瞬膜の構成
瞬膜は「第三眼瞼」とも呼ばれ、上眼瞼と下眼瞼が出会う両隅に見られる白く薄い結膜のヒダのことをいい、中に軟骨を含みます。上下の瞼以外の3つ目の瞼なので「第三眼瞼」と呼ばれるのですね。
犬や猫は筋線維部分があまり発達していない為普段は見えませんが、鳥類や爬虫類・両生類が瞬きをする時によく見られます。瞬きをした瞬間に見えるので「瞬膜」と呼ばれています。犬や猫はこの様な瞬きをしない為「第三眼瞼」と呼ぶほうが正確だと言われています。
哺乳類でも、アシカやアザラシなどは海に潜る際に目を保護するのに使われています。
瞬膜(第三眼瞼)の役割
・ 角膜を保護する
・目が乾燥しないように眼球全体に涙を行き渡す
・目を物理的に保護する
瞬膜(第三眼瞼)の裏には瞬膜腺という、涙を分泌する腺があります。そこから涙は約50%分泌されていると言われています。目が乾燥せずにいられるのはこの瞬膜腺のおかげなのですね!
チェリーアイの症状
瞬膜(第三眼瞼)にある瞬膜腺が瞼から飛び出し、炎症を起こして赤く腫れる状態をチェリーアイといいます。赤く腫れた患部がさくらんぼのように見えることからチェリーアイと呼ばれています。
症状としては、
・涙がよく出る
・瞬きをよくする
・目ヤニが出る
・充血している
・目を擦る
・眩しそうに目を細める
などの症状が挙げられます。
目を擦ることから炎症を悪化させ、結膜炎や角膜炎などを起こすこともあります。
しかし、健康的な犬や猫でも寝ているときに目を開けたり、寝起きなどに第三眼瞼を確認することができます。
先天性と後天性
チェリーアイには先天性と後天性があります。好発犬種として、ビーグルやアメリカン・コッカー・スパニエル、ボストン・テリア、パグ、ペキニーズ、シー・ズーなどの短頭種や、トイ・プードルが挙げられています。好発犬種では1歳以下の若年齢で発症する事が多いですが、6ヶ月~2歳の間に発症すると言われています。後天性にはアレルギーやケンカなどの外傷が原因でチェリーアイを発症することもあります。
チェリーアイの治療法
症状が軽い場合は点眼や内服で目ヤニや炎症を抑える治療を行いますが、きちんと目に入れる必要があるため、点眼が苦手なワンちゃんには大変かもしれません。
また、重症であったり何回も繰り返す場合は 麻酔を使用して縫い付けたり切除する方法があります。
–点眼–
病院だけでなく、自宅でも1日に何度か行う必要があります。
あまり効果は期待されず、永久的に完治させるためには手術が行われる。
–第三眼瞼腺切除–
麻酔を使用し、原因となっている瞬膜腺そのものを切除する方法です。
しかし、瞬膜腺を切除すると涙の分泌が著しく低下してしまうため、ドライアイになる可能性が非常に高くなります。このようなことから、第一に考えなくてよい治療法ではないでしょうか。
–第三眼瞼腺埋没–
麻酔を使用し、瞼に縫い付ける方法です。
ワンちゃんに合った治療を行うことが1番ですが、点眼によるストレスが溜まってしまう場合は手術も検討したほうが良いかもしれません。
麻酔を使用するため、老犬や心臓が弱いワンちゃんを治療する際には獣医師さんとよく話し合ってから行いましょう!
予防法
チェリーアイにならないためには普段からワンちゃんの様子をよく見たり、観察することが1番大事です!遊んでいるとき、寝ているときなどにいつもと違う行動をしていないか目の異常はないかをチェックしてあげて下さい。また、爪が伸びている状態で目を擦ったりすると目を傷付けてしまい、角膜炎や結膜炎、チェリーアイを引き起こすこともありますので注意です。
まとめ
目に痛みや違和感があれば犬はそれだけでも大きなストレスになり、そのストレスから問題行動を起こしてしまうこともあります。
ワンちゃんの笑顔を守るために、少しでも異常が見られたり症状が疑われる場合は病院へ行くことをオススメします!
チェリーアイの症状だけでなく、普段からの様子も見てあげて下さいね。
飼い主様がワンちゃんの1番のドクターです!
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