記憶に新しい2016年4月14日に発生した熊本地震

2016.06.28

記憶に新しい2016年4月14日に発生した熊本地震

このような災害の際、人命救助はもちろんですがペットの安否も気遣われます。 ニュースで飼い主とはぐれてしまったペットの姿や行き場を失ってしまったペットなど、深刻な社会問題となっています。 非常事態の際、家族の一員でもあるワンちゃんを守ってあげられるのは飼い主であるあなただけです。 ここでは災害に備え、日ごろから心がけておきたいことを紹介していきます。

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非常事態の際の避難場所とは

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災害が発生した場合、町や区で決められた避難場所に身を休めることになりますが、ワンちゃんを避難場所に同行させてもよいのか?という疑問があります。
その答えというわけではありませんが、明確なガイドラインとして環境省のホームページにて明記してあります。
環境省自然環境区局 動物の愛護と適切な管理
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html

こちらには災害時はペットと共に避難所へ避難してもよい、と記載されています。
ですが環境省が定めているからといって安易に避難させてしまうと、思わぬトラブルの原因になってしまいます。
避難所には飼い主さんとワンちゃんだけが避難しているわけではありません。
地域住民の方々の共同の場として避難所はありますし、緊急時には余裕がなく、普段とは違った気遣いをしなければなりません。
そのため、避難所で生活を送ることを想定したしつけというのが必要になってきます。

避難所ではケージでの生活となります

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先に述べたように避難所は様々な方が利用する場所です。
その中には犬を苦手とする方もいるでしょうし、なにより緊急事態ですからなにが起きるか想像もできません。
そのため、ワンちゃんは避難所ではゲージでの生活となります。ゲージに入れることによってお互いの身の安全が図れるということになります。避難所にはゲージが設置されている所もありますが、用意されたゲージでは足りない場合も十分想定されます。普段使用しなくても、ワンちゃんに合ったゲージを一台でも用意しておくと安心です。
いざというときにゲージのある場所がわからない、取り出せないでは本末転倒ですので、玄関など家が倒壊しても、比較的取り出しやすい場所に置いておくのがいいでしょう。
もう一つ重要なのが、ワンちゃんにとってゲージに突然入れられることはストレスになるということです。
ワンちゃんをご自宅でゲージ飼いしている方は少ないと思います。
ですから災害時だからといって急にゲージに入れてもワンちゃんにはストレスでしかないということです。
ワンちゃんはストレスを感じると無駄吠えをしたりと、避難している方にとって迷惑な行為をしてしまうことがあります。
そうならないために、クレートトレーニングをしておくことをお勧めします。

クレートトレーニングとは

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クレートトレーニングはあまり聞き慣れない言葉ですが、クレートとは「檻(ケージ)」のことです。
ケージに慣れさせると共にワンちゃんにとってケージが「安全な場所」と認識させることが重要となります。
ケージと共に慣れさせておきたいのが「飼い主以外の人」です。
避難所では飼い主さん以外からもお世話をうけることがあります。
避難所ではワンちゃんも不安な気持ちになっていますので、飼い主さん以外の方とコミュニケーションをとれないばかりか、敵意をもってしまう可能性があります。
そうならないためにも、散歩ときなど他の飼い主さんと積極的にコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか?
特に子犬の頃から知らない人と触れ合う機会が充実することが望ましいとされています。いろいろな場所に行き、匂いを嗅いで、知らない風景を見て知らない人と触れ合うことでワンちゃんの社会性はグンと上がります。
災害時に備えて専門のトレーニングを受けるのもよいでしょう。

