いつもの発作のはずが、そのまま旅立ちました
朝、発作を起こすことが多かったキャンディス。
その日の明け方も、バタ、バタという音で目が覚めました。
リビングに行くと、キャンディスに散瞳(さんどう、黒目がぐるぐると動くこと)が見られ、手足をばたつかせていました。
やけによだれが多いけれどいつもの発作だと思った私は、起きてきた息子に「キャンちゃんのオムツを取ってくれる?」と頼みました。
息子は
「うん、あとおしり拭きと、ふきとりフォームだよね」と答えて持ってきました。
いつもの日常でした。
「キャンちゃん、今、キレイにしてあげるからね」という私と息子の声を聞いていたはずのキャンディスからすーっと力が抜けていき、鼓動が止まっていくのを感じました。
そしてそのまま、キャンディスは息を吹き返すことはありませんでした。
わかっているはずだけれどやはり動揺します
ずっと長生きしてほしいというのはシニアドッグのペットオーナー様全員の願いと祈りだと思いますが、心のどこかで、覚悟はしているはずです。私もそうでした。
わかってはいたはずですし、私が幼少の頃から数えると、犬の死に際に立ち会うのは4回目です。直近では、2012年にフレンチ・ブルドッグのハナを亡くしています。それでも尋常ではなく動揺しました。
「目が開いているから生きている、キャンちゃんが死ぬはずない」と泣き叫ぶ小学2年生の息子をなだめる余裕もなく、起きてきた夫と息子、私で泣き崩れました。
まず遺体の安置で悩む
少し落ち着いた後、まず悩んだのが遺体をどこに安置しようかということでした。
取り急ぎ、キャンディスのオムツを換えました。体圧分散ベッドの上にトイレシートを敷き、その上にキャンディスを寝かせましたが、棺を用意しなければなりません。
フレンチ・ブルドッグのハナが旅立ったときは、たまたま家にあった段ボールを半分に切り、包装紙とシールでラッピングをして棺を手作りしました。下半分を少しだけ小さめに畳みかえて棺にし、上半分でフタを作るイメージです。
しかし、今回は段ボールをすべて古紙回収に出してしまっていました。
どうしよう?そのときに思い出したのが、車で行ける距離にあるホームセンターでした。そこのペット売り場ではペット用の棺なども扱っていて、「今はペットの棺までホームセンターで買える時代なのか」と驚いたことがあったのです。
ペット用の棺だけではなく、棺に収める造花なども売っていました。ペット用の棺は段ボールでできています。骨壺なども扱っていました。
早速、段ボールと造花を購入し、帰宅をしました。
遺体の下にはトイレシートを敷いたほうがいい
人も犬も死ぬと全身の筋肉が脱力し、たまっていた排せつ物などが外に出ます。帰宅すると、キャンディスもそのようなことになっていたので、オムツをしていてよかったと思いました。ふきとりフォームで全身をきれいにして、オムツを換えました。
ご遺体を安置するときには、オムツをした上でトイレシートを敷き、その上に寝かせることをおすすめします。
棺の組み立ては簡単でした。トイレシートを敷いてその上に遺体を安置し、造花を息子や、キャンディスをかわいがってくれた息子のお友達と棺に入れました。お友達が花束を供えてくれました。
昔買った晴れ着をキャンディスに着せてあげました。
どこで火葬するかで悩む
家族や息子の友達と手作りのお葬式を済ませた後、
「そうだ、火葬の手配をしなくては」
と気付きました。やはり動揺しているのですね。
以前、「ペットの終活」という記事でもご紹介したように、ワンちゃんの火葬や霊園については必ず事前に検討しておくべきだと思いました。
私は今回も、フレンチ・ブルドッグのハナがお世話になったお寺に火葬を頼むことにしました。
電話をして予約をし
・すでに段ボール製の棺に遺体を安置していること
・遺体に着物を着せていること
・棺に造花とペットシート、おくるみ代わりの手ぬぐいを入れていること
を伝え、そのままで大丈夫との返事をいただいたので、この状態で火葬の日までリビングに安置することにしました。
業者によっては、棺に遺体以外のものを入れてはいけないところもありますので、必ず
・市販の棺や段ボールに安置した状態で引き取っていただいて大丈夫か
・遺体に洋服を着せていても問題はないか
・遺体と一緒に愛犬が愛用していたグッズなども火葬していただくことはできるか
・遺体のほかに棺に造花などを入れているが、大丈夫か
について業者に伝え、指示を仰いだほうがいいでしょう。
今回、私はお骨あげを辞退し、お骨を取りに伺う方式にしましたが、立ち会った上でお骨あげができるプランもあります。
どのようにするかは火葬業者やペット霊園を選ぶときに決めておくといいでしょう。
キャンディスのお骨は帰ってきて、今は手もとにあります。
落ち着いたら、どこに埋葬するかをゆっくり考えたいと思っています。
キリスト教(プロテスタント)では、死を「帰天」といいます。神様のもとに帰ると考えるのですね。
天使として私たちのところにつかわされた愛犬は、今、役目を終えて神様のもとに帰って、先に戻ったお友達と一緒に遊んでいるのだと考えると、少し救われたような気持ちになります。
そして、一生懸命介護をしてきてよかったとも感じています。予期しないタイミングではあったけれど、後悔はありません。
これから、私にもペットロスが訪れるでしょう。
でも、愛犬が私たちにくれた思い出とともに、少しずつ前に進んでいきたいと思っています。
老犬介護の記事を読んでいただき、ありがとうございました。
皆様の愛犬ライフと介護生活が幸せに包まれたものでありますようにとお祈りしております。
– おすすめ記事 –
・【老犬介護】体圧分散ベッドを導入しました |
・【大型犬の介護】老犬のトイレと散歩のケアについて。知っておきたいポイント9つ! |
・【老犬介護】動物看護士にシニアドッグのお手入れを教わりました |
・【老犬介護】夏バテを高栄養食で乗り切りました!シリンジでの食事の与え方 |