1.猫にハッカが危険な理由は?
1-1.猫はハッカ油の成分を代謝できない
1-2.最悪の場合死につながる場合も
1-3.イヌハッカ(キャットニップ)は大丈夫
2.猫のいる家でハッカ油の使用は避けよう
2-1.自宅内、庭やベランダで使用しない
2-2.少量だけでも注意
2-3.匂いだけでもNG
2-4.猫以外の動物にも危険
3.猫がハッカ油を舐めてしまったら
3-1.猫のハッカ油による中毒症状
3-2.直ちに動物病院へ
4.ハッカ以外に危険なものは?
4-1.アロマオイル
4-2.観葉植物
4-3.ユリ科の植物
5.まとめ
猫にハッカが危険な理由は?
人にとっては危険なイメージのないハッカが、なぜ猫には危険と言われるのでしょうか?
その理由について詳しくご紹介します。
◆猫はハッカ油の成分を代謝できない
猫はハッカ油の成分を代謝することができません。
なぜなら、猫は肉食だからです。
ハッカ油は、ハッカソウを乾燥させたものから抽出した植物油です。
人や犬は雑食なので植物を代謝する機能がありますが、肉食の猫はその機能をもっていません。
ハッカ油をはじめとする精油には、脂溶性の化学物質が含まれています。
人はこの成分を分解できますが、猫はほぼできません。
そのため、体内に入ると排出されず、そのまま蓄積してしまいます。
もし蓄積しつづければ中毒症状を起こすことも。
このような理由で、人にとって無害なハッカ油ですが、猫にとってはとても危険なのです。
◆最悪の場合死につながる場合も
猫は中毒になる物質が体内に入ったとしても、分解することができないのでそのまま体内に蓄積してしまいます。
ハッカ油の原液は、人でも皮膚が炎症することもあるほど強い刺激があります。
中毒症状はさまざまですが、長期間にわたる蓄積や、大量に摂取した場合には最悪死にいたることもあります。
◆イヌハッカ(キャットニップ)は大丈夫
イヌハッカはキャットニップとも呼ばれるハーブの1種です。
イヌハッカという名前ですが、ハッカとは異なります。
猫にとって有害なものではありませんので、猫ちゃんに与えても大丈夫です。
イヌハッカにはマタタビと似た効果があり、猫に与えると興奮したりうっとりしたりします。
猫のいる家でハッカ油の使用は避けよう
ハッカ油は猫にとって、とても危険なものだということがわかりました。
危険となる具体的な状況をご紹介します。
◆自宅内、庭やベランダで使用しない
ハッカ油は口からだけでなく、皮膚や呼吸器からも吸収されます。
そのため、舐めるのはもちろん、匂いを嗅ぐことも危険です。
自宅でアロマディフューザーを使用したり、アロマオイルを含んだ芳香剤などを置いたりするのは避けましょう。
さらに虫よけなどとして置く場合、屋外であっても匂いをかぐことで摂取する可能性があります。
自宅内はもちろん、屋外でも猫に影響がある可能性があるので使用しないように注意しましょう。
◆少量だけでも注意
猫はハッカの成分を分解できないので、少しの量であっても危険があります。
防虫剤や、掃除グッズなどにもハッカ成分が含まれていることもありますので、一度確認しておくと安心ですね。
自然由来で安全なイメージがありますが、成分を抽出して凝縮しているため、特に小さな動物には影響が大きくなります。
◆匂いだけでもNG
先ほどもあったように、口からだけでなく呼吸器からも吸収します。
そのためハッカ油の匂いをかいだだけで、鼻の粘膜から吸収してしまい危険です。
さらに、猫はグルーミングをするので、漂っている成分が毛に付着していた場合、そこからも摂取してしまうことになります。
◆猫以外の動物にも危険
ハッカ油が危険なのは、猫だけではありません。
うさぎやハムスターなどの小動物、インコやオウムなどの小鳥にも危険があると言われています。
場合によっては命の危険につながることもあります。
ペットを飼っている人は、ハッカ油が危険かどうか確認しておくか、使用を控えておくのが安心ですね。
猫がハッカ油を舐めてしまったら
こんな危険なハッカ油、万が一猫が舐めてしまったらどうなるの?と心配になりますよね。
猫はハッカが苦手なので自分から寄っていくことは少ないですが、もし摂取してしまった場合の中毒症状と、正しい対処法についてご紹介します。
◆猫のハッカ油による中毒症状
中毒症状の現れ方はさまざまです。
おもな症状には下痢、嘔吐、食欲不振、発熱、よだれ、元気消失などがあります。
摂取してからすぐ症状が現れることもありますが、有害物質が体に蓄積することで、徐々に症状が現れることもあります。
◆直ちに動物病院へ
もし猫が誤ってハッカ油を摂取してしまった場合は、症状の有無にかかわらず、すぐに動物病院を受診しましょう。
中毒症状が出ていなくても危険な場合があります。
また受診のときは、摂取した量や経過時間、摂取した製品やその後の猫の様子など、わかる範囲でメモをしておくと診察に役立つのでおすすめです。
ハッカ以外に危険なものは?
