【掲載:2017.11.06 更新:2020.12.10】
ビーグルの歴史
チャームポイントでもある、垂れ耳が大きな特徴のビーグル犬。
アメリカのコミックのキャラクターで、世界的にも有名な「スヌーピー」のモデルとしても知られていますよね。
実はこのビーグル、祖先は古代エジプト時代から存在していたグレイハウンドの系統だといわれています。
ローマ帝国の侵攻・交易などで、ビーグルの祖先は欧州へと広がっていきました。そして品種改良が進められ、1890年にイギリスで犬種登録がなされたのです。
ビーグルは、古くから人間の狩猟のパートナーとして活躍していました。
紀元前400年頃にギリシャで、ウサギ狩りを得意とする犬について記録が残されており、このことから、ビーグルは早い段階で狩猟犬として活躍していたと考えられています。
集団で展開し、鳴き声で獲物を追い詰める狩猟スタイルをとっていたことから、「シンギング・ピープル」「森の声楽家」「森の鈴」「草原の声楽隊」などと、様々な愛称を持っている犬種なのです。
優れた嗅覚を持つというハウンドの中で一番小型であるビーグルは、地面に対して低く獲物を追うことができるという点や、足場の悪い場所でもカバンに入れて連れ歩けるという点から、狩猟犬として大変重宝されていたそうです。
名前の起源には、フランス古語の「begueule(大きく口を開けた)」「beugler(大声で鳴く)」や、古い英語の「begele(小さい)」、ゲール語の「beag(小さい)」などの複数説が存在します。
ビーグルの特徴
優れた狩猟犬だったことから、ビーグルの体つきはがっちりとしています。しかし、ハウンド系で最も小型ということでそこまで大きな犬種ではありません。
体高は約33~38cm、体重は8~14kg程です。
大きな垂れ耳に、大きなくりんとした目でとても愛らしい顔つきをしています。
被毛は短いダブルコートで、カラーは胸・腹部・四肢が白、頭部や背中に色が出るハウンドカラーと呼ばれるものです。尻尾の先は白であることが必須とのこと。
主な毛色としては、トライカラー・レッド&ホワイト・レモンカラーの三種類があります。
トライカラーは、黒・茶・白の3色でくっきりした模様が特徴です。三種類の毛色の中でも最もポピュラーといわれており、ビーグルと聞いてこの毛色を想像する方も多いでしょう。
レッド&ホワイトは、赤みがかった茶色と白の2色で構成されますが、レッドの濃淡に個体差があるので、同じレッド&ホワイトの種類でも印象が違ってみえることがあります。
レモンカラーは、レッド&ホワイトの茶色部分が更に明るく発色した種類です。全体的に淡い色となり優しい印象を感じます。近年人気が高まっているカラーだそうです。
前述の通り、ビーグルはスヌーピーのモデルとなった犬種なのですが、スヌーピーのように背中と耳に黒い斑点の入るタイプはとても珍しい個体だといわれています。
ビーグルの性格
ビーグルのペットとしての人気の高さは、愛らしい外見だけが理由ではありません。
人間に対して友好的で愛情深く、協調性もあり、子供と仲良くできるという性格が、人気の秘密といえます。
また、病気にかかりにくい丈夫な体をしており、日本の気候に馴染むことが可能だということも大きいでしょう。
寂しがり屋で甘えん坊な一面もあるので、愛犬と沢山触れ合いたいという飼い主さんにはピッタリの犬種です。
ただし、その為留守番が苦手だともいわれているので、飼う前には自身の生活スタイルを考えたり、精神面に気を配ってあげることも頭に入れておく必要があります。
ビーグルは狩猟犬として活躍していたことから、とても賢く、活発でスタミナもあります。
基本的に人間に対して従順な性格ですが、やんちゃで興奮しやすい面も持ち合わせているので、しつけには根気が必要ですし、賢いゆえにしつけ方を間違うと大変な目に合う可能性もあります。
鳴き声を使って狩りをしていたことから、身体の割に声が大きく、無駄吠えをする傾向もあるため、無駄吠えを防止するための訓練は、しっかりとしておく必要があるでしょう。
問題行動を起こさせない為には、このようなビーグルの性格を前以て理解しておくことが大切ですね。
ビーグルを家族として迎え入れる為に、正しいしつけの方法や、ケアの仕方、注意すべき病気について、まずは頭に入れておきましょう。
ビーグルのしつけについて
ビーグルを飼う上で最も多くあげられる問題点が、無駄吠えだといわれています。犬の吠える声は、ご近所トラブルを招く可能性も秘めているので、無駄吠えを抑える為の訓練は必須項目といえるでしょう。
まずは、吠える理由を特定して、その理由に合った対処方法を取ることが重要です。
◆理由①興味や警戒
警戒心が他の犬種より強いというわけではありませんが、元々吠えることを仕事としていたビーグルは、些細な刺激によって吠えてしまう場合があります。
