フラットコーテッドレトリバーの特徴は?
フラットコーテッドレトリバーは、日本でも人気の高い大型犬です。
レトリバー種の中でも細身の体格を持ち、陽気な性格が特徴のフラットコーテッドレトリバーについて詳しくご紹介します。
◆フラットコーテッドレトリバーの体格
フラットコーテッドレトリバーは、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーといった代表的なレトリバー種に比べて、細身でスタイリッシュなボディが特徴です。筋肉に富んだ後肢を持ち、腰の筋肉も発達しています。尾は短く、やや垂れています。
耳は垂れ耳で、目はアーモンドアイ(アーモンド形の目)、鼻は大きく、長い鼻先(マズル)を持つ点が特徴です。
◆フラットコーテッドレトリバーの身体の大きさ
フラットコーテッドレトリバーのオスは、体高59~61.5cm、体重27~36kgが望ましいとされています。
フラットコーテッドレトリバーのメスは、体高56.5~59センチ、体重25~32kgが望ましいとされています。
◆フラットコーテッドレトリバーの毛色
フラットコーテッドレトリバーの被毛の色は、ブラックかレバーの二色のみが犬種標準(スタンダード)として認められています。
日本ではブラックの個体が多く、レバーは希少であるため、値段もやや高額になりがちです。
◆フラットコーテッドレトリバーの毛質
その名の通り、フラットコーテッドレトリバーは直毛の毛が特徴的な犬種です。
長毛と短毛の中間の長さの被毛を持ち、直毛で寝た状態が理想です。被毛は光沢があり、艶やかな特徴を持ちます。
◆フラットコーテッドレトリバーの愛称
フラットコーテッドレトリバーは、名前の最初の「フラット(Flat)」から、「フラッティ(Flattie)」という愛称で呼ばれています。
愛好家や、犬雑誌などではフラッティと表記されていることも多いため、覚えておくと便利です。
ただし、このフラッティという愛称は主に日本で使われているため、海外では通用しないことが多い点は注意が必要です。
フラットコーテッドレトリバーの歴史は?
フラットコーテッドレトリバーは、イギリスが原産の犬種です。
◆1915年に登録となった比較的新しい犬種
19世紀に、カナダのニューファンドランド島セントジョンズ原産のレトリバー種である「セント・ジョンズ・ウォーター・ドッグ」とセター種の犬種を掛け合わせて作られた犬がはじまりだといわれています。
当初は、セター種の波打つ被毛を持っていたため、「ウェービー・コーテッド・レトリバー」と呼ばれていました。
その後、1900年頃にかけて、より平滑で体に沿う被毛や身軽さを求めて改良が進められ、直毛のフラットコーテッドレトリバーが誕生しました。
1915年にAKC(アメリカンケネルクラブ)の登録犬種となった、比較的新しい犬種です。
◆ガン・ドッグとして活躍
フラットコーテッドレトリバーは、銃を使った猟に使役する犬である「ガン・ドッグ」としての特徴を持ちます。
猟の際には、他のレトリバー種同様に水中の鳥類の運搬だけではなく、陸上における獲物の回収にも使役されていました。
現在も、水中に落ちた獲物を回収に行く役割を担っていた事から、泳ぐことが得意です。また、セター犬種の血筋から、嗅覚にも優れているという特徴を持ちます。
運動量の多さと、嗅覚の良さは、まさに猟犬のパートナーにぴったりの資質です。
フラットコーテッドレトリバーの性格は?
フラットコーテッドレトリバーは、陽気で友好的、やんちゃで好奇心旺盛な性格をしています。
他の犬種や人間に対しても友好的であるため、とても飼育しやすい犬種です。無駄吠えが少なく、しつけも入りやすい性格です。
フラットコーテッドレトリバーの値段は?
フラットコーテッドレトリバーの値段は、血統やブリーダー、ペットショップなどによって変わります。
ペットショップに流通するフラットコーテッドレトリバーの一般相場は、およそ15~20万円ほどです。
ブラックの被毛の個体よりも、レバーの方が日本では希少のため、やや高額になります。
最近では多種多様な犬種を取り扱うペットショップが増えましたが、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーに比べると、フラットコーテッドレトリバーの流通量はさほど多くありませんので、あまり店頭では見かけません。大きなペットショップに問い合わせてみるとよいでしょう。
フラットコーテッドレトリバーの飼い方は?
