全4回で紹介する本記事。今回は第3回目「あなたがリーダーですが、好きではありません」という犬のしぐさについて紹介します。
あなたは愛犬に好かれている?頼られている? 「あなたが大好き!」「頼っています!」というワンちゃんのしぐさとは?1話
あなたは愛犬に好かれている?頼られている? 誤解されがちなワンちゃんのしぐさとは?2話
「あなたがリーダーですが、好きではありません」という犬のしぐさ
熱心なあまり、愛犬がちょっとでも意に沿わない行動を取ると怒鳴ったり、大きな音を立てたりしてしつけていると、愛犬は「ペットオーナーさまに怒られない」ように行動するようになります。犬の行動原理は愛情だけではなく、「損得関係」にも裏付けられているからです。ワンちゃんは「自分にとって損だから怒られる行動はせず、ご飯をもらえたりして得だからこの人のそばにいよう」と考えています。これでは、相互に信頼関係が成り立っているとはいえません。しつけはいったんお休みして、一緒に遊ぶ時間を増やすなどして、「いいことをしたら誉めまくる」ことだけを念頭に、犬との信頼関係と愛情を築くことを心がけてください。
前述したとおり、ペットオーナー様と視線を合わさず、そっぽを向いて尻尾を足の間に巻き込んでいるときは、「あなたがリーダーだけど、好きではありません」という気持ちを表します。
なにか粗相をして怒られるのではないか、と常に緊張しています。「大丈夫だよ」などと声をかけながらやさしくさすり、リラックスさせてあげてください。このとき、おとなしいからといって、爪切りなど犬が嫌がるようなことをしてはいけません。ワンちゃんが喜ぶことだけをしてあげてください。
「あまり行きたくないけど、呼ばれたのに行かないと怒られるからしかたがない」という気持ちの表れです。体調が悪いのかもしれませんし、呼ばれたから行ったのにいきなり怒られた、という経験があるのかもしれません。いずれにしても、あまりいい状態ではありません。体調が悪そうなら動物病院に相談をしてください。また、ワンちゃんを呼び寄せてしかるのは、犬との信頼関係を破壊するので、どんなときでも絶対にしてはいけません。
なお、カーブやジグザグを描きながらこちらに来た場合は、また別の意味があります。ペット・ドッグ・トレーナーズ・オブ・ヨーロッパの創設メンバーで代表者でもあるノルウェーのテゥーリッド・ルーガス女史は、犬のボディランゲージに対して「Calming signal(カーミング・シグナル=落ち着かせる信号)」という分類をしています。それによると、カーブやジグザグを描きながら相手に近づくワンちゃんの行為は、「攻撃の意思がない」ことを示すといいます。
リーダーだと認識しているけど、あなたのことを好きじゃないワンちゃんのしぐさを紹介しました。思い当たる節はありませんでしたか? 今回の記事で「そういえば…」と思い当たる方は、ぜひワンちゃんとの関係を見直すことをお勧めします。遅すぎることはない。そう思って改善に励んでくださいね!
次回、第4回目は、いよいよ最終回。「好きだけど、リーダーはわたし!」「好きでもないし、リーダーはわたし!」と思っている犬のしぐさについて紹介します。お楽しみに!
第1回 「あなたが大好き!」「頼っています!」というワンちゃんのしぐさとは?
第2回 誤解されがちなワンちゃんのしぐさとは?
【最終回】 「好きだけど、リーダーはわたし!」「好きでもないし、リーダーはわたし!」と思っている犬のしぐさ
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