利き手とは?
利き手とは、左右の手のいずれかで優先的に使う手、もしくは反射的に使う頻度の高い手のことをいいます。
◆利き手を判断する3つの動作
判断されやすい動作として、「食事の際に箸を持つ手」・「字を書く際にペンなどを持つ手」・「スポーツなどでボールを投げる手」の三つがあり、これが一般的に大きな判断材料だといわれています。
これら三つの動作を右手で全て行う場合は右利き、一つでも左手を使うならば左利き、またはクロスドミナンスとなります。
クロスドミナンスとは動作によって使う手を使い分けることで、元々左利きだったのを矯正した場合や、利き手を怪我したなどの理由から強制的に利き手ではない手を長期に渡って使い続けることでなります。
両利きということ?と思われがちですが、両利きであれば両方の手を利き手同様に使えなけらばならないので、微妙に違うそうです。
◆人の利き手は右利きが大多数
世の中の大多数が右利きの為、社会全体が右利き用にできていますよね。
例えば、改札、自動販売機のコインの入り口、はさみなどのように、右手で使いやすい仕様になっているものがほとんどです。
右利きの場合、左手を使う機会は極端に少ないといえるでしょう。
この為、右利きは日常生活で不便を感じることが少ない反面、左手を使わなければいけない状況で器用にこなせないという難点があります。
逆に左利きの場合、日常生活で不便を感じることは多いですが、右手を使う際には上手に使うことができるという利点があるのです。
これは左利きの人の大多数が、判断材料である三つの動作全てに、左手を優先的に使用していないことが理由となります。箸やペンの使用に関しては、親に利き手を強制されることが多いからです。
人間社会が始まって以来、右利き社会であり、左手を使うことが良くないという風習があった為に、箸を左手で持つのはマナー違反だという考えが定着していたことが原因といえます。
犬にも利き手がある!?海外で行われた研究
このように、人間社会では右利きの多さから右利き優位な態勢が整えられているわけですが、犬の場合はどうでしょうか?
犬にも利き手があるのか、だとしたら人間と同じように右利きが多いのか、気になる所ですよね。
脊椎動物・無脊椎動物の両方にみられるため、様々な分野での研究対象となっていますが、なぜこのような現象に発達したのかは大半が謎のままだそうです。
◆人間以外の動物にも利き手がある
体の片方の側を、もう一方の側より優先して使用することを、「利き」の他にラテラリティや側性化、一側優位性ともいいます。
このラテラリティは多くの動物において確認されているのです。
人間の多くは右利きですが、人間とよく似ている類人猿にも同様の傾向がみられます。なんとほとんどのチンパンジーは右利きだといわれているのです。しかし霊長類以外の動物には、このような傾向は特にないそうです。
犬や猫に関しても利き手に関する研究がいくつもされています。
トルコのアタチュルク大学で1991年に行われた猫の利き手に関する研究結果では、右利きが50%、左利きが10%、両利きは10%だったそうです。
人間は90%が右利きで10%が左利きとされており、更に左利きは男性に多いといわれますが、犬や猫の性別による違いは明確とはなっていません。
シドニー大学の研究によるオス犬は左利きであるという説や、オス猫は左足を多く使う傾向にあるとするウェルズ博士らの説がありますが、いずれも「オスは左利きである」と断言できるほどの結果は出ていないといういうことです。
犬の利き手に関する調査においては、2016年にイタリアの調査チームが、犬の利き手と空間認識の関係性を確認しています。
利き手による空間処理の優位性を調べたところ、右利きの犬は右の視野を優先的に、左利きの犬は左の視野を優先的に処理することが明らかになったそうです。両利きの犬は、視野の処理に優先順位がないとされています。
今回の調査で指摘された、利き手と視覚的情報処理の優位性が連動しているのだとすれば、犬に対してハンドシグナルを出す時に役立つ可能性があるといえるでしょう。犬の利き手を前もって知っておけば、どちらの視野に情報を送るのが早いのかが分かりますよね。様々な所で、役に立つヒントとなり得るかもしれません。
いずれにせよこの研究は、犬の視空間能力と運動的側性が連動している可能性を突き止め、人間以外の動物で初めてこの現象を確認した事実となったのです。
犬の利き手を調べる方法は?
