猫にさくらんぼを与えても大丈夫?食べすぎた場合の危険性と正しい与え方

2023.07.29

猫にさくらんぼを与えても大丈夫?食べすぎた場合の危険性と正しい与え方

「さくらんぼを食べてしまった」または「さくらんぼを食べたそうにしている」という猫がたまにいますが、有害ではないのかと心配になる人もいるでしょう。 今回は、さくらんぼに含まれる栄養素や正しい与え方、与えすぎてしまった際に考えられる病気についてご紹介していきます。 しっかりと知識を身につけ、愛猫との生活をよりよいものにしてきましょう。

猫にさくらんぼを与えても良い?

さくらんぼをほしがる猫

結論、猫にさくらんぼを与えても問題ありません。
チョコレートや玉ねぎのような猫や犬に毒となるものではないので安心です。

ただし、正しい与え方や適量を理解した上で問題がないということです。

人間には身体に良いものでも、猫には有害となる食べ物はたくさんあります。

実際に、動物病院では「猫が◯◯を食べてしまったが大丈夫か」と電話がかかってくる時があります。食べたものによってはすぐに病院に来てもらい、吐き出す処置をする場合もあります。

「自分の猫に対して、さくらんぼの与え方に不安を感じた」「さくらんぼを猫に与えてみたい」という方は、下記からの文章をしっかりと読んでいきましょう。

◆さくらんぼに含まれる栄養素

赤いルビーのような見た目で、甘く程よい酸味があるさくらんぼ。

そんなさくらんぼには「ビタミンA、C」「カリウム」「カロチン」「ブドウ糖」「鉄分」など、バランスよく栄養素が含まれています。

さくらんぼは6月から7月と暑くなる時期に出回りますが、水分量が多いため夏の水分補給にも最適です。

また、食物繊維も豊富に含まれているため、腸内環境も整います。

それでは、成分によってどのような効果が得られるのかみていきましょう。


期待できる効果

それでは、期待できる下記の効果4つ紹介していきます。

●疲労回復や病気に対する抵抗力を強める
●便秘解消や腸内環境を改善する効果
●利尿作用に効果があり、腎臓の働きをサポート
●鉄分不足による貧血の予防

詳しく説明していきましょう。

疲労回復や病気に対する抵抗力を強める

さくらんぼには、ミネラル成分となるリンやカルシウムが豊富に含まれています。
更に、ブドウ糖やビタミンB1、B2も含まれます。

上記の成分は疲労回復や、食欲、血行を促す働きを持ちます。

猫がさくらんぼを食べるのであれば、夏バテ気味で食欲ないときに食べさせてもいいでしょう。

また、アントシアニンという成分も含まれており、抗酸化作用のある栄養素で、病気の予防にも役立ちます。

便秘解消や腸内環境を改善する効果

さくらんぼには、ソルビトールという成分が含まれています。
便に水分を与え、排便を促す役割があり、便秘気味でも効果が期待できるでしょう。

食物繊維も多く含まれているため、腸が活性化しやすく、ソルビトールと同じく便秘改善に役に立ちます。

しかし、これらは猫にとっては摂取しすぎると逆効果となってしまう可能性もあります。

利尿作用に効果があり、腎臓の働きをサポート

カリウムは体内にある余分な塩分を体外に出す働きをする栄養素で、利尿作用があります。

水分代謝を促してくれる腎臓の働きをサポートすることで、尿と一緒に老廃物も排出されるため、積極的に摂取したい栄養素です。

猫がよくかかる病気の1つで、突発性の膀胱炎があります。

尿を出しにくそうにしていたり、尿に血が混じっている場合は膀胱炎になっている可能性が高く、水分をあまり摂らず尿の回数も減っているのが原因です。

その予防にもなるのがカリウムとなるため、水分を摂取しない猫に良いでしょう。

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鉄分不足による貧血の予防

猫は鉄分不足になることはほとんどありません。

ですが、女性の飼い主と一緒に食べるとしたら嬉しい栄養素になります。

さくらんぼには葉酸が含まれており、赤血球の生産を助ける働きがあり、貧血の予防にも役立ちます。

また、ビタミンCによって、鉄分不足による貧血予防にも繋がります。


さくらんぼの与え方

さくらんぼ

これまでは主な栄養素について説明してきましたが、1番大事となるのが猫への与え方です。

◎最適な適量
◎種や茎は取る

上記の2つを守っていれば、安心して猫も食べることができます。

では、さくらんぼの与えていい量や、なぜ猫には種や茎は取って与えるのか詳しく説明していきましょう。

◆最適な適量

猫にさくらんぼを与えすぎた場合、猫の体内で消化ができず消化不良となり、お腹を壊してしまう可能性があります。

なので、1日で食べている食事の量を調整しながら、1~2粒程度に抑えるようにしましょう。