フラットコーテッドレトリバーの飼い方について、詳しく確認してみましょう。
◆子犬期のしつけが大切
フラットコーテッドレトリバーはとても賢く、人間に友好的に従う犬種です。
しかし、陽気な性格の要素が強く、身体の大きさもあるため、しっかりとしつけを入れていない場合は扱いに困る方が多いようです。
そのため、子犬期のしつけが重要になってきます。
フラットコーテッドレトリバーは、3歳頃まで子犬気質が抜けず、とてもやんちゃな性格が見られるという特徴があります。
しつけに苦労することもありますが、犬種自体はしつけの入りやすい賢い犬種ですので、根気強く教えていきましょう。
特に散歩のときのしつけや興奮した時の対処法などから、飼い主をリーダーと認識し従わせる「リーダートレーニング」と、気持ちを落ち着かせるための「クレートトレーニング」がおすすめです。
◆たくさん運動させてあげよう
フラットコーテッドレトリバーは、狩猟に使役した犬であることから運動量が多い特徴を持ちます。
また、やんちゃな一面があり、はしゃぎやすく、力の弱い女性や子供では扱いに困る場面も多々みられます。
日々の散歩はもちろん、ドッグランやドッグプールで運動させたり、フリスビーを使ったアジリティに挑戦したりと、たくさん運動させるようにしましょう。
フラットコーテッドレトリバーのお手入れ
フラットコーテッドレトリバーを飼うにあたり、悩みとなるのが抜け毛の多さです。
ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーほど多くないとは言われていますが、上毛と下毛の二層構造になっているダブルコートを持っているため抜け毛が多く、また、もつれや毛玉、絡まりも多いので、皮膚炎などのトラブルをよく起こします。
そのため、定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、皮膚のチェックをするケアが必要です。
ブラッシング頻度の理想は毎日ですが、難しい場合では週1回~2回ほどでも効果があります。
フラットコーテッドレトリバーのブラッシングは、用途に応じて使い分けることをおすすめします。
適切なブラシを使わないと、切れ毛や皮膚トラブルの原因になりますので、しっかりと用意して対応してください。
★スリッカーブラシ
毛のもつれや、すでに毛玉が出来てしまっている場合に利用します。
スリッカーブラシは、ダブルコートのアンダーコート(下毛)に使いましょう。
もつれ部分を持ち上げて、左手に乗せ、右手で細かく上下にブラッシングしてもつれを除去します。
手首のスナップを効かせて、力任せにやらない点がポイントです。
★ピンブラシ
長毛種のブラッシングに用いられるピンブラシは、被毛のもつれ除去だけではなく、皮膚のマッサージをして血流を良くする効果や、フケやホコリを除去する効果もあります。
もつれが酷い場合や、毛玉がある場合には、スリッカーブラシの後に使うと良いですね。
★コーム
金属製のコームは、フラットコーテッドレトリバーのブラッシングの仕上げに使用します。
細い目を使い、毛玉やもつれがしっかりほどけているかを確認するために、身体をなぞる様に使用します。
プードルなど立体的なカットをする犬種の場合は、毛を立ちあげるために使用することもありますが、フラットコーテッドレトリバーの場合は、仕上げチェックにしか使用しません。
そのため、コームで被毛を引っ張る、無理やり梳かそうとする、などの使い方はしない様にしましょう。
フラットコーテッドレトリバーの気をつけたい病気は?
フラットコーテッドレトリバーに多い病気についてご紹介します。
◆股関節形成不全
フラットコーテッドレトリバーに限らず、大型犬の遺伝疾病でもあるのが股関節形成不全です。
生まれつき脱臼した状態など、股関節の形成が不全の状態で産まれ育っていくため、二次障害として関節炎などを併発する恐れがあります。
足取りが重い、マリリン・モンローの様に腰を振って歩くモンロー・ウォークをする、段差を登らない、などの症状で気付くことが多いです。重度の場合は、手術という選択肢もあります。
関節は不全状態を完全な状態にすることは、手術であっても出来ません。そのため、状態を緩和し、上手に病気と付き合って生きていくことが必要になります。
体重を増やさない、運動量を考慮する、関節に良いサプリや食餌、鎮痛消炎剤などの内服薬を飲むなど、個体にあった方法で維持していくことが一般的です。
◆胃捻転、腸捻転
胃や腸が捻じれた状態に陥る胃捻転や腸捻転も、大型犬に多い病気です。
胃捻転は、捻じれた胃の中で食べた物が発酵しガスを発生させてしまう病気で、最悪の場合臓器の壊死や死に至る事もあります。
フラットコーテッドレトリバーは陽気な性格をしているやんちゃな犬種のため、食後にはしゃいで胃捻転になるということもあります。
一度の食事量を多くしない、早食いにならないように気を受ける、食後すぐに激しい運動をしない、など生活の中でケアをしていく必要があります。
◆皮膚炎
フラットコーテッドレトリバーは、ダブルコートと呼ばれる上毛と下毛の二層構造の被毛を持ちます。皮膚が常に隠れた状態になっている上に、密な下毛が生えているため皮膚トラブルが多い犬種です。
アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、食事アレルギーなどの皮膚疾患以外にも、ノミ・ダニ由来の皮膚病も多いです。
皮膚炎を防ぐには、毎日ブラッシングケアを行い、皮膚や被毛を清潔に、健康に保つことが大切です。
◆外耳炎
フラットコーテッドレトリバーは垂れ耳の犬種です。そのため、通気の悪い耳の中のトラブルも多い病気の一つです。
特に外耳炎は多く、コットンなどで拭いてみると真っ黒な耳垢をしていて気付く場合も多いです。
外耳炎の原因は多種あり、耳ダニやアレルギー性、カビなど検査しないと解らないものもあります。
耳のケアは毎日する必要は無いですが、2~3週間に一度のシャンプーの際に一緒にケアしてあげると良いですね。
トラブルが起きていない耳のケアは、コットンにイヤーローションを塗布し手の届く範囲を拭いてあげる程度で良いです。
綿棒や器具を使うと、耳を逆に傷つけてしまい、そこから耳トラブルに発展することもあるため控えましょう。
活動的で陽気な性格のフラットコーテッドレトリバーと、楽しい週末を送りましょう!
活動的で運動量が多く、陽気な性格のフラットコーテッドレトリバーは、アウトドアが好きな家庭に向いています。
フリスビーを使ったアジリティなども上手にこなすため、休日に家族でワイワイ過ごすことが出来ますね。
フラットコーテッドレトリバーの活動的なスタイルと、愛らしい性格は、家族の中心になることでしょう。
フラットコーテッドレトリバーを迎えて、楽しい週末を送りましょう!
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