猫の年齢換算目安
猫の年齢は人間よりも早いスピードで成長すると言われていますが、実際にはどれぐらいなのか気になるところですよね。
品種や飼育環境などによっても個体差はありますが、一般的に猫は生後1年から1年半ほどかけて、人間でいうところの成人(18~20歳程度)の年齢に成長します。
猫の1歳齢以降は1年間で4歳程度年をとっていく計算となるため、3歳齢を迎えたころには人間でいうと28歳ぐらいの年齢となるようです。
1歳になるまでは急速な成長を見せてくれる猫ではありますが、7歳を迎えたころにはシニア期に突入するため徐々に老化のサインが見られるようになります。
猫の年齢 | 人間の年齢換算 | 1歳 | 約18~20歳 | 2歳 | 約24歳 | 3歳 | 約28歳 | 4歳 | 約32歳 | 5歳 | 約36歳 | 7歳 | 約44歳 | 10歳 | 約56歳 | 15歳 | 約76歳 | 20歳 | 約96歳 |
猫の年齢は体の様子などから見分けることが可能となるため、以下のような見分け方を参考にしてみましょう。
猫の年齢の見分け方
猫の年齢を見分けるためには、身体のさまざまな部位に注目することにより、ある程度の年齢の推測が可能となります。
猫の年齢を推測する際には、歯の状態をまず観察してみましょう。
ご飯を食べるときには必ず歯を使うため、歯の色や歯石の付き方、摩耗具合である程度の年齢を推測することが可能です。
子猫期には1ヶ月齢ほどで乳歯が生え始め、乳歯が生え揃うのは生後2ヶ月頃となるため、人間の年齢では3歳程度となります。
その後は生後3~5ヶ月齢で乳歯が抜け始め、6ヶ月齢頃には永久歯が生え揃うため、永久歯がしっかりと生えているかどうかにより、生後半年過ぎているかどうかの判断が可能と言えるでしょう。
永久歯が生え揃ったあとは、1歳齢を過ぎるにつれて徐々に黄ばみ始め、3~5歳齢に突入すると歯石が付き始める場合や摩耗してくるようになってきます。
7歳を過ぎてシニア期に突入すると、歯の先は丸くなるだけでなく、歯茎の色素沈着が目立つようになり、老齢期となる11歳を過ぎた猫ちゃんの中には歯が抜け落ちる子も少なくありません。
また、劣悪な環境で暮らしている野良猫の場合は栄養状態が悪いこともあり、実年齢よりも歯をはじめとした身体の老化が進んでいる個体も多いようです。
猫は生まれてから1週間から10日ほどで目が開き始め、子猫時代特有の「キトンブルー」といった瞳の色からその猫が持つ本来の色に定着をしていきます。
キトンブルーは生後3ヶ月頃までにしか見られないため、本来の目の色が定着しているかどうかで生後3ヶ月以上経っているかが分かるようです。
もともと瞳の色がブルーの猫種の場合は、キトンブルーかどうかでの年齢の判断は難しいと言えるでしょう。
成猫期には目の病気をしない限り目の様子で年齢を見分けることは難しいと言えますが、10歳以上の老猫の場合は瞳の濁り、日常的に目ヤニや涙目が気になってくるようになります。
猫の全身を覆う被毛も、しっかりと観察することで年齢の推測が可能となります。
健康的な猫ちゃんの場合は被毛にツヤもあり、触れてみるとフワフワでとても柔らかいですよね。
とくに成猫期の3~5歳齢頃の猫は、身体つきもしっかりとし、毛艶が一番良い時期と言えるでしょう。
シニア期に突入してからはどんどん被毛の水分が奪われていき、被毛にツヤが無くなるだけでなくパサパサ、ゴワゴワとした触り心地となっていきます。
もともと毛色の濃い猫ちゃんの場合は毛色が薄くなったり、白髪が目立つようになってきたりもするようです。
猫種や生活環境によって身体の大きさだけでなく筋肉量も変わってきますが、一番活動の多い成猫期を過ぎたあとのシニア期には、食も細くなりあまり動かなくなることから全体的にほっそりとしてきます。
とくに11歳齢を過ぎたころには、さらに老化が進んでいくために身体全体は張りがなくなり、頬辺りがこけてきて骨ばった印象が強くなってきます。
眠る時間が多くなることからも筋肉量は減っていくため、手足も細くなり動作もゆっくりとなっていくようです。
【年齢別】猫のケア方法
愛猫の大体の年齢が分かった際には、その猫ちゃんに合ったケア方法が必要となってきます。
とくにフード選びや生活環境は重要となるため、年齢別に見ていきましょう。
1歳齢までの子猫期は成長が著しく、成長過程の中でもっともケアが必要となる重要な年齢となります。
とくに母猫がいない子猫の場合は、飼い主さんが母猫代わりとなってお世話をしなくてはいけないため、栄養価の高い食事だけでなく排せつを促したり社会化トレーニングを行ったりしなくてはいけません。
とにかく目まぐるしい毎日が続いていきますので、飼い主さん自身もたっぷりの時間と心の余裕が必要となってきます。
食事に関してはとくに気をつかわなくてはいけないため、乳歯が生えるまでは数時間おきにミルクを与えるようにし、乳歯が生えてきてからは子猫用のフードを与えるようにしてください。
子猫期はさまざまな臓器が成長をしていることからも、毎日しっかりと体重を測るようにしつつ、年齢に合った成長ができているかの確認をするようにしましょう。