最低限のしつけを身につける

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ここでいう最低限のしつけとは「待て」「お座り」を指します。
共同生活の場である避難所ではお互いの譲り合いの精神が大事になります。
それはワンちゃんでも例外ではなく、我慢すべきところは多々あります。
また噛み癖や無駄吠えも避難所では大きなトラブルの原因になりますので、早めにしつけをするようにしましょう。
ワンちゃんの行動の責任は飼い主であるあなたにあります。
普段のしつけや生活において、どれだけよりよい関係をワンちゃんと築いているかということです。
甘やかすことがワンちゃんのためになるかというと、そうでは決してありません。
ワンちゃんを緊急時に守るためのしつけ、ということを重んじてください。

飼い主さんが準備しておきたいこと

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さきの熊本地震によって災害にかんする関心が高まっています。
自宅の災害対策グッズ、避難所を再確認された方も多いのではないでしょうか。
災害時は人の食料や水の確保ですら困難な状況になります。
どうしても人命が優先されてしまいますし、ペットを飼っていない方にとっては「この非常時に」という感情が芽生えてしまうこともあります。
ですからご自身の災害グッズに用意と共に、最低でも一週間分のワンちゃん用の非常食を用意しておきましょう。人と同じように非常食に向いているのは保存のきく固形のドッグフードや、水分も一緒に摂れる缶詰タイプのものが適しています。

普段、ドッグフードをなくなりそうになってから買っている方は、そのサイクルを少しでも早くしましょう。
未開封のドッグフードがある状態を少しでも作っておくという意味です。
非常用のドッグフードを用意できたら、一度はワンちゃんに食べさせてあげてください。
何事もなく口に運ぶようでしたら問題はありませんが、口に合わない場合、どうしても食べてくれなくなることがあるからです。
人と同じように水もワンちゃんにとって生命線です。
常備ミネラルウォーターを用意している飼い主さんも多いとは思いますが、少しだけ気を付けたいのが「硬度」です。
基本的に日本の水は軟水ですが、外国のミネラルウォーターの中には硬水のものもあります。
硬水にはミネラルが多く含まれていますが、このミネラルを接種しすぎると「下部尿路疾患」
という病気を誘発する可能性があります。
非常時に贅沢はいってられませんが、可能であれば普段飲んでいる硬度に近いお水を用意してあげてください。

普段使わないものも用意しておきましょう

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避難所で気を付けたいのがトイレです。
犬は猫に比べ、トイレが変わってもそこまで気にはしませんが、臭いなどは周りの人が気になることです。
非常用グッズの中にトイレシートやウンチ袋も用意しておきますと、より衛生的に過ごすことができます。
ウンチ袋などはビニール袋で代用できるのですが、大事なのは飼い主さんがワンちゃんのトイレに対して気を遣っているか、です。
「非常時だから」といって周りの方へ配慮がない行動はつつしまなければなりませんし、なによりワンちゃんにいわれのない非難が集まる原因になりかねません。
「気を遣っているけれどどうしようもない」と「どうしようもないから気を遣っていない」では受ける印象は180度違うものになります。

はぐれてしまったら

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飼い主さんの外出時などワンちゃんと離れているときに災害が起こってしまうと、はぐれてしまうことも考えらえれます。
そのような事態にそなえ迷子札、マイクロチップ、鑑札などワンちゃんの身元と場所を特定できるものを用意しておきましょう。
鑑札とは生後91日以上のワンちゃんを自治体に登録する際に交付される小さなプレートのことです。
ワンちゃんの登録番号が記載されているので飼い主さんを確実に調べることができます。
迷子札、マイクロチップ、鑑札がそろっていると確実に誰のワンちゃんか、ということがわかるようになりますので、もしもに備えて用意しておきましょう。
自然災害はいつ、どこで、だれに起こり得るかまったく予測できません。予測できないからこそ普段の準備が重要になります。
ご自身、そして大切なワンちゃんを守るため頑張りましょう。

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笹本 雅

笹本 雅

犬が好きです。小型犬でも大型犬でもとにかく犬が大好きです。これから犬種についてや豆知識や健康についてなど、幅広いワンちゃんについての情報をご提供していきます。犬好きの方にぜひとも見ていただいてご意見いただければと思います!


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