1.犬は魚を食べてもいいの?体に良い成分は?
1-1.タンパク質
1-2.カルシウム
1-3.タウリン
1-4.DHA(ドコサヘキサエン酸)
1-5.EPA(エイコサペンタエン酸)
2.犬と魚のアレルギーの関係について
2-1.魚の「ヒスタミン」がアレルギーの原因に
2-2.魚はアレルギー食にもなる?
2-3.アレルギー食の定番「キャットフィッシュ」って?
3.犬に魚を与えるときの注意点は?
3-1.骨を取る
3-2.加熱する
3-3.味付けをしない
3-4.適度な大きさにする
3-5.食べ過ぎない
3-6.いか、たこ、貝類は与えない
4.犬に生魚はあたえてもいい?
4-1.寄生虫予防のため
4-2.チアミナーゼ(酵素)防止のため
5.魚を簡単に摂取できるおすすめ方法は?
5-1.ふりかけにする
【掲載:2017.08.06 更新:2021.06.29】
犬は魚を食べてもいいの?体に良い成分は?
海に囲まれた島国である日本にとって欠かせない食材が「魚」です。魚を原材料としたドッグフードも多く、犬が食べても良い食材の一つです。
魚に含まれる、犬の体に良い成分には、どんなものがあるのか確認してみましょう。
◆タンパク質
魚には良質なタンパク質が豊富に含まれています。その大半が、タンパク質と必須アミノ酸のバランスを表したアミノ酸スコアで100という数値を示すほど良質のタンパク質です。
魚に含まれているタンパク質は、他の食材に比べて消化しやすいため、老犬や幼犬にも安心して与えることができます。
◆カルシウム
カルシウムは骨や歯を形成させる栄養素です。魚にはカルシウムが豊富に含まれていて、犬の骨の強化や骨粗しょう症防止などに効果があります。
煮干しなど、内臓ごと食べることのできるものの場合には、内臓に含まれているビタミンDなどの栄養素も犬に摂取することができます。
◆タウリン
タウリンはアミノ酸の一種で、体を健康に保つ活動(ホメオスタシス作用)をする栄養素です。
タウリンは外気の寒さや暑さに影響されずに、犬の体内温度や血圧を一定に保つなどの維持をします。身体のバランスを保つ効果や中性脂肪の減少などの効果もあるため、犬にも積極的に摂取したい栄養素といえます。
◆DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)は必須脂肪酸の一つで、体内で生成することができないため、食材で摂取が推奨されている栄養素です。
DHAは脳や神経系に含まれている栄養素で、それらの発達に効果があるとされています。犬の脳の動きを活発にし、痴呆防止効果もあるため、特に老犬に役立つ栄養素です。
DHAは魚の油に多く含まれているため、マグロやサバなどの脂ののった種類の方がより豊富です。
◆EPA(エイコサペンタエン酸)
EPAは血液の状態をサラサラにして、血栓予防や高脂血症の予防をする働きがあります。血液を詰まらせない効果があるため、犬の動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防効果もあります。
犬と魚のアレルギーの関係について
◆魚の「ヒスタミン」がアレルギーの原因に
魚には「ヒスチジン」という必須アミノ酸の一つが含まれています。ヒスチジンの適量摂取は、関節炎の予防や脂肪燃焼効果(ダイエット効果)など、様々な効果がもたらされます。
しかしながら、ヒスチジンは体内でアレルギーの原因となる「ヒスタミン」に変化することがあります。ヒスタミンによるアレルギー反応には、痒みや蕁麻疹などがあります。
◆魚はアレルギー食にもなる?
魚によるアレルギーがある反面、魚が犬の「アレルギー食」になることもあります。
魚をアレルギー食とするのは、鶏肉、牛肉などの肉類や米や小麦などの穀類に対するアレルギーを持つ犬です。
食物アレルギーの場合、原料を今まで食べていない食材に変える方法が一般的です。そのため、アレルギー食としてフィッシュ味のフードが定番となっています。
◆アレルギー食の定番「キャットフィッシュ」って?
キャットフィッシュを猫用の魚だと勘違いする方がとても多いですが、これは間違いです。Catfish(キャットフィッシュ)とは、ナマズのことを指します。
ナマズは白身魚の一つで、アレルギー治療に用いられる「今まで食べた事が無い食材」に当たりやすいため、犬のアレルギー食の定番として用いられています。
ナマズは、高タンパク、低脂肪、低カロリー、低コレステロールで、コラーゲンを豊富に含み、消化も良い万能食材の一つです。
犬に魚を与えるときの注意点は?
