大型犬の介護が始まる前に
一般的に、大型犬の平均寿命は10年前後。老化現象は7歳頃から現れると言われています。老化が進むにつれて、犬も人間と同じように今まで出来ていた事ができなくなってしまいます。
◆大型犬の介護は大変?
特に大型犬は体が大きい分、重い体重を足腰が支えきれなくなり、寝たきりになってしまう事が多いです。飼い主さんは、床ずれを防止する為に重たい体を支えたり、清潔な状態を保つために体の拭き上げやトイレの介護、おむつの交換をしたりと、さまざまなケアをする必要があります。
また、室内で飼われる小型犬は、室内での運動だけでも十分に健康状態をキープできますが、大型犬は1日2回、30~60分程度の時間をかけた散歩が必要な動物です。
老犬になり運動量が落ちると肥満になりやすくなるため、骨や関節の健康や筋肉量を保つためには適度な運動も必要です。歩行補助やマッサージ、ストレッチなどをしてあげる事が、運動量の多い大型犬にとって健やかな老犬生活を過ごす上で大切です。
これだけ聞くと、「介護って大変だな」と感じる方も多いと思います。飼い主さんにとってもより良い介護生活を送る為に、それぞれ注意すべきポイントを押さえておく事が重要です。
大型犬のトイレのケアについて
老犬になると、トイレが上手くできなくなるケースがあります。そんな時、しつけ直すために叱る事は決してしないで下さい。叱る事で委縮してしまい、ますます失敗するという悪循環に陥ります。叱るのではなく、老化のひとつだと受け入れてあげてください。
◆老化による失敗かチェック
まずは、しつけ不足なのか、老化によるトイレの失敗なのかをチェックしてください。
①トイレの時間まで我慢ができない
②トイレの回数が増える
③トイレ以外で排便や排尿を行う
④興奮したり吠えたりすると、おしっこを漏らすことがある
⑤トイレの姿勢をとってから、出すまでに時間がかかる
⑥便の状態が硬かったり柔かったり、下痢っぽかったりと不安定になる
以前に比べてこのような状況が増えている場合、老化による失敗の可能性があります。その子の状況に応じて、トイレのケアをしてあげてください。
また、水を飲む回数やトイレの回数が大幅に変化している場合、病気の可能性も考えられます。早めに獣医師に相談してください。
◆トイレの介護についてのポイント
老犬になると足腰が弱くなります。楽に歩く事ができる環境を整えることが大切です。
★滑り止め対策をする
フローリングは滑りやすい為、脚力が落ちた老犬にとっては歩きづらく感じます。ペット対応のワックスを使用したり、マットを敷くなどの対策をしましょう。
★洗濯しやすいマットを利用する
粗相してしまった場合に備えて、洗濯できるマットを使用するのも一つの方法です。
何度も掃除をするのは、負担も大きく大変です。洗濯のできるマットの活用は飼い主さんにとっても楽ですし、清潔な環境を保つ事ができてワンちゃんにとってもストレス軽減や健康維持にも繋がります。
★トイレの後は常に清潔に保つ
脚力が落ちている場合、トイレが済んだ後、そのまま座り込んでしまう事があります。排泄物が体についてしまうと、何より不衛生ですし、ばい菌からの病気感染の原因にもなります。なるべく早く、水洗いや拭き取るなどしてキレイにしてあげてください。
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★オムツを使用する
忙しい方やしっかりした介護の時間が取れない方、大型犬のトイレの介護が大変な場合は、オムツを使用するのも選択の1つです。その場合は清潔な状態が保てるよう、こまめにチェックしてください。
◆排泄ポーズが取れなくなった時
脚力が落ちてしまうと、自分の力では片足を上げたりなどの排泄ポーズが取れなくなってしまいます。
このような場合は、飼い主さんが腰や体を支えて排泄姿勢が保てるようにしてあげましょう。脚力がさらに落ちてトイレまで移動ができない、立ち上がる事も出来ない、大型犬の体重を支えるのが大変、といった際には歩行補助のハーネスなどを利用する事も検討してください。
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足腰の筋力が低下したときの歩行補助に。
◆おもらしをするようになった時
脚力が落ちていないのにトイレを失敗する場合、老化が原因で匂いを感じにくくなり、トイレの場所がわからなくなっている可能性があります。
トイレの場所がわかりやすくなるよう、トイレシートに少しだけおしっこを付けてあげるとトイレをしてくれる場合があります。生活空間のトイレの数を増やのも効果的です。
また、大型犬だともともと屋外で飼っていらっしゃった飼い主さんも多いと思います。介護が必要になってから室内外に変更し、トイレシートになかなか馴染めない、といったケースもあります。
そんな時は、よく排泄をしていた場所の草などをトイレに少しおいてあげるのも有効です。
様々試してみても上手くいかない場合は、おむつやおむつパッドの使用を検討してください。その際は、こまめにチェックして、排泄している際にはすぐに交換するなど、清潔な状態を保てるようにしましょう。
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◆寝たきりになった時
筋力の衰えで寝たきりになると、自分の力だけでは排泄自体が出来なくなる事もあります。その場合、排泄姿勢を保てるよう飼い主さんが体を支えます。
