そもそも肥満とは?
脂肪が体内に溜まり過ぎて、適性体重を超えてしまった状態が肥満と言われます。一般的には体脂肪が35%以上になると肥満と言われ、肋骨や背骨が分からないくらい肉厚になり、首回りも太く体脂肪がつきすぎてまるまると太目なのがハッキリと分かります。
–どうして肥満になっちゃうの?–
食事で摂取したカロリーは、日常生活の中で動く、あるいは散歩などで消費します。しかし、運動で消費するカロリーより多くカロリー摂取してしまうと、毎日の積み重ねで肥満に繋がります。また、運動不足で食事で摂取したカロリーが消費できなければ、すぐに太ってしまいます。
食事以外にもおやつを食べさせ過ぎるのも、その分カロリーが過多となってしまい肥満の原因です。このように、犬の肥満は飼い主さんの健康管理の不十分さが引き起こしてしまっていることが多いです。
ただ、年齢的な問題もあります。シニア犬になってくると、毎日の生活の中でも動くことが少なくなりますから、エネルギーを消費できずに太りやすくなります。
ラブラドールとPOMC遺伝子との関係性について
食事量や運動量のコントロールはワンちゃん自身ではできませんので、飼い主さんが管理してあげることは長生きの秘訣です。
犬種はたくさんありますが、肥満になりやすい犬種の中に大型犬のラブラドールがあげられます。でも、どうしてラブラドールが肥満になりやすいのでしょうか。
実は、英ケンブリッジ大学の学者たちの研究によって、ラブラドールの体内での「POMC遺伝子」の突然変異が関係していることが分かったそうです。
POMC遺伝子は、実は体内で肥満を調節する役割を担っているのです。そして、それだけでなく、体温調節をしたり、免疫機能を制御、学習あるいは記憶という働きにも大きく関係しているとのこと。生きていく上で重要性の高い遺伝子です。
研究内容によれば、肥満傾向にあるラブラドールの遺伝子を調査したところ、なんとPOMC遺伝子が突然変異して正常に働いていなかったということなのです。
通常、正常な遺伝子の働きでは食事をした時に「お腹いっぱいだ」と満腹感を脳に伝えることができます。しかし、POMC遺伝子に突然変異が起こってしまうと、それが伝わらず常に食欲が止まらない状態となってしまうということ。なんと、ラブラドールにはPOMC遺伝子の突然変異が起きやすいために、太りやすいと言われていたのです。
肥満が引き起こしてしまう病気のリスク
愛犬が可愛いあまり、カロリーの高い食事を与えていれば、肥満になってしまいます。しかし、肥満は軽く考えてはいけないもの。深刻な病気にも繋がってしまいます。
それでは肥満が引き起こしてしまう病気について、お話ししていきます。
–関節炎–
体に対して体重が重ければ、当然、体を支える足および腰への負担が増え、関節炎や椎間板ヘルニアのリスクが高まります。椎間板ヘルニアは進行すると手術も必要になりますし、最悪のケースでは歩くことへ支障をきたし、自由に歩けなくなることもあります。愛犬が自由に動けない姿を見るのは辛いものですよね。
–心臓病–
肥満になると心臓への負担がかなり大きいです。少し動いても心臓がドキドキして、息が苦しいです。また、心拍数があがり呼吸が早くなるのと同時に、脈も乱れ辛い症状を引き起こします。
このような場合、急激な運動は危険です。ダイエットのために、運動をたくさんさせたいところではありますが、肥満により心臓に病気を抱えてしまった場合は、まずは獣医師に相談することをお勧めします。
–糖尿病–
人間でも糖尿病は肥満から引き起こされる病気として知られていますよね。糖尿病を発症してしまうと、治療が長くかかってしまいます。薬だけではなく注射を定期的にする治療もあり、愛するワンちゃんの負担は大きいものです。
肥満を解消するには、やはり運動量を増やして、食事量を減らすことです。飼い主さんが愛犬のために行いますが、すでに肥満となってさまざまな病気を引き起こしている犬の場合は、苦しくないか辛くないかと様子を見ながら進めていきたいものですね。
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