犬に魚を与えるときの注意点には、どんなものがあるのでしょうか。確認して見ましょう。
◆骨を取る
魚の骨は硬く、折れた際に鋭角に尖ってしまうことから、犬の喉や食道に刺さりやすい面があります。
そのため、大きな魚を丸ごと与えることは避けましょう。必ず、身をほぐし、骨を除去してから食べさせることがおすすめです。
◆加熱する
魚にはアニサキスやクドア・セプテンプンクタータといった寄生虫が寄生していることがあります。
寄生虫に寄生された魚を食べてしまうと、犬は腹痛、嘔吐、下痢、腹膜炎などを起こします。
寄生虫予防には、中心部までの十分な加熱が有効です。犬に魚を与える際には、茹でる、焼くなどの加熱処理をするようにしましょう。
◆味付けをしない
人間が食べて美味しいと感じる味は、犬にとっては濃すぎる味です。塩分の過剰摂取は高血圧などの病気にも繋がるため、気を付けたいポイントです。
犬に食べさせるためには、塩分を控え、味付け無しの素材本来の味で構いません。同様に、塩分過多のため干物などを与えることも避けましょう。
どうしても味付けがしたい場合には、極少量の調味料を使うと良いでしょう。
◆適度な大きさにする
大きい切り身の状態で魚を与えると、犬はガツガツと一気に食べてしまい、喉に詰まらせてしまう可能性があります。
必ずほぐしたり、小さく切り分けるなどしてから食べさせるようにしましょう。
また、身を小さくすることで骨を取り除きやすいというメリットもあります。
◆食べ過ぎない
魚を食べ過ぎると、DHAやEPAなどの多価不飽和脂肪酸の過剰摂取となり、ビタミンEの欠乏で生じる黄色脂肪症となってしまいます。
黄色脂肪症とは、お腹や胸部の皮下脂肪が酸化変形して、炎症を起こす病気です。炎症による痛みや、しこりなどが症状として見られます。
犬に魚を与える際には、与えすぎないように注意しましょう。
◆いか、たこ、貝類は与えない
いかやたこ、貝類などは、身が固く犬にとっては食べづらい食材です。消化が悪いため、犬が下痢や嘔吐を起こす可能性もあります。
そのため、犬には食べさせない方が良いといえます。
犬に生魚はあたえてもいい?
犬に生魚を与えることは、あまり推奨されていません。それは何故なのでしょうか。
◆寄生虫予防のため
先程ご紹介した通り、生の魚にはアニサキスやクドア・セプテンプンクタータといった寄生虫が寄生していることがあります。寄生虫に寄生されたものを食べてしまうと、犬は腹痛、嘔吐、下痢、腹膜炎などを起こします。
魚に寄生する寄生虫は、2~3センチの糸状だったり、胞子状だったりするため、目視で確認することは困難です。
寄生虫予防には、中心部までの十分な加熱が有効であるため、犬に与える際には、茹でる、焼くなどの加熱処理をするようにしましょう。
◆チアミナーゼ(酵素)防止のため
生の魚には、チアミンを2つの分子に代謝する「チアミナーゼ」という酵素が含まれています。
チアミナーゼを摂取し続けると、ビタミンB1欠乏症(チアミン欠乏症)に陥ります。犬のビタミンB1欠乏症(チアミン欠乏症)は、ふらつきや麻痺、瞳孔の散大、運動失調、痴呆、昏睡などの神経症状が多く見られます。
チアミナーゼは加熱することで効果が無くなる酵素のため、犬に与える際には必ず加熱して与えるようにしましょう。
魚を簡単に摂取できるおすすめ方法は?
魚を買ってきて、加熱して、骨を取りほぐす…という作業が面倒な方も少なくないでしょう。いつもの食事のまま、犬に簡単に魚の栄養素を摂取させることができるおすすめの方法をご紹介します。
◆ふりかけにする
魚を普段の市販フードのふりかけとして利用する方法がおすすめです。魚の栄養素の摂取はもちろん、フードの嗜好性も増します。
手軽にふりかけに使える食材は、かつおぶし、サクラエビ、煮干し、とろろ昆布などです。細かく刻むか、フードプロセッサーなどで粉状に粉砕するようにしましょう。
魚の栄養素入りの犬用おやつ
魚の栄養素入りのおやつを取り入れると、手軽に栄養素を摂取することができます。おすすめの犬用おやつをご紹介します。
◆ペットにぼし
日本近海で獲れたいわしを使用しました。
◆国産たら 100g
国産のたらを使用したおやつです。
国産のたらのみを使用したおやつ!なんと、ワンちゃんだけでなく、ネコちゃんも食べられるというおやつになっています。
魚は栄養満点食材!与え方に注意して、積極的に取り入れましょう。
この記事では、犬に魚を与えることによって得られる栄養や注意点などについてご紹介しました。
魚はタンパク質、カルシウム、タウリン、DHA、EPAなど、犬にとって良い成分が豊富に含まれた食材です。骨が刺さらないよう、取り除く、寄生虫予防やビタミンB1欠乏症予防のために加熱する、食べ過ぎない、などの注意を守って摂取することが大切です。
与え方をしっかり再確認して、犬の食事に積極的に取り入れましょう。
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