犬と花火大会に行くのは危険?
私たち人にとって花火は夏の風物詩として親しまれている楽しいイベントですよね!中でも花火大会は、手持ち花火などを購入して楽しむ手頃な物とは違い、大きく壮大に楽しむことが出来るイベントです。
そんなイベントを家族の一員である愛犬とも一緒に楽しみたいと考えている飼い主さんも多いと思います。
その一方で、実は人が多く集まる花火大会では、愛犬にとって危険な出来事が起こる可能性も考えられます。
人間同士でも相手が楽しくなければ誘った自分も楽しくなくなっちゃいますよね。犬と花火大会を楽しむためには、犬の気持ちを第一に考えてあげる事が大事になってきます。
<花火大会での危険①花火に対する恐怖>
大きな音に慣れていない犬の多くが、花火大会で聞こえる花火の大きな音を怖いと感じているようです。
花火の音に怖がるあまり、その場で失禁してしまう犬も少なくありません。また、花火の音に対して吠えて威嚇する場合もあります。犬と一緒に居る時間の長い人なら、吠え方でなんとなくでも愛犬の気持ちが伝わってくるかと思います。
人間は、「花火が打ち上がって開いたら大きな音がなる」ということを理解しています。
一方で、花火大会を初めて体験するお子さんや赤子さんは、その理屈がわからず大きな音の連発に驚き泣いてしまうということも少なくありません。
これは犬も同じです。音がするだけで何もないと知っているのは人間だけです。人がお化けを怖がるのと同じように、犬にとっては音の正体がはっきりしないのですから、自分に害があるかもしれないと愛犬が怖がるのも無理はないでしょう。
<花火大会での危険②人ごみでの逃走>
花火の音に怖がるあまりパニック状態になってしまう犬もいます。中には恐怖のあまりリードを引きちぎったり首輪を何が何でも外して逃走してしまうことも少なくありません。
パニックに陥ってしまった犬の足の速さは一緒に遊んでいる時の速度とは比べ物にならないくらい早いものです。無我夢中で走った先は犬自身もわからないところだったりして、帰り道がわからず迷子になってしまうわけです。
花火大会などの人が多く集まるイベントでは、愛犬が迷子になる可能性があることを頭に入れておく必要があります。また、万が一迷子になってしまったときのために、普段から迷子札をつけておく、イベントの本部や保健所の連絡先を調べておく等の対策をしておきましょう。
<花火大会での危険③誤飲・誤食の恐れ>
愛犬の誤飲・誤食は家の中でも気を付けますよね。犬にとって外で見る屋台から出るごみ等は新鮮なものなのかも知れません。
犬は食べ物を丸飲みするように食べるような習性があるそうで、万が一ごみを飲み込んでしまった場合食道でつまり呼吸困難になってしまったりすることもあります。
飲み込めてしまった場合でも少し大きなものになると胃の出口で詰まってしまうことがよくあるそうでそこでつまってしまうと嘔吐を繰り返すようになるそうです。
犬が誤飲・誤食してしまった場合はすぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
<花火大会での危険④他の人とのトラブル>
恐怖を感じている犬は、自分の身を守るために普段とはちがう行動をとることもあります。
例えば、人混みの中に逃げて思わず第三者にかみつき、怪我をさせてしまったなどのトラブルもあるかもしれません。
また、花火大火に限ったことではありませんが、ペットの排泄物の始末などは勿論、その場に連れて行くこと自体飼い主さんの責任になります。
犬が花火恐怖症になるって本当?
<花火恐怖症とは?>
人間の中にも花火の音が怖くてパニックに陥り動悸や吐き気に襲われてしまう「花火恐怖症」の人がいるように、犬の花火恐怖症は少なくありません。
犬にとっての花火恐怖症は、基本的に花火の音が恐怖の対象になりやすいと思われます。
花火の音を聞くと錯乱状態に陥っていまい、犬自身もわからない行動を取ってしまうような場合は花火恐怖症の可能性が高いです。
<花火恐怖症になる原因は?>
●花火の大きな音で怖い思いをした
一度怖い思いをしたものは誰だって怖いですし、過剰に本能から恐れちゃいますよね。
犬だって同じです。現に毎年花火大会の時期では迷子犬が増えるそうです。犬を嫌うような人も居ますから、犬とはぐれてしまうことは今のご時世避けておきたいところです。
●雷などの大きな音が苦手
花火大会に行かなくても近くで花火が上がれば大きな音に怖がってしまうものです。雷でも犬は怖がって吠えてしまうかもしれません。大きな音はわからない事が故に怖いものです。
●防衛本能
犬は狼が祖先と言われており、群れで行動するため防御本能は特に高いようです。その為、小さな音でもすぐわかるように、人間の400倍遠い音が聞こえるとされています。また、低音には鈍感ですが、高音に関しては人間の4~5倍高い音域が聞こえるとされています。このことからも、人間が聞く花火の音と犬の聞く花火は根本的に聞こえ方が違うことがわかりますね。
防衛本能が高い犬にとって、花火の大砲の発砲音のような音がどこからなっているかもわからない恐怖は、考えたら恐ろしい事かもしれません。
<花火恐怖症になるとどんな行動をする?>
「怖がるけど恐怖症かどうかまでは」という方に、犬が花火恐怖症の場合どんな症状が出てしまうのか、例として挙げて行きたいと思います。
●その場から脱走しようとする
まず先程から述べている通り、怖い所には居たくないものなのでその場から離れようと脱走します。
人間はリードに繋がれていませんが犬には安全の為のリードが付いています。そのリードで身動きが取れず、犬にとっては自身の安全確保が上手くできないのです。連れ出してくれた飼い主を怖がってしまうこともあるかもしれません。
●全身が震えて動けなくなる
逆に恐怖のあまりその場を動けなくなってしまうこともあります。
人間でも足がすくむように、その場で動くこともままならずに身体全体震えて動けなくなってしまうような症状が現れるようです。
●パニックになり呼吸が荒くなる
犬もパニックに陥り、息が荒くなることがあります。最悪その場で吐いてしまうこともあるようです。また、先程例に挙げた通り失禁してしまうことだってあります。
このような行動が愛犬に見られたら、もしかしたら花火恐怖症かもしれません。
人間にも恐怖症があるように、犬にも恐怖症があります。症状は同じ動物同士似ているかと思いますが、動物の恐怖は死に直結しやすいものと感じます。
犬にとってはそれほど怖いものになってしまう可能性も低くはないということを頭に入れて、愛犬を花火大会に連れて行くかどうかよく考えるようにしましょう。
犬が大きな音を怖がる場合の対策は?
