ダックスフンドはどんな犬?
ダックスフンドという名前はドイツ語から来ています。「アナグマ」を意味するダックス、「犬」を意味するフンド。その名の通り、アナグマ猟に使われる猟犬として活躍したのがダックスフンドです。
◆ダックスフンドの体型
アナグマは自分で掘った30~50センチほどの巣穴に潜って生活しています。そのため、ダックスフンドはその中に入って狩りが出来る様、背が低く、短足で、胴長の体型になりました。足が短く顔が地面に近づいた事で、地面などに残った匂いなども敏感に察知することができます。
そして、巣穴の大きさに合わせて小さく改良されたのが、「ミニチュアダックスフンド」や「カニンヘンダックスフンド」という犬種サイズです。
カニンヘンはドイツ語でウサギという意味があり、ダックスフンドはウサギ狩りにも使われていたことが解っています。
◆ダックスフンドの種類
ダックスフンドは大きさ、毛質によって数種類に分類されます。
大きさ(サイズ)はスタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3つに分かれており、国によって規定は異なります。
毛質もスムース、ロング、ワイヤーの3種類に分類されます。
日本で一番登録犬数が多い人気種は、ロングヘアーのミニチュアダックスフンドです。日本の場合、生後15カ月を経過した時点で測定し胸囲30~35cmのダックスフンドをミニチュアダックスフンドとしています(一般社団法人ジャパンケネルクラブより引用)。
ミニチュアダックスフンドの飼い方は?
ミニチュアダックスフンドは狩猟犬として使われていた為、とても気と警戒心が強く、勇敢です。また、穴の中をズンズン進む為に好奇心旺盛、活発ととても明るいキャラクターを持っています。
そのため、好奇心や警戒からの「吠え癖」や「噛み癖」に悩む飼い主も少なくありません。
ミニチュアダックスフンドを飼う時のポイントや気をつけたい点についてご紹介します。
◆まずは主従関係をしっかりと
ミニチュアダックスフンドの飼い方はコツを掴めば簡単です。
まずはリーダーは誰なのかしっかりと認識させ、主従関係を確立させましょう。
ミニチュアダックスフンドは気が強い為、自分がリーダーだと主張する事がとても多いです。主従関係をしっかりとし、リーダー(家の主)が犬を守ってやる存在だと理解される事で、吠え癖や噛み癖は改善することが出来ます。
老犬になった際の吠え癖や噛み癖は、痴呆症状なども由来している為違う問題になりますが、若犬の場合は飼い方次第でミニチュアダックスフンドとの生活は快適なものになります。
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◆運動や遊びでストレスを解消
狩猟犬であった経緯もあり、ミニチュアダックスフンドの運動量はとても多いです。
飼い方のポイントとして、散歩をしっかり長時間かけて行ってあげる事は重要です。仕事が忙しいから、部屋の中だけで飼う…という飼い方は、ミニチュアダックスフンドには向いていないと言えます。適度な運動は病気予防にもなるため、生活には必須です。
また、ミニチュアダックスフンドの好きな遊びは、ロープの引っ張りっこです。これも狩猟犬としての本能から、低い位置で何かを噛んで引っ張り出す事を好む為です。両端が結んであるロープタイプのオモチャが、噛みやすく、人間も持ちやすい為おススメです。
ミニチュアダックスフンドとの引っ張りっこ遊びでの注意点は、幾つかあります。
まず、ミニチュアダックスフンドは「狩猟犬の為、気が強い」という性格を考慮するという点です。引っ張りっこに興奮して、唸ったり、吠えたり、あわよくば噛みつこうとしてきたりすることがあります。その際は興奮気味に「ダメ!」「やめて!」と言ってはいけません。リーダーとして毅然とNO!を示して下さい。
・立ち上がって相手にしない
・オモチャをしまう
・犬の要求する様には遊ばない
注意する際の言葉かけは、必ず低い声でハッキリと伝えます。これも、狩猟犬のミニチュアダックスフンドの飼い方のポイントです。リーダーには従順に従うのも、狩猟犬の特徴です。
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◆肥満に要注意!
ミニチュアダックスの飼い方のポイントとしてもう一つ挙げられる事は、肥満にさせないことです。
ミニチュアダックスフンドは、胴長というスタイルから、太ってしまうと腰に負担がかかってしまいます。その負担により、椎間板ヘルニアという病気を発症してしまうミニチュアダックスフンドが多数います。肥満という骨に負担をかけている状況は、ヘルニアを発症するには申し分ない状況だと言えます。
椎間板ヘルニアは、ミニチュアダックスフンドにとっては身近な病気の一つです。重症の場合は手術しなくてはいけなく、麻痺や足を引きずるなどの後遺症も有り得ます。
肥満は生活習慣病の一つで、毎日の運動不足、食生活などの見直しも必要です。老犬になり、運動量が落ちた時に肥満の状態だと、椎間板ヘルニアと共に心臓病などの病気のリスクも上がります。
ミニチュアダックスフンドの適正体重は、オス、メス共に5.0キロ以下といわれています。しっかり管理して健康に過ごす飼い方が重要です。
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ミニチュアダックスフンドがかかりやすい病気は?
