり飲水により水と混ざったりすることで、胃の中で膨張します。
フードの食べすぎにより、胃のキャパシティーと食べたフードの量にあまり差がないと、フードが水分を含んで膨らんだ時にお腹がパンパンになり、胃に違和感を感じた猫が嘔吐するということが多くあります。
この場合はあくまで食べたものが時間を置かずにそのまま出てくる形となるので、嘔吐物を見てみると、フードがそのままの形状で出てきていることがほとんどです。
◆フードが体に合わない
ごはんを食べてすぐ吐く理由として、普段与えているキャットフードが、猫ちゃんの体質に合っていない場合もあります。
食物アレルギーの疑いがある子の場合は、フードに含まれている特定の素材に対して、アレルギー反応を起こしている可能性も否めません。
素材が体質的に合わないだけでなく、強い香りのするものや、鮮度が落ちて酸化を起こしているフードでも、敏感に反応する猫ちゃんは多いようです。
ほかにもフードの形状や大きさによって、食べ難さを感じる子も多いため、突っかかりを覚えれば食べてすぐ吐いたとしても不思議ではありません。
市販のキャットフードはさまざまな種類の商品が販売されていることもあり、愛猫が気に入ってくれる逸品を見つけることは大変難しいと言えます。
しかし、毎日の食事は健康な身体をつくる意味合いでも重要となるため、妥協はせずに理想的な食事を追究するようにしましょう。
◆誤飲や誤食
ごはんを食べる前に何かしらの異物を誤飲や誤食したことにより、食道が傷つき炎症を起こすことで、食べてすぐ吐くことがあります。
猫は警戒心の強い動物ではありますが、同時に好奇心が強い傾向もあり、興味を持った物に対しては口でくわえて、安全かどうかを確認することが多いようです。
その際に誤って飲み込んでしまえば、自ら取り出すことはできないため、違和感を覚えながらも痛みがなければ、そのまま食事の時間には普段通りにごはんを食べることでしょう。
しかし、いつもと同じ分量のフードであったとしても、胃の中に異物が入っていれば容量オーバーになるか、胃が刺激を受けて吐き戻してしまうことも否めません。
他には換毛期で胃に毛玉が出来ている時なども、ご飯を食べた時に違和感を感じてフードと毛玉を一緒に吐いてしまう子もいます。
◆病気の可能性
食べてすぐ吐いたあとも元気な様子が見られれば、一時的な原因で吐いた可能性が高いと判断できますが、元気が消失している様子が見られる場合には注意が必要です。
「慢性腸炎」「膵炎」「食道拡張症」といった疾患の可能性もあるため、日常的に食べてすぐ吐く傾向の強い猫ちゃんの場合は、早急に動物病院を受診するようにしましょう。
猫はもともとよく吐く動物?
猫はもともとよく吐く動物ではありますが、特に愛猫が食べてすぐ吐くことが多い場合には、以下のことに注目して観察してみてください。
◆こんな時は要注意!
ごはんを食べてすぐに吐いてしまえば、十分な栄養が摂取できないため、頻繁に吐いているようであれば注意が必要です。
愛猫の健康を守ってあげられるのは飼い主さんしか居ないため、毎日の生活の中でさまざまな異常が起きていないかの観察も大切となりますよね。
そして以下のような嘔吐を繰り返している場合は、かなり深刻な状態となるため、様子を見るようなことはせず、すぐに動物病院を受診するようにしてください。
1週間に1度以下といった嘔吐の回数で、ほかにも目立った症状が見られなければ、心配の要らないことがほとんどではありますが、何度も何度も嘔吐を繰り返す場合などは、どのような状態か素人判断では難しいため、専門家の獣医師さんに診ていただくことが一番です。
嘔吐を繰り返すことにより、脱水症状などの二次被害が起きやすく、猫ちゃんの体力を奪っていくため、様子見はおすすめできません。
動物病院を受診する際には、吐いたタイミング、吐いた回数や頻度、吐いた前後の様子(体調の変化)、吐き出したものの詳細(内容物を持参するか、画像に残しておく)などを、的確に獣医師さんに伝え、適切な治療を進めてもらうようにしてください。
猫が食べてすぐ吐く時の対処法とは
猫がよく吐く動物だと理解はしていても、やはり吐いている姿は辛そうなため、できることなら吐かないような対策もしていきたいところですよね。
元気や食欲はあるけれど、吐く頻度が多いと感じる場合には、以下のような対処法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
◆早食い防止商品を選んでみる
早食いや焦りすぎによってすぐ吐く猫ちゃんには、早食い防止に特化したフードや食器を試してみることをおすすめします。
食器の内側に不規則な突起があるため、一気に口の中へフードが入ることを防ぎます。
しかし、ストレスを抱きやすい猫ちゃんには不向きなため、愛猫の性格を尊重した上で使用するかを考えるようにしてください。
最近では吐き戻し軽減が期待できるフードなども販売されており、早食い防止ができる食器の使用が難しい場合には、そのような商品を取り入れてみるのも良いでしょう。
◆お皿の位置を調整してみる
猫ちゃんの食事用の食器を直接床に置いている場合は、猫が食べやすい高さの5~8cmぐらいに調節してみましょう。
もともと背の高い食器も数多く販売されていますし、土台を用いて高さを調節してもOKです。
食器の位置が低すぎると、首を折り曲げることによって食道にフードが詰まりやすくなります。
この詰まりによって食べてすぐ吐く猫ちゃんは多いため、愛猫が食べやすい高さを模索して調節してあげましょう。
◆ごはんを少量頻回にする
食べてすぐ吐く猫ちゃんに対しては、1日に必要なカロリーや栄養が摂取できなくなるため、ごはんの回数を変えて様子を見てはいかがでしょうか。
普段の食事量を朝晩と、2回に分けて与えているようでしたら、分散して4回以上に増やしてみると、吐き戻しが軽減する猫ちゃんも多いようです。
猫はもともと捕らえた獲物を数回に分けて食べるといった、ちょこちょこ食いをする動物でもあるため、猫の体質に合った食事法とも言えるでしょう。
飼い主さんがお仕事などで管理が難しい場合には、自動給餌器を取り入れてみることもおすすめです。
自動給餌器は普段の生活の中でも活躍する機会が多いため、この機会に購入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
猫ちゃんの中には食べてすぐ吐くといった子は多く、健康体であったとしても吐いている姿は苦しそうなため、できることなら吐かないような工夫をしてあげたいと考える、飼い主さんは多いのではないでしょうか。
もともとよく吐く動物だと分かっていても、愛猫の辛そうな姿は見たくないものです。
猫は食べ物を飲み込んでから胃に到達するまで、9~12秒ほどかかると言われています。
そして消化が完了するのはごはんを食べてから、2.5時間ほど経過したあととなりますが、消化されたごはんが胃から腸に到達し、腸内を通過するまでには12~24時間ほどの時間がかかります。
このような時間を理解した上で、愛猫の食事時間や回数を調整してみても良いですし、早食い防止ができる食器の使用や、食器の高さを調節するなど、愛猫に合った対処法を試みてはいかがでしょうか。
また、食べてすぐ吐くだけでなく、お腹が空きすぎて食前に吐いてしまう子も存在します。
そのような場合には固形物はなく、白い泡や黄色い液体を吐くこともあるため、頻繁にこのような嘔吐が続く場合には、食事の時間や回数を見直してみましょう。
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