犬にも利き手があるとすれば、我が家の愛犬も調べてみたい!という飼い主さんも多いですよね。
犬の利き手の調べ方を紹介しますので、是非チャレンジしてみてください。
今回紹介する調べ方は、カリフォルニア州の獣医学センターのシュワルツ博士が開発した利き手診断法です。
シュワルツ博士はこのテストを、数日に渡り100回実行することを推奨しているそうですが、ちょっとそれは難しいよ…と思った方もいると思います。しかし物は試し、是非チャレンジしてみてください!100回は無理でも遊びついでに数回試してみることで、正確でなくとも利き手の傾向はつかめる可能性があります。
シュワルツ博士によれば、ペットが脚などに痛みを感じている場合、利き手とは逆の脚を使うこともあるそうなので、頭に入れておいてくださいね。ちなみに猫の場合は、騙す為に両脚を使うこともあるそうです。
◆愛犬は右利き?左利き?犬の利き手の調べ方
– <調べ方①> –
中におやつを入れられる知育玩具(コングなど)を用意します。そして愛犬が初めに玩具に触れる足や、中のオヤツを取る為により器用に使う足がどちらかを確認します。
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– <調べ方②> –
愛犬の鼻に何かを貼り、それを取り除くために左右どちらの足を使うかを確認します。
– <調べ方③> –
愛犬の手が届かない場所(ソファの下など)にオヤツを置きます。そして、そのオヤツをどちらの足で取ろうとするのかを確認します。
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– <調べ方④> –
「お手」のコマンドを出します。愛犬が「お手」をする時にどちらの足を先に出すのか、また頻繁に使う足はどちらなのかを確認します。
– <調べ方⑤> –
愛犬が片手で動かせるレベルの障害物を用意します。そしてその下にオヤツを隠します。愛犬が障害物を動かす為にどちらの足を使うかを確認します。
– <調べ方⑥> –
ドアをノックしたり、ケージなどをカリカリして開けようとするのはどちらの足かを確認します。
以上の6項目が犬の利き手を調べる方法となります。
ちなみに猫の場合は、ぶら下がりオモチャを叩くのにどちらの足を使うか?という項目も含みます。
毎日連続して欠かさずにチェックするのは難しいかもしれませんが、調べ方自体は簡単なものですよね。
愛犬との毎日の遊びの中でできることがほとんどなので、是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
愛犬の利き手を調べてみました
紹介したシュワルツ博士の利き手の調べ方で、我が家の愛犬も利き手診断にチャレンジしみました。
我が家には4頭のキャバリアがいますが、それぞれの調査結果は以下の通りになりました!
<犬種:キャバリア・キングチャールズ・スパニエル>
◎DATE:A(9歳/♀/ブレンハイム) ⇒ 若干両利きの気もするが多分左利き
◎DATE:B(8歳/♀/ルビー) ⇒ かなり確実な左利き
◎DATE:C(5歳/♀/トライカラー) ⇒ 約7割の確率で右利き
◎DATE:D(3歳/♂/ルビー) ⇒ かなり確実な左利き
短い期間での調査となったので、信憑性は薄いかもしれませんが…しかし確かに利き手の傾向は分かりました。
我が家ではスヌードが苦手な子が多いので、スヌードをつけて取ろうとした足をチェックするという方法でも試してみましたよ!
ちなみにその結果は、シュワルツ博士の診断項目「何かを鼻に貼る」という実験結果とほとんど同様のものでした。
正直なところ調べる前は、もっと確実に、簡単に判断がつくだろうと考えていました。
しかし実際にやってみると、繰り返すたびに違う結果となったり、確実だ!と思っていたことが覆ったりと、結果を出すのに迷うこととなりました。
確実な調べ方としては、やはり100回程繰り返すことが、正確な診断を下すには必要だと思います。
これまでの生活でなんとなくこの子は右利きかな?この子は左利きかな?と考えてはいたのですが、それとは別の診断結果となったり、コマンドによって出す足が違う子がいたりと、診断中は愛犬と共に楽しい時間を過ごせた気がします。更に、愛犬に対する新たな発見ができたようで、個人的には嬉しかったです。
引き続き、日常生活で愛犬の様子をみながら、診断結果で出た右利き・左利きがあっているのかを観察していきたいと思います。
利き手診断は楽しみながら行えるので、愛犬とのコミュニケーション作りとしてもお勧めです。
我が家の愛犬は右利きなのか?それとも左利きなのか?気になった飼い主さんは、是非一度、試してみてくださいね!
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