盲導犬を知ろう
健康で盲導犬に向いている性格の犬から生まれた子犬が、盲導犬の候補として誕生します。
生後2か月は親元で過ごし、2か月から1歳になるまでに“パピーウォーカー”と呼ばれる、ボランティアの家庭で社会性を身に付けていきます。
犬にとっては、車の音や電車の音、多くの人に散歩をしている犬、様々な環境に慣れていく事が重要です。
パピーウォーカーのもとで社会や家庭でのルールや愛情を学びながら、盲導犬としてスムーズに人間と暮らせるようになっていきます。
盲導犬になるまでの道のり
パピーウォーカーの期間を過ごし、1歳を過ぎると訓練が始まります。
基本的な訓練として「GOOD」と褒めることによって、こちらが求めていることを繰り返し教えていきます。
これは信頼関係を築くために最も必要な訓練で、毎日コツコツと盲導犬になるために必要なことを覚えていきます。
次に盲導犬として重要な誘導訓練を行います。
「角を教える」「段差を教える」「障害物を教える」という基本的な誘導を訓練し、横断歩道などでは、犬自身が判断し止まることができるか訓練していきます。
そして3度の試験を受けて合格した犬だけが、晴れて盲導犬となる事ができます。
だいたい3~4割の犬しか盲導犬になる事ができないため、盲導犬に向かないと判断された犬は介助犬として活躍したり、一般家庭で家族として迎え入れてもらい人生を全うします。
盲導犬の仕事とは?
盲導犬はカーナビのように目的地を言えば連れて行ってくれるわけではなく、ユーザーが頭の中に地図を描き、盲導犬に指示をしながら目的地まで向かいます。
盲導犬はユーザーの指示に従い、安全に目的地まで送り届けることが仕事になります。
目的地までの道のりには、電柱・横断歩道・自転車・車・段差・ドアなど、様々な障害物があります。
例えば横断歩道では、ユーザーが「GO」と言っても、盲導犬自身が「危険」と判断した場合はその指示に従わず、安全なタイミングで誘導します。
盲導犬がお仕事をしている時
盲導犬はユーザーを安全に目的地に送り届けようと、意識を集中させながらお仕事していますので、盲導犬を見かけた時に次のようなことは行わないでください。
- 盲導犬に触る
- 盲導犬に声をかける
- 盲導犬をじっと見る
- 盲導犬に食べ物を与える、見せる
- 盲導犬の側で大声を出す
- 盲導犬が付けているハーネスを引っ張る
以前、盲導犬を傷つける悲しいニュースがありました。
盲導犬はお利口ですので、こちらを傷つけることはありませんが、どうしても犬が苦手な人は、盲導犬は左側を歩くように訓練されていますので、右側を歩くなどしてください。
しかし、次のような場合はユーザーが困っている場合がありますので、声をかけてみましょう。
- 音響信号のない交差点
- 幅の広い道路を渡る
- 混雑しているところ
- 駅のプラットホームの上
- 人が並んでいるバスの停留所
このような場合は、肩や腕を貸して、盲導犬の代わりに半歩前を歩いて誘導してあげてください。
お仕事を終えた後の盲導犬の過ごし方
1日の仕事を終えて家路につくと、ハーネスを外しのんびり過ごします。
テレビで紹介されていた盲導犬が家で過ごす様子は、私たちのペットと同じく、ユーザーというよりも飼い主と楽しく過ごし、表情も穏やかなものでした。
訓練での信頼関係だけでなく、愛情も信頼関係の大きな基盤となります。
飼い主に甘える盲導犬の表情がとても可愛らしく、大好きな飼い主を守るために頑張っているんだということが伝わってきました(^^)
盲導犬を傷付けたニュースが報道された際、盲導犬に対し、“酷使されて可哀想”というイメージを持っている方もいたようですが、“大切な人を守るために共に生活する事ができる”ということは“可哀想”なことなのでしょうか?
私たちは外に出て仕事をしています。盲導犬も家の外に出れば仕事をしています。
私たちは家に帰ればくつろぎます。盲導犬も家に帰ればくつろぎます。
これからもっと、盲導犬もユーザーも生活しやすい社会になってほしいと思います。
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