ミニチュアダックスフンドは、胴長短足というスタイルからかかりやすい病気や、先天的な遺伝体質によりかかりやすい病気があります。
◆椎間板ヘルニア
ミニチュアダックスフンドの病気で、最も多い件数が椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアは、背骨の間の椎間板が何らかの原因で変形し、組織が飛び出してしまった状態を指す病気です。
人間はジワジワと悪くなっていくヘルニアが多いですが、ミニチュアダックスフンドの場合突発的な発症が大多数を占めます。ジャンプした時、腕だけを持ち上げて腰に負担をかけた時、段差を上った時など生活の中でヘルニアを発症してしまうのです。また、ミニチュアダックスフンドの場合、胴長短足という体型からも腰に負担がかかりやすいと言えます。
肥満にしない、運動をしっかりする、腰に負担をかけない、などヘルニアという病気を発症させない様常に気を配る事が大切です。
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◆眼の病気
白内障、緑内障などの眼の水晶体が原因で起こるものや、進行性網膜萎縮症、角膜ジストロフィーなどの失明の危険がある病気まで様々報告されています。
ミニチュアダックスフンドに多い原因は、異常疾患を持つ犬を使った無理な繁殖です。そのため、ミニチュアダックスフンドは先天的に眼の病気が多いという特徴があります。
眼の病気は早期発見で、進行を遅らせる事が出来ます。毎日の健康チェックを欠かさない飼い方が大事です。
◆糖尿病
ミニチュアダックスフンドは、とても肥満になりやすい犬種です。まず、遺伝的素質があるということ。そして、飼い主が思う運動量と、狩猟犬としてのミニチュアダックスフンドに適した運動量とに差がある場合が多いです。また、パワーを使う狩猟犬にとって食欲はエネルギーの源。本能として、ミニチュアダックスフンドは食いしん坊だと言えます。
肥満になると、血糖値のコントロールをすることが難しくなり、インスリン異常を起こします。糖尿病は、眼の病気や腎臓病などの合併症の危険もあり、発症すると完治が難しく、死に至る可能性も人間より高いです。
糖尿病の予防法は、規則正しく、健康的な生活を送る事。
・メス犬の場合避妊する(未避妊のメス犬は糖尿病になりやすい為)
・適度な運動をさせる
・適切な食事コントロールをする
以上のようなポイントに気をつけ、何よりも肥満にさせない事が、ミニチュアダックスフンドにとって一番の糖尿病予防になります。
ヘルニアの予防法は?
ミニチュアダックスフンドの代表的な病気である、ヘルニアを予防するためにはどうすれば良いのでしょうか?
それは日常生活で気を付けてあげることが一番大事です。
◆適度な運動と適切な食事
まずは肥満にさせない為に、適度な運動と食事量のコントロールをするようにしましょう。散歩道も、脚や腰に負担のかかる砂利道や段差のある道は避ける様にしてください。
◆室内では段差をなくす工夫をする
ミニチュアダックスフンドの腰に負担をかけないためにも、室内も工夫をしましょう。
例えば、ソファーに飛び乗る癖のある犬なら、しつけで改善したり、もしくは階段を作って設置するなどして段差での衝撃を減らすことが大切です。また、二足で立たせる芸などは腰への負担も大きいため、やめるようにしましょう。
ミニチュアダックスフンドに多い散歩の際のひっぱり癖も、後ろ足だけでピョンピョン跳ねている為腰に負担がかかります。しっかりと散歩のしつけをすることが大事です。
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ワンちゃんがソファーやベッドから飛び降りる動作は、足腰の負担となり脱臼や骨折などにつながる可能性があります。膝を痛めやすい室内の小型犬のワンちゃんや、歳をとったワンちゃんに特におすすめです。
ミニチュアダックスフンドは明るく活発な性格のため、興奮しがちでしつけに困難する飼い主がとても多いです。
ですが、基本的には主従関係トレーニングが出来ていれば、これらのしつけは可能です。日常的に、飼い主はリーダーである、と毅然とふるまい、ミニチュアダックスフンドに理解させることが大事です。
ミニチュアダックスフンドの老犬の介護について
ミニチュアダックスフンドを含めた小型犬は、7~8歳になるとシニアと呼ばれる老犬層に入ります。犬種として発症しやすい椎間板ヘルニアや眼の病気なども、老犬になり発症するケースもとても多いです。
◆介護グッズを使用する
胴長短足というスタイルのミニチュアダックスフンドは、老犬になると腰が立たなくなる事がとても多いです。ただ、もちろん腰が立たなくなったからと言ってまったく動けないわけではありません。
介護が必要になる場合は、老犬用の介助ベルトを使ったり、サポーターをつけたりして、介護グッズをうまく活用して補助してあげるようにしましょう。
また、散歩に連れて行き気分転換をさせてあげることも大切です。散歩に連れて行く際には、ドッグカートを使用してみたり、それが難しい場合は部屋の窓から外を見せてあげるだけでもいいでしょう。
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◆老犬用のフードに切り替える
ミニチュアダックスフンドの老犬は、成年期よりも運動量が減る為、カロリーの低い老犬用の食餌に切り替える必要があります。気にせず成犬用を使用すると、ミニチュアダックスフンドにとって大敵の肥満に繋がります。
老犬になると、肥満は命取りともいえるほど大きな病気です。特に食事には気を付ける様にしてください。
そして、何よりも「いつもと違う」という点を感じ取れるか否かが一番大事になります。老犬となったミニチュアダックスフンドと一日でも長く暮らせる様にするには、飼い主の健康チェックが欠かせないのです。
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まとめ
愛らしい胴長短足というルックスで、人気のミニチュアダックスフンド。
しかしながら、その胴長短足が原因となった椎間板ヘルニアや、先天的な眼の病気など生活の中で気遣ってあげなくてはいけない物は沢山あります。
老犬になるその日までミニチュアダックスフンドと楽しく暮らせる様、今から工夫をしておくことをおすすめします。
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