人にとっては安全でも猫にとって危険なものは、ハッカ油以外にもあります。
植物関連で危険なものをいくつかご紹介します。
◆アロマオイル
アロマオイルはたくさんの種類がありますが、具体的にどれが猫に有害かと言うと、実はほぼ全部です。
植物の成分を抽出した精油自体が猫にとっては有害です。
そのため、精油からつくられているアロマオイルは、ほぼすべて危険だということですね。
猫との暮らしのなかでは、ハッカ油だけでなくアロマの香りとはご縁がなさそうです。
◆観葉植物
猫にとって危険な植物は、誤って口にすると下痢や嘔吐のような中毒症状を引き起こすものもあります。
観葉植物のなかにも、猫にとって危険なものと、そうでないものがあります。
ここでは、危険なものと安全なものを一部ご紹介します。
・危険な観葉植物
●ポトス
ハート型のかわいい葉が特徴的なポトスは、育てやすく人気があります。
ですが、猫にとって有害なシュウ酸カルシウムが含まれているため、口にした場合、口内の炎症や皮膚炎などの症状を起こす可能性があります。
●アイビー
おしゃれで、インテリアとして人気の観葉植物です。
猫が口にすると、腹痛、下痢、嘔吐、よだれなどの中毒症状を起こすことがあります。
●ドラセナ
細長い葉の形が特徴的な観葉植物です。
育てやすく丈夫で、「幸福」など縁起のいい花言葉をもつことからお祝いなどとして人気があります。
ドラセナは強い毒性をもっています。
そのため、猫が口にした場合、下痢、嘔吐、手足のしびれなどの神経症状を引き起こす危険がありますので注意が必要です。
●モンステラ
南国をイメージさせる独特な葉の形が特徴で、初心者でも育てやすい観葉植物です。
ポトス同様、シュウ酸カルシウムが含まれているため、猫が口にすると口内の炎症や皮膚炎などの症状を起こす可能性があります。
●アロエ
人にとってはむしろ体にいいイメージがあるアロエですが、猫が摂取すると、下痢や腸の炎症を引き起こしてしまうことがあります。
・安全な観葉植物
●パキラ
個人宅のリビングだけでなくオフィスでもよく見かける観葉植物です。
種に少量の毒性があるそうですが、通常種を目にすることはほぼありません。
葉や茎は害がないので、万が一食べてしまっても大丈夫です。
●ガジュマル
個性的な幹が特徴のガジュマルはインテリアとして人気が高く、贈り物として選ばれることも多い観葉植物です。
●エバーフレッシュ(エバーグリーン)
葉が、昼は開き夜になると閉じるという特徴があります。
丈夫で、やわらかい雰囲気があり人気です。
●サンスベリア
別名「トラの尾」とも呼ばれる、とがった形状をしていて肉厚な葉が特徴です。
丈夫で枯れにくく、マイナスイオンを放出することでも知られています。
●アレカヤシ
カフェやオフィスで見かけるおしゃれな観葉植物です。
暑さに強く寒さに弱いという特徴があり、生命力が強く、初心者にも人気があります。
◆ユリ科の植物
猫にとって危険だと言われている植物は、数百種類にものぼります。
そのなかでも特に危険だと言われているのがユリ科の植物です。
ユリ科の植物とはユリやチューリップ、カサブランカなどです。
花・葉・茎などすべてが有毒で、花びら1~2枚で死亡してしまうこともあるほど、猫にとってはたいへん危険です。
花をいけていた花瓶の水を飲んだり、花粉を吸いこんだりしただけで中毒になった事例もあるのだとか。
初期症状として嘔吐がみられることが多く、そのほか、下痢、多飲多尿、食欲不振、元気消失などの症状を引き起こすことがあります。
また、ユリ科以外にも猫にとって危険な植物はたくさんありますので、生花を飾る際は、安全かどうか確認してみると安心ですね。
まとめ
ハッカ油の危険性や舐めてしまったときの対処法、そしてハッカ以外の危険なものについてご紹介しました。
私たち人にとっては、なんてことないハッカ油が、猫にとっては命をおびやかすほどの危険があるとは驚きです。
飼い主さんは、使用する場合、危険性を十分に理解した上で猫の安全に注意して使用する必要がありますね。
ですが、香りだけでも危険ということなので、ほかのもので代用できるのであれば、ハッカ油を使用しないほうがよさそうです。
ハッカは防虫や掃除に便利なので、知らない間に使っていることもあるかもしれません。
猫との安全な暮らしのために、一度家のグッズをチェックしてみるのもいいかもしれないですね。
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