犬は後ろ足で蹴ることでニオイを消す?
砂をかけて「自分のニオイを消している」説です。確かに犬はオシッコやウンチの後に、後ろ足で地面を蹴る仕草を見せることが多く、砂をかけて隠しているようにも思えます。散歩中に後ろ足を蹴り上げている犬を指して「うちの子は、砂をかけて後始末をするのよ~」と説明する飼い主さんも多いです。
私も父母から、砂をかけているのだと聞かされていましたが、大きな疑問が2点。
- ニオイによっては人間の1億倍の嗅覚を持っている犬にとって、砂をかけても意味がないのでは?
- 砂が全然かかっていないから、意味がないのでは?アスファルトでもフローリングでも後ろ足を蹴り上げるし、そもそも後ろ足の向きがめちゃくちゃ!
人が歩いた道さえたどることができる犬に対して、深く穴を掘って埋めるならまだしも、少しくらい砂をかけたところでニオイが減らせるとは思えません。今の犬に野生の犬の習性が残っているのだとしたら、野生の犬はずい分無駄なことをしていたか、鼻が悪かったということになりそうです。
そこでたどり着いた結論は、「ネコの砂かけと混同している」ということ。ネコは、トイレの後に砂をかけてニオイを消す習性があり、これと似た仕草を見て、犬にも当てはめてしまったのではないか、ということです。ネコを飼うのに猫砂は必需品なのに、犬には砂なんて用意しませんよね。
犬は後ろ足で蹴る事でニオイをつける?
地面に「自分のニオイをつけている」説です。これは先ほどとは全く反対ですが、今のところ最も有力で、納得できるものです。犬は後ろ足で地面を蹴る時に、自分のニオイをつけて「マーキング」をしているのだそうです。
犬のマーキングと言えば、オシッコを少しずつして自分のニオイを残すことで縄張りを主張することが知られています。電信柱や木に向かって、片足を上げてオシッコをかけるオス犬をよく見かけますが、オシッコに加えて、後ろ足のニオイも地面につけているということです。
つまり犬としては、地面を蹴るというより、足の裏をこすりつけているつもりなんです。そう考えると、「蹴る」にしては不器用だけど「こすりつける」のなら案外理想的な動きに見えてきます。
犬の足の裏にある肉球には「エクリン腺」という器官があり、汗を出しています。全身に汗腺がある人間と違って、犬が体温調節のための汗を出せるのは肉球だけなので、とても貴重な汗です。体温を調節したり、肉球に湿気をもたせてスリップ止めの役割を果たしたりしています。
こんなに重要な汗なのに、マーキングに使っていいの?と心配になりますが、野生の犬にとってそれほど縄張りが重要だったのでしょう。足の裏から出る汗のニオイは弱めですが、この汗のニオイを地面につけることで、自分の存在をアピールできるんです。
犬の嗅覚の鋭さを考えれば、オシッコだけでも十分だと思いますが、念入りですよね。足の裏の汗によるマーキングは犬の習性の一つですが、全ての犬がする訳ではなく、「後ろ足で地面を蹴る」犬の傾向はだいたい次の通りです。
- 縄張り意識が強く自己主張が激しい性格の犬
- 去勢した犬より去勢していない犬
- メスよりはオス
我が家の愛犬は3つともぴったり当てはまり、ウンチの後は必ずフローリングを蹴りますが、あなたのワンちゃんはどうですか?
犬が後ろ足で蹴るのは愛情表現?
家の中のくつろぎタイムに隣で横になっているワンちゃんが後ろ足で蹴ってくることはありませんか?犬同士が体を寄せ合い、ゆったり休憩している時に、後ろ足を動かしている姿を見かけることもあるかもしれません。
これはマーキングではなく、飼い主や犬に対する愛情表現なんだそうです。信頼している飼い主に寄り添い、心から安心している時に見せてくれる仕草です。決してジャマだからどいて、と思っている訳ではないので、その場を離れたりしないように!飼い主さんの愛情が、犬に届いている証拠なので、喜んで蹴ってもらってください。
犬が後ろ足で蹴る仕草に関するまとめ
以上、犬が後ろ足で蹴る仕草にこめられた意味をご紹介しました。あなたのワンちゃんにも当てはまるでしょうか?ちょっとした仕草からワンちゃんの意外なメッセージが読み取れることもあります。ワンちゃんのかわいい仕草から、ますます目が離せなくなりそうですね。
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