●飼い主さんが落ち着いて接する
犬が大きな音に怖がり、パニックになってしまったとしても、飼い主さんは犬に対して必要に心配になってはいけません。
子供が転んでけがをしたとき、「わー!大丈夫痛くないよ!大丈夫だからね!」と大きな声で駆け寄って来られると、自分の身に何が起こっているのか不安に思い泣きだすという子も少なくないです。
犬も同じで、犬から見て飼い主さんもパニックになっているように見えては余計に不安に思い、飼い主さんに何をされても怖いと思うでしょう。
飼い主さんは慌てず騒がず、花火の音がしても愛犬を傍に寄せてどっしり構えてそっとしておきましょう。きっと犬は「怖くないことだからこんなに冷静なんだ」と思ってくれることでしょう。そう思ってくれることを願って慌てず騒がずに見守ってあげることが大切です。
●好物を与えてそちらに気を向けさせる
花火の音に怖がっているようなら、まずは慌てず騒がず抱きしめ、愛犬の好物のおやつをあげても良いでしょう。花火が上がったらおやつが貰える!ということを覚えさせてしまうとその場では効果的かも知れません。
犬が大きい音を怖がらないようにするために
犬は花火以外にも大きな音が出るものは苦手です。理由は先ほど述べた通り聞こえ方にも人と違いがあるためです。花火大会に行かなくても遠くで聞きなれない音が聞こえただけで怖がることもありますし、それ以外にも雷や掃除機、近所の工事の騒音でも犬は何事かと恐れを感じることもあります。
これからは「犬が花火などの大きい音を怖がらないために出来るだけ備える」という方法を考えていこうと思います。
<大きな音や聞きなれない音に慣れさせる>
犬は生まれて1~3ヶ月の環境が大きく影響するとされています。その大切な時期に音に対しての抵抗力をあまり付けずに育った場合は、子供の頃に経験したことのないような音を恐怖に感じてしまいやすくなります。そのあとは吠えたから怒るなどの犬の気持ちを無視した対応によって、いつまでもその恐怖心が拭えないというような犬も少なくないそうです。
音に対して恐怖心を植え込ませないためには、小さいころから花火の音や掃除機などの音を聞かせておくことが望ましいかと思います。
日常的に花火大会のDVDや生活音を聞かせてあげることで犬も慣れてきやすくなります。始めの音量は小さい音から聞かせてあげるなど配慮し、このしつけの段階で恐怖心を付けさせないように注意してあげましょう。
それでも人間同様、怖いものは出てきてしまったりします。その時は、怖がっている犬に対してはご褒美をあげても良いかと思います。慣れてきたらご褒美の回数を減らしていき、人間の社会の音に慣れさせていってあげましょう!
一度は克服してもいつ恐怖症が再発するかは人間だってわかりません。その時も愛犬と最後まで歩み寄ってあげましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
愛犬と楽しい時間を過ごしたいという気持ちはわかります。花火大会で愛犬と一緒に過ごすということも、大切な思い出になる事でしょう。
ですが、犬も人間と同じ心を持っている生き物です。人間にとっては楽しい花火大会でも、犬にとっては人も多く不思議な空間であるかも知れません。そこでいきなり大きな音が連発するという状況を犬の目線に立って考えてあげましょう。
ある程度のストレスは人間にも動物全般において大切な事ですが、度が過ぎると寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。大きな音の発生源には近づけさせない事や、人間側の勝手な都合を愛犬にも押し付けすぎないことを頭に入れておくことが大切です。
常に愛犬の事は考えてあげて、恐怖心を抱いたまま過ごさせることは避けて犬の為にも良い時間を過ごさせてあげれるように心がけていきましょう!犬と人でお互いを尊重し、気持ちよく過ごせるようにこの記事が少しでも役に立てれたら幸いです。
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