犬も猫も室内飼いが基本となりつつある現代は、犬や猫が飼い主を伴わずに街中を歩いていることは滅多にありませんから、とても目につきやすいものではあります。
しかし、保護できるかどうかはまた別の問題です。運よく近所で保護されていたり、愛護センターで再会できれば御の字、そうでなければ、飼い主たちはただひたすらに捜索し、奇跡が起こるのを祈るしかありません。
アメリカ・バーモント州に暮らす女性、bobisacatさんは、その奇跡を待つ側ではなく、起こす側にいました。
11時間の長時間勤務を終えた後、車で帰宅する途中だった彼女は、道路わきの線路をうろうろする小さな犬を見つけたのです。
彼女は運転していた車を道路わきに止め、しばらく様子をみていましたが、犬はただ遊んでいるのではなく、混乱し、怯えていると感じました。
声をかけても反応せず、あてどなくさまよい、うろうろした末に溝に落ちてしまった犬は、上がることもできません。
これは大変なことだと感じた彼女は、ただでさえ疲労困憊していた仕事明けにもかかわらず、迷うことなく犬を助けることを決めました。
SNSに犬の画像をアップして助けを求め、道行く車を止めてその犬のことを知らないか尋ね、そうしながらも犬を捕獲すべくあらゆる手を尽くしました。
怯えた犬を保護するのは並大抵のことではありませんが、この犬にとっては何よりも幸運だったのは、bobisacatさんは長い間動物保護シェルターに勤めていた経験があり、スキルや知識も豊富なその道のベテランだったことでした。
そして、捕獲開始から45分で犬に触れることができたのは、彼女の豊かな経験があってこそできたことでしょう。驚いたことに、怯えていたはずの犬は、そっと傍に座った彼女が手を触れた途端、腕の中に自ら飛び込んできました。
犬はだいぶ年老いたオスのチワワで、視覚も聴覚も失っており、迷子札も見当たりません。しかし、ハーネスを付けていたということは、必ず飼い主がいるはずです。
彼女はその通る車はもちろんのこと、近辺の家を片端から訪ねては、犬の飼い主を知らないかと聞いて回った末、ついに彼女はチワワの飼い主を見つけることができたのです。
飼い主は、90歳の老人でした。チワワはペトリと言う名で、開いたドアからふらりと出て行ったまま4時間も帰らず、もう二度と会えないのではと悲しんでいたところでした。年齢は13歳ということですから、もう長い時間を老人と共に過ごしてきた相棒だったのでしょう。
鋭敏な感覚を持つ犬でも、年を取れば視力を失い、聴覚や嗅覚も衰えます。高齢のペトリが老人と再会できたのは、出会いと、何を置いても助けなければ!という直感に従った彼女の決断のもたらした奇跡でした。
画像共有サイトimgrにこの経験をアップした彼女は、自らの直感を信じ、貫くことができたこの経験が、自分にとっても特別なものとなったと語っています。
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