それでもどうしても排泄できない場合は、マッサージや圧迫で排泄を促す必要があります。ただし、犬の種類や個体によって効果的な圧迫方法があるので、必ず獣医師さんの指導のもとい行うようにしましょう。その際、排泄後に簡単に掃除ができるよう、トイレシートを敷いておくと便利です。
また、寝たきりになると関節が固まらないよう、無理のない範囲での運動、足を動かしたり、血流を良くするためのマッサージも必要です。大型犬が体重が重い分床ずれも起きやすくなるため、床ずれマットも併せて使用しましょう。
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大型犬の散歩のケ工夫について
散歩は、老犬にとっても楽しいものであり、健康面では筋力・体力維持にとっても有効です。運動をしない事で肥満になると、関節や体に負担がかかってしまいます。また、犬は脚力が落ちて歩けなくなってしまうと極端に衰弱が進むので、出来る限り散歩はさせてあげてください。
しかしながら、先ほど「大型犬は1日2回、30~60分程度の時間をかけた散歩が必要」とお伝えしましたが、老化が進んだ時に同じように散歩をしてしまうのは危険です。ケガをしないよう気を付けて、散歩前にはウォーミングアップしてあげるといいでしょう。
◆散歩で気を付けたいポイント
★散歩は体調をみて
体調が悪い、疲れている、と感じた場合は、散歩をお休みするか、時間を短めにしましょう。足の関節に負担がかからないよう、砂利道や階段は避け、歩きやすい舗装された道を選んでください。
また、短めであっても疲れは出やすいので、こまめな休憩や水分補給を心がけるようにしてください。
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★散歩前のウォーミングアップ
関節を軽く曲げてストレッチしたり、リードを付けて室内を散歩するなどして、散歩前にウォーミングアップをしましょう。人間も運動前に準備運動をするのと同じように、体への負担やケガの予防に効果的です。
★歩くペースを合わせる
脚力が落ちている分、歩くスピードも以前よりゆっくりになっています。ワンちゃんの歩いている様子をしっかり観察しながら、スピードを合わせるようにしましょう。
また、足を引きずったり、痛がる仕草がないか、呼吸が乱れていないかもしっかり確認してください。足を延ばしたり曲げたりして関節に問題がないか、爪や肉球に異常はないか、せき込んだりしないかを確認し、もし何らかの異常があれば、早めに獣医師さんに相談しましょう。
★散歩時の気温や時間帯
夏場など、気温が高く日が長い時期はアスファルトも熱くなり、散歩時の負担が大きくなります。特に犬は地面にも近く、もともとの体温も高い為、暑い時間帯に散歩をすると熱中症や日射病にかかりやすくなります。
暑い時期は、日が昇る前や日が落ちた後に散歩するなどして、散歩の時間帯に気を付けてください。また、休憩や水分補給も途中で行うようにしましょう。
★散歩後のケアはしっかりと
散歩の後は、足の曲げ伸ばしをして痛がる様子がないか、足の裏や爪、肉球の様子も観察して異常がないか確認しましょう。歩く事で足の筋肉も疲弊している為、マッサージしてあげるのも効果的です。
また、老犬は成犬に比べて免疫力が下がっているため、ばい菌などに感染しやすく、体調を崩しやすい傾向にあります。散歩後は、健康チェックと同時に汚れのケアを欠かさないようにしましょう。
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◆歩く事が難しくなった時
老犬になると脚力が落ちる事でふらつきがでたり、歩行困難になり散歩が難しい場合があります。しかし、歩けないからと言って散歩をやめてしまうと、脚力低下が早くなり健康寿命を短くしてしまいます。また、太陽の光に当たる事で『メラトニン』というホルモンが体内増加し、睡眠を助けてくれる効果があります。
体がふらつくようになったら歩行を助けてくれるハーネスを、歩行困難になったら歩かなくても良いようにカートを活用してみてください。外を歩く事で愛犬の気分転換にもなります。また、家では歩かないワンちゃんが、散歩の時には歩いてくれたりもします。
健康的な生活の為にも、出来る限り散歩に連れて行ってあげましょう。
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体力が低下したときなどの室内の動作補助に。
足腰の筋力が低下したときの歩行補助に。
大型犬用に開発された耐荷重55kgの4輪カート。体重の重い大型犬を乗せても、4輪の安定性と3角構造の軽快な押し心地でスムーズな走行が可能です。
愛犬が開放的に乗ることができるオープンタイプで、荷物が多い時は台車としてもご使用いただけます。
まとめ
いかがでしたか?
老犬介護、と言われると大変なイメージもあると思います。正直簡単なものではありませんが、可愛いワンちゃんとの生活の為、可愛い顔を見る為にできる限りのことをしたいですよね。
高齢期の大型犬は、元気な時と比べると元気もなくなり、今までと同じように遊んだりすることもできなくなってしまいます。毎日一緒に過ごすからこそ、その変化に気づきにくいものです。
良く触って顔を見て、グルーミングやコミュニケーションをとるなど、たくさんの愛情をもってワンちゃんの様子をしっかり見てあげてください。
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