郵便などの配達員であったり、インターホンであったり、個体によって吠える対象は違うでしょうが、その理由は興味や警戒心からくるものだといわれています。
この場合、吠えてしまう対象から興味を逸らす為に、名前を呼んだり、伏せやお座りをさせるなどして気を逸らしてあげましょう。
対象が人間であれば、警戒心を和らげてあげることが効果的です。可能であれば配達員の人に会わせてみたり、目の前で飼い主さんが配達員に対して温和な態度を見せるなどの行動で、愛犬の警戒心は和らぐことでしょう。
◆理由②不安や恐怖
子犬の頃の経験によるものや、苦手としているものに対して、不安や恐怖を抱いて吠えてしまうこともあります。
この場合は愛犬の状態によって、その対象を避ける、もしくは慣れさせるの、いずれかの策を練る必要があります。
慣れさせる方法をとる場合は、根気強く時間を掛けて焦らずに取り組むことが重要です。その対象物に対して、飼い主さんが近付きリラックスしている状態を見せたり、距離をとって長い時間観察させるなど、愛犬が更に不安や恐怖を募らせないように取り組みましょう。
◆理由③退屈や寂しさ
活発なビーグルにとって退屈は大敵です。毎日の運動や遊びに時間をかけないと、ストレスが溜まってしまいます。それを発散する為に吠えてしまう場合もあるのです。これに関しては、飼い主さんが活動的になり、愛犬と接する時間を増やしてあげることが得策となります。
また、寂しがりの性格であることから、構って欲しくて吠えることもあります。この場合、吠えたから構ってあげるという行動を繰り返すと、吠えたら遊んでもらえると勘違いしてしまうのです。吠えたら無視し、静かになったら声をかけて褒める方法をとり、無駄吠えを抑えましょう。
要求吠えに対しても、この策は有効な方法となります。飼い主さんが要求吠えに対して応えてしまっては、主従関係が崩れ、愛犬は飼い主さんの言うことを聞かなくなってしまいます。
無視をするのは心が痛みますが、ビーグルとのより良い生活を手に入れる為には心を鬼にする覚悟も必要なのですね。
ビーグルのケアの仕方
ビーグルは短毛ですがダブルコートの為、抜け毛の多い犬種だといえます。換毛期には大量の抜け毛が発生するので、定期的なブラッシングは必須です。
ブラッシングは、抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚のマッサージの役目を果たし血行促進にも繋がります。愛犬とのスキンシップの時間ともなりますので、忘れずに行いましょう。
そして、ビーグルのケアとして重要なのは耳の手入れです。大きな特徴である垂れ耳は、耳の病気を招きやすい形状といえます。ビーグルに限ったことではありませんが、垂れ耳は蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい傾向にあります。耳の汚れは臭いの原因ともなります。
定期的な耳の掃除を行い、しっかりとケアをしてあげてください。耳の状態は頻繁にチェックしておきましょう。
ビーグルの病気
個体差はありますが、基本的に丈夫な体を持っているビーグルには、好発する病気というのはありません。
しかし、食に対する執着が強く、食欲旺盛だという特徴もある為、肥満には十分注意が必要です。
肥満は、ヘルニア・糖尿病・心臓病などの恐ろしい病気を招くリスクを高めます。特に、メスは貪欲で太りやすい傾向にあるといわれているので気を付けましょう。ビーグルにとっての適切な食事量と、運動量を保つことが最も大切です。
また、シニア期に入ると白内障の発症率があがります。視力の低下が感じ取れるようであれば、すぐに獣医さんに相談してください。
ビーグルの値段
どの犬種にもいえることですが、容姿・血統によって値段には大きな差がでます。
ビーグルの値段の相場は大体10万円~20万円前後ですが、やはり親犬が賞をとっていたり、チャンピオンだった場合には値段が跳ね上がります。
カラーによっても値段は変動し、最もポピュラーなトライカラーに比べると、レッド&ホワイトやレモンカラーの被毛を持つ個体の方が値段が高くなる傾向にあるようです。
もちろん、ブリーダーやペットショップによっても値段に差はありますが、30万円~40万円を超える子も沢山います。
まとめ
古くから狩猟犬として活躍してきたビーグルですが現代でもその優れた嗅覚と賢さから、麻薬探知犬・警察犬などとして活躍している犬種でもあります。
しかしながら、人間に対して愛情深く、甘えん坊な一面もあるのですから、やはりペットとしての溢れる魅力も感じますよね。
寂しがりで遊び好きな性格なので、家族の人数が多かったり、子供のいる家庭に向いている犬種かもしれせんね。
特徴や性格を理解して、しっかりとしつけを行いましょう!そうすればきっと、ビーグルとの楽しい毎日を送れるようになるはずです。
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