犬の耳のフシギ
犬の聴覚は、私たち人間の聴覚の4〜10倍あることを知っていますか?因みに、私たち人間が聞き取れる振動数は、20Hz〜2万Hzですが、犬は16Hz〜12万Hzの音域を聞き取ることが可能です。つまり、小さな音はもちろん、遠くの音まで聞き取ることができるというわけです。
また、音が聞こえる方向を定める能力は、私たち人間が16方向なのに対し、犬は32方向を定めることができるとも言われています。犬は、嗅覚が鋭いなんてよく言われますが、嗅覚に匹敵するくらい聴力にも優れているのです。
犬の耳の構造を知ろう!
犬の耳は、下記の3つの構造から成り立っています。
●外耳
鼓膜の外側の直接空気に触れる部分です。音は、音波という波となり空気中を進んでいきます。その際、耳たぶが集音器の役割を果たすため、音の波が鼓膜を叩くことにより振動が中耳に伝わっていきます。
●中耳
外耳と内耳の間にある部分です。中耳内の鼓室と呼ばれる部分は空気で満たされており、鼓膜の振動は3つの小さな骨へ順番に伝わります。そして、内耳へ届けられます。
●内耳
感知した音を電気信号に変換して脳に伝達する役割を担っています。内耳は、リンパ液で満たされているため、中耳からの振動がリンパ液を押して波紋を発生させます。その際、蝸牛管がその波紋を増幅させて聴覚神経に伝え、さらに脳へと伝達されるのです。ちなみに、内耳にある半規管は、平衡感覚を保つ機能があるんですよ。
最後に、鼓膜は非常に薄い膜ということを知っていますか?そのため、耳に異物が入る・強い衝撃がかかった時などには破れてしまうことがあります。その際、聴覚神経や脳にダメージを与えないように、外耳と内耳の間にある中耳が、クッションの役割をしているのです。
耳の角度で分かる、犬の気持ちとは
ここまで、耳の構造や役割について説明してきましたが、犬の耳のフシギはこれだけではありません。実は、犬は耳でその時の気持ちを表現することが出来るのです!
●耳がピンと立つor少し前に傾けた時の気持ち
これは、犬が何かに驚いたり興味を示した時にする仕草で、音の出る対象物を聞こうとしている時にこのようになります。また、首を傾けたりする時は、好奇心だけでなく期待感やわくわく感を抱いている気持ちの時にするようです。ただ、口を閉じて鼻に意識を集中している仕草は、対象物をいぶかしむ気持ちになるので、よく観察してみると良いでしょう。
●両耳をピッタリと後ろに寝かせる時の気持ち
これは、恐怖や服従心、争う気がない時にする仕草です。耳を寝かせ、自分の体を小さく見せることによって相手に対する敵意がないという気持ちを伝えるために、このような表現をします。もし、歯をむき出しにして食いしばるような仕草をしていなければ、それは友好的な合図とも言えますが、逆の場合は、相手に対する服従心はあるが攻撃したい気持ちもあるという複雑な心境を表現していることになります。
●両耳を左右に広げながら後方に引く時の気持ち
これは、好き・嫌が入り混じった曖昧な感情や、恐怖・怒りの入り混じった感情を抱いている時にする仕草です。前から見た時に、耳の形がVの字のように広げた状態になります。色々な勘定が入り混じっているため、犬も多少なりとも警戒しているとも言えます。
このように、犬の耳は音を聞くだけでなく耳で気持ちも表現しているのです。つまり、犬にとって耳はとっても大事な組織の一部でもあるのです。我が家の愛犬達も、その時その時の状況によって、先ほど紹介したような耳の動きをよくしています。
愛犬の耳を見た時に、何かいつもと違う仕草をしていたら、それは愛犬からのメッセージかもしれませんね。
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