災害救助犬とは?
災害救助犬とはレスキュードッグなどとも呼ばれ、地震や台風、土砂崩れなどの災害で、行方不明になっている人を嗅覚で探すという、特別な訓練を積んだ犬達です。
災害時の過酷な状況下でも慎重な判断ができるように、全壊建物や倒壊建物の下敷きになった人や、遭難にあった人の救助をするために訓練・活躍しています。
映画などでよく取り上げられているのが警察犬ですが、災害救助犬とは異なります。
警察犬は足跡や特定の臭いから、特定の人や物を探しますが、災害救助犬は足跡や特定の臭いを使わずに、救助を必要とする人を探し出します。
災害救助犬は特定の臭いではなく、空気中に漂う臭いをかぎ分けて追跡することができるので、訓練方法や特性など、警察犬とは全く違います。
災害救助犬の訓練方法とは?
「ふせ」の状態のまま前進する「ほふく前進」で、ガレキなどの隙間でも探索できるような訓練です。
災害時は様々な状況が考えられるため、階段・シーソー・スロープなどの不安定な足場になれ、恐怖心を取り除く訓練です。
離れた場所からのバディの指示に従う服従訓練で、広範囲の探索に必要な訓練です。
土砂は密度が高く、埋まってしまった人の臭いが出にくく難しい環境のため、繰り返し訓練を実施することが大切なようです。
浮き輪などを救助者の元へ運び、安全な場所まで引っ張っていく訓練です。
雪に埋まっていたり、倒れている人に反応させる訓練です。
車で入れない救助場所に、ヘリコプターから降下を想定した訓練です。
これらの高度な訓練は、犬の特性から“短時間集中型”の訓練を行い成果を上げています。
余談ですが、愛犬に芸やしつけを教える時も、だらだらと長時間行うのではなく、短時間で集中して教える方が効果が高いかもしれませんね。
JKCに登録されている災害救助犬の犬種
JKC(犬種登録事業団体)に登録されている災害救助犬の犬種ですが、実はこんなにたくさんいるんです!!
・ラブラドール・レトリーバー
・ジャーマン・シェパード・ドッグ
・フラットコーテッド・レトリーバー
・ボーダー・コリー
・ゴールデン・レトリーバー
・ビーグル
・ジャック・ラッセル・テリア
・アメリカン・コッカ―・スパニエル
・柴犬
・イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
・ミニチュア・ダックスフンド
・シェットランド・シープドッグ
・ブリタニー・スパニエル
・パピヨン
・ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
・エアデール・テリア
・ミニチュア・シュナイザー
・コーイケルホンディエ
ペットとしても人気のある犬種も、災害救助犬として活躍しているようで驚きました!!
災害救助犬の引退後
私たちの命を救うために、人間と共に命を懸けて頑張ってくれた災害救助犬も、8歳をめどに引退することになります。
引退後は里親の元で余生を送るそうです。
レスキューの方も、仲間として戦ってきてくれた災害救助犬と、最後まで共にしたいのが本音です。しかしレスキュードッグを育成する費用や犬舎には限りがあるため、引退していく大切な仲間を、温かく迎え入れてくれる里親(リタイヤウォーカー)を募集しているようです。
里親は先着順ではなく、調査やお見合いなどで最も適している方へ迎え入れてもらうようです。
里親・一時預かりボランティア・リタイヤウォーカーお申込みフォーム
条件や流れも記載されていますので、リタイヤウォーカーの希望者は覗いてみてください。
まとめ
自らの命を懸けて人の命を守るために活躍する災害救助犬ですが、活躍などは耳にするものの、引退後や老後は里親という制度があることを初めて知りました。
厳しく、神経の張った時間からの引退…穏やかに余生を過ごせるような、素敵な里親さんとの出会いがあればいいですね。
たくさんの人に里親の制度があることを知ってもらい、温かい繋がりが生まれることを祈っています。
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