メインクーンなどの大型の猫だともう少しあげてもいいかなと思われがちですが、最初から一気に与えるとお腹が緩くなる可能性が高いです。

猫のアレルギーの心配もあるため、最初は様子見で少しずつ食べさせてみてください。

また、猫は元々肉食動物であるため、基本的に果物や野菜などは摂取する必要がないと言われています。

あくまで愛猫にはご褒美として与えるようにしましょう。

◆種や茎は取る

猫にさくらんぼを与える時、うっかり茎や種が入ったまま与えてしまいそうになりますが、これは絶対にやめましょう。

特に種には「アミグダリン」といって青酸配糖体が含まれており、猫への中毒症状を引き起こす原因となります。

中毒症状とは、呼吸困難やチック症を招く可能性があり、酷い場合は死に至ります。

飼い主がすべて取り除いたと確認してから、猫にはさくらんぼの実だけをあげるようにしましょう。

それでも、猫が勝手に種があるさくらんぼを噛み砕いて食べてしまった場合は、動物病院に連絡して、早急対応するようにしてください。

◆成熟しきれていないさくらんぼは与えない

最近では、さくらんぼ狩りで犬や猫と一緒に参加できるイベントがあります。

猫と行くことはほとんどないとは思いますが、成熟していないさくらんぼには有害なアミグダリンが果肉にも含まれており、人にも有害です。

スタッフに相談しながら、熟した果肉の部分だけを猫と一緒に食べるようにしましょう。

庭で育てている家庭では、人も猫も美味しく、安全にさくらんぼを食べられるように注意してみてください。


さくらんぼの葉っぱと花は食べてはいけない

さくらんぼ狩り

さくらんぼの葉っぱと花にはクマリンという成分が入っています。

干し草や塩漬けの桜の葉の香りの本体であり、桜餅などによく用いられます。

しかしクマリンは肝臓に対して毒性があり、猫には有害です。

葉っぱや草を猫が届くところに置かないように注意しましょう。

また、家の庭で育てている場合でも、もし猫が食べようとした場合はやめさせるようにしてください。


美味しいさくらんぼの選び方とは

さくらんぼは美味しい状態になっているかをまず色で判断します。

色味は鮮やかな紅色のさくらんぼを選びましょう。

食べてはいけない色味ですが、白や黄色、茶色っぽくなっているのは避けてください。
また、傷がついているのもやめておきましょう。

美味しいさくらんぼは、皮に弾力やツヤがあり、実は大きく、固くしまっているものを選んでください。


さくらんぼを与える際の注意点

与える時の注意点ですが、先程与え方で説明した通り猫に与えすぎるとせっかくの栄養素が逆効果になってしまいます。

ですが、愛猫がさくらんぼが好きだからとついつい与えてしまうこともあるでしょう。

しかし、猫のご飯の量を変えずに毎日のように与えていると、結果別の病気を引き起こしてしまう可能性が出てきます。

猫にさくらんぼを与えすぎた場合、どうなってしまうのかみていきましょう。

◆与え過ぎない

さくらんぼのバランスのよい栄養が含まれており、ビタミンやミネラル、食物繊維などが補給できますが、それと同等に果糖を摂りすぎてしまいます。

さくらんぼは一粒あたりカロリーが5kcalと少ないと感じますが、食事の量を減らさずに毎日与えたりすると、猫の肥満の原因に。

猫は元々太りやすい動物で、もし肥満になってしまった場合、関節への負担が大きくなり、関節炎や椎間板ヘルニアになる恐れが出てきます。

また、心臓にも悪影響を及ぼすことが確認されており、猫にとって体重管理は健康を守るためでもあるのです。

そして果糖を摂りすぎてしまった場合、人間と同じく糖尿病になる危険性が出てきます。

猫の糖尿病は初期症状が気づきにくいため、症状が進行してから発見されることがほとんどです。

合併症を引き起こす可能性があり、愛猫が命を落としてしまう可能性が十分にあることを頭に入れておきましょう。


まとめ

今回は猫がさくらんぼを食べていいのか、また与え方ついて説明していきました。

最後に、重要な点をまとめたのでおさらいしていきましょう。

●猫にさくらんぼを与えても大丈夫
●さくらんぼにはバランスの良い栄養素が豊富に含まれている
●さくらんぼを猫に与えるときは適量を守り、最初は少量から
●果肉以外の部分は食べさせない(茎・種・葉・花)
●種を食べてしまった場合はすぐに病院に連絡をしよう
●食べすぎると肥満や糖尿病の原因にも

愛猫と一緒に美味しいさくらんぼを食べられるように、与え方は必ず守りましょう。

ほかのフルーツでも、猫に与える場合は適量や与え方を意識してくださいね。



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