コモンドールってどんな犬?
古くから牧羊犬として働いてきたコモンドールは、番犬として最適な大型犬です。
体高は、オスが約70~80cm、メスが約60~70cm。
体重は、オスが約50~60kg、メスが約40~50kg。
体高より体長が長めで、しっかりとした長めの首に大きな頭がのっています。尻尾も長いですよ。
全身が毛に覆われているので確認しずらいですが、短めの鼻に、アーモンド型の眼、先の尖っていない細長い三角形の耳をもっています。
まるで大きなぬいぐるみのように可愛い外見ですが、警戒心が強く、勇敢で仕事熱心なワンちゃんなのです。
歴史と名前の由来を知ろう!
コモンドールは、東欧の国ハンガリーの代表的な犬種です。2004年にはハンガリーの国宝に指定されました。
その起源は12世紀頃、トルコ語を話す「クマン人」が持ち込んだ牧羊犬が祖先といわれています。
コモンドールという名前の由来は、当時中央アジアにあったクモンという土地や暮らしていた遊牧民の名に由来するという説や、「クマン人の犬」を表す「Koman-dor」という言葉から派生したという説、牧羊犬として働いていたので命令者の意味をもつ「コマンダー」のハンガリー語読みであるという説など複数あります。どれが本当の由来なのかは、はっきりしていません。
ただ確実なのは、ハンガリーの山間で500年以上も牧羊犬として遊牧民の為に働き、その特徴的な容姿・性質を形作ってきたということです。
あの被毛には意味がある!
コモンドールは土地や仕事に適した性質となるように、選択繁殖を繰り返して固定化された犬種です。
被毛はダブルコートで、羊毛のように柔らかく高い密度をもつ下毛と、フェルトのような質感をもつコードと呼ばれる毛束から構成されています。
これは、家畜を襲う外敵との戦いで身を守る鎧のような役割や、過酷な天候に耐えるための外套としての役割、更には羊の群れに紛れ込ませる目的もあると考えられています。
綺麗なコードになるまでには約2年かかりますが、牧羊犬として働き続けていたコモンドールにとっては欠かせないものだったのです。
そんな必要不可欠な被毛ですが、モップのような見た目の通り、色々なものを巻き込んでしまいます。
特徴的なこの被毛のお手入れ…普通のワンちゃんが行うようにはいかないんです。
特別なやり方がある?!お手入れの仕方とは?
見た目の毛量から、抜け毛が凄い?と思われるかもしれませんが、実は頻繁にムダ毛の処理を必要とする犬種ではありません。。お勧めとしては、2~3ヵ月に一度トリミングを受けることですね。自分で切りたい!といって自宅でバリカンやハサミを使っても問題はありませんが、特徴的な外見を失う可能性があるので注意です。
被毛のお手入れと聞くとブラッシングが思い浮かびますが、コモンドールの場合、コームやブラシが毛を通らないのでブラッシングはNGです。定期的にもつれたコードをほぐしてあげることが大切なのです。
清潔を保つために定期的なシャンプーが必要ですが、コード1本1本を揉み洗いして乾かさなければいけません。完全に乾くまでに1日以上かかります。
ただ、絡まったまま洗って乾かした場合、それを繰り返すと次第に被毛がフェルト化してしまうので、ますますほどけなくなるという悪循環に陥ります。コードの毛を全てほどいて洗うのは不可能に近いので、お手入れには相当な手間がかかってしまいますね。頻繁に行うのはとても難しいです。
被毛を美しく保つためには、日頃から手指で毛の間をすいて抜け毛を取ってあげること、汚れや埃を気が付いた時点でとってあげることが一番手軽な方法かもしれません。汚れが手で取れない場合は、その部分だけカットしてあげるとよいですね。
もしくは、定期的にトリミングに通うことをお勧めします。
ご自分でシャンプーする場合は、衛生面に注意が必要です。乾くまでに時間がかかるので、体の冷えや皮膚の蒸れなどに気を付けて体調管理をしましょう。
コモンドールとの生活
紹介した通り、他のワンちゃんとはちょっと違う珍しい犬種のコモンドール。
是非、家族に迎え入れたい!という方は、コモンドールが本来持つ性質・性格を把握しておきましょう。
コモンドールは賢くしつけのしやすい犬種ですが、プライドが高く、自立した思考を持つ面があるので、リーダーシップの取れない飼い主には従わない場合もあります。甘やかすのではなく、けじめのあるコミュニケーションを取ることが重要です。
また、大型の牧羊犬なので、十分に動ける飼育スペースが必要です。適切な飼育環境も考えなくてはいけません。
お手入れの手間を理解することは勿論、その子と生活を続けるという未来を見据えて、家族の一員として迎える準備が必要ですね。
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