【犬だって冷静ではいられない】
東日本大震災の時、震源から遠く離れた我が家は震度5強の地震に見舞われました。
洋服タンスや食器棚が大きく揺れ、扉が開いたり閉まったり…
時間的にも長い揺れで収まるかと思うとまた揺れがひどくなる…
私は何もすることができずに、ひたすら揺れが収まるのを待つだけでした。
我が家の愛犬イングリッシュコッカーはその間、ひたすら吠えまくり、家中を走りまわっていました。
名前を呼んでも反応せず、ひたすら吠えて一階から二階、二階から一階へと走り回っていたのです。
初めて体験する大きな地震に犬もよっぽど動揺していたのでしょう。
イングリッシュコッカーという犬種は基本的に主人の命令に従順です。
名前を呼ばれても振り向かない、などということは犬の普段の行動からは考えられないことなのです。
幸いなことに我が家はこの地震で避難することもなく済みましたが、その時から私は、犬とともに避難する対策を真剣に考え始めました。
【安全確実に避難するために】
飼い主である私たちがまず知っておきたいことは、犬と一緒に避難することができるのか、ということです。
少し前までは避難所で受け入れてくれないところが多かったと聞いています。
しかし、嬉しいことに現在では、環境省による「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」に沿って、犬と一緒に避難することのできる避難所が増えているのです。
ひとまず安心。
ただし、すべての避難所で受け入れてくれるとは限らないので、自分の住まいの区域はどこが犬の受け入れ可能な避難所なのかを確認しておく必要があります。
あらかじめわかっていれば、いざという時の対策に犬と一緒に避難訓練をすることもできるのです。
普段の散歩コースに組み込んでしまえば、犬も全く知らない場所よりは安心できるというものです。
避難するときには「同行避難(飼い主と犬が一緒に避難すること)」が推奨されています。
倒壊した家屋から逃げ出してしまうことがないように普段から犬をしつけておく必要があります。
大きな地震で犬も動揺しています。
飼い主とはぐれてしまうことは、犬にとっても大きなストレスです。
仮に離ればなれになってしまったとしても、すぐに身元がわかるように鑑札や迷子札、マイクロチップなどを普段からつけておくことが大切です。
放置された飼い犬が野犬化して問題になった東日本大震災の例は悲しい現実です。
繰り返すことのないように、できるだけの対策を講じておきましょう。
【犬だけの避難生活にも耐えられる強い子に】
避難所では飼い主と犬が常に一緒にいられるとは限りません。
むしろ、ケージなどに入れて、犬専用の避難場所指定されることが多いと想定されます。
その場合の対策として、普段からケージに入る訓練をしておきましょう。
普段ケージに入る習慣のない犬は、突然狭い空間に入れられるとパニックを起こす可能性があります。
それを防ぐためにも、時々はケージに入れるようにして、慣らしておくことが必要です。
また、普段からドッグランなどへ赴き、他の犬と一緒になってもトラブルをおこさないようにしつけておくことが重要です。
さらに、トラブルを起こすことが万一にも起きない対策として、口輪をすることをおすすめします。
一見かわいそうな気もしますが、これは犬にとっても大変大切なことです。
「うちの犬は噛みません!」と言っても何の保証にもなりません。
万が一のことを考えた対策が必要なのです。
【備えあれば憂いなし】
ドッグフードなど犬用の食料・飲料は避難所に備蓄はないと考えた方が無難です。
自分の犬の食料は自分で持っていくようにしましょう。
排泄物などの処理袋も多めに備えておくと安心です。
既に人間用の避難袋は用意されていると思いますが、犬用の避難グッズを入れた袋も用意しておきましょう。
*ドッグフード
*水
*フードなどを入れる容器
*口輪
*予備のリードと首輪
*排泄物処理用品(ビニール袋やトイレシーツ)
*タオルや新聞紙
*予防接種などの記録
*普段服用している薬など
最低限これくらいのグッズは入れておくようにしましょう。
「備えあれば憂いなし。」
いざという時慌てずに済むはずです。
愛犬によって、準備するグッズは変わってくるでしょう。
かわいい家族の一員のため、今日から万全の対策を考えていきましょう。
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