また、子猫時代は身の回りにあるものすべてに興味を示しやすいため、誤飲や誤食の可能性があるようなものは部屋に放置しないようにし、室内の清潔を心掛けて感染症などの対策をしておくと安心です。
身体も成長した成猫期の猫ちゃんは、子猫期のときのように付きっ切りでのお世話を必要としませんが、これから先健康で長生きしてもらうためにも大切な期間となります。
成猫期には発情期を迎えるため、去勢や避妊といった手術の検討が必要となりますし、完全室内飼いであっても病気やストレス軽減のために、不妊手術を推奨している獣医師さんがほとんどだと言われています。
術後はホルモンバランスが変化して太りやすくなるため、しっかりと栄養やカロリーの管理を意識しつつ、健康の維持に努めるようにしてください。
まだまだ好奇心旺盛な時期となり、運動不足にならないためにも一緒に遊ぶ時間を設け、ストレス発散をさせながら楽しくコミュニケーションをとるようにしましょう。
シニア期に突入すると徐々に老化が始まっていき、11歳を過ぎたころには老齢期に突入していきます。
活発な動きが減っていきゆっくりとした動作が多くなるため、一緒に生活をしていく中で愛猫の負担を軽減してあげるような生活環境を整えてあげなくてはいけません。
食事面では年齢に合ったフード選びも大切ですが、歯の状態が悪くてドライフードを食べづらそうにしている場合やあまり水を飲まない場合には、ウェットフードへの切り替えも検討してみてください。
日常生活の中では自身でのケアが十分にできていないようでしたら、目ヤニを拭き取る、ブラッシングをして毛並みを整えるなどの手助けをしてあげましょう。
また、関節に負担をかけないためにも、室内の段差を減らす、床が滑らないような対策をする、高い場所に寝床を用意しないなどの気遣いが必要となってきます。
猫の年齢に関するあれこれ
猫には年齢に合ったケアが大切となりますが、実際にはどれぐらい生きてくれるのかも気になるところですよね。
長生きをしてもらうためにも平均寿命を知っておき、健康維持に努めるようにしましょう。
現在ではペットフードの品質向上や動物医療の発展により、年々猫の平均寿命が伸びてきていると言われています。
2021年の調査では猫全体での平均寿命は「15.66歳」と言われていますが、飼い主のいない野良猫の場合は3~5歳程度しか生きられません。
それぐらい猫にとって生活環境は重要となるため、年齢に合わせたお世話は飼い主の義務とも言えるでしょう。
年齢によって飼い主がするべきケアや食事選びを怠ってしまうと、身体がしっかりと成長しないだけでなく、免疫力が下がってさまざまな病気のリスクなどが出てきます。
猫の場合は年齢を重ねていくにつれて、腎臓病などの病気を発症しやすくなりますし、日常生活の中で小さな変化を見逃すわけにはいきません。
愛猫に長生きしてもらうためにも日頃からストレスを溜めさせないようにし、年齢や体重に合った栄養管理を怠らないようにしてあげましょう。
年齢に応じた猫の健康管理
愛猫の健康を守ってあげるためには、以下のような健康管理が重要となってきます。
日頃から愛猫をよく観察し、小さな変化に気付けるようにしておくことも大切ですが、見えない部分は数値化をして現状を把握しておく必要がありますよね。
そのため、最低でも年に1回は動物病院を受診し、血液検査を始めとした健康診断を受けるようにしてください。
また、成長スピードが人間よりも速いことからも、シニア~老齢期に突入してからは年に2回程度健康診断を受けるようにしておくと安心です。
愛猫に健康で長生きしてもらうためには、毎日の食事がとても大切となってきます。
子猫期には成長過程によって必要な栄養を摂取しなくてらいけないため、たくさんの子猫用フードが販売されており、月齢ごとに合ったフード選びをしなくてはいけません。
成猫期にはバランスの良いフードを食べ、シニア期に備える必要があると言えますよね。
シニア期にはシニア用のフードが販売されているだけでなく、病気を患っている場合には療法食なども販売されています。
療法食を愛猫に与える際には必ず獣医師さんに相談し、どのフードを与えても良いのか聞いてから購入するようにしましょう。
年齢に合った暮らしを提供するためにも、一緒に暮らす生活環境の見直しも成長過程ごとに必要となります。
子猫期には室内をできるだけキレイに片付けるようにし、狭い場所などにも入り込まないような対策をしなくてはいけません。
成猫期には十分な運動ができてストレスを溜めないような環境を整え、シニア期には身体に負担がかからないような生活環境にしつつ、低めの位置にゆっくり休めるような寝床をいくつか設けるようにしてください。
まとめ
猫と一緒に生活を共にする上で、人間換算の年齢を知っておくことはとても大切です。
同じように年をとることを飼い主さんも実感すれば、ライフステージに合わせたお世話が可能となりますし、日頃から栄養面や健康管理に気を配った生活ができますよね。
年齢を意識することによって、身体に何かしらの不調が出た際には老化なのか、病気なのかの判断もしやすくなるため、愛猫に長生きしてもらえるよう、食生活や生活環境を整えながら時間を共に過ごしていきましょう。